ドミノ倒しのようにさまざまな問題が連鎖し、世界的な「コロナ大恐慌」になる可能性は高まっている。(1)

  『コロナ後に生き残る会社 食える仕事 稼げる働き方』 遠藤功       東洋経済新報社  2020/7/10 <コロナ後の最強の処方箋が1冊でわかる!> <「コロナ・ショック」を「コロナ・チャンス」に変える> <「まさかこんなことに………」という時代を生きる> ・近年、大企業の経営者たちから、「VUCA」という言葉がさかんに聞かれるようになった。{VUCA}とは「Volatility」(不安定性)、「Uncertainty」(不確実性)、「Complexity」(複雑性)、{Ambiguity}(曖昧模糊)という4つの単語の頭文字からとった略語であり、「先がまったく読めない不安定、不透明な環境」を言い表している。  私たちは「VUCA」という新たな混迷する環境を頭で理解し、備えていたつもりだった。  しかし私たちの認識は、とんでもなく甘かったと認めざるをえない。   ・中国に端を発する新型コロナウイルスは、わずか半年ほどで世界を震撼させ、経済活動や社会活動をいっきに停滞させ、世界中の人々の生活をどん底に陥れようとしている。  「つながる」ことや「ひとつになる」ことの恩恵ばかりを享受していた私たちは、その裏で広がっていた「感染」というリスクの怖さを、日々身をもって体験している。 <世界的な「コロナ大恐慌」の可能性は高まっている――インパクトはとてつもなく大きく、長くなる> ・世界の累計感染者数は2020年7月5日現在、1120万人を超えた。6月28日に1000万人を突破してから、わずか7日で120万人も増加し、その勢いは加速している。累計の死者数も53万人を突破した。 ・たとえ今回のコロナが収束しても、シベリアの永久凍土が溶け出し、新たな感染症が懸念されるなど、ウイルスによるリスクは間違いなく高まっている。  パンデミック(感染爆発)のインパクトはとてつもなく大きく、長くなることを私たちは覚悟しなければならない。  経済の低迷は、企業の倒産、失業者の急増、自殺者の増大、食糧問題の深刻化など社会不安を高め、世界は混迷を深めている。 ・ドミノ倒しのようにさまざまな問題が連鎖し、世界的な「コロナ大恐慌」になる可能性は高まっている。 <「緩慢なる衰退」から脱却する千載一遇のチャンスでもある――コロナ後に確実に起きる変化は、ある程度読み解ける> ・現時点で、コロナ後の世界がどうなっていくのかの全貌を予測するのは時期尚早だ。それほど、コロナのインパクトは広範囲に及び、複雑で、根深い。しかし、コロナ後に確実に起きる変化を、ある程度読み解くことはできる。  その変化を先取りし、先手先手を打たなければ、私たちはコロナの大渦に呑み込まれてしまうだろう。  世界経済は大きく縮む。  当面はコロナ前と比較して「30%エコノミー」「50%エコノミー」を想定せざるをえない。その先においても、「70%エコノミー」が妥当な予測だろう。  それぞれの会社は、まずは「縮んだ経済」に合わせて、身を縮めるしかない。生き残るためには、痛みを伴う施策を断行せざるをえない会社も出てくるだろう。 ・むしろ、平成の「失われた30年」という「緩慢なる衰退」から脱却し、力強い再生へとシフトする千載一遇のチャンスである。 <「プロの時代」「レスの時代」の幕開けになる> ・コロナ・ショックは、ビジネス社会における「プロの時代」の幕開けになる。滅私奉公的なサラリーマンは淘汰され、高度専門性と市場性を兼ね備えた「プロ」が活躍する時代へと突入する。   競争は激しくなるが、「個」の活性化なしに、この国の再生はありえない。そして、働き方においては「レスの時代」の幕開けとなるだろう。  「ペーパーレス」「ハンコレス」にとどまらず、「通勤レス」「出張レス」「残業レス」「対面レス」、さらには「転勤レス」といった新たな働き方がこれから広がっていく。   ・コロナという「目に見えない黒船」は、この国を再生させる大きなきっかけになりえる。私たちは「コロナ・ショック」を、自らの手で「コロナ・チャンス」へと変えなければならない。 <コロナがもたらす「本質的変化」とは何か> <「移動蒸発→需要蒸発→雇用蒸発」というコロナ・ショックのインパクトを理解する> ◆1000兆円の所得が消える ◆ポストコロナの「機関車」(牽引役)が見えない ◆「移動蒸発」が発端に ◆「移動蒸発」が「需要蒸発」を引き起こす ◆「需要蒸発」がもたらす、深刻な「雇用蒸発」の衝撃――米国では、すでに5人に1人が職を失った <「弱肉強食の時代」に突入する> ◆「70%エコノミー」を前提に経営をする ◆多くの企業は、身の丈を縮めざるをえない ◆「コロナ特需」は限定的で、「蒸発した巨大な需要」 ◆「生命力」のある国、会社しか生き残れない ◆「真面目な茹でガエル」は死滅する <「低成長×不安定」の時代に、生き残る覚悟を> ◆「経済成長率」と「環境安定性」という二軸で現在を捉える ◆昭和=戦後続いた「高成長×安定」の時代 ◆平成=バブル崩壊によって「低成長×崩れゆく安定」の時代に ◆令和=コロナでいっきに「低成長×不安的」局面へ ◆危機的な異常事態は「新たな様式」を生み出す ◆「出口のないトンネル」から脱出する <コロナ後に、日本企業は何を、どう変えるべきなのか> <日本企業が再生のためにとるべき戦略> ◆いま必要な4つの経営戦略――「SPGH戦略」 ①サバイバル戦略(Survival) ②生産性戦略(Productivity) ③成長戦略(Growth) ④人材戦略(Human Resource) <ポストコロナのサバイバル戦略> <ダメージを最小化するため、まずはしっかりと「守りを固める」> 方策❶ 人員の適正化(ダウンサイジング)を断行する ◆「本社で働く3割はいらない」 ◆「船の大きさ」に定員を合わせる 方策❷ コストの「変動費化」を進める ◆「身軽」にするのが最大のリスクヘッジ ◆コア業務以外は、外に切り出す 方策❸ 目先のビジネスチャンスをものにし、「しっかり稼ぐ」 ◆「顧客の変化」を見逃さない ◆まずは国内市場に目を向け、「内需開拓」で生き残る <ポストコロナの生産性戦略> ◆会社は「不要不急」なものだらけだったことが露呈した――止まったからこそ、いろいろなものが見えてきた ◆コロナによって「必要な人」と「不要な人」が顕在化した ポイント❶ オンライン化、リモートワークを「デフォルト」にする ◆私たちは「新たな選択肢」を手に入れた ◆日立やNTTは、リモートワークを今後も継続 ◆オンライン化やリモートワークを、「補助」ではなく「主」と位置づける ◆デジタル化は、オンライン化やリモートワークの前提条件 ポイント❷ 業務の棚卸しをしっかり行う ◆何を「廃止」するのかをまず決める ◆「不要な業務の廃止」+「リモートワーク」で、生産性を倍増させる ポイント❸ 生産性と「幸せ」を両立する「スマートワーク」を実現する ◆働く人たちが「幸せ」にならなければ意味がない ◆リモートワークは「見える化」が難しく、社員が「孤立」しがち <ポストコロナの成長戦略> ◆新たな「インキュベーション・プラットホーム」を確立する ポイント❶本体から切り出し、社長直轄とする ◆「アジャイル方式」で新規事業を育てる ◆社内に積極果敢な「企業家精神」の気風を取り戻す ポイント❷若手をリーダーに抜擢する ◆いま必要なのは「新たなレールを敷く」人間――若い力に賭ける ◆新たな事業化の方法論を確立する ポイント❸M&Aで時間を買う ◆有事のいまこそ、M&Aを活用する ◆「PMI」(買収後の統合マネジメント)が成否を分ける <ポストコロナの人材戦略> ◆不透明な時代に必要なのは「個の突破力」 ポイント❶ ハイブリッドの人事制度で対応する ◆「両利きの経営」に即した人事制度が求められている ◆市長価値が高い人は、報酬が高くても、会社にとってリスクは小さい ◆地方や中堅・中小の会社こそ外部人材を登用せよ ポイント❷ 「ミッションありき、結果志向」へシフトする ◆「ミッション」で組織を動かす ◆「ミッション」(使命)と「リザルト」(結果)の大小で評価する ポイント❸ 現場力を支える「ナレッジワーカー」の評価を高める ◆現場力の重要性はますます高まる――「ナレッジワーカー」は代替性の低い、会社の財産 ◆「デジタルの民主化」で現場力を強化する <コロナ後に、「仕事」はどのように変わるのか> <「食える仕事」「食えない仕事」とは何か> ◆今回は「一時的な失業者の増加」ではすまない ◆「蒸発した仕事」は元に戻らない ◆「アマチュア」は消え、「プロ」は引く手あまたに ◆「食える人」と「食えない人」の差は何か――「代替可能性」と「付加価値の大きさ」の二軸で分類できる ①「代替可能性」が低い職業で「付加価値」が高い(プロ)人材→スター ②「代替可能性」が高い職業で「付加価値」が高い(プロ)人材→サバイバー ③「代替可能性」が低い職業で「付加価値」が低い(アマ)人材→コモディティ ④「代替可能性」が高い職業で「付加価値」が低い(アマ)人材→ユースレス ◆「スター」と「サバイバー」は、間違いなく「食える人」――「コモディティ」はなんとか食える、「ユースレス」は消えるか、きわめて低賃金に <「プロフェッショナルの時代」がやってくる> ◆「新たなレール」を敷き、「新たな車両」を造る人が求められている――真面目に働けば、みんなが豊かになった時代は遠い昔の話 ◆「人が生み出す価値には歴然とした差がある」という現実を認める ◆数千万円の報酬で「プロフェッショナル」を確保する ◆トヨタは、採用の5割を中途採用に ◆終身雇用は消滅するか?――「去っても地獄、しがみついても地獄」という冬の時代が到来 ◆自分の「腕一本」でのし上がっていくしかない ◆「プロ」として勝ち残るための5つのパラダイムシフト パラダイムシフト❶「社内価値」ではなく、「市場価値」で勝負する パラダイムシフト❷「プロセス」ではなく、「結果」にこだわる パラダイムシフト❸「相対」ではなく、「絶対」を目指す パラダイムシフト❹「他律」ではなく、「自律」で行動する パラダイムシフト➎「アンコントローラブル」は捨て、「コントーラブル」に集中する <「プロ化するビジネス社会」で生き残るための処方箋> ◆あなたはいったい何の「プロ」なのか? ◆「プロフェッショナル」の定義 ◆「プロ」かどうかを決めるのは、欲する会社がなければ、ただの「オタク」 ◆「プロ」と「アマ」の報酬格差は10倍以上になる ◆「プロ」と「アマ」の差以上に、「プロ」のなかでの差のほうが大きくなる――「プロ」になることは勝ち残るための「最低限の条件」 ◆真の「プロ」は優れたチームプレイヤー ――「新たな和の形」が求められている ◆「多様性からの連帯」をどう生み出すか? <「プロ」として成功するための8つのポイント> ◆最初から「プロ」はいない 成功のポイント❶ 「会社」ではなく、「機会」で判断する ◆「未成熟」「未完成」なものほど、プロにとっては魅力的 ◆「プロ」と会社は、「機会」でつながっている 成功のポイント❷ 「軸」を定める ◆「何のプロになるのか」を定める ◆普遍性の高いノウハウや知見は、陳腐化しない 成功のポイント❸ よき「お手本」を知る ◆高みを知るからこそ、努力は続けられる ◆「本物」を目指さなければ、面白くない 成功のポイント❹ 自分の可能性に蓋をしない ◆最初は自信がないのが当たり前 ◆「自分の可能性を信じられる」ことが最大の資質 成功のポイント➎ 「他流試合」で力をつける ◆「他流試合」が人を育て、たくましくする ◆ぬるま湯的な居心地のよさは大敵――「出戻り自由」によって、会社のダイバーシティは高まる 成功のポイント❻ グローバルに通用する「プロ」になる ◆「内弁慶」のままでは活躍の場は限られる ◆異文化コミュニケーション力を磨く――なにより大切なのは「慣れ」 成功のポイント➐「信用」という価値を大事にする ◆力の出し惜しみをしないことが「信用」につながる ◆「プロ」は「一流の人間」でなければならない――当たり前の積み重ねが「信用」という財産につながる 成功のポイント➑{EQ}(心の知性)を磨く ◆高度専門性を磨くことは必要条件にすぎない ◆「プロ」の価値は、「IQ」(頭の知性)から「EQ」(心の知性)へシフト――「人間の情緒に働きかける能力」を磨く <コロナ後に、「働き方」はどのように変わるのか> <「レスの時代」の幕開け> ◆「通勤レス」「出張レス」「残業レス」「対面レス」――私たちは「新たな選択肢」を手に入れた ◆「プロ」としてふさわしい働き方「スマートワーク」を身につける ◆「生産性」と「創造性」という2つの視点で働き方を見直す <どうすれば「生産性の高い働き方」ができるのか> ◆現業部門でのデジタル化、自動化、リモート化をいっきに進める ◆リモートワークに向いている人、向いていない人がいる――問題は、「業務」ではなく「人」 ◆フェイスブックが掲げる「リモートワークが可能な人の4つの条件」 ①経験豊富な人、優れた技術を持っている人 ②直近のパフォーマンスが優れていること ③在宅勤務をサポートしてくれる人がいるチームの一員であること ④所属しているグループの上司から承認を得ること <リモート時代における社内コミュニケーションの4原則> ◆「過剰管理」でもなく「野放し」でもなく――部下が「自己管理」できるように上司が導く ◆オンラインとオフラインを使い分け、コミュニケーションの質を高める――オンラインで「業務管理」はできるが、「人の管理」は限界がある 原則❶ 人間の3タイプによって、コミュニケーションの仕方を変える ① 言われなくてもやる人 ② 言われたらやる人 ③ 言われてもやらない人 原則❷ 経験値の高い人と低い人を「ペア」で組ませ、アドバイスする「メンタリング」がより重要になる 原則❸ 「ムダ話」や「雑談」をするための、インフォーマル・コミュニケーションの「場」をつくる 原則❹ 定期的にオフライン(対面)で会うから、日常のオンラインが機能する <働き方の自由度を高め、真の豊かさを享受する> <◆「転勤」をめぐる会社と社員の溝は大きくなっている――「転勤レス」という「新たな選択肢」も現実のものに> ・ポストコロナにおいて私たちが手に入れるのは、「通勤レス」「出張レス」「残業レス」などの「新たな選択肢」だけではない。  これまでサラリーマンが強いられてきた会社都合の「転勤」という考え方もここにきて大きく変わろうとしている。  つまり、「転勤レス」という「新たな選択肢」も現実のものになろうとしている。 ・共働きや育児、親の介護など、社員たちを取り巻く環境は大きく変わり、「転勤できない」社員も増えている。  実際、人材サービス大手エン・ジャパンの調査では、「転勤が退職を考えるきっかけになる」との答えが6割に達している。 <◆会社都合の転勤を撤廃する会社も出始めた> ・もちろん、企業側も手をこまねいていたわけではない。  これまでにも「地域限定社員」などの制度をつくり、転勤が難しい社員たちと「共生」する手だてを講じてきた。  しかし、転勤を受け入れる社員と転勤しない社員のあいだに階層ができ、待遇面でも差が出るため、働く意欲という面でも問題が生じていた。  そんななかで、管理職を含む基幹社員に対して「会社都合による転勤の原則禁止」を打ち出した会社がある。AIG損害保険である。  同社は管理職を含む約4000人の社員を対象に、東京や大阪など全国を11に分けたエリアから、自分が望む勤務地を選べるようになっている。  社員は、あらかじめ転勤の可否に関する自分の考えを表明する。 「場合によっては転勤してもいい」を自発的に選択した社員は約3割、「希望エリアで働きたい」が約7割となっている。  この制度のポイントは、どちらを選択しても待遇は同じであり、昇進やキャリア形成など評価にも差を設けないことである。  転勤なしを打ち出してから、同社の新卒採用への応募数は急増しているという。 「転勤レス」は時代の要請でもある。 <◆社員が住むところにオフィスを設ける会社も――会社と個の「新たな関係性」をつくる> ・会社のオフィスがある場所に社員を転勤させるのではなく、社員が住むところにオフィスを設けさせる会社もある。ソフトウエア大手のサイボウズだ。 ・これまでは会社都合で有無を言わせずに、転勤を押しつけるのが、日本企業の常識だった。しかし、その常識はもはや通用しなくなりつつある。  代替性の低い「プロ社員」に活躍してもらおうと思うのであれば、会社はこれまで以上に「個」の都合や自縄自縛に配慮せざるをえない。   ・あらゆる制約条件を取っ払い、「プロ」の成果を最大化する環境を調える。それが会社と「プロ」が共存する方法なのだ。「社員本位」の目線で、働く場所や働き方を選択する。 <◆「フリーランス」「会社レス」という働き方が広がる> ・最も自由度の高い働き方のひとつが、「フリーランス」である。  日本でもフリーランスは徐々に広がりつつあるが、欧米に比べるとまだまだマイナーな存在である。内閣官房の調査によると、副業や自営業者などを加えた広義のフリーランス人口は1087万人だ。  フリーランス大国である米国は、労働人口の3分の1以上にあたる約5700万人が、広義のフリーランスとして仕事をしている。日本の5倍以上だ。  ひとつの会社にしがみつく。ひとつの仕事にしがみつく。ひとつの場所にしがみつく。そうした生き方を否定するわけではないが、それしか認めない、それしか選択肢がない社会というのは、けっして豊かとは言えない。  もちろん、コロナ・ショックによってフリーランスは収入減や取引停止の影響をもろに受けている。会社の被雇用者ではないので、収入減を補う手当や補償はない。 ・「コロナ時代は働き方に対する価値観が大きく変わる。会社に依存しスキルを磨いてこなかった正社員は会社にとっての一番のリスクで、社会の中で一番の弱者になる」 「しがみつかない」生き方は、不安定でリスクが高いように見える。しかし、現実はそうではない。  フリーランスとは「会社レス」という生き方である。 ・ポストコロナにおいては、「会社レス」というフリーランスの働き方が日本でも確実に広がっていくだろう。 <◆真の豊かさとは「経済的な豊かさ×精神的な豊かさ」――個を尊重し、人間らしく生きる社会に変える> ・会社にはさまざまなストレスが存在する。  とりわけ「通勤」「残業」「人間関係」は、どの会社にも共通する3大ストレスである。ポストコロナの社会においては、これらを解消もしくは大きく軽減できる可能性がある。「デジタル化→オンライン化→リモートワーク」の流れが浸透、定着すれば、「通勤レス」「残業レス」「対面レス」は十分に実現可能だ。  ポストコロナをきっかけに、私たちは個を尊重し、人間らしく生きる社会に変えなくてはならない。 ・いくら会社が利益を上げ、内部留保を貯め込んでも、そこで働く人たちが疲弊し、暗い顔をしていたのでは、とてもいい会社とは言えない。平成30年は、そんな会社が増えていった時代だった。  私たちはコロナ・ショックを機に、その流れに終止符を打たなければならない。  真の豊かさとは、「経済的な豊かさ」と「精神的な豊かさ」が共存するものだ。 ・「資本の論理」「会社の論理」ばかりがまかり通った時代から、「人間の論理」「個の論理」が通用する社会に変えていかなければならない。 <どうすれば「創造性の高い働き方」ができるのか> <◆「70%ルール」で時間を捻出し、創造性の高い仕事に振り向ける> ・これまでの仕事は従来の70%の工数で終了させるという「70%ルール」を私は提唱したい。  デジタルという武器を手に入れ、オンライン化、リモートワークという「新たな選択肢」を手に入れた現在、十分に実現可能な目標だ。  それによって、残りの30%の時間を、創造的な仕事に振り向けることが可能となる。  創造的な仕事とは、「新たな変化」や「新たな価値」を生み出す仕事である。難易度は高いが、やりがいは大きい。  反復的かつ機能的なルーチン業務は、徹底的に効率化を志向する。 <◆デジタルの時代だからこそ、リアリズムが大事――大事なのは「誰と会うか」> ・創造性の高い仕事をするためには、「刺激」が必要だ。同質的な人たちだけが集まって、「刺激」に乏しい議論を繰り返したところで、新たな発想、ユニークなアイデアは生まれてこない。 ・「変化の芽」は現場にある。現場に身を置くからこそ、五感が機能し、「変化の予兆」に気づくことができる。  機能的な仕事はサクサクとオンライン、リモートですませればいい。しかし、机にしがみついているだけでは、「未来の予兆」は見えてこない。  デジタルの時代だからこそ、リアリズムが大事になる。人と対面で会うからこそわかること、現場に自ら行くからこそ見えることも多い。 ・オンライン化やリモートワークの最大のリスクは、「つながっているつもり」「見えているつもり」「わかっているつもり」に陥ってしまうことである。  いくら便利でも、やはり現場に行かなければ感じられないもの、人と対面で会わなければ見えてこないものは確実にある。 「三現主義」(現地・現物・現実)など時代遅れと切り捨ててはいけない。五感で感じるリアリズムは、デジタルで代替することはできない。 <◆掛け持ち業務や副業で、創造性を高める――「異質の場」で、「異質の人」と出会い、「異質の仕事」に関わる> ・日本企業における働き方改革は、リモートワークの推進だけではない。多くの会社が働き方の自由度を高める取り組みを広げようとしている。  たとえば武田薬品工業は、社内で異なる業務を期間限定で掛け持ちする新たな制度を導入した。 「タケダ・キャリア・スクエア」というこの制度では、就業時間の20%程度を、自分が関心のあるほかの部署の業務に使うことができる。  知識やスキルを磨くだけでなく、自分自身の適正に合った仕事を見つけるきっかけにもなる。 ・ライオンはほかの企業の社員などを対象に、新規事業の立ち上げを副業で行う人の公募を始めた。ライオンが個人に業務委託する契約で、リモートワークも可能で、勤務日数は週1日から選べる。  こうした制度を使えば、転職しないでも、「新たな場」で「新たなチャレンジ」をすることができる。 「異質の場」で、「異質の人」と出会い、「異質の仕事」に関わることによって、間違いなく世界は広がる。 <コロナ後の人材評価の4つのポイント> ◆「個の自立」が前提条件 ・機能的な仕事は、オンラインやリモートでサクサクと効率的に進めればいい。 ・しかし、それを実現するには、重大な前提条件がある。それは一人ひとりが「自立」することである。 ・力とやる気のある「個」の発想力、突破力を最大限に活かし、新たな可能性を追求しなくてはならない。 <ポイント❶ 「自己管理」できる人が評価される> ・リモートワークとは、たんに働く「場所」が変わることではない。仕事の「管理の仕方」が変わるのである。 ・しかし、リモートワークにおける「ボス」はあくまでも自分自身である。自分で仕事を設計し、自分で管理するのが基本である。 ・リモートワークで成果を出すためには「規律」が必要である。たとえば、 ●規則正しい生活を心がける ●「報連相」(報告・連絡・相談)をこまめに行う ●業務日誌をつける(何をしていたのかを記録する) <ポイント❷ 「指示待ち」ではない人が評価される> ・いま求められている人材は、「新たなレール」を敷ける人、「新たな車両」を造ることができる人である。  自らの意見をもち、積極的にアイデアを出せる人でなければ、高い評価は得られない。 <ポイント❸ 「自己研鑽」を続けられる人が評価される> ・「プロ」になることを望むのであれば、自分自身を磨くことにお金と時間をかけて、自己鍛錬を行うべきである。 <ポイント❹ 会社に「しがみつかない」人が評価される> ・本当に力がある人間は、会社にしがみつかない。だから会社も、しがみつかない人を評価し、登用する。 <元に戻るな、大きく前に進め!> <歴史は70~80年サイクルで繰り返す」と多くの歴史学者が指摘する。> ・そして、終戦から75年たった2020年、私たちを襲ったのは未知のウイルスだった。  その被害は、私たちの当初の想定をはるかに超える甚大なものとなっている。世界経済は壊滅的な打撃を受け、日本もその影響をまともに受けざるをえない状況に陥っている。  まずは、社会的弱者、経済的困窮者を救い、時間はかかるかもしれないが、経済的復興はしっかりと果たさなければならない。  しかし、コロナ・ショックのもつ意味はそれだけにとどまらない。この「目に見えない黒船」は、日本という国、日本企業、そして日本人が覚醒するまたとないチャンスでもある。  80年後には「コロナ革命」と呼ばれているかもしれない大変革の真っただ中に、私たちはいるのだ。 <日本人が陥っていた悪弊を一掃するチャンス> ・コロナ後に、私たちは元に戻ってはいけない。これは経済規模の話をしているのではない。元に戻してはいけないのは、私たちの心の中に長いあいだ巣食ってきた潜在意識や暗黙的な常識、根底にある価値観である。個人の幸せよりも組織が優先される「集団主義」。やってもやらなくても差がつかない「悪平等主義」。常に横と比較する「横並び主義」。責任を明確にしない「総合無責任体質」………。  こうした悪弊を一掃することができず、私たちは「緩慢なる衰退」に陥っていた。「目に見えない黒船」が来襲したにもかかわらず、旧来の意識や常識、価値観を払拭することができなければ、この国が浮上することはないだろう。  私たちは元に戻るのではなく、大きく前に進まなければならないのだ。 <私たちはもっと豊かになれる。私たはもっと幸せになれる> ・今回のコロナ・ショックは、私にとっても自分の働き方を見直す好機となった。この本はコロナのおかげで書き上げることができたといっても過言ではない。内容や質はさておき、私は2週間ほどでこの本をいっきに書き上げた。 ・「目に見えない黒船」は私たちに「もっと豊かになれ。もっと幸せになれ」という問いかけをしてくれているように私には思えてならない。  すべてが止まったからこそ見えてきたものを、私たちは大切にしなければならない。   

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