ですから今は中国の分裂、さらに言えば北朝鮮の崩壊もわかります。繰り返しになりますが、中国、北朝鮮といった共産主義国家はいずれ、人類の歴史から消滅します。(1)
(2021/11/15)
『中国は民主化する』
長谷川慶太郎 SB Creative 2020/3/21
遺された秘蔵テープに刻まれた音声を書籍化!
長谷川慶太郎からの「最期の予言」
●中国共産党は崩壊する
●中国は7つに分かれ民主化する
●中国は北朝鮮を見捨てる
●38度線は消滅する
これは私の遺言です‼ 私の予想に狂いはありません。
<少数派の意見に真実がある>
<共産主義の蹉跌>
・このたびこの「はじめに」は、長谷川慶太郎さんに代わり、私、田原総一朗が寄稿させていただきます。
・共産主義は「平等」であることを大事に競争を認めません。競争社会は格差を生むことになるからです。では、共産主義国家の労働者は、何を目標に働くのか。それは「ノルマ」です。
・しかし当時は、朝日新聞から読売新聞、産経新聞まですべてのメディアが「ソ連は素晴らしい国だ」と報じていました。同様、共産主義国である北朝鮮も「楽園」だと言われており、多くの人が北朝鮮に還りました。そういう時代だったのです。
にもかかわらず、共産主義国家が行き詰まると主張した長谷川さんは、当時、かなりの少数派でした。でもその後、ソ連が崩壊したのはみなさんご存じの通りです。
その長谷川さんが、今度は中国の民主化を主張している。これはどういうことなのか。
<中国は民主化するのか? 田原総一朗>
・今、櫻井よしこさんや百田尚樹さんなど「右」派と言われている文化人、ジャーナリストたちの間で「中国脅威論」が高まっています。中国は世界制覇を狙っているというのです。
・しかしこれに対しても長谷川さんは「脅威ではない」と断言します。習近平は中国をまとめようとしているところで、世界制覇は考えていないというのです。
習近平は人民解放軍を掌握しておらず南シナ海、東シナ海における中国人民解放軍の活動は「習近平の命令ではない」というのが長谷川さんの見立てです。
習近平が軍の行動を抑え込もうとしたら国内でクーデターが起こる可能性があります。つまり習近平が世界制覇を考えているのではなく、人民解放軍が南シナ海で軍事基地を建設するなど勝手に動いているだけだと長谷川さんは言っているのです。
・こうした中、安倍晋三首相は習近平を2020年春、国賓で迎えようとしています。しかし安倍晋三首相を支持している多くの右派は、それに反対しています。日本への侵略を考えている習近平を国賓として招くとはとんでもないというわけです。
しかし、その習近平は「日本を大事にしたいと考えているはずだ」と長谷川さんは言います。実は私もその通りだと思っています。
・長谷川さんも中国とアメリカとの間には対立があるものの、日本は中国とうまくやっていくべきだと考えていました。そして長谷川さんは習近平は人民解放軍を抑えれば、言論や表現の自由を認めるようになり、中国は民主化に向かうとも主張されました。
この意見は僕とはちょっと異なります。中国の民主化は簡単にはいかないのではないか、と。私と仲がいい元朝日新聞の船橋洋一さんも、数年前までは長谷川さん同様、中国は民主化するという意見でした。ところが最近、共産党の実態を知れば知るほど、民主化は難しいと思い始めたそうです。ただ私は長谷川さんほど豊富な情報を持っているわけではありませんので、長谷川さんの予想が正しいかもしれません。ただ現時点では中国が民主化すると言う人は少数派です。
・しかし、私は今でも覚えているのですが、アメリカの大統領選挙で長谷川さんは「トランプが当選する」と以前から予想していました。その見方は当時、極めて少数派でした。
・そして今、中国が民主化するという見方をする長谷川さんは今回も少数派です。でもどんなに叩かれてもその意見を決して曲げない、そういう長谷川さんを私は今でも尊敬しています。長谷川慶太郎さんは2019年9月3日、91歳で他界されました。ここに謹んでお悔やみを申し上げるとともに、長谷川さんの予言がこの先どうなるか楽しみに見届けたいと思っております。
<習近平の真の目的>
<「反腐敗運動」の目的はどこにあるのか>
・習近平政権が強力に推進してきた「反腐敗運動」により、中国共産党内の実力者が相次いで失脚しました。その結果、今、習近平の権力地盤は固まりつつあります。
・共産党内の腐敗が中国という国家を破滅に追いやり、滅ぼすのだという強い危機感から、汚職、腐敗を中国から一掃する。それが国家の安定につながると習近平は考えているのです。
たしかに習近平政権が目指す小康社会(いくらかゆとりのある社会)の形成と貧困撲滅という目標達成の大きな障害となっているのが、「汚職」や「腐敗」であるのは明らかです。
でも実は、もう一つ、習近平が狙っていることがあります。それは反習近平勢力の一掃です。習近平は自身に反対している勢力を一掃するためにも、反腐敗運動を利用しているのです。
<冗談ではない尖閣諸島上陸>
・話はちょっと横道にそれますが、中国政府は日本の防衛費増加に対して「日本は軍事国家となりつつある」と批判しています。しかし戦後70年間、日本の自衛隊は一発も弾を撃っていません。
翻って中国はどうでしょう。中国は戦後いくつも大きな戦争をしています。朝鮮戦争(1950-1953年)、チベット武力弾圧(1959年)、中印国境紛争(1962年)、中ソ国境紛争(1969年)、中越国境紛争(1979年
などです。
軍事費の予算規模から言っても、日本と中国、どちらが軍事国家なのかははっきりしています。
・冗談ではありません。習近平は中国経済が悪化して、日本の支援、援助が必要なときに、どうして日本の顔に泥を塗るようなことができるでしょうか。
なんとか日本に助けてもらいたい一心で、習近平は2020年、安倍首相に会いにくるのです。日本に秋波を送っているのです。こうした状況下でそれを逆なでするような行為は絶対に避けなければいけません。尖閣諸島の上陸はあり得ません。
<人民解放軍再編は習近平の策略>
<陸軍の格下げに不満が集まる>
<退役軍人に厳しい追及>
<軍の再編>
<問われる人民解放軍の存在意義>
<気になる退役軍人のデモ>
・そこで、もう一つ注目したいのが退役軍人のデモです。
先ほども少し触れましたが、人民解放軍陸軍30万人の削減計画で退役させられた人々たちは習近平政権を恨んでいます。これが退役軍人のデモとなり、彼らは今、全国至る所で抗議活動を展開しています。これは北京だけではなく、各地方都市を含めて同時発生的に起きています。これが非常に大きな問題となりつつあります。
中国には退役軍人が約5700万人いるとされています。軍人は退役後、再就職がままならず、十分な収入が得られないため、習近平政権への不満は高まる一方です。これに対して中央政府はデモが広がることを非常に警戒しています。
<共産主義は人類を幸せにしない>
<私が共産党に入党したわけ>
<敗戦の兆し>
・中国の民主化の話をするとき、私がかつて共産党員であった話を避けて通ることはできません。
私は敗戦となった昭和20年8月、愛知県常滑市におりました。今の中部国際空港の近くです。当時は、八高の1年生でした。家内の親戚に京大のマルクス経済学の先生がいたのですが、先生も八高卒と、私の周りには八高卒の人間がたくさんいました。
その前年である昭和19年7月、私は工場動員され大阪の工場に行きました。その頃、ちょうどサイパンが陥落したのですが、これを聞いて私は、中学生ながら「この戦争は日本の負けだ」と思いました。
・前述したように、敗戦当時、私は常滑市にいましたが、不幸にも敗戦の年の7月に祖父が、10月に父親が亡くなりました。私は長男ですから、このタイミングで家を守らなければいけなくなりました。私の下には5人の兄弟がおりました。彼らに加えて祖母と母親の面倒をみるとなると、合計7人の生活をみなければいけません。
そこで私は「名古屋にいては7人を養えない」と判断し、大阪高等学校(現在の大阪大学)の1年生に転入しました。
ただ大阪にはきてみたものの、何しろ食べるものがなく収入もありません。この頃は大変に厳しい生活を経験したことを覚えています。食べるためには、物々交換しかありません。たとえば着物と食料の交換です。私はそのために滋賀県信楽の近くまで出かけて行ったことを覚えています。
そして昭和22年、私は結核になり大吐血しました。しかし幸運にも、京都の結核の専門家の先生に診てもらうことができ、運よく治りました。
<マルクス主義の大家に誤訳を指摘>
・こうした中、私は共産党に入ります。明日、食べるものに苦労する極貧生活をしていた私にとって、共産主義は憧れでした。全員が共産主義になればこの世から「貧困」がなくなる、そう信じていたのです。当時は日本の多くの若者が、共産主義の祖である「マルクス」の本を読んでいました。
昭和43年、私は日本からソ連のナホトカに行く「バイカル号」に乗船しておりました。
・私が共産党に入った昭和25年か26年当時、共産党は「国際派」と「主流派」が対立していました。昭和25年に朝鮮戦争が始まると、共産党はパージ(追放)を受けて主流派が地下に潜りました。しかし私は国際派に所属しておりました。そして当時私は、「やはり日本は真剣に共産主義国家になるしかない」と考えていました。
<共産主義に失望する>
<人間は何のために働くのか>
・そんなわけで若いころ、マルクスの『資本論』を読み「共産主義が世界の未来像である」と信じていました。でもそれが現実にどうなのかを見るために、その後、東ヨーロッパ諸国に行ってみると、そこには厳しい現実がありました。
労働者はまじめに働こうとせず、技術開発に対しても熱心ではなく、ただノルマだけを果たそうとしていました。このとき私はそんな姿を目の当たりにすることで初めて共産主義に未来がないことを理解しました。
・資本主義でも共産主義でも、人間の欲望をどのように捉えるかはとても大事です。
自由主義の場合、自由な行動は人間の大事な欲望であると捉えます。だから自由な競争を認めているわけです。そして当然、自由主義においては「表現の自由」「言論の自由」などすべての自由を保証しないといけません。
・自由に活動をして自由に発言する。それを保証していれば、努力した人間は幸せに暮らしていけます。かつて私は共産主義こそ人を幸せにすると信じてきましたが、ポスト資本主義は資本主義しかない。決して人類は共産主義に戻ることはないと今は言えます。
<共産主義下の経済成長は難しい>
<計画経済の下で効率の追求は無理>
・東西ドイツの壁が崩壊した直後、東ドイツを訪問したときも驚いたのは、設備があまりにも古いことでした。このときは東ドイツの鉄鋼工場を見学したのですが、ここでは先ほどの冷蔵庫ではありませんが、社会主義、共産主義国家ではあらゆる分野で技術進歩が遅れていることにびっくりしました。労働者はノルマさえ達成していればいいわけです。
しかし、競争力のない国家はけっして発展しません。
ですから私はここでも「共産主義には限界がある」と痛烈に思い、失望とともに共産党から脱退しました。
<中国経済は瀕死の状態>
<インチキな数字>
・次にこの共産主義が、現実問題として、限界にきている中国経済の話をします。
まず、指摘しておきたいことは、共産主義国家である中国当局が発表するここ数年のGDP統計はインチキだという点です。
・インチキはいずれ発覚し、中国社会は大騒ぎすると思いますが、いずれにしても現在の中国経済の実態はひどいと私は見ています。その証拠として企業がどんどん生産規模を縮小していることが挙げられます。あの深圳にも工場のシャッター街が出現しています。
・日本の新聞やテレビでは報じられていませんが、中国の企業はいきなり工場を閉鎖して、労働者を締め出し、クビにすることがしばしばあります。
・生産の過剰解消に向けて、こうした事案が中国各地で広がっているのは明らかです。私は燎原の火のように中国全土に暴動が多数発生して、中国では近く、分裂の危機を迎える可能性が高いと見ています。
<生産規模を縮小>
・生産規模を縮小している代表格には鉄鋼メーカーが挙げられます。鉄鋼メーカーは大手のみならず、中小も多数、存在しますが、鉄鋼会社は赤字続きのゾンビ企業が多く、こうした企業は本来なら倒産させないといけません。しかし、いまだに本格的な倒産ができません。
生産調整がうまくいっていないので、鉄鋼はもちろん、セメントなど産業資材についても在庫の山が形成されています。これがもう限界にきています。ですからこうした中国製品を安くてもいいから世界中に輸出して、少しでも「在庫の山」を減らしたいと中国は考えています。その結果、価格の安い中国製品が世界中にばら撒かれているのです。
・資本主義の企業なら、普通、こうした事態になったら生産調整するでしょう。しかし、中国の大手鉄鋼メーカーは国有企業であることから、それができないのです。国有企業で働いている労働者をリストラするのも、ご法度となっています。
<怠慢な国有企業>
・毎年、中国では全人代で、目標とする経済成長率が発表されます。この数値の達成を目指して国有企業はノルマ生産を行います。万が一達成できなければ、董事長などの責任となり、出世に響きます。だから売れようと売れまいと関係なく生産し続けてきたのが、これまでの中国の国有企業の実態です。
その結果、企業は多額の借金を抱え、本来なら倒産してもおかしくない「ゾンビ企業」が増加します。
<高い失業率をどうするか>
<新たな雇用者の受け入れは不可能>
・中国では人口増加により、年間、約1000万人もの新たな雇用が必要であると言われています。
・ではいったい、中国全体の失業者はどれくらいなのでしょうか。正確な数字は出ていませんが、私は全労働者の約40%と見ています。地方都市だとあるいはもっと高いかもしれません。
ちなみに東北三省だけでもだいたい1億人ぐらいの失業者がいると言われています。これは、ほぼ日本の人口に匹敵する規模です。
こうした中、中国に進出した外資系企業も撤退を考え始めています。
・こうした外資系企業では、これまで約8000万人の中国人を雇ってきましたが、ここでの雇用は今後、間違いなく減少するでしょう。
さらには、沿岸部などに流れ込んだ農民工は2億人以上。この人たちも、相次ぐ工場閉鎖で失業に追い込まれていると言われています。そうなると多くの中国人に、新たな就職口が見つかりません。
現在、中国の「一帯一路」政策で、海外でのインフラ整備工事に農民工が大量に派遣されていますが、これは中国国内に何億人もいる失業者を少しでも減らしたいためです。
<膨大な公共投資額は借金で賄う>
・中国政府はこれまで、国内景気の立て直しを図るために、鉄道建設、道路建設などの公共投資も積極的に行ってきました。2008年のリーマン・ショックのときは4兆元(約64兆円)もの巨額な公共投資を発表して世界を驚かせました。
その後、2009年から2018年上期にも、4000兆元(同6400兆円)前後の公共投資を実施しました。
中国はこれをすべて借金を賄いました。しかし資金の回収はまったくできておりません。回収するあてのないインフラ投資をし続けていたわけです。
<多額の借金が成長を阻む>
<GDPの6倍以上の借金がある中国>
・現在、中国の負債総額はいくらあるのでしょうか。いろいろな数字が出ていますが、私はGDPの約6倍の借金が中国にはあると見ています。金額にして600兆元。一方、日本の負債はGDPの2倍弱で、中国は日本以上にひどい状況にあるといえます。
現在、中国政府はこれにあまり触れずに秘密にしていますが、風船が破裂する寸前のような状況です。
とにかく中国はカネ詰まりで、2018年以降、「負債問題」を起因とした事件が相次いで起きています。
・しかしその結果、誰も住まない高級マンションが立ち並び、街は鬼城(ゴーストタウン)となりました。
建設した高速道路にはクルマがほとんど通行せず、高速道路も乗客は少なく赤字路線ばかりが誕生する始末です。こうした地域は投資資金の回収はいったいどうするつもりでしょうか。
<経常収支が悪化している>
・ここで一つ数字を申し上げます。IMFが発表した中国の経常収支についての予想です。経常収支は貿易収支にサービス収支、所得収支を加えたものです。
・2021年には200億ドルの黒字、そして2022年にはわずか60億ドルの黒字となり、2023年以降は赤字に転落するという予想があります。
これは何を意味するのかというと、確実に中国は資金不足に陥るということです。
・どこまで信用できるかわかりませんが、中国国家外貨管理局の発表によりますと、中国の外貨準備高は、1980年、わずか100億ドルだったのが、2014年には3兆9000億ドルと4兆ドル寸前まで膨らみました。これは中国が「世界の工場」として躍進を遂げ貿易で外貨を稼いだことが背景としてあります。
それが2019年4月末時点で3兆950億ドルと、ピークからわずか5年で約8000億ドルも減少しています。
これは共産党幹部による資産の海外流出が膨大で、貿易で稼いだドル資産が減ってきていることが原因です。ちなみにここには海外から借りているドル資産も含まれていますので、一説によると1兆ドルほど水増しされていると言われています。しかも中国はこの外貨を担保に、アメリカの金融機関などからドル資金を調達していますので、実質的にこの外貨は取り崩せません。資金繰りは苦しく窮地に陥っているのです。
<自動車販売が減少>
<不動産価格の下落も打撃>
<所得格差が国を分断する>
<ジニ係数で格差がわかる>
・共産党による一党独裁である中国の弊害として、忘れてならないのが所得の格差問題です。これが社会を揺さぶる大問題になってきました。
・では、具体的にどれくらい所得格差があるのか。
それを知る手掛かりとして「ジニ係数」があります。これは0に近づくほど平等で、1に近づくほど不平等を意味するのですが、一般的には0.4で国内で暴動が頻発し、0.5を超えるとその国は崩壊に向かうと言われております。
世界銀行の推計によると、中国は1980年代初頭0.2台でしたが、1993年には0.42、2001年には0.45まで上昇しました。
続いてグローバルノート国際統計によりますと、2016年の中国は0.51と、世界第2位という水準でした。ちなみに、第1位は南アフリカの0.62、日本は0.34という水準でした。
しかし西南財経大学の研究チームが独自に実施した家計調査に基づき2011年の中国全体のジニ係数を調べてみると、結果は0.61という高い数値で大きな話題になりました。それだけ中国は、所得格差がひどいということです。
<「灰色収入」が格差要因の一つ>
・なぜ中国ではこんなに所得格差があるのか。
これは中国が共産党一党支配のため、「灰色収入」や「黒色収入」が多いためだと言われています。黒色収入とは違法な収入、灰色収入とは共産党や軍など既得権益層が職務権限を利用して得る所得のことです。
<中国国民の不満は高まる>
<憧れの「甘い汁」>
・このように共産主義は多くの矛盾を抱え、中国ではその不満が爆発する寸前です。
中国の人口は約14億人ですが、そのうち共産党員は全国で9000万人います。その内訳は都市部に約1000万人、残りの8000万人は農村部にいると言われています。
一般市民からすると共産党員は「憧れの的」です。なぜなら共産党員になれば、さまざまな特権を得て、いわゆる「甘い汁」が吸えるからです。
<不満を持った農民工が都市部へ移動>
<「都市戸籍」を取得するために党員を買収>
<戸籍問題を放置すると大きな社会不安が起こる>
<カネで除隊する>
<「一人っ子政策」の弊害>
<平等ではない共産主義>
・今の共産主義中国は資本主義国家以上に不平等社会となっています。この不満は中国社会全体で渦巻いています。
共産党員になれば、甘い汁が吸え、楽しい思いが手に入る。だから中国国民は共産党員になりたがります。
<習近平は共産党の限界を理解している>
<習近平はゾンビ企業を潰す>
・国有企業を助けるほど、今の中国には財政の余裕がありません。最近、国有企業が何社か倒産したと伝えられていますがまだまだです。これから本格化するでしょう。
<習近平は日本に接近する>
<快く思っていない長老たち>
・中国は経済的に大きく落ち込んでいることから、必ず日本に秋波を送ってきます。それは間違いありません。なぜなら、日本には豊富な資金と技術力があるからです。
<中国は民主化する>
<分裂する中国>
<豊かになるほど共産党の一党独裁を強めてきた中国>
<共産党は崩壊する運命にある>
・そんな中国共産党による一党独裁体制はいつまで続くのか。繰り返しになりますが、私はそう遠くない時期に、中国共産党による一党独裁体制は崩壊するのだろうと考えております。
<中国は大混乱をきっかけに変化する>
・貧しい人々による共産党に対する不満は、溜まりに溜まっております。
すでに今、中国各地では暴動が頻繁に起きています。それを地元警察や300万人の武装警官が抑え込んでいるのが現状です。
しかし、いずれこの暴動は、中国全土に一気に広がることが考えられます。そうなれば、武装警察でも手が付けられず、収捨できない状態に陥るでしょう。
そうなると人民解放軍の出番となります。ですが、これまで汚職摘発で手痛い仕打ちを受けてきた人民解放軍が、素直に習近平の命令に従うでしょうか。
・私はこうした国内の大混乱をきっかけに、中国は分裂し、民主主義国家に変わると考えております。
しかし、多くの評論家、専門家は「中国の民主化はあり得ない」と主張しています。14億人の人民を統治することは民主主義では難しく、独裁政権にしかなし得ないというのがその理由です。
<7つの軍区で国家は分かれる>
・中国は近い将来、間違いなく分裂します。
どのように分裂するか、私はかつての人民解放軍の7軍区ごとに、国家が分かれるのではないかと予想しています。
・ですから、中国国内で暴動が一挙に巻き起こったら、これらの軍区ごとに国家が分裂すると予想しているのです。そして分裂した7つの国家は互いに利権を主張し、それが原因で中国は内戦状態になると睨んでいます。
<共産主義の崩壊を予測>
<ソ連の崩壊を6年前に指摘>
・一方、私は自分の目で、東欧諸国の状態を見ています。その上で「これらの共産主義国家はいずれダメになる。大元のソ連も崩壊するだろう」と判断していました。
地に足の着いた取材を重ね、国際情勢の分析を正しくできた私だからこそ、ソ連崩壊をはっきり予想できたのです。ですから今は中国の分裂、さらに言えば北朝鮮の崩壊もわかります。繰り返しになりますが、中国、北朝鮮といった共産主義国家はいずれ、人類の歴史から消滅します。
<自由のない国家は滅びる運命にある>
・昔、私の知人の大手新聞社の北京支局長がスパイ容疑で逮捕されたことがあります。
・ただ、中国政府の基本的な姿勢は変わりません。今でも重要人物が訪中すれば、盗聴器を仕掛け、尾行する有様です。
<新疆ウイグル自治区で何が起きているのか>
・自由がない国家はいずれ、人類の歴史から消えてきます。そしてくどいようですが、やはり共産主義は人類が進むべき道に逆行しております。
中国の民主化とともに、今の共産党一党独裁の習近平体制も潰れます。そして崩壊後の中国は、現在のロシアより民主化されると予想します。前述した通り、中国はソ連と違い、軍区ごとに分裂し、本格的な内戦状態となります。そのため、中国の崩壊はソ連以上に徹底的なものになるでしょう。
・今のロシア経済は石油や天然ガスの輸出のみに頼っています。この石油、天然ガスの価格が暴落したら、その瞬間にロシア経済は塗炭の苦しみを味わうことになるでしょう。しかし、中国は共産党が潰れたら、完全に民主化すると思います。ここがソ連と違う点です。
<中国は北朝鮮を捨てる>
<民主化する中国に緩衝地帯はいらない>
<北朝鮮はいらない>
・中国にとっての北朝鮮とは、民主主義国家との緩衝地帯です。
ですので、中国が共産主義国家でなくなればいらなくなります。
民主化を成し遂げれば中国は、不要になった北朝鮮を切り捨てるでしょう。そうなれば、北朝鮮は消滅し、その後は韓国が主導して朝鮮半島を統一すると思います。
<中国は北朝鮮を助けない>
・しかし中国は、ここで北朝鮮を助けないと言っています。そもそも他国の面倒をみるような余裕が今の中国にはないのです。
<私の予言が当たるわけ>
<本質を見抜けば予想はできる>
<トランプ勝利を当てた>
・中国の民主化、それにともなう朝鮮半島の今後など、どうして私がこうも断言できるのか、不思議に思う人も多いでしょう。自分で言うのも変な話ですが、私は「予言者」なのです。
私は2016年11月のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプが勝利すると、その年の9月には確信していました。
<世間とは違う見方をする>
<広い情報源>
・私は一般世論と正反対のことをよく主張します。そしてそれが的中するのです。
<怠慢なマスコミ>
・また、誤解を恐れずに申し上げたいことがあります。
マスコミを賑わせている評論家、専門家、あるいはジャーナリストは、怠慢だということです。たとえば自分で取材して確認する人が少なくなったような気がします。
<独自の情報収集が正しい見方へ導く>
<「海外の新聞」を読んで日本にはない見方を育む>
・私は昭和31年に「日本金属特報」という業界紙の新聞社に入社しました。
そのとき目をつけたのが「海外の新聞」でした。
<日銀が情報の宝庫>
・調査課に出向いていた私は、どこの会社がいつ不渡りを出すかもわかるわけです。
これは普通の人(記者)は目をつけないニュースソースでしょう。
<関西経済は地盤沈下へ>
・なぜ、日本において東京が政治の中心で、大阪がダメになったのか。
なぜなら関西商人は、ケチだからです。いわゆる浪人を雇えません。浪人を雇えば情報入手の幅が広がります。でも大阪では商売相手の人間からしか情報が入りません。
<情報は足でかせぐ>
・これまで私が行ってきた取材を振り返ると、「量から質」への転換は簡単ではないことがわかります。現在、中国は「新常態」を推進していますが、日本の例から見てもわかるように、これは1年や2年で成し遂げられるようなものではありません。
そうなると、中国経済の立て直しは、中国共産党が考えるほど生易しいものではないはずです。本書ではさまざまなことを書いてまいりましたが、いま中国は、多くの矛盾が噴き出し、中国経済は間違いなく崩壊に向かっていると思います。
ソ連崩壊を予想した私です。この予想には狂いはありません。
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