手術や抗がん剤でがんの治療をしても、5年後の生存率は、何もしなかった場合と変わらないケースが多いことから、がんとは闘わない方が良いという説もある。(4)

   『超高齢社会の未来 IT立国 日本の挑戦』 小尾敏夫・岩崎尚子   毎日新聞社   2014/12/27 <人類が経験したことのない少子・超高齢・人口減少社会> ・少子・超高齢・人口減少社会である日本は、いまだかつて世界が経験したことのない未知の世界が広がっている。日本では65歳以上の高齢者人口は過去最高の25%を超え、4人に1人が高齢者になった。増え続ける高齢者の質は大きく変わっている。8割は元気な高齢者と言われるアクティブ・シニアだ。 ・2030年には約8割の高齢者が介護不要で自律的に暮らせるようだ。 ・高齢社会が進む一方、今後日本の総人口は長期にわたって減少し、2060年には約8600万人にまで減少すると推測される。 ・未曽有の人口構造の変化は、2025年がターニングポイントとなる。戦後の象徴とされる1947年~49年生まれの“団塊の世代”が75歳以上になる年だ。 ・世界に目を転じれば、高齢化率は世界規模で上昇しつつある。2060年意は世界人口の約5人に1人が高齢者になる。 <日本は2007年に国連で定められた世界初の“超高齢社会”に突入> <国家財政破綻危機の2025年問題> ・高齢者の約8割は就業意欲があるのに、そのうちの2割しか仕事に就けない厳しい現状である。 ・介護の面を考えると、厚生労働省の試算で、2025年に50万人の看護師、4~6万人の医師、100万人の介護職員が必要といわれている。 <高齢化と情報化が同時進行する新複合社会時代の幕開け> ・1980年代のICT革命以降、ICTは人々の生活に密接に浸透してきた。近年ICTは、財政悪化や労働人口の減少、地方の疲弊、企業統治などの成長の制約条件の社会課題を解決するためのツールとしてその地位を確立している。 ・世界で唯一の超高齢社会に突入した日本の情報社会の将来は、ユーザー(消費者)がいかにICTを駆使し、供給側はいかにICTでネットワーク化された社会を構築し、ユーザーに優しいより豊かな情報社会を形成することができるかが課題となる。 ・65歳以上のインターネット利用状況は、平成20年末から23年末で約1.6倍と年々増加傾向にある。 ・また高齢者にとってオンライン・ショッピングも当たり前のものになり、行政手続きも役所に行っていたものが一部、自宅でオンライン申請ができるようになった。電子政府サービスの普及である。今後は、ICTサービスや商品が無用の長物とならないよう、高齢者はICTリテラシー(習得度)を身に付けなければならないということだろう。 ・さらに医療や年金などの社会保障の負担が、現役世代に重くのしかかり、個人格差が広がり地域社会やコミュニティ意識が希薄化するおそれもある。こうした社会背景において、ICTはパラダイムシフトをもたらす原動力の一つとして期待されている。時間や距離といった制約を越えて積極的な利活用を促すことにより、将来的に高齢者の生活を変革し、活力を引き出すエンジンになるとも期待されている。いよいよ、情報化と高齢化が融合する人類史上初めての新複合時代の幕開けである。 <解消するか、デジタル・デバイド(情報利活用格差)> ・既に60歳代の団塊の世代は8割がインターネットを使える調査結果もあり、シニア世代の本格的デジタル経済が間もなく始まる。 <政府が超高齢社会対策に乗り出す> ・今後、特に2025年問題の解決策として、下記の諸点を重点分野にした対応が急がれる、と報告された。 1、 在宅医療・介護を徹底して追及する 2、 住まいの新たな展開を図る 3、 地域づくりの観点から介護予防を推進する <高齢者雇用が地方創生の鍵> ・2020年には約8割の高齢者が介護不要で自立できるといわれている。つまり元気なアクティブ・シニア層が増えるということだ。このアクティブ・シニア対策が喫緊の課題となっている。少子高齢社会の中でますます生産労働人口が縮小する。経済成長の制約となっていた生産労働人口の減少を解消するのはどうしたらよいのか。 ・最近多くの企業が導入し始めている取り組みは、 高齢者の退職年齢を上げる、 フレキシブルな働き方を提供し、働きやすい環境を作る、 クラウドソーシングなどを利用して、インターネットを使い、適材適所の仕事を依頼する、 テレワーク(在宅勤務)を推進する、などがある。 ・高齢化に加え、少子化も深刻な日本では、今後の労働力が懸念される。地域の過疎化や就労機会が減少すれば、少子高齢化が進む地方では地域経済そのものが疲弊する。こうした問題を解決するのが、“テレワーク”だ。在宅勤務で日本を変えるというスローガンのもとで、さまざまな取り組みがスタートしている。 ・テレワークのメリットは、満員電車に揺られて通勤する必要のない、働く時間や場所の制約がない点にある。もちろん会社に勤める他の社員や職員と同様の成果を挙げなければならないし、同等の拘束時間や仕事のクオリティも追及されるだろう。しかし、時間や場所に縛られないテレワークの働き方は、働く意欲があっても、体力的な理由から通勤が困難な高齢者や、出産、育児、介護に時間が必要な就業者が仕事をすることができることから、今後成長が期待される分野である。 ・また、多くの人材を確保することが難しい中堅・中小企業にとっては、全国各地から人を募集できるので、有能で多様な人材を幅広い範囲で確保することができ、さらには生産性向上につながるともいわれている。この他、テレワークによって、家族と過ごす時間や自己啓発や趣味の時間が増える等、生活にゆとりが生まれ、ワークライフバランスの向上にも効果があるだろう。 ・実際にはまだ大企業を中心に1割の導入に留まっているテレワーク制度であるが、高齢者の社会参加や社会貢献に加え、ワークライフバランスの観点から有効な施策となる。資本金50憶円以上の企業では25%の普及である。働き方だけではなく、新しい高齢社会モデルを構築するための地域振興や規則改革を同時に進めることも検討しなければならない。 ・また高齢者の起業も盛んだが、数少ない成功事例の一つが福島県上勝町で行われている“いろどり“事業だ。高齢者の自立支援策、日本料理を飾り付ける草花を、地域の植物をよく知る高齢者が収穫し、全国の料亭に、タブレット端末を利用して販売する”葉っぱビジネス“が注目を集めている。 <総務省「ICT超高齢社会構想会議」> ・高齢者が自ら会社を興し、地域に還元し経済を潤す。高齢者は生きがいを見つけ社会貢献ができる。こうしたモデルが日本全国で展開できれば、地方創生は現実のものとなる。筆者の小尾が委員長を務めた総務省の研究会で視察した東京都三鷹市では自治体が高齢者の起業を応援しているケースだ。NPO「シニアSOHO普及サロン・三鷹」が中心となって活動している。この他、地域支援マッチングのアブセックや孫育て工房で地域ケアのBABAラボをはじめとする高齢者の自立支援地域プロジェクト事例は急増中である。  問題は日本全国で展開される数多くのプロジェクトが政府の支援や特区モデルを離れた時、プロジェクトが自立し、独り立ちできるかが勝負である。 <人類は“シルバー・ツナミ(津波)”で滅亡するリスクがある> ・“シルバー・ツナミ”とはピーク時に24億人に膨れ上がる高齢者集団が津波のように押し寄せてくる、との比喩的な表現である。スピーチの続きだが、「世界で最初に“シルバー・ツナミ”に襲われるのは日本であり、我が国の対応次第で世界の歴史が変わるかもしれない」と述べた。 ・全てを書き終え、次の四つの分野にわたる優先的課題解決の必要性を理解することができる。 第1に、雇用問題である。深刻な労働力不足が将来起きるが、高齢者、そして女性の活躍こそ日本再生の王道である。特に、アベノミクスが目指す“女性が輝く社会”の推進は超高齢社会において必要不可欠であり、一歩でも前進することを望みたい。残念なことに、日本の女性の社会進出は、先進国中、韓国に次いでランクが低いのが実情である。 ・第2に、シルバービジネス3000兆円市場(2050年)への企業努力である。 ・第3に、日本の経験や教訓を後に続く世界各国に紹介していく国際貢献の責務を忘れてはならない。 ・最後に、電子政府など行政の役割である。今後の研究課題だが、高齢者に優しい電子政府の推進が経済活性化の鍵を握ることを証明する必要がある。 ・電子政府がフルに活動すれば、日本政府は経費の3割をカット可能との試算がある。 『治すヨガ!』  沖正弘がのこしてくれた 船瀬俊介    三五館   2015/9/22 <丈夫になるのに重要なことは、いかに少なく食べるかの工夫である。> <あらゆる健康法はみなヨガの中にある。あらゆる自然療法がある。> <運命のつくり主は自分です。自分を励ますものは自分以外にありません。> <呼吸こそ、心身コントロールのカギである。呼吸法はヨガ行法の中心である。> <ヨガでは「生命が神である」と考える。すべての中に神が存在する。> <食べないほど幸せである。食べる工夫ではなく、食べない工夫をしろ。> <腹が減るほど調子が出るのが本当の健康体> ・沖先生の第一声は、忘れがたい。若い私にとって、まさに目からウロコでした。  だれでも、人並みに食べたい。そうすれば幸せ。そう信じて、額に汗して働いているのですから。それを、ヨガでは「食べるな!」というのです。天と地がひっくり返るとはこのことです。  しかし――。今、私は確信します。人は、食べないほど、幸せなのです。 「空腹を楽しめ!」 この沖先生の言葉も、ヨガの神髄を表しています。 「腹が減るほど調子が出るのが本当の健康体だ!」 私は断食や一日一食を実践して、まさにそのとおりと確信します。 ファスティング(断食・少食・一日一食)は、万病を治す妙法であるーー。 これは、ヨガの奥義です。5000年以上の歴史を誇る実践科学、それがヨガです。その到達した結論が、ファスティングなのです。 人生の幸福も治病も“食べない”ことで、達成されるのです。 現代医学も、現代栄養学も、声を揃えてこう叫びます。 「餓死しますヨッ!」 医師たちは誤った西洋医学を学び、栄養士たちは誤った栄養学を学んできたのです。 <命が喜ぶ“至上の幸福”> ・ヨガの究極の目的は「生命が喜ぶ」ことです。ヨガが「食べない工夫」を説くのは、それが「生命が喜ぶ」ことに通じるからです。  具体的に「食べない智慧」の恩恵をあげてみます。 (1) 万病が治る:これは、万病の原因が“体毒”だからです。それは代謝能力を超えるほど食べたことで、身体に留まります。断食すれば、“体毒”はすみやかに排泄され、身体はクリーンに自己浄化されます。病気の原因の毒素が排出されれば、病気が治るのは当たり前です。 (2) 生命力が高まる:“体毒”が排泄され、自己浄化されれば、身体は宇宙からいただいた理想状態に戻ります。すると、自然治癒力、免疫力、身体能力、精神力、直感力、生殖力……あらゆる生命力が最高レベルに高まるのも当然です。 (3) 精神が安定する:断食や一日一食の人たちに共通するのは、“怒らなくなった”“落ち込まなくなった”“許せるようになった”という心の変化です。 (4) 仕事がはかどる:「たべなきゃ仕事にならんだろう」と思うかもしれません。しかし、逆なのです。心身能力が高まり、身体も頭も冴えて驚くほど仕事が進むのです。 (5) 睡眠時間が短くなる:一日三食なら9時間、二食なら6時間、一食なら3時間の睡眠ですむようになります。食事、睡眠は3分の1、仕事、人生は3倍楽しめるのです。 (6) 食費がかからない:これは、いうまでもないことです。 (7) 子宝に恵まれる:ファスティングは男女ともSEX能力を高めます。 (8) 若返る:長寿遺伝子(サーチュイン)の発見で証明されました。「食べないから若い」、「食べるから老ける」のです。 (9) 感性が豊かに:直感力、創造力が高まるため、学問、芸術、創作活動などの能力が花開きます。 (10) 社会が平和に:「食べない」と心が平和になります。 <身体が教えてくれる食べ間違い> <丈夫になるのに重要なことは、いかに少なく食べるかの工夫である> <症状からわかる適した食べ方、栄養素> ▼異常な食欲:やたら食べたい、甘いものが欲しいなどは、運動不足や心の乱れの現れ。 ・栄養素は、多すぎても少なすぎても体調に影響します。  沖先生はこれらの対処法として断食を勧めています。身体がクリ-ンアップし、真に必要な食物が直感的にわかるようになります。 <ファスティング(少食・断食・一日一食)は、万病を治す妙法である――。 > ・沖正弘導師――沖ヨガの開祖であり、ヨガの指導者として、国際的に有名です。沖先生との出会いが、私のその後の人生を決定づけました。 ・ヨガは約5000年以上前にインド地方で生まれたと伝えられます。 それは、心身の調和を理想とする哲学であり科学です。その目的は「自分で自分の肉体や精神をコントロールする」ことです。言い換えれば「どんな過酷な環境に置かれたときでも、それに耐えられる肉体と精神をつくる」ことです。つまり「人間という生物の持つ能力を最大限に発揮する方法」なのです。 ・ヨガという言葉は、古代サンスクリット語で「つなぐ」という意味です。いったい何と何をつなぐのでしょう?  それは、「宇宙」と「人間」をつなぐのです。自分が大宇宙の一部であると体得する。そこから感謝と愛が沸き起こってきます。  ヨガの基本の教えは2つあります。 「いつでも感謝し、いつでも笑える心を持ちなさい」 この教えを体得できれば、あなたの命もいききとよみがえってくるでしょう。 <慢性病の治し方> <慢性病とは、人格病、生活病なり。生活を変えれば、体質も気質も変わり治ってしまう。> ・ところが、習慣だとか、癖だとか、一つの条件が固定すると、同一状態を続けます。同じ状態が続くから『慢性』という言葉を使うのです。異常が固定したということは、体質が異常な性質になっているということです。このように、慢性病は病気というより、異様な体質と気質が固定化している状態であると考えるべきです。 ・「慢性病から救われる第一の方法は、停止している状態を変化させることです。同じ生活、同じような身体の養い方や使い方をしているから、慢性病になるのです。  だから、救われるには、生活を変えることが、そのカギです。生活を変えれば、体質も変わり、気質も変わります。これにより、慢性病は治ってしまうのです」 <クスリで治らぬなら、「医・食・住」を変えよ> ・「慢性病という言葉の『病』というイメージから、『薬』を連想させますから、治らないのです。薬を飲んで、習慣性が変わるはずがありません。いくら注射をしても、鍼を打っても、癖が治るはずはなく、考え方も変わるはずがありません」 <生活を変えるには、心を変える> ・「今まで、好きなものばかり食べていた人は、嫌いで食べたこともないものも食べてみます。今まで、こういうことばかりしていて、他のことをしなかったという人は、その『しなかった』ことをやってみるのです。生活を変えること、慢性病はなくなってしまうのです。生活を変えるには、心を変えることがそのカギです」 <ガンはこうすれば治る> <私自身、ガンをわずらい、13年かけて治した。私の指導で筋腫やガンの治った人々が無数いる> <ガンは血液浄化と延命装置である> ・森下博士は「ガンは血液浄化装置」と言います。ガンも他の病気と同じく、“体毒”から発病します。そして、その毒素が最大限に身体を侵した状態になったとき、発病するのです。そのとき、血液も“毒”で汚れています。放置しておくと敗血症を起こします。敗血症とは血液が腐敗する病気で、発症すると多くの場合1週間以内に死亡します。 ・身体は、その最悪の事態を回避するために、自身の弱った部分で、その“毒”を引き受けるのです。早くいえば“ゴミ捨て場”を作るようなものです。すると血液中の“毒”は、そこに留まっていき、血液は浄化されるのです。そして敗血症で急死という最悪のケースを避けられます。「だから、ガンは延命装置でもあるのです」(森下博士)  つまり、ガンが命を救ってくれ、命を長らえさせてくれている。ガンにも存在する理由があるのです。 ・私が敬愛するもう一人の医師、新潟大学名誉教授の安保徹博士の理論も明快です。 「ガンは低血流、低体温、低酸素の場所にできる」。だから、まずはこれらを改善することがガンを快方に向かわせる秘訣なのです。 <断食でガンは真っ先に消える> ・森下博士は、ガンを治すベストの方法はファスティングと断言します。 「身体を飢餓状態にすると、体細胞は血球細胞に戻ります。これを異化作用といいます。身体は、害を受けた組織を血球細胞に戻す働きがあります。だから、断食をすると、真っ先にガン細胞が血球細胞に戻り、排泄されていくのです」(森下博士)   私も実際に、わずか4カ月の断食療法によって直系10センチのガンが消滅した事例を知っています。 ・断食が病気を治す根本原理は、その排毒作用です。ガンという毒素は、最優先で排毒されていくのです。ただし、ガンが育った背景には、誤った生活習慣があります。それも並行して正すことは、いうまでもありません。沖先生も同じ主張をしています。 ・「ガンは細胞の弱い所にできるものである。弱っている細胞は萎縮して、血行が悪く、栄養も酸素も不足している。断ち、捨て、離れることで、日常生活の習慣を一度、ブチこわして、違った角度から生活を見直すことが効果的である」  生活改善とは、当然、心の改善もともないます。 「ガンになりようのない血液と細胞と心を持てば、心配することはないのである」 ・われわれは「ガンは治らない」と“洗脳”されています。だから、告知の瞬間から恐怖で落ち込む。すると、ガンと戦うナチュラルキラー(NK)細胞が急減します。 自らガンを完治させた沖先生は言い放ちます。 「私は病人面して寝ることをしなかった。かえって、意識的に、人も驚く超人的な生活を続けることを心がけた。これが治るコツである」  さて最後に沖先生が勧めるガンを治す食事をご紹介しておきましょう。 「酵素、カルシウム、ビタミンおよび植物酸を多くし、偏食のない少食にする。脂肪を少なく、玄米、海藻、生野菜をとる。手軽で一番良い方法は、生食、自然食、断食をくり返すことである」 <病はチャンスだ> ・ヨガは病や悩みを、自己改造進化の教師と考える。 ・「このガンが、本格的にヨガの修行をやってみる決心をつくってくださった」(沖先生) <胃弱な人の治療法> ・胃弱の人は、胃に無理をかける。姿勢が悪い。神経が苛立つ。この3つに対応する治し方をすればよい。 <万病を治す第一歩はファスティング> ・「胃に無理をかける」とは、早くいえば“食べ過ぎ”です。  だから、まず「食べなければいい」のです。つまり「胃を休ませる」。このファスティング(断食)で、ほとんどの胃病は治ります。なんとあっけないことでしょう。  その他、腸炎、下痢などの消化器疾患も「食べなきゃ、治る」のです。 ・万病を治す第一歩は、ファスティングなのです。それなくして、いかなる病気も治りません。 まずは、朝食を抜く半断食をお勧めします。これでも、相当胃は楽になるはずです。半断食ができるようになったら、一日一食にしてみます。それをクリアしたら、三日断食に挑戦しましょう。 ・ちなみに「食欲が出ない」「疲れやすい」「だるい」のは、ビタミンB₁、B₃などの不足です。これらは、玄米や小麦胚芽などに多く含まれます。つまり、精白した米や小麦粉、白パンなどを食べているために起こる一種のカッケ症状です。  日ごろから未精白の穀物、雑穀、胚芽パン、さらにゴマ、木の実などを食べる習慣があれば、このような症状とは無縁に過ごすことができます。 <血圧はコントロールできる> ・断食をし、深呼吸を繰り返す。この2つが、血圧調整の決め手である。 <菜食は血圧を下げ、脳卒中などを防ぐ> ・高血圧の人は、まず食生活に問題があります。例外なく過食、美食、肉食の人が多い。食べることが無二の楽しみなのですね。しかし、楽あれば苦あり。今度は、そのツケの高血圧で苦しむことになります。そういう人は同時に糖尿病、心臓病の気もあります。結論からいえば、まず食生活を改めなければ、高血圧は治りません。 ・まず過食、美食、肉食を少食、粗食、菜食に変えることです。 とくに、日本人は戦後、欧米型の食生活に憧れ、さらにアメリカの占領政策で、“餌付け”されたため、肉食過多に陥っています。肉食、動物食は、まさに万病の元です。 ・菜食が高血圧を劇的に改善する。これは科学的実験からも証明された事実なのです。菜食主義者と一般人を比較すると、肉食などを行なう人は、年齢とともに血圧が上がっていきます。それは、動脈硬化が進み、血管が硬くなっているからです。逆に、ベジタリアンは年齢とともに血圧は低くなっています。それは、血管壁が柔軟であることの証明です。柔らかい血管の持ち主は、脳卒中や心臓病とも無縁の人生を送ることができます。 ・「腹八分に医者いらず」「腹六分で老いを忘れる」「腹四分で仏に近づく」……。 これはファスティングの重要性を明快に説いたものです。  さらに「食べる工夫でなく、食べない工夫をしろ」「空腹を楽しめ」「腹が減るほど調子が出るのが、本当の健康体だ」……。  まさに、目からウロコ。これらの言葉は、その後の私の人生を大きく変えることになりました。 『脳を鍛えるには運動しかない!』 最新科学でわかった脳細胞の増やし方 ジョンJ.レイディ with エリック・ヘイガーマン  NHK出版   2009/3 <結びつける> ・運動すると気分がすっきりすることはだれでも知っている。けれども、なぜそうなるのかわかっている人はほとんどいない。ストレスが解消されるから、筋肉の緊張がやわらぐから、あるいは、脳内物質のエンドルフィンが増えるから――たいていの人はそんなふうに考えている。でも本当は、運動で爽快な気分になるのは、心臓から血液がさかんに送りだされ、脳がベストの状態になるからなのだ。わたしに言わせれば、運動が脳にももたらすような効果は、体への効果よりはるかに重要で、魅力的だ。筋力や心肺機能を高めることは、むしろ運動の副次的効果にすぎない。わたしはよく患者に、運動をするのは、脳を育ててよい状態に保つためだと話している。 ・人類の脳の回路には、食物と体の活動と学習とのつながりがもともと組み込まれているのだ。 ・しかし、わたしたちはもはや狩りも採集もしていない。そこに問題がある。動くことの少ない現代の生活は人間本来の性質を壊し、人類という種の存続を根底から脅かしている。証拠はあちこちに見られる。アメリカのおとなの65パーセントが太りすぎで、国民の10パーセントがⅡ型糖尿病を患っている。運動不足と栄養の偏りが原因の破滅的な疾病だが、生活習慣によって十分予防できるはずだ。かつては中高年の病気と言われていたこの疾病が、今では若い人たちに広まりつつある。わたしたちは自分で自分の首を絞めているようなもので、しかもそれは生活のすべてが特大サイズのアメリカに限った話ではなく、先進国全体の問題となっている。もっと気がかりで、しかも、ほとんどだれも気づいていないのは、動かない生活は脳も殺してしまうということだ。実際に脳は縮んでいくのである。 ・私が、願うのは、運動が脳の働きをどれほど向上させるかを多くの人が知り、それをモチベーションとして積極的に運動を生活に取り入れるようになることだ。もっとも、それを義務だとは思ってほしくない。運動はもちろんするべきなのだが、無理強いするつもりはない(おそらく、そんなことをしても無駄だ。ラットの実験により、強制された運動では自発的な運動ほどの効果が出ないことがわかっている)。運動をしたいと心から思えるようになれば、そのとき、あなたは違う未来へ向かう道を歩み始めている。それは生き残るための道ではなく、成長するための道なのだ。 ・わたしが強調したかったこと――運動は脳の機能を最善にする唯一にして最強の手段だということ――は、何百と言う研究論文に基づいており、その論文の大半はこの10年以内に発表されたものだ。脳のはたらきについての理解は、その比較的短い期間にすっかりくつがえされた。この10年は、人間の特性に興味をもつ人すべてにとって、心沸きたつような時代だった。わたし自身、本書のための調査を通じて、運動の効果にますます驚かされ、直観的な洞察は科学に裏打ちされた真実へと変わっていった。 ・「だれもが最大の効果を得られる最小の量を知りたがっている」とは、デューク大学の運動生理学者ブライアン・ドゥシャの弁だ。彼は、週にわずか3時間ウォーキングをしただけで心血管系にプラスになることを示す研究を発表したとたん、マスコミからひっぱりだこになった。 <ウォーキング> ・1日1時間、最大心拍数の55から65パーセントでウォーキングを始めれば、その時間で歩ける距離は自然と延び、次第に健康になっていくだろう。このレベル(低強度)では、脂肪が燃料として燃やされ、代謝が盛んになる。体の脂肪が多すぎると、筋肉はインスリン抵抗性をもつようになり、そのせいで脂肪がますます蓄積し、インスリン様成長因子(IGF-1)の生産は減る。 ・2007年にミシガン大学で行われた研究によると、1セットの有酸素運動で、翌日にはインスリン抵抗性が改善されていた。筋肉の組織を運動の前後で比較したところ、運動後の筋線維には脂肪の合成に欠かせないタンパク質が生じていた。その効果がどれほど長くつづくのかはわからないが、その発見はほんの少しの運動でもプラスのドミノ効果が起きることを証明した。 <ジョギング> ・脳細胞の内側では、中強度の運動が引き金となって代謝系の掃除屋とも言うべきたんぱく質や酵素が放出され、フリーラジカルやDNAの破片、そのまま放置すると細胞の破壊をもたらす炎症因子を始末する。研究が進むに従って、抗酸化剤を薬の形で服用しても効果はないこと――むしろ有害であるかもしれない――が示唆されているが、有酸素運動によって細胞内に自家製の抗酸化剤を作り出せることはあまり知られていない。しかも、抗酸化剤は話の一部にすぎない。十分な修復期間があれば、運動が導く修復反応によって、ニューロンはより強くなるのだ。 『マイクロトレンド』  世の中を動かす1%の人びと マーク・J・ペン  with E・キニー・ザスレン 日本放送協会出版 2008/4/25 <将来が予想通りになることはめったにない> ・実は未来を左右する小さなグループがその眼にいくつも飛び込んでくるだろう。現代においては、1%の大きな力を見つけることが、ビジネスや投資、未来予測の成功を約束するのだ。ようこそ、マイクロトレンドの世界へ! ・著者はアメリカの政治において最も鋭い洞察力を持つ世論調査員として広く知られ「ワシントンきってのパワフルな人物」と評される。 <働く定年退職者> ・いまやほとんどの人は85歳まで健康を保ち、実際に65歳で定年退職する人はますます減っている。現在アメリカには65歳以上の労働者が1980年代全般の2倍近くにあたる500万人おり、さらに爆発的に増える見込みだ。 ・シニアになっても働き続ける最大の理由は、アメリカ人が実は仕事が好きなためだ。寿命が延びたのなら、もっと長く働きたいのである。きっと物足りないのだろう。 ・アメリカ人の労働時間は年平均1800時間を超えており、世界のほとんどの国よりずっと長い。西ヨーロッパ諸国と比べて年間の休暇が少ないにもかかわらず、消化されない休暇日数は倍以上になる。 <アメリカ人の多くは仕事が好きなのだ> ・事実、仕事をすることは本能的な欲求であり、第4の戒律(カトリックでは第3)とは「週に1日は安息日を守ること」とある。 ・仕事中毒の人々の数はうなぎ上りとなっている。もっと仕事をしたいと思っているうちは死の床につかないと高齢者が話しているのを何度も耳にしたことがあるだろう。そして、多くの人はそれを実行している。 ・仕事に対する認識が変化しているのに加えて、ベビーブーム世代が65歳に近づいていることを考えると、金の時計、安楽椅子、ゴルフコースといった従来の「定年退職」のイメージそのものが退職のときを迎えつつあるのだ。 ・ベビーブーム世代の4人に3人以上が従来のような定年退職をするつもりはないと考えている。それどころか、彼らは、20年後も仕事を続けているつもりであり、「死ぬまで仕事を続ける」と答えている。 ・肉体労働のほうが多かった時代には、病気や痛みを抱えた高齢者が働き続けるのは辛かった。しかし、情報時代にあっては、高齢者ほど情報が豊富な人たちはいない。 <労働人口(毎年)1%増。若い世代は起業する> ・1978年以降、70歳未満の労働者を強制的に退職させることは違法となっており、1986年以降は定年だからと言って強制的に退職させることはなくなっている。 <社会保障制度の危機を救う> ・さまざまな研究によって、健康でいられる期間を延ばすためには、身体と精神を活動させることが重要であることがわかっている。私たちの平均寿命はまだまだ延びるのではないだろうか。 ・働く定年退職者がトレンドになると、家族と言う形態が守られることになるかもしれない。 ・いまの大学の新入生に関する調査によると、彼らが人生でもっとも優先しているのはお金儲けと、そして家族を養うことだ。「労働年数」が突然これまでより20年長くなれば、いよいよその両方が可能になるのではないだろうか。 ・かっては老後と呼ばれていた時期が、いまの高齢者にとっては絶好のチャンスになっている。  

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