AIも、未来の労働を変える。資本主義の発展は、より少ない人間による生産を意味します。コンピューターやAIの進化は、その傾向を顕著にすると同時に、資本主義的生産の目指す道ともいえます。(10)

<反知識主義>

・反知識主義とは、問題や体制の本質的な理解を妨げ、公共における知識や情報の広がりに反対する思想であり、新しく合理的な概念を拒絶し、盲目的に古い権威を絶対とする態度を意味する。反啓蒙主義と同義であり、語源であるObscurantismは愚民政策としても翻訳されている。これに派生するイデオロギー(社会概念)として、国家主義、権威主義、専制主義、全体主義、軍国主義、ポピュリズム、コーポラティズム、ファシズムなどがあり、いずれも人権抑圧の色合いが濃厚である。

<Ghetto Burnin>

・中谷元の地元紙が防衛庁長官就任の祝辞で埋め尽くされていたのだが、語るまでもなく彼はネオコンサバティブ(金融、軍需、エネルギー産業の複合体)の負託を受け、軍事国家を構想するミリタリストである。くだんの広告には経済団体だけでなく市町村議会までもが参画するとおり、すでに地方も官民挙げて翼賛体制へ没入しつつあるのだ。

<衆愚政治>

・衆愚政治とは有権者の大半が知性を欠き、判断力や理解力が乏しいため、専制者の扇動や詭弁により誤った意思決定をおこない、社会機能が不全に陥る政治体制を意味する。

<Reality Bites>

・おそらく経済カタストロフィは首都圏の不動産暴落がトリガーとなるだろう。1000兆円とされる地価総額は五輪終了後を機に3分の1以下に下落し、キャピタルフライト(資本の海外逃避)が急加速するはずだ。

<円キャリー>

・円キャリートレードとは、低金利の円を運用し外国の通貨あるいは株や債券などの金融商品に投資することを意味する。

<人格破綻者が国家を運営する>

<mass hysteria definition>

<分割統治>

・統治者は被支配者間における民族的、宗教的、経済的利害の対立を煽り、互いに憎悪させることにより体制の安定化をはかる。ローマ帝国は支配下に治めた国家群の連帯を禁止し、都市毎に差別的な処遇をおこなう分割統治によって反乱を抑え、これらの政策手法は16世紀以降の植民地統治にも応用された。

<in a puzzle>

・換言するならば「カネ不足」は社会資本を富裕層へ傾斜配分した結果、経済市場から消費マネーが揮発したことによるのだ。それは「生産と消費の矛盾」という経済学の初歩的原理であり、つまりこの国の代表議会は知性と論理の一切を放棄しているのである。しかし愚かな国民はこのような仕組を知るどころか、投機市場に供給されるカネが国債との交換であり、つまり将来の増税や福祉の削減を担保とするマネーサプライだという理解もないのだ。

<プレカリアート>

・プレカリアートとは、「不安定な(precarious)」と「労働者階級(proletariat)」を組み合わせた造語であり、90年代から急増した非正規就労者など、不安定雇用に放置された社会層を意味する。フリーター、パートタイマー、派遣労働者、契約社員、委託労働者から広義には零細自営業者や失業者まで包括され、プロレタリアートに替わる新自由主義時代の「新貧困層」として位置づけられる。

 雇用市場から疎外されたプレカリアートの増大は、グローバリズムを背景とする世界的な現象だ。資本規制の緩和により合併が進み、コングロマリット化した企業は生産拠点を海外に移設し、低コストの人件費により安価な製品を大量生産するが、輸出先では製品が溢れかえりデフレが進行する。これにより企業は人件費抑制のため正社員比率を引き下げ、非正規雇用が増加するというスパイラルである。

<Do Androids Dream ?>

・もはやカキストクラシー(人格破綻者が最悪の国家運営をする)の体系である。

 未だ民衆は意思決定が国家議会によるのだと錯誤しているのだけれど、かつて国家元首を務めた鳩山由紀夫が証言するとおり、主要な法律群はすべて「日米合同委員会(在日米軍トップと各省庁局長級との会合)によって決定されるのだ。推論規則に従えば3・11直後の協議において東日本在住者の棄民が密約化したことは間違いないのだと思う。

 語るまでもなくそのような植民地政府の上部構造として多国籍資本が君臨するのだ。つまるところ法律群の一切が彼らの利潤最大化を目的とするのであり、そこに人道性が介在する余地など皆無であり、民族体系の存続など思慮されることなどあり得ず、すなわち全てがカネなのである。

<Life After Dearh>

<メディア・リテラシー>

・メディア・リテラシーとは情報を主体的に読み解き、それを活用する能力を意味し、カナダ、イギリス、オーストラリアなどでは公的な教育カリキュラムとして導入されている。

<国民の総入れ替えを目論む>

<a Civil War>

・構造改革からすでに15年が経過するのだけれど、以来この体系は「底辺の競争=外資優遇のため労働権や福祉権を最低レベルに引き下げること」」を国策化しているのだ。換言するならば国家イズムとは倒産、離散、自殺、売春の増大をメルクマール(成功の指標)とするのである。

・しかし支配機構はさらに貧困を強化するのだ。その中心手段とは非正規就労の固定と年金支給年齢の引上げと移民労働の解禁であり、これにより若年世代と中高齢者と外国人が職を奪い合い賃金デフレが常態化するというわけだ。繰り返すがこれは国策なのだから、今後さらに賃金は下がり続け、ニホン国のそれは先進国中最低を更新するのである。

・いずれにしろ年間20万人という途方もない外国人の流入は、もはや移民ではなく事実上の植民と言えるだろう。支配機構は低コストな労働力が確保できるだけでなく、「国民の総入れ替え」により教育や医療など社会コストの全面削減が可能となり、さらに抑制した社会資本を内外の特権階級へ傾斜配分するという方法論に他ならない。

 つまるところ国策化された貧困とは世帯の維持困難から出生率を激減せしむ「穏健な形式の民族浄化」なのであり、すべては国家の自律性が侵食される現代文脈の中で生起した現象なのである。

・ニホン国においてはリーマン・ショック時に横行した派遣切りや非正規就労者の貧困問題などを踏まえ、2010年に製造業派遣や登録型派遣の原則禁止を盛り込んだ「労働規制改革案」が衆院で策定される。しかし、日本経団連の負託を受ける自由民主党や公明党などが、これに激しく反発し不成立に終わった。

<H・U・S・H>

・かつてドイツ最大の新聞社で特派員を務めたウド・ウルフコッテは「買収されたジャーナリスト」において業界の内実を暴露している。それによると親米的(多国籍資本に有利)また政府寄りな記事を書けば金品はもちろん海外渡航のチケットや高級ホテルの宿泊券まで付与され昇進もできるが、対しそれを拒めば閑職に追いやられ退職を与儀なくされるという。

・実を言うと僕は昨秋に米国の経済誌編集者と会談し、共著を発行する予定であったのだが、同時進行していた「略奪シリーズ」続編の刊行とともに突如として取り消しを通告されたのである。出版社は口ごもるばかりで明確な理由を語らなかったのだけれど、「略奪1」の初版もとっくに完売状態であるにもかかわらず重版されないことから、各方面から圧力があったと推定せざるを得ないのだ。

・ついでにもうひとつ暴露すると、昨年の「略奪者3」の配信にあたっては著名ジャーナリストであるT・M氏より弁護士を通じて差し止めの通告があったのだ。先方は「彼女自身の言葉を引用することは許可するが、取材対象者の言葉は当事者間の取り決めにより掲載を不許可とする」というのだが、これほどメチャクチャな話もないだろう。

 そもそも僕は文化庁規定による引用・転載のルールに従い、つまり著作権法32条により則り引用先として彼女の作品名を全て明記しているのであり、過去の著作物においても全く違法性など無いのだ。外国人(取材対象者)と交わした個人の取り決めが国内法を超越するなどという論拠があるはずもなく、それに従わなければ提訴するというのなら出版世界はスラップ訴訟の温床となり、引用ルールの私的解釈がまかり通るならば言論世界は委縮し崩壊するだろう。

 

<洗脳>

・洗脳とは特定の目的のために思想や主義、記憶や認識を改変し、あらたな価値観を移植する行為を意味する。戦時中のニホンや北朝鮮などの専制国家では、暴力や薬物またスローガンの唱和になどにより、自我意識や人権感覚を剥奪する方法論が確立されていた。朝鮮戦争時、中国に捕獲された米兵が共産主義に教化された事件は米国社会に衝撃を与え、人格改造は以来Brain Washingとして、各国の軍事機関で研究されることになる。

<at nearest station>

・安保改正の議決に伴い文民統制が解除され、ついには地球全域への派兵が法案化されるとおり、すでに我々は寡頭資本家が意匠した歴史の檻の中にあるのだ。

「軍事のグローバリゼーション(脱 国境化)」とは自衛隊を米軍の下部組織とする再編計画である。早い話、宗主国は度重なる侵略戦争により公的債務が上限法の限界に達したことから、今後100兆円ベースで軍事予算を削減し派兵および駐留コストを属国ニホンに全面負担させるという目論見なのだ。

 さらに武器購入を要求し軍事産業の利益誘導を図る狙いであり、ニホン人は「悪質化した戦争=防衛ではなく他国の資源や市場を略奪するために実施する戦争」」に駆り出されるだけでなく莫大なカネを毟り取られるというわけだ。

<modern trojan horse>

・ショック・ドクトリン(惨事便乗型外交要綱)とは、この時代におけるTOE(万能理論)なのかもしれない。

・メディアはTPPの本質が農産物の自由化であるかのように誤誘導しているのだが、その核心が医療法人の株式会社化と国民皆保険制度の解体であることは明らかだろう。それは治療行為の全域にアメリカ型の市場原理主義を導入する試みであり、ISDS(投資家利潤の最大化を義務付けた付帯条項)による医療法第7条(営利を目的としてはならない)の粉砕なのである。

 

・なにしろ盲腸入院で500万円、貧血入院で200万円、クモ膜下手術で1500万円、狭心症手術で3000万円、がん治療で月額40万円を要するというのだから、ポストTPP社会において疾患とはそのまま破産か多重債務もしくは死を意味するのだ。現実として米国における破産の第一要因が高額医療費であり、それはつまり「資産移転(市民財産を没収し富裕層に集中させること)」というレッセフェール(超過激搾取主義)の中心手段なのである。

・これをシェーマ(概念図)に落とし込めば、バルジ・ブラケット(投資銀行)→ビッグファーマ→ロビー団体→米国議会→日米合同委員会→内閣法制局→ニホン国議会というヒエラルキー(命令系統)だ。この構造において医療法を解体し、薬価の上限を撤廃し、自由診療を解禁し、国民皆保険を廃止し、病院を株式会社化し、被爆地に住民を抑留し、汚染食品を摂取させ、核瓦礫を拡散し、放射性スチームを吸引させ、そこら中を病人だらけにしているのである。

・繰り返すが米国の公文書館の内部資料において「自由民主党は米国資本のため工作資金を投じて運営する傀儡政権である」と公然に記されているのであり、つまりこの国の政治者は民衆の生命財産に関心がないどころか、それを差し出すことによりカネと地位が担保される売国奴の群れに過ぎないのだ。

<ショック・ドクトリン>

・「ショック・ドクトリン」とは、カナダ人ジャーナリストであるナオミ・クラインが2007年に上梓した書籍のタイトルであり、以降は「大惨事につけ込んで実施される過激な改革」という意味で用いられる。クラインは市場原理主義を推進するグローバリストを批判し、一連の経済政策が人権侵害や残虐行為をもたらしていると主張。そして自然災害や財政破綻、あるいは軍事クーデターなどにより、市民社会が恐怖と混乱に陥った機会を狙い、急進的に経済改革が強行される「パターン」を見出したのだ。

<ナチズムの血脈>

<Made in Japan>

・有事法案が採決され軍事構想が鮮明化しているのだが、それはセキュリティ(国家安全)の重視によるのではなく、政治集団を睥睨する者達の教唆によるのであり、あらためて我々はT・ファーガソンが「政治の投資理論」と主張するとおり、“国家を支配するモノは共通の利潤に群がる投資家の集合である”と理解しなくてはならない。

<Life Force>

<あらためて、ネットは我々に知的進歩をもたらしたのだろうか?>

・あらためて、ネットは我々に知的進歩をもたらしたのだろうか?この答えは、巨大掲示板やSNSが示唆しているのだと思う。それは集団極性化が顕著であり、トートロジー(同語反復)による自己肯定、あるいは差別言説による陶酔と協同など、いわゆる同質の人間がネット上に集結し、さらには再生産されるという「サイバー・カスケード」の要件を万端に満たしているのだ。

<クレプトクラシー>

・クレプトクラシー(泥棒政治)とはギリシア語のkratos(盗む)とklept(支配)を語源とする造語であり、官僚機構や政治集団、また資本集団などが国民資産を略奪する体制を意味し、独裁制、寡頭制、家産制などがこれに該当する。議会制民主主義においても、官僚機構や企業ロビーなどの決定力が優勢な場合は民意が反映されず、租税や公共資源などの処分権が特権階級に属し、さらには国民の個人資産や生命すら所有物とみなされるのだ。

 その特徴とは、①過剰な大企業優遇により格差が拡大する、②公共事業や対外投資の損失により債務が膨張する、③社会保障費削減のために医療や教育サービスが低下する、④富の不均衡により不況が恒常化する、⑤財政運営の腐敗により国庫が破綻する、なのである。

・2002年、特別会計や財政投融資、また天下りや特殊法人問題など官僚利権を追求していた石井紘基議員は、右翼を自称する伊藤白水によって刺殺された。国内メディアは金銭トラブルを巡る殺人と報道したが、事件の1月前から永田町界隈で犯行が噂されていたことなどから、海外メディアは政治的暗殺であると報道したのだ。

<rapport infection>

・また電通など大手広告代理店が広告枠の割り振りにより主要メディアを掌握し、クライアント(多国籍企業)の利潤行動あるいは投資行為に支障となる報道一切を排除していることは皆様方もご承知の通りだが、さらに彼らは米国防省の下部機構として対日プロパガンダすら負託されているのだ。

・2015年、国際ジャーナリストが運営する「国境なき記者団」は、世界180カ国を対象とした報道自由度ランキングを公表したが、ニホン国は61位と大きく後退した。このレベルにおいて流布される情報とは、もはやフィクションの領域だろう。ニホン国メディアは只同然の電波使用料と引き換えに官報化しているのである。

<何が現実であるのか?>

・85年には43.3%だった法人税率は、90年には37.5%まで引き下げられ、さらに00年には30%まで引き下げられた。この間には連結納税制度、研究開発減税、欠損金の繰越期間延長、減価償却制度などの優遇措置も図られている。また配当金課税は証券優遇制度と分離課税により、90年代の20%から7%まで引き下げられ、全株式の70%を保有する大企業は全面的に税負担かが軽減された格好だ。

 日本経団連は40%の法人実効税率が高すぎるとして減税を要求しているが、既述のごとく実質負担は極めて軽微となっている。

・その上グローバル企業は多国間における複雑な資金操作に乗じ、所得を海外移転するなど巧妙なタックス・マネジメントを展開している。

<Symmetria>

・この国では誰もが政治について語るのですが、そもそも政治とは「社会資本の配分(徴収した税をいかに効率よく公平に再配分するか)」であるにもかかわらず、国民の99%は特別会計という本体予算の総額どころか存在すら知ることがなく、全く政治的無知の状態に置かれているのです。

・この国の法律の80%以上は代表議員ではなく公務員によって制定されるのだ。その比率は明治政府以降ほぼ変わりなく、一貫して官僚機構が法律を策定し、国政議員に代わり国家を統治する様相が浮き彫りとなっている。

・国会には法制局という機関があり、各省庁から参議院には約70名、衆議院に約80名が出向し法案を起草する補助業務を行っている。官僚機構が原案の段階から議員立法に深く関与し、おおよそ全領域的に省庁の意向を反映させていることから、立法府の独立性が損なわれていることは語るまでもない。つまり僅かな議員立法すら官吏に干渉され、民意が反映される余地は数%に止まるかゼロかという惨状だ。

『略奪者のロジック』

響堂雪乃   三五館   2013/2/21

<おそらく真理は清廉よりも、汚穢の中に見出されるのだろう>

<グローバリズム>

・グローバリズムという言葉は極めて抽象的なのだが、つまるところ16世紀から連綿と続く対外膨張エリートの有色人種支配に他ならない。この論理において我々非白人は人間とみなされていないのであり、アステカやインカのインディオと同じく侵略地の労働資源に過ぎないわけだ。

<労働法改正>

・外国人資本家の利益を最大化するため労働法が改正され、労働者の約40%近くが使い捨ての非正規就労者となり、年間30超円規模の賃金が不当に搾取されているのだから、この国の労働市場もコロンブス統治下のエスパニョーラ島と大差ないだろう。

 「文明の衝突」においては、優越種が劣等種を滅ぼすという歴史が繰り返されてきたのであり、危機に直面する我々は喫緊の生存戦略を問われている。

<Index Terms>

非正規就労:抑制した人件費を、企業と派遣事業者の利益に付け加えられる手段。

合成の誤謬:搾取が一私企業から全社会領域に波及し、経済が機能不全に陥ること。

Low Cost Slave(低賃金奴隷):経営環境によって賃金を増減するシステムの不可欠要員。

世論合意:メディアの暴力が形成する生活保護費削減の社会的コンセンサス。

竹中平蔵:派遣労働法を改正し、現在は人材派遣会社の会長職を務める元政治家。

円キャリー:年間30兆円ベースで削減した賃金をプールし、国外の投機で運用すること。

消費税:徴収額を多国籍企業と富裕層の減税や還付金などの各種優遇に用いる制度。

トリクルダウン理論:金持ちを優遇すれば景気が上向くという市場原理主義者の詭弁。

ILO(国際労働機関):労働条件の後進性が非難される日本が常任理事国を務める国際団体。

児童人口減少:労働者派遣法改正を要因とした晩婚化によって進捗する社会現象。

プレカリアート:構造改革によって現出したフリーターや非正規社員などの「新貧困層」。

労働者派遣事業:2000年初期から3倍にまで業容を拡大した成長産業のひとつ。

<君が未来を描きたければ、人間の顔を踏みつけるブーツを思い浮かべればいい。ジョージ・オーウェル(イギリスの作家)>

・2012年度の厚生労働省調査によると、非正規労働者30代男性の未婚率は75.6%、正規労働者の30.7%と比較し2.5倍もの差があることが判明。2004年の45.5%から僅か数年で30ポイント増加し、非正規労働者の経済的不安定が未婚化を加速させる様相を浮き彫りにしている。また非正規労働者の未婚・晩婚化は40代でも進行し、前回の25.3%から45.7%へ増加した。加速的な児童減少の原因が、構造改革による労働者派遣法改正であることは明らかだ。

<今日の奴隷ひとりの平均価格は、民主主義が最低レベルにあったと思われる時代に栄えたローマ帝国の価格の10分の1以下である。ロレッタ・ナポレオーニ(イタリアの経済学者)>

・グローバル経済において最下層の国民は最低賃金で雇用され、ゼロ・レイボア・コスト(生産コストにおいて人件費の占める割合が限りなくゼロに近い)を提供するのだが、つまりTPPが席巻するデフレは、人間そのものの低廉化をもたらしている。

<彼らはいい身体つきをしており、見栄えもよく均整がとれている。素晴らしい奴隷になるだろう。クリストファー・コロンブス(イタリアの探検家)>

・構造改革を契機に年収200万円以下のワーキングプアは1000万人に達し、正規雇用が190万人減り、非正規雇用は330万人も増加した試算となる。

・「ワーキング・プアということ自体の確立した定義がないので、どこがワーキングプアとは統計的にはなかなか言えない」などと答弁した。

・行政が貧困や格差問題に無関心であることが明らかだ。

<植民地を会社経営としたのだから、利益の追求が最大目的で、原住民の福祉が眼中にないのは当然である。清水馨八郎(千葉大学名誉教授)>

・97年から07年の間において、日本国企業の売上げに顕著な伸びはなかったが、経常利益は28兆円から53兆円に増加する。これに対し、労働者賃金は222兆円から192兆円に削減されていた。リストラや非正規就労の推進によって抑制された人件費が、そのまま企業と派遣事業者の利益に付け替えられた格好だ。さらに株式配当に対する税率を20%から10%に引き下げる証券優遇税制が延長されたことを受け、労働法の規制緩和を推進した投資集団の利益は倍増、企業群は270兆円規模の内部留保を蓄積した。

<エコノミックヒトマンとは、世界中の国を騙して莫大な金を掠め取る、きわめて高収入の仕事だ。ジョン・パーキンズ(エコノミスト)>

・小泉政権は「対日投資倍増計画」を掲げ、時価会計制度の導入によって企業価格を大幅に引き下げるなど、外国勢力による経済支配を推進したとおり、グローバル資本の実働部隊であったことは語るまでもない。主要企業の過半数株式を制圧した外国人投資家は、労賃の圧縮を求め「労働者派遣法」を改正させたのだが、これにより派遣法のネガティブリストに規定されていた労働種目がすべて解禁され、日本人労働者の実に3分の1が非正規という奴隷階級に転落した。

<インデァスこそ富そのものである。なぜなら、彼らは地を掘り、われらキリスト教徒のパンやその他の糧食を作り、鉱山から黄金を取り出し、人間と荷役動物の労役のすべてをするのが彼らだからだ。クリストファー・コロンブス(イタリアの探検家)>

・経済市場から流通マネーが枯渇しデフレへ発展した要因は、年間30兆円ベースで労働者賃金が削減され、その大半が企業内部留保や配当益となり、プールされた莫大な資本が円キャリーとして持ち出されているためだ。つまり過去10年において労働者が正当に受け取るべき300兆円規模の金が国内外の勢力によって搾取され、国民経済の本質である内需から揮発し、すでに国家は植民地の様相を呈している。

<私は、企業などというものは、そもそも無法者を内在しながら存在すると考えている。宮崎学(作家)>

・構造改革を契機に日経平均株価50%以上も下落し続けていたのだが、この間に主要企業の配当と役員報酬は2倍以上で推移している。つまり「労働者の非正規化は、商品価格の国際競争力維持のためやむを得ない」というのは虚言であり、労働者の逸失した賃金が直接的に企業利益と投資利潤に付け替えられているわけだ。1000万人が年収200万円以下の貧困層に転落する中、労働者派遣法改正により莫大な経常利益を確保した日産自動車のCEOは9億円、投資は平均2憶円の報酬額に達するなど、レッセフェールは社会資本の傾斜配分という歪みを増幅させている。

<君が奴隷であることだ。生まれたときから匂いも味もない牢獄に入れられている。ウォシャスキー兄弟(米国の映画監督)>

・2001年、小泉政権の発足直後に外資比率が50%を超える企業群の政治献金が合法化されているのだが、つまり自民党という政党は国民利益よりもインセンティブを重視し、国民福祉よりも外資利潤を優先する方針を明確に打ち出している。今後は確実にTPPへ批准し、ラテン・アメリカ諸国が挙証するとおり、国民生活の全領域において植民地化が進行するのだろう。

<我々が文明に麻酔をかけたわけだ。でないと持ちこたえられないからだ。だから覚醒させるわけにはいかない。スタニスワフ・レム(ポーランドの作家)>

・経団連グループによる全領域的な社会保障の削減要求とは、ステークホルダーへの傾斜的な利潤配分を目的化しているのであり、粗暴な言説は国家の上部構造として多国籍企業が君臨する構造を浮き彫りにしている。

<派遣労働が低賃金なのは当たり前。気ままに生活して賃金も社員並みというのは理解できない。御手洗富士夫(キャノン会長兼社長)>

・就労者の38%以上が非正規労働者となり、生活不安に脅かされている下層レイヤーに組み込まれているのだが、没落は不測の事態ではなく、企業利潤のため構造化されたものであるといえるだろう。

<対立するものを与えて、それを高みから統治せよ。ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(ドイツの哲学者)>

・「社会保障費の増大は、生活困難者の自助努力の不足によるものである」というコンセンサスがメディアの暴力によって形成され、大幅な削減が実践されようとしているのだが、そもそも生活保護費は特別会計の1.5%にも満たない額である。OECD加盟国中2位まで上昇した貧困が、労働者派遣法の改正によって構造化されたことは明らかだ。

<「改革で格差が広がったということはない」(竹中平蔵・第6代総務大臣)。>

・生活保護受給者は2003年当時より年間平均8万人ペースで増加しているとおり、その源泉が労働者派遣法改正による労働者の使い捨てであったことは明らかだ。

<政治のイロハも知らない素人が政治家と自称しているのである。マックス・ウェーバー(ドイツの社会学者)>

・小泉純一郎、竹中平蔵らが「多様な雇用形態が成長をもたらす」と主張し、非正規就労を強力に推進したのだが、派遣社員などが将来に要する福祉支援は年間20兆円に達することが明らかとなった。

<格差が出ることが悪いとは思わない。小泉純一郎(第89代内閣総理大臣)。>

・日本国では小泉改革から引き続き、米国を追従する市場原理主義政策が推進されている。2012年、行政府は究極の不公平税である消費税の引き上げを強行したが、教育予算はOECD加盟国中最低を更新中だ。一連の施策においては日本育英会が廃止され、奨学金制度が厳格化されたことから、教育格差による経済格差を固定し、国策として社会流動性を絶つ狙いであると指摘される。

<金持ちを貧乏人にしたところで、貧乏人が金持ちになるわけではない。マーガレット・サッチャー(イギリス史上初の女性首相)>

・世界銀行により貧困は基準化され、「絶対的な貧困者」と「相対的な貧困者」の二つに定義されている。

・「絶対的な貧困者」の人口は95年から20%増加し12億人に達し、世界人口の約50%に相当する30億人が1日2ドル以下で暮らしている。

・なおマーガレット・サッチャーは急進的な市場原理主義改革に着手したが、貧困層は増税となり富裕層は減税となるなど格差は拡大し、内需不足から企業倒産は5倍に達した。

<新自由主義は国民の生存権を憲法上義務付けた福祉国家の解体戦略である。二宮厚美(神戸大学教授)>

・ユニセフの調査によると2012年度の日本国における児童の貧困率は14.9%に達し、OECD加盟35ヵ国中ワースト9位であり、極めて悪化傾向にあることが判明する。

<世界で最も豊かな日本人が、なぜそれをできないのか?ミッシェル・フェルネックス(スイスのバーゼル大学教授)>

・ユニセフのレポートは各国の子育て支援や福祉政策にも言及しているが、日本国の児童福祉にかかわる公的支出はGDP対比1.3%程度、OECD加盟35ヵ国中においてワースト7位であり、市場原理主義の導入により児童の人権が抑圧される構図を示している。

<同じ嘘を何千回・何万回と繰り返せばそれは真実となる。アドルフ・ヒトラー(ナチス・ドイツ総統)>

・2012年、生活保護受給者が212万人を突破したことを受け、爆発的な社会保障支出を危惧する日本国政府は、テレビ媒体を主軸とする宣伝工作を実践した。

・生活保護費の削減を国民合意として、厚生労働省は年間100億円ベースの抑制策を打ち出す、「聖域視せず最大限の効率化を図る」などと、全面的に削減する方針を示したが、抑制された予算が公共事業費へ転用されることから、国民福祉を利権に付け替える行為に過ぎない。

<嘘も100回言えば真実になる。ヨゼフ・ゲッペルス(ナチス・ドイツ宣伝相)>

・竹中平蔵が唱導したトリクルダウン理論とは、富裕層が資産を増やせば、貧困層へも富が波及するという各国においては、富の寡占と傾斜配分が加速したのみであり、貧困層の生活が改善された事例はほとんど見られない。

<恐怖の連続だろ?それが奴隷の一生だ。デーヴィッド・ビープルズ(米国の脚本家)>

・98年、ILO(国際労働機関)新宣言として111号(雇用および職業における差別待遇禁止)、157号(社会保障の権利維持)などが加えられたが、当時の日本は構造改革をひかえ雇用規制の大幅な緩和策を打ち出していたため条約の加盟を見送った。

・ILO常任理事国である日本国の後進性が指摘されている。

<フリーターこそ終身雇用だ。南部靖之(人材派遣会社パソナ社長)>

・プレカリアートとは、「不安定な」と「労働者階級」を組み合わせた造語であり、90年代から急増した非正規就労者など不安定な雇用状況に放置された社会層を意味する。フリーター、パートタイマー、アルバイト、派遣労働者、契約社員、委託労働者から広義には零細自営業者や失業者まで包括され、プロレタリアートにかわる労働者派遣法改正が推進された結果、労働者派遣事業の売上げは2003年度の2兆3614億円から2008年には3倍以上となる7兆7892億円にまで達した。

<汝らは人類であるが、世界の他の国民は人類にあらずして獣類である。(タルムード「ユダヤ経典」の言葉)>

・ユニセフの統計によると、貧困を原因とする栄養不足や衛生悪化により年間平均1400万人の児童が死亡しているが、そのうちIMFや世界銀行の構造調整プログラム(融資条件として、債務国に福祉・教育・医療の切り捨てを迫る)の影響で死亡する児童は600万人に達するという。この数は紛争による年間死亡者数の12倍に達することから、金融勢力による途上国支配がもたらした構造的暴力であるとする見方が強い。

<新自由主義は階級権力の再構築に向けた支配階級の戦略的プロジェクトである。二宮厚美(神戸大学教授)>

・IMF出資国は「市場化と民主化が各国を発展させる」というスローガンを掲げていたが、融資条件に従い改革を行なった途上国社会は悲惨を極めている。世界人口65億人に占める貧困者の割合は1981年当時36%だったが、2000年には40%を突破し、特にアフリカ地域の貧困者は1億6400万人から3億1600万人まで増加。

<国家は、あらゆる立派な職業から弾き出された屑によって統治されている。ジョルジュ・デュアメル(フランスの作家)>

・世界支配のスキームは極めてシンプルであり、国際金融が破綻国家に対し国家主権の委譲を要求する。あるいは米国が傀儡政権を樹立し実質支配の下に国内法を改正する。抑制された社会支出は国庫に集約されるのではなく、各種の優遇税制により多国籍企業へ付与される仕組みだ。

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