1973年に、リアファ・ヘイトフィールドが、米国シンシナティの自分のトレーラーハウスの外でビッグフットがUFOに乗り込むのを目撃し、ビッグフットとUFO界の混線が起こった。(1)
(2022/7/18)
『イラストで見るUFOの歴史』
アダム・オールサッチ・ボードマン
マール社 2022/6/17
<ユーフォロジスト(UFO研究家)>
・歴史を通じて人々は、空飛ぶ奇妙な物体の驚くべき光景を目にしてきた、侵入してきたエイリアンか、単なる気象現象か。どちらにしても、理解しがたい奇妙さが生み出したのは、政府の調査機関、秘密のサークル、そして数えきれない熱心な調査研究家たち。
1950年代、米国空軍はこの謎を、極めて客観的だが印象的な呼び名「未確認飛行物体(UFO/Unidentified Flying Object)」で定義しようと試みた。故に、この現象の研究者はユーフォロジスト(UFO研究家)と呼ばれる。
<空飛ぶ円盤>
・現代UFO史は、1947年6月24日の事件から始まったと広く認められている。この日、防火装置の販売会社を営むケネス・アーノルドは、空飛ぶ円盤時代の幕を開けることになる何かを見た。午後3時頃、アーノルドは自家用コールエア機でレーニア山付近を飛行中、遠くに9つの物体を目にした。アーノルドは動いていく物体を「パイ皿のような形」、そして「カップの受け皿のような」と生き生きと説明した。アーノルドが記者にこの話をしたとき、「空飛ぶ円盤」という、以降長く使われることになった言葉が生まれた。
<円盤が攻めてきた!>
・アーノルドの空飛ぶ円盤目撃談が大いに人々の興味を集めると、パーマーは自分が始めた新しい雑誌『フェイト』に載せようと、似たような話を探した。同じワシントン州のモーリー島での似たような目撃体験について知ると、パーマーは調査報告のためにアーノルドを記者として送り込んだ。
・二人のうち一人、ハロルド・ダールは目撃後、謎の黒いスーツを着た男が自分のトレーラーハウスにやってきて、「人にこの話をするな」と警告した、と言っている。これは初期のメン・イン・ブラック(MiB)伝説の一つだ。
<ロズウェル事件>
・ケネスアーノルドが1947年6月に空飛ぶ円盤を目撃してからまもなく、ウイリアム・マック・レイゼルという牧場管理者が、米国ニューメキシコ州のロズウェル近くで墜落した物体の残骸を見つけた。
<円盤目撃>
・1947年の残骸が気球だったか宇宙船だったかどうかはさておき、ロズウェルはUFOの聖地となり、UFO博物館、円盤がテーマのレストランとバー、なんとも独創的なお土産などが揃った場所となった。そしてロズウェルは、陰謀・隠蔽・宇宙人の代名詞となった。
<メン・イン・ブラック>
・メン・イン・ブラック(MiB)は、UFO目撃者専門の「影」だという。デビューは1940年代に遡るが、神話が普及したのは、アメリカ人作家グレイ・バーガーの『円盤について知りすぎた人々』(1953年)に負うところが大きい。バーカーの本は、円盤マニアの家にやってきて奇妙な質問をしたり不気味な脅しをする、見知らぬ男たちについて説明している。
<政府の関与が始まる>
・米国空軍(USAF)は、1948年にUFOの調査を始めた。一般大衆の興味を管理し、目撃事件の謎を解明し、UFOが果たしてソ連のスパイ機かどうかを見極めるのが目的だった。
<真実を発見せよ>
・最初の米国空軍のUFOプロジェクトであった「プロジェクト・サイン」は、1949年に「状況評価」と題した報告書を出して終了となった。報告書はUFOは謎として残るという概略を述べ、いくつかのUFOは宇宙人の操縦する宇宙船である可能性があるとの考慮を述べている。
<すべてを否定せよ>
・謎の解明が出来ずに不満が残った米国空軍の指揮官は、1949年に二つ目のプロジェクト、「プロジェクト・グラッジ」を開始した。グラッジは目撃の実体を暴くことを狙い、1949年8月のグラッジ報告は「説明不可能なUFO現象はなく、これによって問題は終了するであろう」と述べた。
<両面からの検討>
・プロジェクト・ブルーブックは、1952年3月に始まった。この調査プロジェクトは、現在も使われている多くの用語や方法を紹介したことで、UFO界に長期にわたる影響を与えた。
<首都狂乱>
・1952年7月に起こった首都ワシントン周辺でのUFO目撃騒ぎの後、1952年12月、CIAがプロジェクト・ブルーブックの検証を始めた。
<バミューダ・トライアングル>
・数多くの超常現象研究家が、世界中で怪奇現象を引き起こすように見える地域の存在を指摘している。最も有名な事例は、大西洋にある飛行機や船が異様な消え方をするというバミューダ・トライアングルだ。
トライアングルでの遭遇を体験した生存者は、方位磁石の異常な動き、電磁霧、幽霊船、海中の光などを語っている。時間の異常、失われたアトランティスの都市の技術、空飛ぶ円盤の干渉など、実に様々な説明をする人々がいる。
<フライト19 1945年>
・1945年、米国海軍機5機からなる「フライト19」がフロリダ沖で訓練中に跡形もなく消えた。基地への無線からは、奇妙な干渉があって方位磁石が使えず、よく知っているはずの島々を目視して飛ぶことができなかったのがわかる。天候の悪化で無線はすぐに途切れて、訓練機の行方は謎のままだ。
<タイムトンネル1976年>
・フロリダを目指して飛行中のブルース・ジャーノンと父親は、奇妙な雲に遭遇した。ジャーノンによれば、雲の水蒸気の中に突っ込むと、奇妙な光に満ちたトンネルがあったという。トンネルを抜けて管制塔に連絡すると、いつもの半分の時間で到着していたのが判明した。
<コンタクティーの登場>
・1950年代初期のUFOブームは、新しいタイプの著名人を生み出すきっかけとなった。その昔の霊媒のように、異界の使節と心を通わせあったと主張する人が現れたのだ。ただし、今度の訪問者は霊界からではなく、宇宙からやってきた。
<異星人との遭遇>
・1952年、ポートランド系アメリカ人で、自称スピリチュアル教師のジョージ・アダムスキーが「空飛ぶ円盤とチャーミングな宇宙人オーソンの訪問を受けた」と体験を語った。
・アダムスキーの話は語り直されるたびに変化して誇張されていったが、何よりも「ノルディック」タイプのエイリアンが広まる主な要因となった。
<アダムスキータイプ>
・いずれにしろ「アダムスキータイプ」の空飛ぶ円盤は、アダムスキーの本のカラフルなイラストのおかげもあって、ポップ・カルチャーに浸透していった。
<映画の中の空飛ぶ円盤>
・人々がケネスアーノルドの目撃事件やロズウェル事件に興味を持つと、熱狂に乗じて一儲けしようと大量のSF映画が作られた。
<太平洋のUFO>
・UFOは、アメリカに限定された現象ではなく、目撃は世界中に広がり始め、各国でそれぞれの政府機関が調査を開始することとなった。
<英国の空飛ぶ円盤専門調査委員会>
・1950年、英国国防省は、UFOの目撃を調査するための「空飛ぶ円盤専門調査委員会」を創立した。委員会は5名のメンバーから成り、それぞれが空軍省や陸軍省などの情報部を代表していた。
<UFOデスク>
・専門委員会が解散した後、UFO目撃報告は調査と報道対応、市民対応のために、空軍省に送られ、空軍省廃止後は国防省に送られた。この担当部署はやがて「UFOデスク」と呼ばれるようになり、1990年代まで存続していた。
<ジャイアント・ロック宇宙船コンベンション>
・UFOが一般の人々にとって人気の推理と興味となるにつれ、「UFOは宇宙からやって来た」と信じる人々のサブカルチャーが登場した。1953年から、アメリカの飛行機マニアでコンタクティーのジョージ・ヴァンタッセルが毎年、自分が所有するカリフォルニアの飛行場で「ジャイアント・ロック宇宙船コンベンション(集会)」を開催するようになった。
<スペースインベーター>
・1950年代、「UFO飛行士」あるいは異星人に関わる目撃のブームがあった。一例は1952年9月12日、米国ウェストバージニア州フラットウッズで7人が、敵意をむき出しにした機械式のエイリアンを目撃した事件だ。
<最初のアブダクティー(誘拐された人)>
・1957年10月16日の暖かい夜、ブラジル ミナスジェライスの農民アントニオ・ヴィラス・ボアスは、畑に作物をすき込む作業をしていたとき、空飛ぶ円盤らしいものが近くに着陸したのを見た。ボアスによれば、宇宙服を着た3人の背の高い人物が彼を捕まえようと飛び出してきて、円盤の中に引きずり込まれたという。
<宇宙的幽界(アブダクション)>
・円盤の中では、ボアスは奇妙な医療処置の被験者にされ、嘔吐してしまった。このひどい扱いの後、一人の宇宙人の女性がボアスにアプローチしてきて性的な関係に発展した。
ショッキングな襲われ方をしたボアスは、さらわれた元の場所にいる自分に気がついたが、何時間も過ぎていて、何があったのかの説明はつかなかった。
<ヒル夫妻のアブダクション事件>
・1960年代は、有名なアブダクション事件や集団目撃、どんどん怪奇になっていく事件の詳細などに象徴される、UFO現象の真のブームの時代だった。一方で、この時期の政府機関の調査は、一般の人々の興味を食い止めたり、UFO活動をうまく説明したりすることはできなかった。
<中断された旅>
・最も有名なアブダクション事件は、アメリカ人のバーニー・ヒルと妻のベティーに関するものだ。催眠術によって蘇った彼らの体験談は、「グレイ・エイリアン」の原型を広める役割を果たした。1961年9月19日、ヒル夫妻はドライブ旅行の帰途、空飛ぶ円盤に気がついた。円盤を間近に見た二人は、不安なまま現場を離れた。家に帰り着いたときには、何か大事なことを忘れてしまっているという異様な感じがあった。
<ベストセラー>
・ヒル夫妻は、別々に背の低いグレイ・エイリアンに道路から誘拐されたのを思い出した。二人の記憶はよく似ていた。エイリアンたちはヒル夫妻に、宇宙船の中で医学的な検査を受けるように要求して、二人は従った。
<遠い宇宙の星々>
・本には、ベティーが見た星図のスケッチも載っている。本の読者マジョーリー・フィッシュは、これが南半球の目立たない星座、レチクル座ζ(ゼータ)星の星系と似ていると考えた。
<グレイ・エイリアン>
・ヒル夫妻の体験に登場する異星人は、今やおなじみとなったグレイ型だ。背が低く、血の気のない薄い肌の色で大きな頭と大きな目。このタイプは、実は全くのオリジナルというわけではない。
<民間UFO研究団体>
・UFO問題に関心を向けたのは、政府と軍だけではなかった。1950年代から1960年代にかけて、UFOに対する一般の人々の興味がバブルのように膨らむにつれ、多くのアマチュア研究会が結成された。
<MUFON>
・MUFONは、1970年代前半から野外調査員の継続的に一貫性を保とうと、野外調査マニュアルを定期的に発行している。現在はいくつかの階級別有料会員制を取っていて、会員は記録文書に独占的にアクセスできる。MUFONは現在も、最大級の民間UFO調査団体として存続している。
<次元を超えて>
・1960年代まで、UFOに関する説は、「普通に起こる現象に過ぎないか」、「異星人によるものか」の二つに分かれているだけだった。しかしながら、1960年代には作家のジョン・A・キールやフランスの天文学者ジャック・ヴァレなどが、「UFOも、もっと広い意味での超常現象も、我々の生きる現実世界とは別の次元から境界を越えてやってきた現象だ」との考えを提示した。これは「多次元間仮説」と呼ばれている。
<ケックスバーグ事件>
・1965年12月9日の夜、米国ペンシルバニア州ケックスバークの森の中に、奇妙な物体が烈しい勢いで墜落したという。報道によれば、徹底した探査が行われたが、墜落物件は何も見つからなかったという。
・番組のストーリーは、「実は落ちてきた物体はどんぐり型の宇宙船で、米軍があっという間に運び去ってしまった」というものだった。
<アンドレアソン事件>
・詳細が知られているヒル夫妻誘拐事件に続いて、1960年代の自身がアブダクティーだと主張する人々が多数現れた。中でもベティー・アンドレアソンは、1967年1月25日、エイリアンによる凄まじい訪問を体験した。
<宗教的な異星人>
・アンドレアソン事件はある夜、劇的な始まり方をした。グレイ・タイプのエイリアンが、キッチンの壁を抜けて空中に現れ、エイリアン魔術でベティーの家族を固めてしまったのだ。アンドレアソンは、空飛ぶ円盤に招待され、エイリアンたちがイエス・キリストを信仰しているのを知った。医学検査と超越的なスピリチュアル体験のあと、彼女はていねいに家まで送ってもらった。
<アブダクティーの絵>
・多くのアブダクティーは、体験をスケッチや彫刻で現そうとしたが、アンドレアソンのイラストの生き生きとした描写は群を抜いている。アブダクション体験に加えて、正確な円盤内の見取り図を描くのにも、彼女の才能が発揮されている。
<ハイ・ストレンジネス>
・UFO研究において、UFO研究者はアンドレアソン事件のような超現実的で夢のようなタイプの体験を「ハイ・ストレンジネス」という言葉で呼ぶ。
<UFOカルト>
・20世紀中頃は社会改革の時であり、娯楽のためのドラッグ使用が広がった時期だった。こうした中で、いくつもの新しい宗教とカルトが生まれたが、中にはUFOとエイリアンの預言者に関わるものもあった。殺人や集団自殺を起こして非常に有名になったものもいくつかあるが、もっとおとなくして、普通の宗教と同じ路線で、ファッションや儀式で独自性をアピールしているものもあった。
<宇宙ファッション>
・ユナリウス科学アカデミーは、カリフォルニア発のUFO宗教の一つだ。生まれ変わりを信じていて、エイリアンの宇宙艦隊が到着するのを待っている。この団体は今も活動中で、独特の創造性あふれるファッションとビデオで知られている。
<ヘヴンズ・ゲートの悲劇>
・1997年3月、米国のUFOカルト、ヘヴンズ・ゲートの39人のメンバーが、教団リーダーのマーシャル・アップルホワイトの強い主張が原因で集団自殺した。信者たちは、「夜空に現れたヘール・ポップ彗星はエイリアンがまもなく到着するサインで、自殺すれば宗教的喜びに満ちた超越へ導かれ、UFOに迎えられる」と信じていた。教団のウェブサイトは、生き残ったメンバーによって今も維持されている。
<薄気味悪い森>
・森は、民話の舞台としておなじみの場所だ。そして、フラットウッズモンスター以来、UFOとエイリアン乗組員は、何度も深い森に侵入してきたところを目撃されている。目撃者の中には「エイリアンが植物サンプルを採集しているところを見つけられて、大急ぎで立ち去った」と説明する人もいた。
<接近遭遇>
・プロジェクト・ブルーブックのアレン・ハイネック教授は、1972年に出版したUF体験の本で、混沌としたUFO報告の分類方法について詳しく書いている。彼が作り出した接近遭遇システムは、UFO研究者の間で現在も使われている「ハイネック・システム・スケール」だ。
<映画コンサルタント>
・ハイネックは、スティーブン・スピルバーグの映画『未知との遭遇』の監修をした。映画のクライマックスで、群衆の一員として、トレードマークのパイプを銜えてのカメオ出演までしている。フランソワ・トリュフォーが演じたフランス人科学者、ラコーム役のモデルは、クロード・ポエールかジャック・ヴァレだと言われている。
<トラヴィス・ウォルトン事件>
・1975年11月5日の夜、林業作業員のトラヴィス・ウォルトンと6人の同僚たちは、米国アリゾナ州スノーフレークの森の中を車で走っていた。UFOを目撃した一同は、もっとよく見ようと路傍に車を寄せた。仲間によれば、トラックを降りたウォルトンをなにやら妖しい光が直撃した。パニック状態の中で、「早く逃げろ」と促された仲間たちは逃げ出した。これが5日間の行方不明事件の始まりだった。
<ビッグフットはエイリアンなのか?>
・猿人のようなビッグフットは、クリプティッド(日本では未確認動物/UMAと呼ばれる存在が疑わしい生物)の一つだ。こうした謎の動物の専門家は、未知動物学者と呼ばれる。ビッグフットは19世紀から目撃が続いており、同じような猿人タイプの生物は世界中の民話に登場している。
1973年に、リアファ・ヘイトフィールドが、米国シンシナティの自分のトレーラーハウスの外でビッグフットがUFOに乗り込むのを目撃し、ビッグフットとUFO界の混線が起こった。UMA宇宙人起源説を好意的に受け取るクリプト動物研究家は多い。エイリアンがUMAを地球に棄てたか、エイリアンの奇妙な実験の結果、UMAが生まれたのだというのだ。
<ペトロザヴォーツク事件>
・1977年9月20日早朝、ソ連邦ペトロザヴォーツク周辺の人々は、輝くUFOの光のショーを鑑賞することになった。光る発光ビームは、雨のように降り注いだ。
<ミステリーサークル>
・主に畑の中で見られるので、クロップサークルとも呼ばれるミステリーサークルは、トウモロコシ畑で作物が円形の図形を描くように平たく倒されている謎の現象だ。『ET』(1982年)のような映画によって、UFOへの興味が再燃した80年代に話題を集めた。わずかながら畑を荒らすUFOの目撃例があったことで、この現象はUFOと関連付けられることになった。
<悪魔の仕業?>
・17世紀の英国でサークルが最初に報告された時には、悪魔か妖精(妖怪)の仕業だと信じる人が多かった。芝生にキノコが輪を作る菌輪を、今でもエルフサークルやフェアリーサークルと呼ぶのも同じ起源だ。
<カメラが捉えたUFO>
・1980年代は、人々が有名なUFO写真に息をのんだ最後の時代かもしれない。特影の知識が一般の人々にも共有され、写真に疑いを持つ人が増えるにつれ、報道で取り上げられる写真は減っていったように見える。心霊写真と同じように、本物だと確信させるほど巧妙に作られたものもあったが、笑ってしまうようなお粗末なトリックが使われているものもあり、当初からでっち上げたと判明した写真も多かった。
・1997年 米国アリゾナ州フェニックス 大型の三角形UFO。懐疑的な人たちは米空軍の照明弾訓練だと信じている。
<レンデルシャムの森事件>
・1980年のクリスマス期間中に、英国レンデルシャムの米空軍基地は思いがけないホリデーの訪問客を迎えることになった。ボクシング・デー(英国ではクリスマスの翌日26日をこう呼ぶ)の未明。パトロール中の兵士たちが森の中で驚くべき発見をした。三角形のUFOが着陸していたのだ。
<ホイットリー・ストリーバーのコミュニオン>
・1985年12月26日早朝、アメリカのホラー作家ホイットリー・ストリーバーは、ベッド近くに潜むクリーチャーの姿を見て飛び起きた。その翌日、身の毛もよだつ支離滅裂なアブダクションの光景の記憶が蘇った。
<ヘスダーレンの怪光>
・1930年代からノルウェーのヘスダーレンでは、谷間を飛び回る光が繰り返し現れていた。光は昼夜を問わず現れ、超高速で動き、目もくらむような巧みな動きを披露する。
<ファストムーバー>
・2017年、UFO研究家のマーク・ダントニオは、「米海軍の潜水艦に搭乗を許された時に、ソナー担当官がファストムーバーを発見して興奮するのを見た」と語った。ファストムーバーとは、水中を高速移動する未知の物体の呼び名らしい。
<エリア51>
・エリア51は、米国ネバダ州グレーム・レイク米空軍施設のことで、しばしばUFO陰謀論に登場する。
<奇妙な内部告発者たち>
・1980年代、自分は内部情報を知っていると名乗り出て、「政府あるいは軍がエイリアンと取り引きしている」と主張する人々がいた。
・1989年5月14日、ボブ・ラザーがラスベガステレビにインフォーマント(情報提供者)として出演した。ラザーは、エリア51近くの秘密施設「S4」で、空飛ぶ円盤のリバース・エンジニアリングの仕事をしていたと打ち明けた。
<スポーツモデル>
・ラザーはS4での雇用中は、「スポーツモデル」と彼が呼ぶ空飛ぶスマートなデザインの円盤を研究していたという。また、このモデルの元のオーナーはゼータ・レチクル星系のグレイ・エイリアンだったという説明用資料についても覚えているという。
<友か詐欺師か?>
・スタントン・フリードマンのようなUFO研究家は、ラザーの学歴に疑問を持っている。在籍していた証拠が見つからないのだ。このため、ラザーのエリア51の話は嘘だろうと考えるに至っている。ラザーは、この時代に現れた無数の異端のインフォーマントの一人だ。
<ダルシー基地>
・1990年代には、有名な新しいUFO事件に代わり、UFO大会や初期のインタ―ネット掲示板のおかげでフリンジ(狂信的な)陰謀論が溢れる時代となった。ダルシー基地は米国ニューメキシコ州の地下にあるという秘密地下基地で、米国政府とエイリアンが共に、言葉に出来ないほど恐ろしいマインドコントロールと遺伝子実験に携わっているのだという。
<内部情報>
・1995年、フィリップ・シュナイダーが「1970年代にダルシー基地で働いていた」と名乗り出た。試験対象の人間の扱いを巡って紛争が起こるまで、グレイ・エイリアン、レプタリアン(爬虫類人)、人間のスタッフと共に働いていたという。この「1976年の戦い」では、グレイ・エイリアンの攻撃によって60名が死亡したという。
<不測の事態に備えよ>
・シュナイダーが説明するダルシー基地のイメージは壮大で、サイエンスフィクションに強い影響を与えた。エイリアンの科学技術でいっぱいで、身の毛もよだつような実験をしている地下基地は、多数のテレビゲーム、例えば1998年の『ハーフライフ』のようなゲームの舞台設定の定番となった。
<エイリアン・アジェンダ>
・1990年代、エイリアン陰謀論は、巣立ったばかりのインタ―ネット掲示板と著名な陰謀論者の本によって広がっていった。こうした話は、アブダクション事件の詳細とエイリアンとのテレパシーによるコンタクトを結びつけた内容の物語となっている。
<グレイ>
・ゼータレチクル星系からやってきた背の低いグレイは、宇宙界陰謀論ではブルーカラー労働者だ。人間や動物のアブダクションや医学検査をする。
<トールグレイ>
・アブダクティーは、手足の長いエイリアンが背の低いメンバーに命令を出しているのを目撃している。背の低いグレイよりも高給取りなのだろう。
<グレイと人間の混血種>
・陰謀論者は、グレイのアブダクションの最終段階はエイリアンと人間の混血種を作ることだと信じている。混血種は、エイリアンだけが知っている目的を達成するため徐々に人間に混ざっていく。
<ノルディック/プレアデス星団人>
・プレアデス星団出身の、スカンジナビア人に似たエイリアンは善意の持ち主だと考えられてきた。ノルディックは、1955年にアイゼンハワー大統領との間で条約にサインしたという話で、陰謀論と接点を持つ。
<レプタリアン>
・邪悪なレプタリアン・タイプのエイリアンは、再生可能なエネルギー源として人間の苦しみを集めているので、世界的な惨事の裏にはいつでもレプタリアンがいるという。さらに、変身できるレプタリアンは政治家や著名人に化けて、世界に影響を与えるあらゆる場に潜入している。レプタリアンは地球内部に潜んでいて、個々の人間に対する策略を練っているという。
<地球での戦い>
・信じる人が多い説は、少なくとも3つのエイリアン種、グレイ、ノルディック、レプタリアンが、地球で優位に立とうと争っているというものだ。これにマンティス、アヴィアン(鳥人)、宇宙ドラゴンを投入して華やかさを添えようとしている説もある。
<テレビのUFO>
・映画と同じように、テレビ番組も人々のUFOへの興味を反映してきた長い歴史がある。
<宇宙からの侵略、テレビ化される>
・いくつかの例外を除いて、テレビに登場する空飛ぶ円盤は、シンプルに邪悪なエイリアンの乗り物だ。
<Xファイル/1993年>
・脚本家のクリス・カーターが企画した、UFOと超常現象を探るシリーズ。主人公はFBI捜査官のフォックス・モルダーとダナ・スカリーで、不気味な犯罪を捜査する。UMA、超能力、UFOに幽霊がすべて登場し、同時にあらゆる陰謀論を織り込んだエイリアンに関するサブプロットが進行する。Z-ファイルの放映が始まると、UFO団体の会員数は劇的に増加した。
<アリエル学校事件>
・1994年9月16日、ジンバブエ、ルワのアリエル学校の子どもたちが超常的な宇宙船の着陸を目撃した。子どもたちによると、二人のエイリアンの姿がちょっとの間現れて、何かを考えた後、宇宙船に戻ってすぐに飛び立っていったという。
<宇宙人解剖フィルム>
・1995年5月、映像プロデューサー、レイ・サンティリが、ロズウェルで回収されたというエイリアンの死体が登場する映像を発表した。
この映像は、テレビスぺシャル『宇宙人解剖フィルム:事実かフィクションか』の主題となった。放送後、専門家は、登場する外科医の医療用具の持ち方がおかしいことなどから、フェイクだと宣言した。特殊効果技術者も、エイリアンの肉体がゴムであることを見抜いた。
<でっち上げ!>
・最初の映像を売り込む時、サンティリは、自分が入手した映像に基づいた「再現」だと言っていた。
<フェニックス・ライト>
・1997年3月13日の夜、アリゾナ州周辺の住民が2つの異常な出来事を目撃した。最初は午後8時を過ぎて間もなく、多数のライトを点けたV字型の巨大な飛行物体が米国アリゾナ州フェニックスを見下ろす上空に浮かんだというもので、二つ目は午後10時頃、9つの光がフェニックス上空を飛んでいるというものだ。見ていた人たちは、この出来事を動画撮影している。
<政府の情報公開>
・現在、多数のUFO研究家は、自分たちの最も生産的な活動は政府に対する公的なUFO情報の公開キャンペーンだと考えている。「透明性が増せば、UFOがばかばかしいと考える人が減って、より経験豊富な科学者がこの分野に参加してくるのではないか」と期待している。
<米国国防省の円盤研究>
・米国の情報機関の本部で、ペンタゴンと呼ばれる国防省は、2007年に先端航空宇宙脅威特定計画(AATIP)を開始した、計画の目的はUFOの現代的名称、未確認航空現象(UAP/Unidentified Aerial Phenomenon)を研究することだ。
<空母ニミッツ事件>
・2004年11月、米海軍がカリフォルニア沖でUFOを追跡した。空母ニミッツからジェット戦闘機スーパーホーネット2機が、迎撃のために送り出された。パイロットたちは白い楕円形のUFOが海面を波立たせてホバリングしているのを発見して驚いた。幸いにもパイロットたちは物体追跡の様子を赤外線カメラで撮影することに成功し、これがオンラインにリークされたのだった。
<現代のUFO研究>
・何にせよ、毎年多数の新しいUFO事件が起きている。この件について政府の透明性を要求し、この分野の研究をまじめに受け取ってもらいたい人たちにとって、近年の政府の情報公開は未来へ続く希望の光だ。
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