大統領は結社員たちが選んで世界に掲げる「表看板」、すなわちアメリカ大統領のみならず、イギリスの首相もまた、秘密結社メンバーたちが選んだ単なる代理人のひとりにすぎないのである。(1)

(2023/10/18)

『天皇の金塊とヒロシマ原爆』

高橋五郎  学研プラス  2008/10/1

<金の百合>

・第2次世界大戦末期、なぜ日本にだけ、原爆が投下されたのか?しかも、なぜそれが「ナチス製」だったのか?じつは、そうでなければならない「理由」があったという。わが国に今も秘匿されている「金の百合」と称する“巨大資金”。大日本帝国が“天皇の名”のもとにアジア各地から強奪した戦利品の集大成だ。この「金の百合」を軸に見えてくる、日本敗戦を演出した“ペテン師”たちの暗躍。これまで決して語られることのなかった、彼らの正体と戦前のタブー、そして現代に続く欺瞞を白日のもとにさらす。

<「天皇の金塊」とナチス製広島原爆を操った「ペテン師たち」>

・恥知らずで鉄面皮な「ペテン師たち」が21世紀の人間社会を仕切りはじめたおかげで、鉄面皮とはまったく無縁な国民は今のところ、「ペテン師たち」が前世紀から持ち込んだ碌でもない「パワー」、つまり金権力と武力に縛られ、鬱々とこの世紀をかろうじて生きしのいでいる。

・本書はいったいどんな理由で歴史上の著名人たちを「ペテン師」呼ばわりするのか。それになぜ「興行一座」の面々が大量殺戮兵器ピカドンを広島・長崎の一般庶民の頭上で炸裂させた下手人だと断言するのか。実はこうした真剣勝負の質問は実に真っ当なものだとする人物の口を借りてカラクリを解き明かす。その人物とは元ナチスのスパイでユダヤ系スペイン人のアンヘル・アルカッサル・デ・ベラスコのことだ。

・当然のことだが、ベラスコの一言一句は自信に満ちて刺激的。いわく、「原爆の秘密を世界で最初に知ったのは私だけだ」。かと思えば「広島と長崎に投下された原爆は、ともにナチス・ドイツで完成したヒトラーの原爆だ」とくるのである。

 そしてさらにはヒトラーの原爆は、日本とドイツの共通の敵であるべき英米に向けたものではなく、最初から日本に向けた兵器、つまり黄色人種抹殺を意図して開発したともイメージできるヒントまで披露に及んだ。

・ペテン師たちにとっては、有色人種ごときはピカドンで処理する穀潰しの対象か実験動物のモルモットにすぎず、かれらが住むわけでもないどこぞの風土大地なんぞは、新型兵器の威力シミュレーションに役立つだけで、その環境が未来永劫放射能に汚染されようが、そんな程度のことはかれらが愛する狂騒曲のお題目に勝るものではないというのが本性なのだ。

<「ペテン師」隠しのナチス製広島原爆>

<「スパイ情報に客観的事実など求めるな!」>

・「スパイが入手した情報に、客観的事実を求めるのはナンセンスだ。自分の発言は自分自身が保証したのだから、他人から保証を求められる筋合いのものではない。世間でまことしやかに使われている、客観的事実などという言葉ほど当てにならぬものはない」

・「大切な秘密は墓場まで持っていく」

 ベラスコは口癖どおり、この一件の詳細を黙して世を去った。

・「秘密諜報機関は歴史を変えることはあっても、歴史学者に影響を与えることは皆無だ。学者の作る歴史書や指導者が語る回顧録の中にスパイの顔は見えず、その存在はとるに足らぬもの、忌み嫌われるものとして無視されてしまう。諜報員らの恩恵に浴した政治家や外交官ならびに将軍たちが過去を語るとき、最後までかつて世話になったスパイを隠してしまうのである。

<日本人を大量殺戮した原爆はナチス製>

・これが、1984年にベラスコから届いた「まとめ文」である。

① ドイツの新型爆弾はペーネミュンデの工場で完成した。

② 爆弾は1943年4月21日、チェコスロバキアのボヘミア地方にある原生林で、実験に成功した。

③ ペーネミュンデ市の工場で完成した新型爆弾2個は、その後ベルギーのリエハに移送された。そこから爆撃機に搭載して、ロンドンとリバプールの両市にそれぞれ投下する予定だった。だが投下しなかった。なぜなら、フューラー(ヒトラー総統)が、「死体はもうこれ以上不要だ」と厳命したからだといわれた。

④ ベルギーでロンメル将軍の動向を逐一把握していたアプヴェール(ドイツ国防軍諜報部)の工作員から、2個の新型爆弾が1944年11月にロンメル将軍の手で、アイゼンハワー将軍に渡されたとする情報が入った。

  敵に渡った2個の新型爆弾は、その数か月後にアメリカ軍の手で広

島・長崎に投下された。

⑤ 戦後まもなく、ドイツの新型爆弾が連合軍に密かに渡された経緯を知る複数のドイツ人らが、ハベルムル博士やベルギーで敵側に原爆を渡した旧ドイツ軍人らを追跡調査した。だが、追跡者たちの意図と行動は、CIAの手で完全に断たれた。

・戦後、ドイツの原爆の開発計画を調査した英米の合同原爆調査団は、「ドイツは幼稚園児程度の原爆知識しかもてないまま、すでに破壊され、再起不能になった工場の中で終戦を迎えた。終戦時には、使えるドイツ原爆などは存在しなかった」と胸を張った。

<世界の要人はことごとく悪魔的秘密結社でつながっている>

・ここで、ベラスコのいう原爆秘話を読者によく飲みこんでもらうために、ひとつの大切な話をしておかねばならない。それは世界に君臨する、ある秘密結社についての話である。

 全世界を網羅するこの秘密結社の名は「フリーメーソン」。スペインでは単に「マソン」と呼ぶこの秘密結社は、なぜか名称だけは秘密ではない。したがって、名称については仄聞の読者も多いはずだ。

・「フリーメーソンは、ディアーナ(ダイアナ)、ミネルバ、イシス(セミラミス)を崇拝する古代神秘主義から派生したものだ。中世の石工組合から始まったというのは俗説であり、十字軍時代の聖地エルサレム(マルタ)に生まれた聖堂騎士団こそが、その真の起源である。だが聖堂騎士団は、エルサレムの聖ヨハネ騎士団とともに、新たに秘儀参入者の組織を作り上げた。以来、われわれのロッジは、聖ヨハネ・ロッジと呼ばれるようになった」

 以上はイギリスの作家デイビッド・アイクが自著『大いなる秘密』で引用した、ラムゼイ演説の一文である。アイクは人類の精神世界史を、宇宙人との関連から説きつつ、結果として地球は異星人たちの末裔に支配され続けているとする世界観の持ち主だ。アイクがラムゼイ演説を引用したのは、この一文は異星人の末裔であるフリーメーソンリーの出自と沿革とが直截的に語られた格好の説明文とみなしたせいだろう。

 だが驚嘆すべきは、彼(アイク)のいう奇妙な“人類の精神世界史”に対して、なんと古代から近現代までの裏面史に通暁する西欧インテリジェンス世界の長老たちは脱帽している。つまりアイクの世界観は突飛でも驚嘆すべきでもなくなんでもないごく当たり前の人類正史を素直に語っているからだ。

・アイクの著書には数多くの真実が含まれている。結社にはなんでもある。悪魔学をはじめ思想、宗教、学術そして政治もある。だが経済はない。なぜなら、世界経済の仕組みそのものが結社の発明品だからだ。結社は発明の秘密部品を除く応用編のみを世界中に解放している、それが信用創造とか市場原理などと呼ばれるマネー操作のカラクリだ。

 聡明な結社はその経済原理、つまり両建て作戦による戦争事業(ゲーム)の発明者であることを世界の人々に知らせてはいない。結社のいわば社是でいう「知識はむやみに語るべからず」だからだ。

 結社のメンバーには、誰もがよく知る歴史上の人物たちが山ほどいる。

・彼らは、秘教信仰(古代の太陽崇拝カルト)とその儀式をエネルギー源にしている。また、悪魔主義結社とも呼ばれる「地獄の業火クラブ」の中心人物であり、イギリスからの独立を勝ち取ったアメリカの建国の父として、100ドル紙幣の顔でも知られるベンジャミン・フランクリンもメーソンだ。

・世界中にネットワーク化された結社の端末、または中枢の諸団体のそれらには、書籍絵画にオカルト的な謎の暗号文字や図形を潜ませて、秘儀と秘密の知識を存分に駆使したことで知られ、「シオン修道会」の総長も務めたダ・ヴィンチも加わった「聖堂騎士団」もある。

 古代ギリシアの神秘主義結社「ピュタゴラス派」の流れを汲み、アドルフ・ヒトラーが全身全霊でのめり込んだ「神智学協会」もそうだ。手を掲げて「ハイル・ヒトラー」と叫ぶ、あの動作の元祖で古代ドルイド教(信者には悪魔主義者といわれる英国首相ウィストン・チャーチル卿や詩人イェイツがいる)を分派として支配する団体「黄金の夜明け」もそうだ。これらの団体に連なる一派で、古代エジプトの女神イシスを崇拝する「マグダラのマリア」は、フリーメーソンを語るうえでは欠かせない一派とされている。

 

・この幽幻な風景の中に女神イシスを崇拝する空間、「エホバの証人」の教会も置かれ、古くからメーソン・ネットワークの分派宗教団を育んできた。

 結社に連なる騎士団の数は数えきれない。各団体の多くは、古代フェニキア・アーリア人の太陽の象徴スワティカを祭祀に活用した。パワーを得るための性的儀式を催す魔術師が設立した「東方騎士団」。プロテスタント系の「聖ヨハネ騎士団」と金融組織を介して結ばれているカソリック系の「マルタ騎士団」。「チュートン騎士団」に連なる「黒騎士団」や「プロシア女王騎士団」。秘教黒魔術儀式を基本にしたオカルト教の「コンコルド団」や性的秘儀を共有する「第1、第2徳義団」などがある。

・こうした多くの騎士団が、フリーメーソン結社の分派または中枢として連なっている。徳義団は、後年、ナチス党を誕生させる諸団体の一翼を担ったことで知られている。

・シェークスピア作品の真の作者と噂されるフランシス・ベーコンらが所属したのは「薔薇十字会」だ。後にアドルフ・ヒトラーの名前で知られることとなるドイツ労働党員、シックルグリュバー青年を支援して反ユダヤ、反マルクス主義、ゲルマン支配を教義に打ちだした「トゥーレ協会」や「ブリル・ソサエティ」などは、実はこのナチス原爆の背景を語るうえで欠かせない組織であり、人物たちである。

 結社ファミリーには離合集散もある。メンバーたちは永久的断絶も意に介さない厳しい掟に縛られている。結社の目的に反旗を翻して滅亡させられた国家や一族に、結社メンバーだったナポレオン一族があげられる。

・同じように、薔薇十字会のメンバーで300年間ロシアを支配したロマノフ王朝も、結社の手で破滅させられた一族である。イタリアのハプスブルグ家も、ドイツのホーエンシュタウフェン一族も、みな結社の目的遂行に逆らって滅亡の憂き目にあったとされている。

世間ではなんの疑問ももたれない個人の死因さえも、結社員であれば謎がつきまとう。

・結社のルールは、その目的・理想の原理に反するメンバーの行動を許さない。なぜならそれは神のルールであり、悪魔の掟だからである。

現代イタリアの結社「P2」やベラスコの次男フェルドナンドが仕えるスぺインの結社「オプスディ=神の仕業」も欧州メーソン結社に連なる下部組織だ。

<ベラスコ家も弱肉強食の結社世界に棲息する>

・ベラスコの十八番に「和平は戦争の一時的中断にすぎない」という言葉がある。

・ベラスコ一家は、この弱肉強食を是とする結社世界に棲んでいる。

・結社は勝つ戦争を作りだして平和を演出する。あるいは平和を求めて勝つ戦争を演出する。これが力に頼る結社の、いわば社是だ。しかし、結社は好戦家たちの集まりではない。知識と知恵で好戦家を選んで代行させるヒエラルキー集団なのである。

 「和平は戦争の一時的中断にすぎない」そう語るベラスコにはもうひとつの十八番がある。「生まれ変わってもまたスパイになる」弱肉強食の裏世界がよほど好きなのだ。

・ところで、ベラスコのいう原爆話は公言が許されるのか。当時、本人は元公務員としての守秘義務はないと断じ、とうに終わった戦争の秘密を明かしたところで、ルール違反にはならないといい切っていた。

 先述したようにベラスコは1970年代前半まで、スペイン陸軍省の特別情報顧問を務めていた。公務を退いて10年もたっていない。彼は義務期限どころか、フランコ総統を暗殺しそこなったことのほうが、よほど気になっていたのだ。スぺイン政府にもこの世にも、思い残すことはなかったのだろうか。

<日本に原爆を落とせ!>

<日本への原爆投下は1943年5月5日に決めていた‼ >

・これから記すのは、1982年のとある日の午後、スペインはマドリード旧市街にあるマヨール広場のカフェテラスでベラスコと交わした、ナチス原爆に関する対話のすべてである。

・Q:「広島に落とされた原爆は、本当にナチス製なのか。アメリカ軍がナチス製の原爆を転用した、ということか」

A:「そういうことだ。実際のところ、アメリカの原爆は未完成だったのだ。それで、ドイツ軍の原爆を使って日本に投下したのだ」

 いきなり、核心を突く内容で始まったが、この荒唐無稽な話をどう受け止めて、どう解釈すればいいのか。

<原爆開発独占の結社系企業群は敵・日独にも資金・兵器を提供>

・大統領はさらに上位に位置する結社のために奉仕する僕にすぎない。結社は功罪半ば(本元的には罪100パーセント)する欧米史の背景そのものでありつづけ、今もその構図に変わりはない。大統領は結社の舞台で踊る、いわば操り人形なのである。

 かつてイギリスから北米大陸に移住、アメリカ独立宣言に署名した56人のうち50名はこの秘密結社員たちだった。大統領は結社員たちが選んで世界に掲げる「表看板」、すなわちアメリカ大統領のみならず、イギリスの首相もまた、秘密結社メンバーたちが選んだ単なる代理人のひとりにすぎないのである。

・アメリカ大統領の第44代までのうち35代までが、イングランドやフランスの王侯貴族をルーツにもつ結社員でありつづけている。

 たとえば、ルーズベルト大統領は名門デラノ家の流れを汲む、結社の上位第33階級の人物で「ビシスの騎士」と呼ばれていた。

・結社系企業グループの末端には、今述べた日本の複数の財閥会社にも関係する。かれら日本商人たちが、第2次世界大戦直前のスペイン戦争でスペイン共和国軍に売った小銃は1万数千丁を超える。1丁およそ50円前後の小銃と弾薬は大阪の境港から船積みされ、バルセロナ港に荷揚げされ、内戦で使われた。日本の財閥系企業から銃器類を買い上げたのは、かつて日露戦争で日本政府に戦費を貸し付けた欧米の銀行家と金融グループたちなのである。

 余談だが、日本から輸出されたその歩兵銃は、スペイン内戦後に始まる太平洋戦争では38式歩兵銃として、日本の財閥系企業の武器製造会社から日本陸軍省に納入されている。

<原爆は最初からナチス・ドイツに投下する意志などなかった!>

・そもそも、ドイツ(ロンドンも)は結社誕生の地であり、結社メンバー企業の本拠地でもある。そこに死の灰をまき散らすわけにはいくまい。自宅に放火する人はいないからだ。ベラスコのいう原爆の投下先が、ロンドンでもリバプールでもないのは、こんな単純な理由からだともいえる。

 投下目標を日本に決めたのは、秘密結社の決意を世界に明かすためだ。

<結社は自国の運命を自ら決することを断じて許さない>

・それゆえに、ユダヤ・フリーメーソンとキリスト教とコミンテルン(国際共産主義)の三つは三位一体のものであり、これらに対して日本は、すでに早くから敵の正体を見据えていた。

 かつて国際連盟が開かれていたころ、その会合の開催される前日に必ずユダヤ会議が開かれ、その予備会議で決定されたとおりに本会議で議決されていた事実は、会議に参集していた各国の情報官によって伝えられている。

・“日本人がユダヤの王の前に立つためには、日本と言う国家を背負った奢り高ぶったままの姿であってはならない。悔い改めによって遜らなければならぬ。日本人はそう簡単には国を捨てない。国を捨てさせるには、国そのものをなくしてしまえばよろしい。それは戦争によって負かすしかないのだ。日本が戦争に敗れて打ちのめされて初めて遜るようになるのである。そうなれば天皇の神格も地に落ち、国民も拠り所を失う。それによって日本も共和国となりうる”

・他民族ならびに国家の運命は結社が決めてきた。にもかかわらず、結社のその強力な意志を一部の日本人たちは安易に扱いすぎた。かつての日本も、結社と同じ「力の論理」から、自国の利益と安寧をアジア全域に求めた。が、所詮は腕力と知力を扱う点で、結社は日本の比ではなかったことにまで思いがいたらなかったのは、そう思わせないように走り回った“同胞”がいたからだ。

<結社の哲学「国民大衆には何も知らせずにおくこと」>

・「国民大衆には何も知らせずにおくこと」

 これが結社の社是つまり哲学だ。何も知らされない大衆は結社が掲げる目標を無意識のうちに受け止める。人々は何が余計なことで、どれが大事なことかについては、結社の胸算用に従わざるをえない。

 「知識は隠すべきもので、安易に大衆に与えるものではない」

 結社の賢人たちが捻りだしたこんな哲学を、庶民大衆は知らない。人々が何事につけ、疑念や懸念を抱かずに通りすぎてくれる社会こそが、結社が求める理想社会であり、それは今も成功を続けている。

<原爆は戦争事業主である結社の私物>

・では、秘密結社の行動原理とはどんなものなのか。

 ひと言でいえば、それは戦争である。戦争は、現状を打破して、理想とする社会と富を手にするのが最適の原理だと結社は信じてきた。結社は当事者間が対立関係となる火種を無理にでも作りだし、争う両者に戦費を喜々として融資する。戦争で荒廃した両国に復興資金を融資して面倒をみる。融資を受けた国々は借金漬け、つまり債務国に転落する。結社は融資主の権限から債務国をイメージどおりに仕立てあげて、他民族の方向性を指図するのである。

・結社メンバーの頭の中には、高度な秘教的な科学知識がたっぷり溜め込まれている。その根底はユダヤ・キリスト教を中心とした古代からの神話に拠っている。

・結社は分割闘争管理方式で、第2次世界大戦時のヒトラーとルーズベルトの双方を投票箱から選び、双方を敵対させて両国に戦費支援を続けた。というわけだから、核兵器(ナチス原爆)の開発製造国がドイツであれアメリカであれ、その開発権や所有権など、戦う両国に戦争資金を融資する結社にとっては、どうでもいいこと、つまり原爆は戦争事業主である結社の私物なのだ。

<「ロンメルは原爆をアイゼンハワーに渡した」>

・ロンメルは和平を唱え、表面的には打倒ヒトラーを渇望したドイツ貴族、銀行家、高級軍人たちの救世主になり損ねた、同情すべき人物だと定説は今も語りつづけている。つまり、ロンメルは、ヒトラー暗殺を謀議したドイツの貴族グループ(「黒い貴族」と呼ばれ、ヒトラーを政界に送りだした結社メンバーの一部)から利用された、悲劇の軍人だったとして奉られている。

 この定説は事実だが、真実の一部にすぎない。

反ヒトラー派と呼ばれる黒い貴族たちを煽った中心人物は、アメリカの情報機関OSSのウィリアム・ドノバンだ。その作戦を補佐したのがアレン・ダレスである。

<原爆開発者たちは何を作っているのか知らなかった!>

・なぜ開発者たちは、自分たちの開発目的を知らなかったのか。その理由を定説は、ドイツの核開発がふたつの統制のもとで別々に進められ、ヒトラーはそのプロジェクトの相互間で交流禁止を厳命していたからだとしてきている。

<アイゼンハワーを監視していたウォーバーグ一族>

・ベラスコ、アイゼンハワー将軍、ドイツ国防軍カナリス長官、それにヒトラー総統、そしてルーズベルト大統領はみな結社メンバーである。

<フィルビー、カナリスともつながる凄腕ドノバン将軍はロスチャイルド一族の代理人>

・ウィリアム・ドノバンは、かつてはウォール街では知られた法律プロだった。

・戦後、ドノバンは「CIAの父」と呼ばれるようになる。世界中のCIA支局員に向かって彼をそう呼ばせたのは、CIA長官を務めたアレン・ダレスだ。

<ヒトラーに第2次大戦開戦を約束させたダレス兄弟>

・だが、その資金提供には条件があった。

 第1次大戦にドイツに対する短期信用貸しを行っていたクーン・ロエブ商会は、その融資金の回収をダレス兄弟に依頼していた。兄弟はヒトラーを首相にするための資金を提供する見返りに、ロエブ商会への融資貸付金を返済するように求めたのである。ヒトラーは返済保証を承諾した。つまり、ダレス兄弟はクーン・ロエブ商会の代理人として、ヒトラーに第2次大戦の開戦を約束させた兄弟というわけだ。

・ドノバンもアレンも、金融と情報が結社の目的達成を推進させる2大柱であることをよく心得ていた。とはいえ、ふたりも結社の中では単なる代理人のひとりにすぎない。

・繰り返しになるが、結社のヒエラルキーとポリシーは下位階の者たちに、重要な「知識」を与えない。その意味でいえば、日本は、知識を与えられないレベルのトルーマン大統領から、原爆を投下されたさらに低いレベルの国家としてみなされているのである。

<オカルト先端科学技術センター、「ペーネミュンデ工場」>

・ヒトラーはその魂をどう備えていたのだろうか。それについては、彼が意識と霊的回路を開いた結果だとする説がある。その回路を通じてドイツ国民は熱狂させられ、人々はヒトラーにカリスマ的魅力を感じといったのだという説もある。

・また、ヒトラーは霊媒資質と催眠的磁力をもった人物とする見方もある。すでに知られていることだが、ヒトラーは第1次世界大戦後、ドイツのバイエルンで国粋主義的反ユダヤ主義者らの秘密結社「ゲルマン騎士団」の分派、ドイツ労働党に入党している。また、ドイツ騎士団から生まれた秘教団体には、後にヒトラーを応援する「ハウネブ教団」や「トゥーレ協会」、それに「ヴリル・ソサエティー」など秘密結社の分派がある。巷間でUFOと呼ばれた飛行物体は、これらの団体の名にちなんでいる。

・ちなみに、ヴリルとはインドでは蛇の力を象徴するものとして知られ、変身や次元転換の能力を意味するものとされている。信者は血液の中に潜むヴリルの力で、同盟関係にあるチベットの地底に住む超人の「恐怖の大王」なみに変身できると信じていた。ナチス幹部のヒムラーもゲーリングも、「ヴリル・ソサエティー」のメンバーだった。

<ペーネミュンデ工場の原爆情報をスターリンも知っていた>

・ベラスコは技術者たちからの秘密漏洩はなかったという。だが、原爆開発の進捗状況は、逐一ソ連のスターリンにも伝えられていた。原爆に関する定説は、米英ソの首脳が協議したヤルタ会談で、スターリンにはアメリカの原爆開発の一件は内緒にされていたとしている。が、事実はまったく違う。スターリンも結社のメンバーのひとりであり、彼が知らないふりをしていただけなのだ。

<ロックフェラー一族の融資で運営されていた原爆工場>

・ラッセル一族はアメリカの結社メンバーである奴隷貿易企業と組んで、中国でアヘン貿易を仕切って中国全土に巨財を残した一族である。

・中国社会と経済を麻薬で構造化した結社は、犯罪者の地下組織も完成させた。三合会(天地会)、紅幇、暗殺団など、中国マフィアは結社メンバー企業とイギリス軍の意を体して、町の隅々を荒し回った。マフィアは麻薬常用者を「量産」し、軍隊や警察が解決できない法律や道徳の「壁」を突破した。後に日本軍は中国に進攻して、それまで結社が築いてきた麻薬工場と中国大陸の富を奪う。

<「天皇の金塊」運用にブレトンウッズ協定が大活躍>

・1944年6月、国務長官ハルがまとめた国連創設草案に続いて、7月に結社の金融カルテルは世界通貨制度案を決定させた。こうして、結社は金融制度の世界支配をほぼ確実にする。戦争による「経済破綻や貧困を救う」ためのブレトンウッズ協定がその制度だ。

<原爆はナチスに作らせろ!>

<捕虜交換を隠れ蓑に、ロンメルは原爆を敵・アメリカ軍に引き渡した>

Q:「ベルギーへの爆弾移動はロンメルが担当したのか」

A:「いや違う。ペーネミュンデで完成した爆弾は、ゲーリングの指示でベルギーに運ばれた。ベルギーで原爆を受け取って保管したのがロンメルだ」

<広島に投下された“見捨てられた迷子爆弾”ウラン型原爆>

・ところが、ベラスコはナチスの爆弾が広島、長崎に投下されたのだときわめておおざっぱに決めつけている。とはいえ、広島に投下された爆弾はウラン型であり、長崎上空ではプルトニウム爆弾が炸裂している。だから、広島原爆はウラン爆弾だったと断言はできても、はたしてそれが100パーセント、ナチス型原爆だったとはいえない。

<ベラスコがロンメルよりフランコ総統の暗殺を謀るほど憎んだ理由>

・ところで、ヘッセン家はスペイン、ロシア(ロマノフ)をはじめとする、欧州の王室にヘッセン一族特有の血友病を持ち込んだ哀しい歴史を背負っている。ベラスコの胸中に留まりつづけるチャーチルへの恩讐は、まさに「ヘッセン家の呪い」なのかもしれない。

<賠償地獄でドイツを戦争に追い込むバルーク、ラモント、ウォーバーグ、ダレスたち>

・総攻撃は金融カルテルが軍の背後から命じた貸し金回収作戦そのものだった。この合図をきっかけに第2次世界大戦は終戦を迎え、ドイツ国民は再びあの第1次世界大戦敗戦後の地獄を味わうことになる。

<「戦争屋」結社企業に連なる東洋の“愛国”企業集団(三井・三菱・住友)>

・ハリマン一族は、日本の三井合名社を使って、日本陸軍に資金を提供して、満州事変を勃発させた一族としても知られている。

 一族とその仲間たちは、日本の天皇周辺に配した皇族と陸海軍の官僚ならびに政治家と商人たちに、至って安普請の建前である「興国の意欲」を動機づけて、国家方針に干渉させていた。

・日本の三菱、三井、住友の資本家グループも、結社企業に連なる東洋の“愛国”企業集団だった。結社系の資本家は、日本の三菱に日本海軍の造船や兵器、それに金融支援による軍事、政治工作を施して戦争事業に加担させた。

・ベラスコは、東郷茂徳外相ら日本海軍上層部の「宥和派」グループとともに、結社系の企業群のための情報収集機関「TO」の機関長として働いた。しかし、日本の宥和派、つまりアメリカとの友好を旗印にした日本人の一部は、結果としてイギリス外相チェンバレンと同じ運命を余儀なくされた。

・日本政府は1941年の暮れから、ベラスコに巨大な情報活動費を支払っている。その費用の大半は、結社系の欧米ユダヤ・キリスト教会へのお布施として還流した。アルゼンチンの政治家ペロンは、ベラスコ経由の日本からの情報活動資金で大統領になった。戦後、ペロン夫人エビータはベラスコに付き添われてスペインに“凱旋”帰国している。

・さらにヴィッカース社は1904年に、ロシア皇帝を追い払って王室財産を奪い、共産主義革命を支援するために日露戦争を仕掛けた。ロシア王朝と日本に、大量の兵器需要と戦費融資を創出させたのだ。結果、日露戦争では日露両軍の兵士は、三井、三菱ほかのヴィッカーズ系企業ネットワーク各社が製造した砲弾に当たって死ぬことになった。

<ナチス原爆は身内から身内に“移動”した爆弾にすぎない>

・ナチス原爆はドイツのナチスからアメリカのナチスへ、つまり身内から身内へと「移動」した爆弾にすぎない。ベラスコは、原爆の移動を悔やんでいるのではない。師と仰いできたアドルフ・ヒトラーの末路を悲しみ、悔やんでいるだけなのだ。

<マンハッタン計画のアメリカ製原爆も「ナチス製原爆」そのもの>

・真のナチスの系譜には、現在のアメリカ大統領ジョージ・ブッシュたちが、堂々と名を連ねている。ブッシュ一族はナチズムに源流を置く家系だ。アメリカでの秘密の本拠地は、前にも述べたように、エール大学の敷地にある。ブッシュ一族は中国とのアヘン戦争で財を成した、大富豪ラッセル卿たちとともにアメリカ国内にナチス結社を創設した一族である。

 エール大学は、ラッセル卿のコネティカット州の私有地に建てられている。

・髑髏をシンボル・マークに掲げたアメリカのこの秘密結社は、聖堂騎士団、円卓会議などと結びついて、フリーメーソン結社の一翼を成している。

 現在のエール大学が建てられている敷地に、1832年ごろ、ドイツ本部の第322番目の支部として設けられたもので、初期の名前は「死の同胞団」。その後、この悪魔主義結社を「スカル・アンド・ボーンズ」と改名して現在に至っている。

・プレスコット・ブッシュは、ドイツ最大の貴族結社(フリーメーソンの下部組織)「ヘーレンクラブ」とヒトラーの政治支援組織「トゥーレ協会」を通して、ナチ党に献金を支出しつづけた人物だ。

<「天皇の金塊」をさらに貯めこませるため終戦を長引かせた>

・日本は1945年9月2日に正式に敗戦を迎えた。

 ところが実際には、そのほぼ2年前の1943年5月5日(先述の投下目標を日本に決定した日付で)戦争は終わっていた、と筆者は憶測している。その理由は、原爆の完成と日本投下のタイミングは結社のいわば家庭の事情による、つまり本書で述べている事柄のすべてに含まれている。

 いってしまえば、19世紀中ごろから日本が朝鮮、清国、ロシア、満州、中国、インドシナ、東アジアで強奪して貯め込んできた「天皇の金塊」=「金の百合」を横取りするタイミングを、結社が1945年まで待ちつづけたということなのだ。

<ヒトラーの監視と保護を結社から命じられていたベラスコ>

・ベラスコはカナリスが処刑されるおよそ2~3週間前の1945年3月中旬ごろ、ヒトラーの地下官邸詰め情報員に配転されている。暗号名はドクトール・ゴメス、つまり医者を装ったスパイである。ベルリン陥落がカウントダウンされているさなかに、なぜベラスコはヒトラーの周辺に配属されたのか。

 ベラスコは大戦後、アイヒマンとボルマン南米への極秘避難を幇助、その行為はなぜかナチスの大物戦犯を追跡するユダヤ人の民間関係機関からは目こぼしを受けている。ベラスコは、ナチスの背後機関(結社の下部組織)から特別な扱いを受けていたのだろう。

 つまり、ベラスコがベルリン地下官邸に配属された理由は、ヒトラーの保護をナチスの上部組織から命ぜられていたからだといえる。

 こうした背景から憶測すれば、ナチス原爆がヒトラーによる暗黙の指示でアメリカに渡され、その原爆が広島に投下された可能性は十分に考えられる。

 ベラスコは、原爆とヒトラーの関係を語りたがらない。どちらかといえば、隠したがっている。原爆授受の一件でロンメルが絡んだとする熱心で批判的な態度とは逆なのである。

<障害物ロシア、ドイツ、日本を潰せ!>

<いまなお、ヴァージニア会社に所有されるイギリスの僕アメリカ>

・この契約の年からほぼ300年後の1604年、イギリスのグリニッジとケントの両州で関係結社員による特別集会が次々と開かれ、イギリスは世界経済を一手に支配する新会社を誕生させている。

・ヴァージニア会社はふたつの会社で構成されていた。ロンドン会社とプリマス会社(ニュー・イングランド会社)である。

<アメリカ金融界は、ロンドンの“胴元”から指揮されることになっている>

・アメリカ大統領はあらかじめ、結社メンバーたちの手で(ロンドンで)念入りに検討され、候補として選ばれてきた。副大統領も対立候補も同様である。イギリス首相も同じように選ばれている。むろん、国民に対しては民主主義の手法である選挙を用意したうえで、投票の結果を尊重するという形式はとってはいたが、実のところ残念ながら貧乏人の倅は、努力だけではアメリカ大統領にもイギリス首相にもなれないのである。

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