ところが困ったことに、脳の中でも前頭葉は加齢(老化)に伴う萎縮が目立つ部位で、男女を問わず40代を過ぎる頃から徐々に衰えてきます。(1)

(2025/5/2)

『マインド・リセット』

70歳からの人生を豊かにする心が老いない生き方

和田秀樹   高橋書店  2024/4/30

・70歳を過ぎたらもう、自分を束縛するものからどんどん抜け出して、自由に生きていい。

<プロローグ なぜマインド・リセットが必要なのか>

【「今我慢すれば、将来楽になる」は過去の戒め】 そこで必要になってくるのが、60代でのマインド・リセットです。

【楽になると孤独感も消えていく】 周囲の人とも柔らかく接することができるようになります。

【「楽しむ」ことで老化を追い払う】 ご存じのように男性は男性ホルモン(テストステロン)、女性は女性ホルモン(エストロゲン)が優勢で、その比率は3対1とされています。しかし最近、女性は更年期以降、テストステロンの分泌が増えることが分かってきました。テストステロンは意欲や好奇心を刺激してチャレンジ精神を高めるホルモンとされています。

【やっと「自由になれた」ことに気が付いてください】 マインド・リセットは、「もっと人生を楽しみたい」という願望を叶えるための大切なステップです。

<「こんなお年寄りになりたい」と思わせる歳のとりかた>

<幸せなお年寄りの周りに人が集まる>

・私は20代の頃から、高齢者専門の医療施設で医師として働いてきました。もう40年近く、お年寄りと身近に接してきたことになります。

【過去の成功なんか自慢してもしょうがない】【何でも面白がる精神が大事】 本人が幸せそうに見えて、何事にもポジティブな人ということになります。必要なのは後悔ではありません。今までの価値観を全部ひっくり返して、マインド・リセットすることです。

<失敗続きの人生でも愛される>

・このおじいさんが人気者なのは、今を心底楽しそうに生きているからです。

【うまくできなくても面白いからやってみる】 【歳をとると、どんな失敗もいい思い出になってしまう】 でも歳をとると、自分の評価など気にする必要はありません。

<70代の思い出ならこれからつくれます>

・それは、過去にとらわれずに、今の自分のためにいい思い出をつくろうとしていることです。

【「お金がかかる」とためらってはいけない】 お金の心配にはキリがありません。少しでも今後のためにお金を残そうと思えば、それこそ何をするにも「無駄遣いはできない」と考えるようになってしまいます。

【お金を使って思い出を貯めよう】 「お金はあった方が安心」と思うかもしれません。確かにそうでしょう。

<好奇心と憧れを持ち続けよう>

・80歳を過ぎても90歳を過ぎても、好奇心と憧れを失わなければ、これからの人生にいろいろな計画や目標を持つことができます。

【60歳からが学び直しの適齢期】 年齢差が気にならない世界というのはとても新鮮です。

<意欲と好奇心を育む脳がある>

・私たちの意欲や好奇心を生み出すのは、脳の「前頭葉」と呼ばれる場所です。この前頭葉が若々しいか、老化しているかで、幸せな高齢期を迎えられるかどうかが決まってくるともいえます。

 前頭葉は脳の中でも比較的衰えが早い部位で、ほとんどの人で40代頃から老化が始まります。

 代表的な症状は、中年期特有の倦怠感です。50歳を過ぎる頃には、いわゆる更年期障害とも重なって前頭葉の老化が加速します。そして、60代以降、多くの人に意欲や好奇心の低下が見られるようになります。では、前頭葉の老化は避けられないのでしょうか。そんなことはありません。

<変化と刺激があなたを若返らせる>

<「いろんなことが億劫」を歳のせいにしない>

・アクティブな人は違います。「面白そう!」「やってみたい!」という気持ちを大事にします。

【老いの実感は前頭葉の老化で説明できる】 脳は部位ごとに、さまざまな機能や働きを受け持っています。例えば言語を受け持つ左側頭葉、計算を受け持つ頭頂葉、記憶を受け持つ海馬といった役割分担があります。前頭葉は簡単に言えば「脳の司令塔」です。オーケストラの指揮者のイメージで、前頭葉がそれぞれのパートを調和させながら脳全体の機能を高めていきます。

 

・ところが困ったことに、脳の中でも前頭葉は加齢(老化)に伴う萎縮が目立つ部位で、男女を問わず40代を過ぎる頃から徐々に衰えてきます。

 もちろん個人差はあります。しかしまだ老いを意識するには早い年代から、脳の中でも一番大切な部分の老化が始まっているのが現実です。

【前頭葉が老化するとどうなるか】 まず意欲の減退が生じます。いわゆる「やる気」が低下し、何をするにも億劫で、無気力になってきます。

 そして、思考や感情が平坦になってきます。同じ発想しかできなくなったり、感情の起伏がなくなり常に沈んだ気分になったりします。それがうっ積すると、逆に些細なことで怒りが爆発したり、うつ状態に陥ったりします。気持ちのコントロールが難しくなるためです。あなたにも、思い当たることがありませんか。

【前頭葉は変化と挑戦を喜ぶ】 「歳のせい」と諦めていたことも、前頭葉の老化が原因と分かれば、話は違います。身体が元気なうちは、どんどん活動的で若々しい自分を取り戻すことができます。なぜなら前頭葉に刺激を与え、その機能を活性化させることは誰にでも可能だからです。前頭葉は変化によって刺激されます。

【やる気が出て溌溂としてくる】 こういうお年寄りは、ポジティブに行動することで自分の世界が広がっていきます。そして次々と新しい世界に足を踏み入れるという、プラスのサイクルが生まれるのです。前頭葉の老化がもたらすものは意欲の減退と感情の平板化でした。しかし変化と挑戦が前頭葉を刺激することで、意欲が生まれ、溌溂とした感情が甦ってくるのです。前頭葉を刺激する日常習慣の見直しは、いつでも、誰でも、すぐに始められます。

<40代から訪れる前頭葉の危機>

【前頭葉の老化は40代から始まります】

・食べ物だけではありません。一事が万事、変化や挑戦がなくなるのです。初めてのことや未知のことに自分から踏み込むことはなくなり、結果が分かっていて安心できることだけを繰り返すようになります。

 これでは前頭葉が刺激されることはありません。意欲が衰え、喜怒哀楽の薄い人間にまっしぐらです。

<心動く誘いにはためらわず乗ってみる>

・やりたくないことを無理に試す必要はありません。

【「もう自由なんだ」と気付こう】【初めての経験が感情を若返らせる】

<わずらわしい人間関係から抜け出そう>

・好きな人、付き合って楽しい人との人間関係を最優先しましょう。

【人間関係に縛られると不自由になってくる】【素敵な人は自由な生き方をしている】 要するに付き合いたい人と付き合えばいいのです。

<話の面白い人と一緒にいると若返る>

・話が面白い人は、普段から面白いことを見つけるのが上手です。

【アウトプットを続けることで前頭葉は元気になる】 前頭葉を活性化させる方法の一つにアウトプットがあります。書いたり話したりして、自分の記憶や考えを発信することですが、最も日常的で手っ取り早いのは「会話」です。アウトプットのために必要な創造性や相手の興味を感知する能力は前頭葉の役割です。

【分からないことは素直に尋ねる】 【老親の話は遮らない】

<自由で楽しい人間関係のポイント>

・お互いを刺激し合える人間関係というのは、いくつになってもつくることができます。

【負担に感じる役割や責任は引き受けなくていい】 真面目な性格の人に注意してほしいことがあります。例えば町内会とか自治会のような地域コミュニティでの人間関係を必要以上に重く受け止めないようにしましょう。

【会ったことのない人とでも共感し合うことはできる】 現実の人間関係が限られている環境でも、SNSなら広げていくことができます。

<自分は一人じゃないと気付けば幸福感が生まれる>

・一方、実際に顔を合わせる機会が限られていても、共感し合える人間関係を持つ人に孤独感は生まれません。

【共感し合える人間関係を大切にしたい】 そこに共感し合える関係がなければ、やはり孤独感が生まれてきます。そのためにもまず、あなた自身が好奇心を育て、変化と挑戦をためらわない人にならねばなりません。

<何でも面白がって試してみよう>

<定年退職してから天職に出合う>

・感謝や労いの言葉をかけてもらうのが嬉しかったのです。

【一つの世界に自分を閉じ込めてこなかったか】 長く同じ仕事を続けてくると、その仕事が自分に向いているかどうかなんて考えなくなります。

【宝物は知らない世界に眠っている】 たとえ70代でも、自分のことはまだよく分かっていない。知らない世界に思いがけない宝物が隠されているということに気付いてください。

<「へそ曲がり」を楽しんでみる>

・未知の世界や初めての経験は前頭葉を大いに刺激します。失敗ですら脳や感情の若返りに役立ちます。

【「みんなと同じでいい」はやめましょう】 新しい味に出合えた経験はあなただけのものです。

【食べログの「評価真っ二つ」を狙ってみる】 古くて寂れた店が意外においしかったりすれば、もうけもの。

<60代の男でも気が付けば嬉しい「もうすぐ春」>

・ウォーキングや散歩を毎日の習慣にしている人は多いと思います。私自身、60歳が近づいた頃から健康のために歩くようにしています。

【散歩で気分転換できない人】 変化に気がつくというのも、前頭葉が元気な証拠です。

・【ドアを開けないと店の中は見えない】 せっかく「変化」に気が付いても、それを確かめないで通り過ぎてしまったら新しい世界に踏み込むチャンスはなかなか訪れないのです。

<日常習慣をちょっとずらしてみよう>

・しかし、どんなにありふれて見えるものも、習慣を少しずらすだけで意外な光景に出合えると分かれば、とても新鮮な感覚になるはずです。いつものスーパーでは、いつもの料理しか思いつかない。

<老いたら失敗することにも慣れましょう>

・「いい歳をして恥ずかしい」と考えると、ますます臆病になってしまいます。笑われても「若いなあ」と感心されるのが強みです。

・70歳を過ぎて「子どもみたい」な生き方ができるなら、こんな幸せなことはありません。

・「私なりに」の感覚で試してみよう。挑戦の中に自分なりの楽しみを見つけ出す感覚をぜひ身に付けてください。

<「似合わない」でなく「違う自分に出合えた」>

・ファッションやヘアスタイルで思い切った冒険をしてみることは、今までとは違う自分に出合うためなんだと考えてみませんか。自分はこういう人間と決めてしまうと抜け出せなくなる。

<答は一つだけではない>

・若い頃から変わらない私の目標は、「今よりもっと賢く」なることです。いくつになっても賢くなることは嬉しい。

 

・思い込みは前頭葉の機能低下と無関係ではありません。変化を好まないとか、柔軟な発想ができなくなることで陥る「決めつけ思考」だからです。

・もう一つのメリットは、知識が広がれば楽になれるということです。いくつもの選択肢を知っていれば、あわてて結論を出さなくて済みます。

・苦手なことは「レパートリーが増える」と考えよう。ぜひ試してほしいのは、あなたが苦手なことに挑戦してみることです。

<「いつか」「そのうち」が「いま」だと気付きましょう>

・後悔にもいろいろありますが、一番多いのは「もっとやりたいことをやっておけばよかった」というものです。「やりたいことがある」のは心が元気な証拠です。「試してみよう」と自分の背中をポンと押そう。

<居心地のいい場所をつくろう>

<やりたいことを暮らしの真ん中に置く>

・とにかくその一番好きなことを暮らしの真ん中に置きましょう。

・でも一番好きなことを暮らしの真ん中に置いて、それを楽しむことを最優先させれば、幸せな気持ちのまま雑用を片づけることができます。

<妻も夫も居心地のいい自宅にしよう>

・夫婦の関係についてもマインド・リセットを試みましょう。60歳を過ぎると、夫婦の共同作業はだいたい終わります。お互い、自分がやりたいことをやる。相手のやりたいことを尊重する。無理に時間割を合わせなくていい。

【夫婦のあり方を見直してもいい時期】

・もっと分かりやすいのは平均余命です。ある年齢の人があと何年生きられるかを示したものが平均余命ですが、2022年の統計で70歳の男性は16年、女性は20年です。これが60歳なら男性はあと24年、女性はあと29年生きられるということになります。

・「ここが一番落ち着くな」と思えるスペースが一つあるだけで、自宅の居心地もずいぶん良くなってくるはずです。

<「昼ご飯はそれぞれで!」で夫婦にっこり>

・たったこれだけのシンプルなルールですが、夫婦それぞれの1日の過ごし方が大きく変わってくるはずです。

【ルールは話し合って決めよう】 大切なのは、お互いにどうすれば楽になるか、自由になれるかを率直に話し合うことです。いつかまた、助け合うときが訪れる。

<「ちょっと出てくる」「いってらっしゃい」>

・そのために大切なのは、とにかく外に出てみることです。とにかく外に出れば楽しいことが浮かんでくる。それでも、外に出るといろいろなことに気が付いたり思い付いたりするのは本当です。

・私は、60歳を過ぎたら夫婦はつかず離れずが理想の関係だと思っています。

<「歳をとるのも悪くない」と気が付くとき>

・気持ちに余裕が生まれていることに気が付く。ゆっくり老いていくそのリズムを知っておこう。

<楽しい体験が70代の若々しさをつくる>

・マインド・リセットのコツは、まず行動を変えることです。

・女性は歳をとるほど外へ出ることに積極的になりますが、男性は逆に外への関心を失っていきます。この違いは性ホルモンの分泌が中年期以降、男女で変ってくることが一因です。

・感情が揺り動かされると生きるのが楽しくなってくる。快体験は外にも内にもつくり出すことができる。まず自分が心地よく生きること、それが幸福感への第一歩です。

<あなたも仲間もみんな老いていく>

・海馬は強い感情が生まれたときに活性化するので、怒りや悔しさといったマイナス感情を伴う体験はいつまでも記憶に残ります。60歳を過ぎたらもう、他人と競い合ったり争ったりしないこと。老いて競い合うのはフェアではない。

・私は歳をとるということは同世代に障がい者が増えてくることだと思っています。

【老いて競い合うのはフェアではない】【幸せな時間が幸せな思い出になる】

<「頑張らなくちゃ」もやめる、できたことを喜ぶ>

・できなかったことに不満を持つのではなく、できたことを喜ぶ。幸せな時間を満喫できたらもう十分です。老いてくると私たちは本当にささやかなことで幸福感を持てるようになります。

【幸せ時間を満喫できたらもう十分です】【小さな目標をたくさんつくってみる。】

<おわりに>

・お読みになって、私が一貫して「とにかく、やってみれば」というスタンスでいることに気付かれたと思います。

・本音をいうと高齢者というのは本当に分からないものだということです。タバコをスパスパ吸って100歳まで生きる人もいれば、徹底して身体に気を遣っていたのに、早く亡くなる人もいます。

・そうするうちに、あれこれと頭の中で悩んでいるより、やってみないと答えが出ないということに気付きました。

 例えば、うつ病の患者さんに薬を出すにしても、どれが効くか分からないので、一つ試してダメなら、別の薬を使えばいいと考えるようになったのです。

 実は多くの高齢者を診ていて、太めの人、血圧が高めの人、血糖値が高めの人の方が元気だと気付きました。自分も高血圧と糖尿病を抱えているのですが、高めの値の方が調子がいいということもあって、薬をなるべく使わないことにしています。これでそのまま元気でいられるのか、早死にするか分かりませんが、自分の身体で実験をしているつもりです。

(2025/2/21)

『人生100年時代を豊かに生きる』

樋口恵子 坂東眞理子  ビジネス社  2023/12/15

<はじめに>

・日本の高齢化率は29.1%、国民の約3人に1人が65歳以上です。

 オリンピックの種目に「高齢化」があるとしたら、これで堂々金メダル獲得。私たちは全人類の先陣をきって人生100年時代に乗り出しました。

・50年も生きられなかった明治時代の人と比べたら、いただいた時間は2倍もあります。どうせ長生きするなら、幸せの時間も2倍にするぞの意気込みでのぞもうではありませんか。

<どっこい人生対談① 老いは個性的 >

・100歳まで生きるとしたら、あなたはあと何年?

<年を取るのはやっかいだけど>

・年を取るというのはやっかいなものです。今日は杖を置いてきちゃったんですけれど、老眼鏡を忘れてえらいめにあったこともございます。

・たとえば、私は今91歳ですが、生き残っている同級生や同世代の友人を見ますと、本当にさまざまです。

<ピンピンとコロリの間には、ヨタヘロ期がある>

・立ち上がるたびに、いちいちヨッコラショ。買い物に行くのも、もうシンドイ。痛いところだらけで、何をするのもヨタヨタヘロヘロのヨタヘロ期。この期間をどう過ごすかで、老いの幸福度に差が出るのです。

<人生の約10分の1はヨタヘロ期>

・ヨタヘロ期がいつやってくるかは、人それぞれ。一つ目安になるのは、「平均寿命」と「健康寿命」の間です。健康寿命は、厚労省がいうところの自立した生活を送れる期間です。2023年に発表された「平均寿命」は、女性87.09歳、男性81.05歳。「健康寿命」は、女性75.38歳、男性は72.68歳(2019年発表)。その差は、女性で約12年、男性で約8年もありますから長いです。人生100年とすれば、約10分の1をヨタヘロして過ごすことになります。

<えー、89歳でもがんになるの ⁉>

・89歳のある日、左乳房にしこりのようなものを発見しました。

・私の歯といえば、唯一自慢の歯でございます。「8020(ハチマルニイマル)」、つまり「80歳になっても20本は自分の歯を持とう」という運動がありますが、私、それは見事にクリア。

・つくづく思いましたのは、病気もまた個性的だということです。病名は同じでも、手当の処方はこちらの年齢によってみな違う。年を取るほど何が起こるかわかりません。ですから、主治医といいましょうか、しっかりと相談にのってくれるお医者さんがいると心強いです。

・そして、心配なことがあったら、とにかく早めに診てもらうのが大事。

<病気を詠んでみました>

・「90歳 しなびた乳房も がん宿る」

 治療の負担を少なくするためにも早期発見が大事です。

<何歳になっても「死にたくない!」>

・不甲斐ないことですが、がんと診断されたとき、やはりショックでした。目にはうっすら涙さえ浮かびました。当時の私は89歳。

<全身からあふれ出る感謝の心>

・ところが、人間には二面性があります。「死にたくないー!」とみっともなくゴネるのが一方のヒグチさんなら、もう一方のヒグチさんもいます。

・自分に命を授けてくれたのは両親です。しかし、それだけではない。形はどうあれ、私たちは家族や友人など、いろいろな人の命をいただいて今生きています。

・高齢化するということは非常にむずかしく、毎日あえぎあえぎでございます。

<どっこい人生対談② 70代はゴールデンエイジ>

・70代は気力もやる気も十分。余生なんてまだまだ早い!私は今でも自転車をこいで、スニーカー通勤しています。

<老いのトップランナーに続け!>

・91歳の樋口さんのお話でした。ご自身は老いのトップランナーを自認されておられますが、変わらずお元気です。

・そして、樋口さんのなさったことでいちばん社会を変えたのは、やはり介護保険制度の後押しではないでしょうか。

<介護保険は時代とともに進化させていかなくちゃ!>

・介護保険制度は、時代とともに育てていくもの。まだまだ進化が必要です。

<70代こそ働き盛り>

・さて、私も70代になって、自分より年上の人が少なくなりました。

・そんなとき私を勇気づけてくれるのが、やはり樋口さんの存在です。「70代なんてまだまだ若い! 振り返ってみれば、私の70代はいちばんの働き盛りでした」

<パパチャリで、孫の送り迎え>

・坂東:自転車は私の足です。若い頃は娘を乗せて保育園の送迎や買い物で走り回っていました。

<まだまだ男女格差が大きい日本>

・イランは2023年の「ジェンダーギャップ指数」で見ますと、146ヵ国中143位の国です。

・では日本は? といえば、146ヵ国中なんと125位。残念ながら、イランと五十歩百歩です。

 ジェンダーギャップ指数は、政治、経済、教育、健康の4つの分野で評価するものですが、日本の場合、健康と教育の分野ではそれほど男女差はないんです。

・ところが、政治となると、衆議院の女性議員比率は1割しかなく、過去に女性の首相は1人もいません。経済面でも賃金格差や女性管理職が極端に少ないなど、ギャップは深刻です。

・また、イラン滞在中は、女性のヒジャブのことも話題にのぼりました。

・イランに比べたら、日本の女性はたいへん恵まれた自由な環境にあります。それを十分活用できているだろうかと考え込んでしまいました。

<女性目線に欠ける自治体の施策>

・本当、日本の男女平等は遅れています。

・日本のジェンダー問題の夜明けは遠い! 私もまだまだボケてなんかいられません。

<次の世代の女性たちに羅針盤を!>

・私は樋口さんよりも半世代若いですが、同じ大学(東京大学)の卒業生です。

・まだ男女雇用機会均等法など影も形もなかった時代ですから、就職には苦労しました。高度経済成長まっただ中で、男子学生は民間企業から引っ張りだこ。

・意欲ある優秀な女性たちが、仕事に就けない。就職したとしても、子どもを産んだら辞めざるを得ない。同世代のたくさんの女性たちが、志なかばで社会の片隅に追いやられてしまいました。その死屍累々のなか、私はなんとか生き延びたわけです。

・女性にとって不遇の時代になんとか仕事を続けてこられた私もまた同じ思いです。私世代の女性の無念を、次の世代の女性たちに味わってほしくありません。

<時代は確実に変わっている>

・ただ、うちの昭和女子大学の学生たちの間でも「子どもを産んでも仕事を続けたい」「定年まで働きます」という考え方が当たり前になりつつあります。

・政府も上場企業に対して、2030年までに女性役員の比率を30%まで上げなさいという目標を提示しています。

<上のポストに就くメリット>

・昇進はデメリットより、メリットのほうが大きいんですよ。

<みんなで集える「じじばば食堂」をつくりたい>

・そこで思いついたアイディアが、「子ども食堂」ならぬ「じじばば食堂」です。

<積極的に出かけましょう>

・牛乳1本でも毎日歩いて商店街やスーパーに行くのがいいですよ。

・要支援・要介護の人なら、デイサービスに行くのも大事な「今日、用」「今日、行く」です。

<「老いの呪い」にかからないで>

・バブルの頃、「女性とクリスマスケーキは同じ」という言葉が流行ったのを覚えていらっしゃいますか?ケーキも女性も25日、25歳を過ぎて売れ残ると、価値がなくなるという意味です。嫁き遅れ、嫁かず後家、オールドミスなど、まあ、さんざんな言われようで、ひどい話です。1980年代のことなのに、「女は嫁にいくのが当たり前」という封建時代のような固定観念が残っていたんですね。

 こういう偏見や無意識の思い込みのことを「アンコンシャス・バイアス」といいます。

・アンコンシャス・バイアスのいちばんの問題点は、周りから押しつけられるというより、いつの間にか本人が「そうなんだ」と信じ込んでしまうこと。

<転んでも立ち上がる>

・私たち一人ひとりがこれからどう生きるか、その積み重ねが時代を変えるパワーになります!

<語り合える友をつくろう>

樋口:私が今あるのも、多くの友人や仲間、これまで出会ってきた人たちのおかげです。

樋口:人生の価値とは何だったかと振り返ると、やはり女友だちの存在が大きかったと思います。

坂東:高齢者の単身世帯や夫婦2人暮らしが増えています。なかでも女性は平均寿命が男性より約6年長く、夫が年長のカップルが多いので、おひとりさまの期間が長くなる可能性が高いです。

<幸せを運んでくれる「食(しょく)」・「触(しょく)」・「職(しょく)」>

樋口:週に一度、宅配弁当をとっています。

・ですからね、やっぱり誰かと一緒に食べるって大切なんですよ。坂東さんがお話してくださった「じじばば食堂」は切実に必要です。

私のヨタヘロ期。スタスタとはいきませんが、歩けと言われれば歩けます。杖をつけばもっと歩けます。

樋口:私はヨタヘロ期を明るく楽しく過ごすコツは、「食(しょく)」・「触(しょく)」・「職(しょく)の3つの「しょく」だと提案しています。

<「じじばば食堂」をつくりたい!>

・年を取ると、そんなに遠くまで歩けない。少子化で地域の小学校の教室があまっているでしょ。「じじばば食堂」」は、そんな場所を利用できるといいですね。

<「微助っ人(ビスケット)」のすすめ>

・「男の場合、正面切ってボランティア・グループの仲間入りするのは、腰が引けるもの。でも、男だって時間をもてあましている人がいるし、善意もある。ささやかでも何かしたいんですよ」

・ところが自分自身がヨタヘロ期に突入して、思い出しました。今こそ、微助っ人だ!と。

・足腰は衰えても、手は動く人がいます。おしゃべりする口はもっと動く人がいます。みなそれぞれ何かできるのです。小さなことでいい。できることをしましょうよ。それが私たちの生きる力になるのです。

・「老いたれど我もなりたし微助っ人」

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