ところが70歳になると、まわりの人間がポツンポツン死んでいく、80歳になると、どんどん死んでいく。(1)

(2025/5/5)

『死の壁』 

死ぬときに幸福な人

和田秀樹   かや書房 2024/8/28

<自分の医療は、自分で決める>

<死は運命、残された時間が大切>

・象徴的なのは、日本での尊厳死の議論です。寝たきりになって、よぼよぼになって、死ぬことが決まっている人に呼吸器を付けたり、点滴したり、そんな過剰な延命措置をしたりしても意味がありません。

<自分の医療は、自分で決断する>

・死ぬ間際でなく、もっと早期に自分の医療を決めるのが望ましいと私は考えます。がんで余命宣告を受けたとしましょう。残りの人生は治療を受けるか、なにもしないで好きに生きて天命を待つのか、医師に任せるのではなく、自己決定していくほうがいいという考え方です。

<尊厳生、残りの時間生き抜く>

・人間は必ず死にます。ですから特に高齢者の方々は、惰性で生きるのではなく、残りの人生でなにができるかをもっと考える必要があります。

<明治維新以降、日本人は死を恐れるようになった>

・戦前、日本は医者にかかるのが簡単ではありませんでした。伝染病、とくに結核でころころと死ぬのが当たり前の社会でした。当時の平均寿命は40歳くらいで、80歳まで生きたいとは誰も思っていませんでした。

・日本は国民皆保険が始まったのと、食事によって栄養状態が良くなって長生きできるようになっただけなのに、医者のおかげで長生きができると勘違いしています。そして、「治療を受けたら、長生きできる」という幻想と誤解が蔓延している現在を迎えているわけです。

<死ぬときに幸福な人とは>

・いつ死ぬかは運命です。だから、余命を宣告されても落ち込む必要はないのです。死にたくないという気持ちは理解できますが、運命なのだから仕方ないと割り切って前向きに受け止める。それは、死は「変えられないこと」だからです。

<残された時間をどう生きるか>

・余命を宣告されて、自分自身の生き方や行動を後悔する人もたくさんいます。

・私自身も先日、心臓ドッグで心臓を栄養する冠動脈の狭窄が見つかりました。ステントをいれましたが、仮に見つからなくても突然死したとしても、それは運命かもしれない。

<自分が死ぬということ。>

<自分も死ぬことを理解する>

・余命を先刻されて、「自分はもう死ぬ」と、ツラい気持ちになる人もいるでしょう。実際に大多数の人はショックを受けて、そうなってしまいます。

・ところが70歳になると、まわりの人間がポツンポツン死んでいく、80歳になると、どんどん死んでいく。そういう環境のなかで、現役時代が終わって高齢者になってから、少しずつ自分もいずれ死ぬことを理解していくわけです。

<日本人は死を理解していない>

・現代の日本人の大きな問題点は、「死を知らない、死を理解していない」ことです。70歳、80歳にならないと自分が死ぬことに気づかないし、その年齢になっても自分も死ぬことを理解しない人が大勢います。

・人類にとって死ぬのが当たり前ではなくなったのは、たかだか200年間程度の歴史しかないわけです。

<家制度は国際的には異常な感覚>

・日本には悪しき家制度があります。韓国はものすごく家系図を大事にするけれど、国際的には日本や韓国の感覚は少数派です。家制度は国際的には通用しない事実は、みなさんも知っておいたほうがいいでしょう。日本や韓国では大切とされている「家を守ること」は、グローバルな視点で見ると「どうでもいい」ことになるのです。

<空き家問題が、家制度の嘘を暴いた>

・その子たちが東京に住んで、田舎に帰って来なければ二軒の空き家ができてしまう。子どもに財産を残せば、自分の家がずっと続いていくという幻想の崩壊が、ようやく空き家を家問題として可視化されることになったのです。

<相続税100パーセントを提言します>

・私は30年前から「相続税100パーセント」という意見を言ってきました。たくさんの老人を見てきて、老人が無理に財産を残し、その財産を子どもが奪い合う遺産相続騒動を目の当たりにして、辟易したからです。

<今の幸せほど、確かなものはない>

・家制度が過去の遺物となり、相続も一代限りの社会がくるとなると、個人の生き方がより大切になってきます。家や財産を継ぐ者がいないので、葬式をする人やお墓をつくる人も少数派となるでしょう。

<楽に生きるための感情のコントロール>

・死ぬときも楽に死にたいものですが、生きている間は、できるだけ楽に生きたいものです。楽に生きるためには、感情のコントロールが必要です。人を疲れさせるものの多くは、感情の乱れから起きるものだからです。

<常に“今”に集中する>

・まずひとつは、過去のことは考えず、常に「今」を考えることです。そして、先のことで勝手な想像をしないことです。

<人生はすべて実験だと考え、悔いなくチャレンジする>

・常日頃から「人生はすべて実験だ」と私は考えています。もうひとつは、失敗をしても次があると考えることです。失敗を検証する、ということは、結果に対して自分で責任を取るということでもあります。

<変えられることと、変えられないこと>

・高齢者は前頭葉が弱っている人が多いので、頑固な人も多く、自分で自分のことを難しくしてしまっています。

・心理療法として森田療法が非常に優れていると思えるのは、「相手は変えられない。しかし、自分は変えられる」という気付きを与えてくれることです。

<嫌なことからは逃げる>

・嫌なことからは、逃げたほうがいいのです。イジメられている環境だったとすれば、そこから逃げるのが正しい問題解決です。

<死ぬまでにお金を使う>

・多くの高齢者は使えるお金があるのに使っていません。

<人の言うことを、~かもしれないと考える>

・高齢者になると、頭が堅くなります。繰り返しますが、医学的には前頭葉が弱ってくるからです。

・健康に関していろいろな意見を私は言っていますが、自分が絶対に正しいとは考えていません。

<ダメでも諦めずに、別の方法を考える>

・物事を考えるとき、いろいろなことを考えてみる習慣をつけると、大勢の意見に流されることがなくなります。

<誰かと比べるのはやめてください>

・高齢者になったら、人に勝とうとするよりも今の自分を少しでも良くすることに注力しましょう。

<終末期の生き方講座>

<そうかもしれない思考>

・コレステロールは高いほうが長生きするというデータがありますが、それは通説と異なっているので間違っていると考えるのか、そうかもしれないと受け入れるのか、それは個人の自由です。

<“2分割思考”をやめて、“あれもこれも思考”に!>

・あれも正しいし、これも正しいと考えると、ものの見方が広がり、人生が好転します。

・私だったら「精神科医のくせに、内科のことを言っている」とか医者向けのサイトでは日常的に言われています。

<自分の信念を他人に押しつけない>

・健康面でも同じです。血圧を下げれば長生きできる。コレステロールを下げれば長生きできると信じ込んでいたとします。しかし、そうなるとは限らないし、個人差だってあります。

・現実として血糖値は正常にまで下げるより、やや高めのコントロールのほうが死亡率も低く、低血糖症も少ないのです。そんなことは、日常に溢れているわけです。

<諦めたら確率はゼロのまま>

・高齢者になって、ほとんどの人はなにかしら諦めていることがあるでしょう。しかし、諦めたら確率はゼロのままです。繰り返しますが、やらなければ確率はゼロ。

<成功した後も、“やってみる”を続ける>

・失敗学の考え方は、二度と同じ失敗をしないことを重視しています。

 しかし、一方でうまくいった成功を、どうして成功したのかを考えず、検証しない人がたくさんいます。うまくいったことを分析できる人は、その後も成功の再現性が高くなります。

<自分は運がいいと信じる>

・自分の人生で「これまで運がよかった」と思うことは大切です。人生は運と巡りあわせ、そして常にチャレンジすることで形成されていきます。

 これは死が近い高齢者でも、まったく同じです。自分は運がいいと思って、チャレンジを続けることで日々、幸福に近づいていけるわけです。

<人は人、自分は自分思考>

・なにか壁にぶち当たったときは、課題の分離をして切り抜けましょう。

課題の分離をすると、「変えられることと変えられないこと」が明確になります。必然的に解決に近づくということです。

<上手な負け方を知っておく>

・人生において、すべてに勝つことはできません。なにかにチャレンジするとき、「楽観しないで常に負けることも想定しながら行動や決断をしていく」

<自分が良ければ、それでいい>

・まわりや他人との比較や競争より、自分自身にもっと焦点を当て幸せ、不幸せの判断をするべきです。

<幸せに死ぬための思考術>

<幸せを測る“参照点”という概念>

・近年、様々な国際調査で人間は82歳あたりが一番幸せで、48歳あたりが最も不幸を感じるという調査がでました。

・誰かと比べて、勝手に不幸を感じているわけです。ところが82歳になると、自分が歩けているだけでも幸せを感じたりします。

<医者が宣告する“余命”が外れる理由>

・医者から言われる「余命」は、だいたい外れます。医者の言う、余命の原理をみんな理解していません。医学的な意味で余命2年とは平均2年ということです。

・余命の診断、宣告は、それくらいいい加減です。だからこそ、自分はあとどれくらい生きることができるのか、自分で予測する必要があります。

<ポジティブになれる“できればいいや思考”>

・では、どうしたらポジティブになれるのでしょうか。簡単に実践できる“できればいいや思考”をお伝えしておきましょう。できればいいや思考とは、プロセスは関係なく、結果的にできればいい、という考えです。できればいいや思考で物事を学ぶのに有効なのは、「躊躇しないで、できるところまで引き返す」ことです。

<人生のピークは、人それぞれ>

・人生のピークは、人それぞれです。そのときに勝っている人間が、ずっと勝ち続けることはありません。

・私は62歳のときに『80歳の壁』(幻冬舎新書)で年間トップの売上のベストセラーを出しました。その反面、30代ですごく売れていた人間が消えていたりするわけです。私はなんとか消えないで残りました。

・高齢者は残り時間がありません。向いていないことを自力で乗り越える時間は残されていないと考えて、無理なこと、無駄なことはやらないほうがいいでしょう。

<できないことを理解する>

・困りごとや悩みがあったとき、他人にすがる、自分の力で乗り越えようとする、という2つの方法があります。どちらが正解かというと、圧倒的に前者になります。誰かに上手に泣きつける人のほうが賢いのです。

<先が長くなくても、長期的な視点を持つ>

・高齢者は「自分には先がないから」と、短期的視点に走りがちです。しかしながら、「長期的な視点を持つ」ということは大切なことです。これは、言い方を変えれば、未来志向です。

・高齢者は、過去で時間が止まっている人がたくさんいます。しかし、今を知って、未来を見据えることは非常に重要なわけです。5年後、10年後の自分の幸せを考えて生きていきましょう。

<満点を目指さない“合格点主義思考”>

・そこで有効なのが、長所だけを伸ばすという発想です。すべて勝つことはできないので、完璧を目指さない。これが大切です。

<答えは常に変わっていく思考>

・“答えは常に変わっていく思考”も常々私が大切にしている考え方です。価値観が時代とともに変わります。健康常識も常に変わっていきます。だから、常に新しいことを勉強する人が強いわけです。

<新しいアイディアを出せる人は強い>

・答えは常に変わっていくので、必然的に新しいアイデアを出せる人が強くなります。今の答えと明日の答えが違う、そんなことは普通に起こる時代だからです。

<iPS細胞は、発想を変えた新しいアイデア>

・医療の話をすると、コレステロールが高いとダメだとみんなが思っています。実際は、まったくそんなことはありません。コレステロール値が高いほうが長生きだし、老化も遅いし、元気です。

<ちゃんと調べる思考>

・どんな人でも、間違った情報を口にすることがあります。特にテレビのコメンテーターは、大概いい加減なことを言っています。

<メディアや権威の言うことを無条件に信じない>

・高齢者はテレビとか新聞が好きなので、権威を信じがちです。権威の言うことを信じてはいけないという話もしましょう。まず、権威となっている偉い高齢者は、少なくとも10年前とか20年前の学説で権威だったわけです。

 これからの時代は新しいことを自分で勉強し、いろいろ考えることができる人が成功します。ただ知識だけを増やすのではなく、過去の正解や権威を疑って、考える習慣をつけましょう。

<人生のシナリオは無限にある>

・人生のシナリオは無限です。だから、高齢者になっても、今を頑張ることが大切なのです。

<肩書よりも、データを信じよう>

・肩書に振り回されるのは、もうやめましょう。肩書きより、データを信じるべきです。

<どう死ぬかは、自分で決める!>

<日本は世界一のがん大国>

・日本は世界的ながん大国です。2人に1人ががんで死んでいきます。そして、私自身が脾臓がんにかかったと、本気で思い込んだ経験があります。

・また、手術だけでなく、抗がん剤投与や放射線治療など、長期間に及ぶ苦しい治療となるとき、その苦しみがいつまで続くかを本人が知っておかないとあとで後悔することになります。

・苦しみに耐えながらギリギリの抗がん剤治療をしても、根治するわけでなく、少しだけ延命するだけという結果がほとんどです。

・手術をする人は、まず手術そのもので死なないことが成功です。それから、5年生存率をクリアするのが次の関門で、その後5年間生きていれば、治療は成功だったことにされます。

<がんは死ぬまでの計画を立てることができる>

・私が自分の脾臓がんを疑ったとき、「残りの人生がツラいものとなる抗がん剤治療はしたくない」と思いました。

・がんで余命宣告を受けても、死ぬ直前まではほとんどだるくも痛くも痒くもありません。ところが、抗がん剤治療や放射線治療を受けた途端、ほとんどの人はガクッと仕事能力とか体力とかが落ちていきます。

・緩和医療の本を読んでいると、がんの名医も「ピンピンコロリより、がんで死にたい」と言っています。そういう名医ががんで死にたい理由は、「突然心筋梗塞などで死んでしまったらなんの準備もできないから」だと言います。

<胃ろうは苦しくないし、延命ができる>

・過剰な延命治療と、よく批判されているのは胃ろうです。食べられないのに無理に生きる必要があるのか、という意見です。

 ただ、胃ろうの厄介なことは、なかなか死なないことです。

・胃ろうはなかなか死なないし、苦しくないし、ほかの延命治療よりはマシな治療だと言えるでしょう。

<自宅で死ぬか、病院で死ぬか>

・死ぬときは自宅で死ぬのがいいのか、病院で死ぬのがいいのか。どこで死にたいのかは、よく話題になるトピックです。最近は「自宅で死にたい人」が増えています。

・孤独死は大きな社会問題となってネガティブに言われているけれど、孤独死の9割は直前まで元気だった人です。

<早死にしても、本人の意向を尊重するのが尊厳死>

・尊厳死とは「人が人として尊厳を保って死に臨むこと」という意味です。世間一般でいう尊厳死は、死ぬ間際に点滴をするかしないかとか、人工呼吸器を付けるか付けないとか、そんなことで使われています。

・だから、「まだ意識がしっかりしているときの本人の意思を尊重するのが尊厳死」です。

<リビング・ウィルはあてにならない>

・生前の本人の意向はリビング・ウィルと言います。ただ悲しいことにリビング・ウィルは、時間が経てば変わることもある。

<金持ちより、思い出持ち>

・生きている間に思い出をたくさんつくりましょう。残り時間が少ない高齢者になったら、お金持ちよりも思い出持ちのほうが強いのです。

・日本では安楽死は認められていないので、そうやって死ぬことがなかなか難しいだけで、世界を見回せば自分の死を明るく演出する人はたくさんいます。

<日本はベルトコンベア式に延命治療になる>

・今の日本では、がんと診断されたら、当たり前のように延命治療になります。本人も家族も、医療についてほとんど知識がないので、医師の誘導でベルトコンベア式にそうなってしまうのです。

<転移ガンは必ず死ぬという考え方>

・今の医学では、転移がどこにもないがんに関しては、切り取るのは根治治療と考えられています。そして、転移の認められるがんの治療は手術も、抗がん剤も、放射線も、基本的に延命治療です。がんは0.1ミリよりも大きくならなければ、現在の医学ではどんな方法を使っても見つけることができません。

・だから、転移するがんだったら、必ず死ぬという意味で治療は意味がありません。転移するがんだったら、「なにもしないほうが、体を傷つけなくていい」というのががん権威の近藤先生の考え方。

<ガン治療をしたら、元には戻らない>

・抗がん剤でいったん、ボロボロになってしまったら、元に戻れる人は少ないのです。どうしてボロボロになるかというと、正常な細胞まで殺してしまうからです。

・点滴の抗がん剤治療みたいに全身に回るわけではないので、放射線治療のほうが苦しみは少なくなります。

<手術では無駄な切除はしない>

・外科手術では、そこの場所だけを切除してくれる医者を選びましょう。がん患部だけ取るのはいけれども、一般的に日本人の医者は用心深過ぎて周辺も切除します。基本的には、健康な箇所も切除することになるので、患者の体力が落ちるのです。転移がある場合は、基本的に抗がん剤治療になります。

<医者なんて偉くもなんともない>

・それに転移するがんにかかっていたら、医者が誰であろうが、どんな治療をしようが、あと何年かの命です。助かることはありません。だから、偉そうにしている医者に嫌われても、言いたいことは言いましょう。あと何年かで死んでしまうのだから、医者に嫌われるくらいなんでもないことです。

(2025/4/27)

『80歳の壁』

和田秀樹     幻冬舎新書  2022/3/28

<プロローグ 80歳の壁を越えていく>

<80歳の壁を越えていくためにこの現実を知っておきましょう>

・男性は9年間、女性は12年間――。この年数が何を示すかわかりますか?じつはこれ、病気や認知症などで寝たきりになったり、誰かに介助されたりしながら生きる平均期間を表したものです。

【健康寿命】

・心身ともに自立して健康でいられる年齢を「健康寿命」と言います。その年齢が72.68歳、女性が75.38歳です(令和元年の調べ)

【平均寿命】

・男性が81.64歳、女性が87.74歳です(令和2年の調べ)

【死亡数】

・「死亡数」とは、年齢別に亡くなった人の数を調べたものです。最も多くの人が亡くなった年齢は、男性が85歳、女性が90歳でした(平成17年の調べ)。

<幸せな晩年と不満足な晩年、どちらを選びますか?>

・診療した患者さんは6000人を超えます。介護の場や講演会など病院以外も含めると、その数は1万人を超えるでしょう。

<老いを受け入れ、できることを大事にする>

・この本では、80歳オーバーを「幸齢者」と呼びたいと思います。

<80歳を過ぎたらガンがある。それに気づかない人も多い>

・つまり、幸齢者になれば誰の体にもガンがある、ということです。

<認知症は必ずやってくる。ならばいまのうちにしたいことをする>

・ただし、幸齢になってから発症する認知症の多くは、とてもゆっくりと進行する病気です。つまり、認知症は病気というより「老化現象」に近いものであり、年を取ると誰にでも起こる症状、というわけです。

<「人生百年時代」という言葉が80歳の壁を高くしている>

・80歳と言えば、かつては「人生のゴール」という印象でした。ところが昨今では「人生百年」と言われ、ゴールがいきなり20年も先になってしまいました。

<医者・薬・病院の壁を越えていく>

<幸齢者になったら健康診断はしなくていい>

・とくに80歳を過ぎた幸齢者の場合は問題がある、というのが老年医療の現場に長年いる私の実感です。数値を正常にするために薬を服用し、体の調子を落とす人や、残っている能力を失ってしまう人、寿命を縮めてしまう人がいるのです。

<医療に頼るなかれ。医師には「健康」という視点がない>

・「医者の不養生」という言葉があります。医師は自分の健康や体には無頓着だという意味です。

<病院ではなく、自宅やホームで「老衰」で死ぬということ>

・老衰は、病気ではなく、少しずつ体が弱って死ぬことです。「天寿をまっとうした死に方」と言ってもいいでしょう。

<闘病ではなく「共病」で。闘うよりも手なずけて生きる>

・病気と闘うのではなく、病気を受け入れ、共に生きることです。

<医療難民になる前に。ドクターショッピングで、信頼できる医師を探す>

・医師の数がある程度いる地域に住んでいる方なら、医療難民になる前に、ドクターショッピングをして、自分の考え方を受け入れてくれるかかりつけ医を探すしかないと思っています。

<医療の自己決定。それは自分がどう生きるかの選択です>

・たとえば、今回のコロナ禍は自己決定ができなくなった最悪の例でしょう。

<ウィズコロナ――大きな病院の専門医より地域の町医者が幸齢者むき>

・しかし、やはり幸齢者になったら、大学病院の専門医ではなく、地域のいわゆる「町医者」をかかりつけ医にしたほうがいい、と私は思っています。

<どんな医師を選ぶか。それが晩年の幸・不幸を左右する>

・80歳の壁を越えていくには、いかによい医師を選び、よいつき合いができるか、が大きなカギを握ると言えます。

<嫌な医師とはつき合わない。自分にとっての「明医」を探す>

・医師選びでは、医師との相性も大事になってきます。80歳を迎える幸齢者にとって、病院や医師はとても身近な存在です。

<臓器別診療の弊害。幸齢者はトータルで健康を考えよ>

・日本の医療は基本的に「臓器別診療」のスタイルをとっています。年を取れば、臓器の機能は全体的に低下します。ある臓器だけの治療をしても、ほかの面に支障が出てしまうことは少なくありません。

<薬は必要最小限に。飲み過ぎは毒と心得よ>

・臓器別診療の弊害は、薬の多さにも表れています。日常生活の活動レベルを落とさないよう、最小限の薬にとどめる。これが幸齢者の、薬との正しいつき合い方なのです。

<長生きの薬はない。薬は不調があるときに飲む>

・薬を飲み続けても長生きできるという保証はどこにもないと言っていい状況です。

<「なってから医療」は中高年までの医療と違う。予防のための薬は、なってからは要らない>

・もちろん、認知症を進行させることもあり得ます。要するに動脈硬化に「なってから」は、むしろ血圧や血糖値を高めにコントロールしたほうが健康になれると私は信じています。

<しょぼくれた老人になるか。いまのまま元気に生活するか>

・つまり、血圧や血糖値、コレステロール値を下げることは、動脈硬化には効果的ですが、活力が奪われたり、ガンのリスクが高まったりするわけです。

<もしもガンが見つかったなら。生活の質を重視する>

・特に、80歳を過ぎるような幸齢者は、手術の必要はないと思います。年を取れば取るほど、ガンの進行が遅くなり、転移もしにくくなるからです。それならば、何もせず、放っておけばいい、というのが私の考えです。

<ガンを切る、切らない。どちらが長生きできるのか>

・幸齢者はガンを切らないほうがいい理由は、ほかにもあります。年を取っているほど、ほかの臓器にもガンがある可能性があるからです。

<ゼロリスクなんてものはない。なったらなったで仕方ない>

・世の中には、可能性がゼロなんてものは、何一つありません。ゼロリスクのものなんて存在しないのです。

<本当は怖い健康診断。幸齢者は受けなくていい>

・つまり、どこまでが正常で、どこからが異常かは、個々人によるものなのです。

<血圧の数値の話。幸齢者は高くても大丈夫>

・とにかく、数値だけで「異常」と判断され、薬を飲み続けるという選択は間違いです。自分の体の状態から判断するのが、幸齢者の賢い選択です。

<新型コロナの教訓。なぜ高齢者が重症化したのか>

・なぜ、80代の人が、コロナにやられてしまうのか?それは、高齢になるほど免疫力が弱い、抵抗力が弱いからです。

<糖尿病の治療がアルツハイマーを促進する>

・現代医学では一般に、糖尿病の人はアルツハイマー型の認知症になりやすいと言われています。しかし、これは大いに疑問です。

・つまり、医学界の定説とは正反対のことが、実際には起きているのです。

<医学は不完全なもの。だから自分の思い通りに生きる>

・このように、医学常識や健康常識は変わっていくものなのです。

<老化の壁を越えていく>

<浴風会病院の高齢者医療。私が自信を持って話せる理由>

・この本にも、浴風会病院の知見を大きく取り入れています。さらに加えて、私の30年にわたる臨床経験から得た知見を交えて話をしています。

<明日死んでも後悔しない人生の時間の過ごし方。三つのムリをやめる>

・毎日の暮らしには、いくつもの我慢や無理がありますが、次の三つは、すぐにでもやめたほうがいいと思います。①薬の我慢、②食事の我慢、③興味あることへの我慢。

<食事は我慢しない。食べたいものは食べる>

・世間の常識では、太っていると健康が損なわれ、「塩分、糖分、脂質」は三大害悪のように言われているからです。

・くどいですが「少し太っている人のほうが長生き」というデータは世界中にあります。「食べたいものを我慢してダイエット」など自ら寿命を縮める行為です。栄養不足は、確実に老化を進めるからです。

<興味あることは我慢しない。どんどんおやりなさい>

・でもやはり、したいことは我慢せず、やったらいいと思います。

<男性ホルモンは元気の源。したいことをして脳も体も元気に>

・何かに興味を持つということは、脳が若い証拠です。実際、それを実行することで、脳は活性化し、体も元気になります。それは男性ホルモンから見ても明らかです。

<脳の前頭葉を刺激する。したいことをすると脳は喜び若返る>

・年を取ると、筋力や臓器だけでなく、脳も老化します。認知症はそうした老化現象の一つです。なかでも一番多いのは、アルツハイマー型で、「脳が縮む」と言われているタイプです。

・したいことをすることは、脳の老化を防ぐためにも必要なのです。

<エロティックは否定しない。いくつになっても刺激を求めていい>

・性欲についても再度話しておきましょう。日本人はタブー視しがちですが、本来、性欲は自然な欲求であり、とても大切なことです。

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