日本には原潜を造る能力がある。戦略原潜に加えて、攻撃型原潜も建造すればいいのです。(1)
『新軍事学入門』
平和を望むなら、戦争の準備をせよ
飯柴智亮、佐藤優、内山進、北村淳、佐藤正久、小峯隆生
飛鳥新社 2015/9/10
<戦争に負けた民族の悲惨さを本当の意味で学んだとはいえません>
・日本は第2次世界大戦で米国に敗れましたが、戦争に負けた民族の悲惨さを本当の意味で学んだとはいえません。一度きりの経験をもとに「次に負けてもこんなものか、だったら降伏してもいいや」と誤解しています。中国が相手では、そうはいきませんよ。中華思想に屈服し、華夷秩序に飲み込まれた民族は地球上から消え去る運命であると、歴史が証明しています。
・米国の国家戦力の第一歩は、公海上の航海自由の原則を乱す者は許さない、ということです。日本の場合、国会でそれを議決して満足していますが、要は、どうやって許さないかです。
・その手段の一つが軍隊です。外交戦略と軍事戦略は両輪として国家を支えます。軍事行動だけが突出しても話になりませんが、軍事力がなければ、外交上、最後の決め手を欠くことになります。日本は海に囲まれ、海洋国家を自称していますが、海洋戦略はあまりないし、海事戦略に至っては「皆無」です。そもそも国家戦略と呼べるものがありません。世界中に伸びた航路を守るには、世界を視野に入れた海軍戦略が必要となります。
<海事戦略と戦略原潜>
・戦略原潜は、原子力潜水艦の中でも、核弾頭を装備した弾道ミサイルを搭載しているタイプのことです。核ミサイルは、海事戦略とはレベルの違う話であり、国家戦略の範疇になります。
・日本では陸自が、防衛の最後のゴールキーパーだといわれますが、戦略原潜がないので切り札がない。米・英・仏・ロシア・中国のいずれも、最後の担保として戦略原潜を運用しています。国家にとって海軍がいかに重要か、戦略原潜を持っていなければ、国連安保理の常任理事国になれないわけですから。
・中国は現在、新型の戦略原潜を3隻運用していると、連邦議会で太平洋軍司令官が証言しました。10年以内に、戦略原潜を8隻建造することになっています。すると常時、3~4隻は運用できる。
・英国が4隻。米国は18隻でしたが、ロシアの力が落ちたので4隻減らして14隻。フランスも4隻。ロシアは13隻ですが3隻を建造中で、米国とほぼ拮抗しています。それから戦略原潜から話が変わりますが、インドが今、攻撃型原潜を建造中です。
・中国はとうてい海軍とはいえない状態の頃から、性能の劣悪な戦略原潜を運用してきました。しかし、現在の戦略原潜094型(晋級)と、搭載されているSLBMの巨浪2号(JL2)は、間違いなく報復攻撃兵器としての抑止効果を持っています。名実ともに、中国と米国は、核兵器による相互確証破壊(MAD)の態勢に入りました。
・今、米国の財政がこれだけ逼迫していますから、日本が原潜を建造し、搭載する核ミサイルはレンタル料を払って借りる。そして、米海軍将校が海自戦略原潜に乗り込んで、ミサイルを米国の管理下に置く形で共同運用する。これなら可能性はあると思います。問題は、そういう主張ができる、肚の大きい政治家がいるかどうかですが……。
・日本には原潜を造る能力がある。戦略原潜に加えて、攻撃型原潜も建造すればいいのです。
・自国を守るために、どういう国家戦略―安全保障戦略―陸海空の軍事戦略を作れるかは、国家の生命線ですが、日本にはすべてのスタートラインとなる国家戦略が存在しないわけです。
<海軍戦略の基本「防衛三線」>
・海軍がどこを守るか。三つの線に分けて考えることができます。自国の沿岸部、敵の沿岸部、その間にある海。そのどこに線を引くかが、防衛三線です。
・国際関係論で、過去の戦争の教訓を学び、国際政治学で、戦争を避けるための外交交渉を学ぶことは大切だ。しかし、不幸にしてそれでもなお戦争に至った時に備えて、軍事学に基づいた、勝つ方法を考えなければ、日本は生き残れない。
<政治と軍事が切りされた国>
・クラウゼビッツに「戦争は政治の延長である」という言葉があります。国際政治とは2カ国以上の、外国と自国が関連する政治のことです。軍事はハードパワーになりますが、政治には、実際のドンパチ、交戦以外の様々な要素が含まれます。
・兵器が発達して、向こうからの攻撃が届くようになっても、海に囲まれているということは、依然として非常に重要です。海を越えて十分な
戦力を運搬できる海軍を持つ国だけを想定して、軍事戦略を練ればいいからです。
<国際政治学と国際関係論はどう違うのか?>
・新しい技術を取り込めなかったから、負けた。
日本史の中世、戦国時代の例なら、長篠の合戦です。最強といわれた武田の騎馬隊の突撃が、信長の鉄砲隊にやられた。新技術の鉄砲を導入しなかったために、騎馬隊は全滅しました。
次が予測の間違い。例えば第2次世界大戦のフランスはドイツ軍に対し、鉄壁の守りのマジノ線があるから、攻めてこないと信じていました。しかし、ドイツ軍は中立国のベルギーと、戦車機甲部隊が越えられないと思われていたアルデンヌの森から攻めてきました。
絶対に来ないだろうとフランスは思っていたのに、ドイツ軍は来た。予測を間違えて、戦争に負けたのです。
・それから、学習不足。勉強不足で戦訓をきちんと学んでいない。これの最も分かりやすい例は、関ヶ原―大坂冬の陣―大坂夏の陣での豊臣家でしょう。秀吉の茶坊主であった石田三成に総指揮を託して敗北した関ヶ原から、大野治長や淀君に総指揮を託した大坂冬の陣・大坂夏の陣。真田幸村など、歴戦の強者の意見をことごとく無視し、同じ失敗を立て続けにやってしまった典型的な例でしょう。
以前に戦争に負けたのと同じ手をくらう。学んでいない。こういうセオリーは、大体当たっています。
そして最後に完全崩壊。これはもうすべてがメチャクチャ、前述した三つのうち複数もしくは全部が複合した、最悪の負け方です。
<「プリンシプル・オブ・ウォー」(戦争の原則)>
・次が「オフェンシブ」。戦争ですから、当然、攻撃しなければならない。戦争は攻撃しないと勝てません。自衛隊は専守防衛で、攻撃能力がないので、絶対に勝てないのです。
―つまり原則が「ディフェンシブ」、防衛になっている。
だから、絶対にダメなんです。このままでは自衛隊は、永久に勝てません。軍の常識からして、あり得ないんです。
・――自衛隊には機動はありません。日本国内から動けませんから。先制攻撃の奇襲もできません。どうやっても、勝てる戦争ができないのが、自衛隊です。それでは、玉砕するためにいるのと同じです。
・まとめると、国際関係論は、過去の戦争で、なぜ勝ったか、どうして負けたのか、法則を見出す。国際政治学は、戦争に至った、あるいは戦争を抑止した政治のプロセスを学ぶわけですね。その二つを使ってもなお、戦争回避に失敗し、交戦となった時、勝つ方法を考えるのが軍事学。
<「戦争の原則」で、過去の戦いをチェックしてみる>
――すると「戦争の原則」をほぼすべてクリアしていたのですね。
だから、日露戦争に勝利できたのです。
<太平洋戦争はどうだったか?>
――何といっても、マスの面でダメです。圧倒的な米軍の物量の前に、大日本帝国軍は負け続けました。
――エコノミー・オブ・フォースは?「欲しがりません、勝つまでは」との戦時中の有名な標語があります。
それが出た時点で、戦争は負けています。寺の鐘から、家の鍋まで金属を供出しましたよね。それでは負けます。
<対中国意識の日米比較>
・日本の場合、親中派というのは中国の属国になってもいい、と考える人々のことでしょう。アメリカにはそんな連中はいません。アメリカの親中派は、国際関係論のバランス・オブ・パワー・セオリーを使って、対中国関係を考えています。つまり、米中の力のバランスをとって、やっていこうとする。
<「普通になれない国」の政治の闇>
・「暗い世界で明るい嘘はつけない」と佐藤優氏は言った。
軍事学が欠如した日本で、どんなに安全保障を議論しても結論は出ない。不幸にして戦争が起きてしまった時に備えて、「勝つ」ための準備をしておかない限り、真の抑止力とはなり得ない。
出口戦略を考える能力のない安保専門家と戦争放棄論が無限ループをくり返しているうちに、日本は必ず、また負ける。自立できないままアメリカに見捨てられて戦場になるか、華夷秩序の二級市民となるか、選ぶ自由すらその時には残されていないだろう。
私の「失われた鎖」を探す旅は終わった。日本には国家戦略も外交戦略もなかった。
『自らの身は顧みず』
前航空幕僚長 田母神俊雄
ワック株式会社 2008/12/16
<専守防衛は非現実的な戦略だ>
・国際社会では、相変わらず軍事力が絶対的な役割を果たしている。もし米軍を中心とする先進国の軍事力がなければ、国際社会は第2次世界大戦前の弱肉強食の世界に戻ってしまうだろう。
・我が国の国是である専守防衛というのは極めて多くの防衛兵器を必要としカネのかかる政策である。
・もっぱら守るだけでも負けないというのは、大人と子供のような戦力差がある時に限られる。
・殴れば殴り返されるかもしれないという恐怖が殴ることを思いとどまらせる。これが抑止力である。従って、攻撃力を持たずには抑止戦略は成り立たない。
・国際社会において、国家を性善説で見ていては取り返しのつかない過ちを犯すことになる。
・攻撃こそ最大の防御と言うのは今も変わらない真理である。
・飛躍するようだが、私は、拉致事件についてもこの敗戦以来の呪縛、つまり間違っても先に手を出さないという国柄が関係しているのではないかと感じてきたのである。
<核シェアリングに踏み出せ>
・軍事の国際標準に従えば、我が国が55年体制下で野党を納得させるために(?)行ってきた自縄自縛の政策はすべて見直されるべきだと思っている。
・防衛政策では、「専守防衛」、「非核三原則」及び「武器輸出三原則」を見直す必要があると思っている。
・だが攻撃は最大の防御である。専守防衛では抑止力にはならない。日本が絶対に先に手を出さないことが分かれば、相手は絶対に勝てる状況になるまで自分のペースで準備ができる。
・核兵器が核戦争はもちろん通常兵器による戦争をも抑止しているのである。「日本が核攻撃を受けたのは核兵器を持っていなかったからだ。私は核のない社会よりは平和な社会を選ぶ」と言ったのはイギリスのサッチャー首相だ。
・私は、アメリカの核を国内に持ち込むだけでは効果は薄いと思っている。米国に逃げられないようにするため、NATOの一部の国がやっているニュークリアシェアリングに踏み込む必要があると思う。
・これは米国の核兵器の発射ボタンを共有するものだ。つまり核を所有し配備しているのは米軍だが、ドイツ、オランダ、イタリア、ベルギー、トルコの5か国はNATOの枠組みの中で、米軍の核兵器を使って日常的に訓練している。これらの国が核恫喝を受けた場合にはアメリカは、これらの国に決められた核兵器を引き渡すというものである。
・このニュークリアシェアリングは、NPT(核拡散防止条約)体制下でも機能しているという。
『国(暴)防論』
田母神俊雄・松島悠佐・川村純彦・勝谷誠彦
アスコム 2009/5/2
<タブーを乗り越え、長過ぎた沈黙を破るべき時がやってきた>
・どこそこの国では戦争という言葉そのものにさえ目を背けさせる教育をしてきた。こういう国は、周辺諸国にとって「危うい」。戦争を作り出すのは無知なのだ。
<核兵器を持たずとも、核抑止力を保持する方法がある>
・そこが同盟の難しいところなんです。確かに同盟は抑止には役に立ちます。しかし、いざというときの国家の運命は、自国で決断しなければなりません。今回は明確にしてくれましたが、アメリカが助けてくれない最悪のケースまでも考慮した上で、あらゆる戦略を立てておかなければならない。したがって、「非核三原則」とお経のようなことを唱えていれば、日本の安全が守られると考えることは、大きな誤りなんです。
・NPT(核拡散防止条約)加盟国のなかで、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、トルコの5ヵ国は、ニュークリア・シェアリング・システムというものを採っています。アメリカの核兵器を使って日常的に訓練しています。
<日本が原子力潜水艦を持てば、中国・原子力空母の最高の抑止力になる>
・(原子力潜水艦)は絶対に必要だと思います。ディーゼルエンジンを動力とする在来型の潜水艦は、どうしても息継ぎが必要なんです。潜水艦は浮上してディーゼルエンジンで発電機を回し、発生した電気を蓄電池に充電する。水中ではディーゼルエンジンが使えないので充電ができないからです。それと、艦内の換気のためにも、ときどき浮上しなくてはならない。そのような場合、海峡や東シナ海など、地形が入り組んだ海域なら隠れる場所もあるからいいのですが、太平洋のような広い外洋で海面に顔を出すことは潜水艦にとって自ら隠密性を放棄する非常に危険なことです。広い海域で、息の長い行動をするにはやはり原子力潜水艦でなくてはだめなんです。潜水艦がほかの水上艦船に同伴して行動するためにも原子力潜水艦が必要です。
・将来、日本が航空母艦を持つとなったら、これを守るためにも、一緒のスピードで航海できる潜水艦が必要です。それは原子力潜水艦でないと無理ですね。
・日本がすぐに核武装はできないとしても、先ず原子力潜水艦を何隻か持って、南シナ海から沖縄近辺の海域に遊弋させれば、中国は嫌がりますよね。中国は原子力空母を建造すると言っていますが、たとえ造ったって、こっちが原子力潜水艦を持っていたら、怖くて動けませんよね。最高の抑止力になると思います。
・それに、予算をどれだけつぎ込んだとしても、中国の対潜水艦能力は西側に比べてまだ30年以上の遅れがあると見ています。したがって、当分は中国海軍が日本の潜水艦を捕まえることはほとんど不可能でしょう。ですから、日本が原子力潜水艦を持つことは、最高の抑止力になるはずです。これは断言できます。
・非常に有効な手段でしょう。もうひとつあります。日本が核武装をした場合にどういう兵器体系が必要かを改めて検討できる。もし原子力潜水艦を建造できたら、ミサイルを発射できる装置を置いておけばいい。潜没中の潜水艦は探知が困難で残存性も高いですからね。
・日本のような狭い国では、あちこちに核ミサイルの基地は造れません。潜水艦に積めば、そこが核基地になる。海洋国家としては非常に強いですね。
<兵力の均衡を必要としない核兵器は、ひとつ持っているだけでいい>
・核兵器のバランスの問題もありますが、たとえ10発でも抑止力になります。威力が非常に大きいですから、常に1隻を配備して発射できるようにしておくためには潜水艦の隻数としては3隻は必要でしょう。それだけでも最小限の核抑止力は確保できると言えます。
・アメリカはたくさん予算を持っていて、中国も持っている。そこで日本が核を5発や10発ぐらい持ったからって何になるんだと言う人もいます。しかし、5発や10発でも充分に意味があるんです。核兵器は、兵力の均衡を必要としない兵器ですから。
・通常の兵器ではあり得ない話ですが、核に関しては兵力比が1対10でも1対100でも抑止が成り立つんです。核兵器は二度と使われてはいけない兵器です。また、使われる可能性もゼロに近い兵器です。しかし、外交交渉で発言権を確保する上でも非常に必要かつ重要な兵器なんです。
・核に対してアンタッチャブルのままでいてはいけません。国会でもきちんと議論をしなければ。ところが非核三原則がまずあって、核抑止力はアメリカに依存するというところで話が終わってしまっている。
・それよりも、原子力潜水艦を持つのがいちばんいいでしょう。しかし、そのためには時間も金もかかります。
・いちばん手っ取り早いのは、アメリカのトマホークを買ってくることでしょう。
<北朝鮮の体制が崩壊するとき、何が起こるか>
・口封じと証拠隠滅のために、北朝鮮にいる拉致被害者、それから数百人いるといわれている特定失踪者が殺されてしまう可能性もあるわけですよね。アメリカだったら特殊部隊を突入させて救出しているところでしょうが、私はそれをぜひ自衛隊にやってほしい。
・拉致被害者を奪還するのは、能力的にはゼロではないと私も思います。しかしながら、作戦の基本である情報を積極的に取集する情報機関が日本にはありません。これが最大の問題です。そのため被害者の方が北朝鮮のどこにいるのか、どこに救出に行けばいいのかという情報を得ることができない。大変難しい状況です。
・情報戦でもっとも大事なことを「 Humint」と言います。ヒューマン・インテリジェンスの意味です。情報というのは人間に接触し、そこから情報を引き出すのがいちばんいいわけです。日本はその面で諸外国に比べて極端に見劣りがします。
・やはりきちんとした情報機関がないということが異常なんですね。そこで調べて勝てるか勝てないかを判断して、だめならどうやれば勝てるかを検討して、勝てるとなって初めて戦争を始めるわけですからね。
『田母神塾』 これが誇りある日本の教科書だ
田母神俊雄 双葉社 2009/3/1
<究極の抑止力、核兵器で国防と外交を強化せよ>
・世界の多くの国々は、積極的に核兵器をもちたがっています。その理由は、核を持っている国のほうが、核をもっていない国よりも強い安全保障体制を構築できるからです。核を持たないほうがいいと主張しているのは、日本の政治家ぐらいしかいません。より強い軍事力をもつことによって、より安全ではなくなると考える政治家は他国にはいない。軍事力が強いほうが、より安全というのが、常識的に考えもごく普通の考え方でしょう。
・「核兵器を持てば日本は戦争と破壊の危険にさらされる」。自虐史観に染まっている人は、そういう考え方をします。
・絶対に使われることがない兵器ではあるのですが、核兵器を持っている国と持っていない国とでは、外交交渉において格段の差が生まれてしまう。
・日本の外交交渉力を世界と対等にするために、日本も核兵器を持つべきであると、私は、敢えて提言します。核兵器を持たない国は、最終的にアメリカやロシア、イギリスやフランス、中国のいうことを聞かざるをえない状況に置かれているのです。
・少なくとも非核三原則は撤廃し、日本が核兵器を持とうと意識すればいつでも持てる状態にしておくことが必要でしょう。「もたない」と強く宣言したとたんに、安全保障上の抑止力は一気に低下してしまう。
・アメリカは日本に、どうしても核兵器をもたせたくないのです。日本はNPT(核拡散防止条約)に加盟しているわけですから条約による縛りは今も利いている。
・普通の国の政治家であれば「絶対に武力行使はしない」「核兵器を持つことはありえない」とまでは断言しません。「国家を守るため、あらゆる手段を放棄しない」というのが普通です。
・核兵器とほかの通常兵器との最も大きな違いは、核兵器は戦力の均衡を必要としない兵器だという点です。つまり、一発だけでも持てば、充分抑止力になる。
・イスラエルのように核兵器で武装した国は、軍事攻撃によって潰すことはできません。
・自国で核兵器を持つことが難しいのであれば、日本も「ニュークリア・シェアリング・システム」の導入を検討してみてはどうでしょうか。これはアメリカが持つ核兵器の発射ボタンを共有するという試みです。実はすでにNATOのうちドイツ・オランダ・イギリス・ベルギー、トルコの5カ国はニュークリア・シェアリング・システムが導入されています。これらの国が核の脅威にさらされたときには、アメリカが持つ核兵器を引き渡すという取り決めです。
・日本はとにかく、国防に関するタブーが多すぎる。民主主義社会なのですから、核兵器保有に関してもタブーの枠内に押し込めることなく、何でも自由に話し合えばいい。
・「核武装しないほうが我が国はより安全を保てる」。そんなことを主張する政治家は、世界中見渡しても日本の政治家以外にいません。
『地底の楽園{アガルタ神秘文明}へのナビゲーションガイド』
シャンバラのグレートマスター直伝!これがヴリル・パワーだ
カルロ・バルベーラ ヒカルランド 2013/6/30
<ホピの警告―世界が見舞われる恐ろしい災難/第3次世界大戦を勃発させる国々>
・第3次世界大戦を勃発させるのは、古い歴史を誇る国々(インド、中国、イスラム諸国、アフリカ)で、光(神聖な叡知と知性)を最初に受け取った民族です。
アメリカ合衆国は、核兵器と放射能によって、その国土も国民も滅びます。ホピとその郷里のみが、避難場所となるオアシスとして残ります。対空避難所などの安全性には何の根拠もありません。
・「物質主義者のみが避難所を設けようとする。穏やかな心を持つ者は、すでに堅牢な生命の避難所にいる。悪には逃げ場などない。イデオロギーに則った世界分断に与せぬ者たちは、黒人であろうが白人であろうが赤色人であろうが黄色人であろうが、別の世界で生活を再開できる。彼らは、皆ひとつであり兄弟である」
・「戦争は物質とスピリチュアルな戦いとなるであろう。スピリチュアルな生命体は、物質的なものを根絶やしにすると、一つの力、すなわち、創造主の力のもと、一つの世界と一つの国家を築き上げるためにここに残ることになろう」
・こうした時代は間もなく訪れる。サクアソフー(青い星)であるカチナが広場で踊り仮面を取った時、そうした時代がやってくるのだ。カチナは青い星の象徴だ。星は未だ遠く見えないが、間もなく姿を現すことになろう。この時代は、ウウチム祭で歌われた歌で予示されている。
・ホピの予言では光を最初に受け取った民族が第3次世界大戦を引き起こす、と言われています。つまり、中国とパレスチナ、インド、アフリカの民です。戦争が始まれば、アメリカ合衆国は“灰の瓢箪(ひょうたん)”によって滅びます。灰の瓢箪は河川を煮えたぎらせ、大地を焼き尽くしながら落ちてくるのです。その後、大地には植物が何年も生えなくなり、どのような薬も効かない病が生じます。
・これは原爆か核の話としか考えられません。他にこのような現象を引き起こす武器はないのですから、核シェルターなど、使い物にはなりません。“穏やかな心を持つ者は、既に堅牢な生命の避難所にいる。悪には逃げる場などない。サクアソフー(青い星)のカチナが広場で踊り、仮面を取るとき、大いなる試練の時がここに訪れる”からです。
・ホピはまた次のような予言もしています。
『亀の島(アメリカ合衆国)は二度か三度ひっくりかえるかもしれない。そして海は手と手をつなぎ、空と出会うかもしれない』
これは“ポールシフト”についての予言のようです。つまり地球の回転軸が移動してしまうのです。
『2015年~世界の真実』
これは単なる予測ではない、すでに見えている現実だ!
長谷川慶太朗 WAC 2014/7/23
<国際情勢の本質を見誤るな!>
・いま、進行していることは、東アジアの「冷戦」の終結だ。つまり、中国と北朝鮮の体制の解体・崩壊が着実に進行しているということだ。
・具体的にいうなら、この地域で最強の発言力を行使してきた中国が、いよいよ崩壊寸前の危機に直面し、その対策の一環として、ここ60年にわたり事実上の“植民地”としてきた「北朝鮮」を放棄した。
・前世紀の終期に欧州正面で発生した「冷戦の終結」も事前に予測できた。著者は、ソ連崩壊の6年半以前の1985年、『情報化社会の本当の読み方』(PHP研究所)という単行本で、冷戦の終結とその結果としてのソ連の崩壊を指摘している。この正確な予測については、著者の誇りとするところであるが、その当時に利用した情報分析の手法は、30年後の今日にも有効性を失うことは有り得ない。
・「国家総力戦」での敗北は、必然的に開戦当時の政治体制を崩壊させる。逆にいえば、「冷戦発生当時の政治体制」が残っている限り、その地域での「冷戦」は継続しているのである。現在の東アジア情勢を判断するのに、中国共産党の一党独裁体制が存続している限り、東アジアの「冷戦」は継続していると判断すべきなのである。
・もはや東アジアでの「冷戦」は確実に終結の方向にある。それは具体的には、中国共産党の一党独裁体制の崩壊、すなわち中華人民共和国の解体、崩壊を意味している。この流れは、行き着く所に到着するまで自動的に進行する。どのような政策の変更、路線の修正を導入しても、この流れの進行を止めることは不可能である。あと残るのは、事態の進行の速度、すなわち、早いか、いくらか遅いかどうかしかない。
<中国の経済危機は世界の経済人の常識>
・こうしたニュースに接して、「中国は大丈夫だ」と思ってしまう。しかし、その判断は甘い。「チャイナクライシス(中国の危機)」は多方面で進行している。その筆頭に位置するのがシャドーバンキングだ。
<資金繰りの悪化で民間企業が倒産している>
・中国の国有銀行はほとんど民間企業に融資してこなかった。なぜか。民間企業を信用していないからである。民間企業の経営者は融資を受けたら即座に金を引き出して夜逃げする危険性がある。そこで、経営者が夜逃げしない国有企業を相手にする。このような事情があった。
・日本などの計算方式で算定すれば、失業率はおそらく20パーセントから30パーセントの間くらいになるだろう。
<シャドーバンキングの破綻を政府は容認した>
・こうなると、インフレを懸念しなければならない。中国のインフレ率は2013年がプラス2.74パーセントで、2014年は、プラス3~5パーセントと中国国家発展改革委員会が予測値を出している。その程度で収まればいいが、豚肉などの食料品の価格が高騰する事態になると、暴動を誘発する。政府は民衆の暴動を警戒しているから、インフレを抑える。そのために通貨供給量を無制限に増やせない。したがって、無差別の救済はありえない。
・それから、2008年以降、中国は高速鉄道をものすごい勢いでつくり、5年くらいの間に総延長が1万キロを超えた。この高速鉄道が「空気を運ぶ」といわれるほど乗客が少ない。したがって、赤字である。
・シャドーバンキングが弱体化しているなか、地方はどうやって資金を調達するのか。たとえ資金を得られたとしても、採算はとれるのか。インフラ投資の拡大が不良債権を増やす結果に終わるのは目に見えている。
<人件費高騰と山猫ストで外資が中国から引き揚げる>
・中国の第二次産業において深刻な問題は人件費の高騰である。年に20パーセントの賃上げが起こっている。安価な労働力を武器に「世界の工場」となったが、これだけ賃金が上がれば、とてもではないがやっていけない。
当然ながら、中国に工場を置いた外資系企業が手を引き始めた。そこに輪をかけているのが山猫ストである。共産党がコントロールする正式な労働組合の総工会はストライキを支援しない。
・かつて中国政府は8パーセントの経済成長率を掲げた。その理由は8パーセントの経済成長がないと必要な雇用が生まれないということだった。失業者の増加は共産党政権の基盤を揺るがしかねない問題だ。しかし、中国の企業はロボット導入を止めないだろう。止めたら自分が苦しくなるからである。
<富の流出と人民元の下落に歯止めがかからない>
・中国から出て行くのは企業だけではない。富も逃げ出している。誰よりも早く、中国人の富裕層が資産を海外に持ち出し始めた。不動産にしても、国内ではなく、海外での投資が増えている。
・中国が保有するアメリカ国債は2013年末で1兆3200億ドルだった。月に5百億ドルを売っていけば、2年強でゼロになる。為替介入をする実弾がなくなったとき、人民元は紙切れと化す。
<中国で一番深刻なのは環境汚染問題だ>
・いま、中国はものすごい勢いで公害が深刻化している。
2014年3月、北京はPM2.5を含んだ白い霧で覆われた。北京のアメリカ大使館は独自にPM2.5の濃度を検査し、ウェッブサイトで公開しているが、この日の数値は380マイクログラムだった。250マイクログラムで「重度の危険」である。どれほどひどい状態に陥ったかはいうまでもあるまい。
テレビの映像や写真を見る分には幻想的ともいえる光景だが、そこで暮らさなければならない人は悲惨である。PM2.5を長期間吸い込むと、肺ガンや喘息を発症する危険性が高まる。北京ではここ10年の間に、肺ガン患者が6割増加したという。
<改革開放路線とは「対立関係」にある人民解放軍>
・人民解放軍は国家の軍隊ではなく、中国共産党の軍隊である。存在意義は共産主義革命で世界を開放することだ。したがって、改革開放以後、社会主義市場経済と称する資本主義路線を進む共産党とは「対立関係」にある。
<中国が解体したあとは、7大軍区に分かれる>
・原因がシャドーバンキングの破綻にせよ、景気の後退にせよ、企業の倒産は失業者を生む。その数が2億人に達するという予測もある。党幹部の腐敗、環境汚染、あるいは理財商品のデフォルトによる資産の喪失等々、不満が蓄積されているなかで、食うことのできなくなった人間が億単位で存在すれば、当然、社会は不安定化し、暴動の頻発は避けられない。それをどこまで抑え込めるか。ことは経済に止まらず、国家そのものの崩壊に至ると私は見る。すなわち、各地で起こる暴動が内乱へと発展し、人民解放軍が共産党を見限ったとき、中央政府は全土で統治能力を失う。そのあとは7大軍区がそれぞれ独立するだろう。
・どこかの大軍区が反乱を起こして北京の中央政府を倒したあとで各大軍区が独立するのか、内乱状態のなかで自然に独立していくのか、その経緯がどういう形になるかはわからない。しかし、すでに述べたように、現在、大軍区は独立国的な性格があるから、中国が解体したあとは、これが一つのまとまりとなるのは自然な流れだ。
<中国の崩壊に着々と備えるアメリカ>
<日本の集団的自衛権も中国の崩壊を念頭に置いたもの>
・つまり、アメリカの対中戦略は「現状維持」である。とにかく中国とは熱い戦争をしない。ことを起こさずにいれば必ずつぶれるという確信がある。
これは「冷たい戦争」に勝利した経験則である。冷たい戦争で勝敗を分けた最大の要因は自由があるかないかだ。西側には自由があった。東側には自由がない。その結果、技術の研究開発で圧倒的に東側が負けた。自由がなければ技術は遅れる。たとえば、戦車の性能が違う。湾岸戦争でイラク軍の持っていた最新鋭の戦車が多国籍軍の持っていたアメリカ製の戦車に対抗できなかった。これを知ったソ連軍は愕然とした。
戦争をすれば必ず負けることがわかったからだ。この認識が冷たい戦争を終結へと向けさせた。
したがって、冷たい戦争を熱い戦争に転化しないことが何よりも重要になる。
・なお、安倍首相が集団的自衛権の解釈を変更しようとしているが、何を想定しているかといえば、中国の在留邦人救出である。
・日本の集団的自衛権も中国の崩壊を念頭に置いたものである。「アメリカも日本も俺たちがつぶれると思っている」とわかっているから、中国は不愉快なのだ。しかし、困ったことに中国がつぶれる方向へ事態は進んでいる。
<2015年、日本の課題>
<成長戦略の鍵は、法人減税と経済特区にある>
<2018年の実用化を目指すメタンハイドレート>
・シュールガス革命はアメリカ経済が復活するエンジンとなった。メタンハイドレート革命が実現すれば、アメリカにおけるシュールガス革命と同様、日本経済の成長に大きく寄与することは間違いない。
<経済面より深刻な中国崩壊の問題とは>
・私は中国の崩壊は必然とみる。では、中国がつぶれると、どんな影響があるか。短期的には、大きなショックに見舞われる。東京証券取引所の株価は暴落し、経済活動のさまざまな面で、混乱、停滞が生じる。
・日本からの輸出は約13兆円でGDPに占める割合が2.5パーセント、日本への輸入は約18兆円でGDPに占める割合が3.4パーセントだ。中国貿易の依存度は約6パーセントであり、小さくはないものの、ゼロになっても致命的ではない。
また、中国への投資はすべて失われる。それは約9兆円に及ぶだろう。これも小さい額ではないが、それで日本の経済がどうなるというわけではない。若干ダメージを被るという程度である。そのために日本経済が崩れるわけがない。
・中国が崩壊したときに、日本の取るべき対応は「中国の内戦に関与しない」ことだ。独立した大軍区が代表団を送り込んできて、「わが国に進出してください」「こういう条件で、この資源を差し上げます」と、おいしい話を提示しても、決して耳を貸してはならない。なぜか。1937年から45年までの日中戦争を振り返れば、中国の内戦に巻き込まれることほど愚かな選択はないからである。
内戦が続いたあと、中国は連邦制にせざるを得ないだろう。そのときがくるまで中国との関わりを絶つ。これは政府も企業も守らなければならない鉄則である。
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