こうして日銀は「過去の間違い」を正当化するために、その後もずっと間違いを犯し続け、デフレを引き起こし放置し、どんどん悪化させました。(5)
<「公正な世界ルール」で全てを奪い尽くす>
・つまるところ自由貿易主義とは帝国主義なのです。帝国主義とは、自国の資本を増殖させるために他国の市場を奪うことです。TPP,FTA、EPA、RCEPなどの自由貿易協定はいずれもこの侵略思想に則っているのです。このように国際投資紛争解決センターや世界貿易機関などを介し、あたかも公正な世界ルールを広めるかの如く支配する現代の方式を「集団的帝国主義」と言います。
<この先の未来に復興はない>
・人類学者のE・トッドは「グローバリズムは合理性と効率性の原理であり、個別的具体性の一切を破壊する」と語りました。
・このように過去の出来事によって現在と未来が規定されることを「履歴効果」と言います。
<起業家と投資家のための政府>
・要するにグローバリズムとは「主権のバラ売り」なのです。だからTPPや、EPAや、RCEPなどの不平等条約が締結され、福祉・医療・教育が(グローバル企業の減税減資を確保するために)解体され、勤労者が(派遣名目で)使い捨てにされ、その結果として貧困や自殺が蔓延り、大都市が(経済特区という枠組みで)治外法権化され、水道や森林や諸々のインフラが叩き売られるのです。
このような事態に対する責任を逃れるため法律や条約の成立過程を不明にする行為を「ポリシー・ロンダリング」と言います。
<世界で最も服従的で無思考な民族>
・国民はTPPが締結された時に沈黙していました。FTAが締結された時も沈黙していました。そしてRCEPが締結された時も沈黙したままでした。
・このようにどれほど屈辱的な状況でも自ら進んで服従的かつ無思考に振る舞おうとすることを「自己家畜化」と言います。
<残酷と搾取が世界の実相>
・グローバリズムを理解するには、その背後にあるエートス(基本精神)を理解しなくてはなりません。私たちは普遍主義(白人も有色人種も同じ人間であるという思潮)で向き合いますが、彼らは権原理論(白人は有色人種を支配する権利を神から与えられているという原論)で動いているのです。このようにコロンブスの大航海時代から引き継がれる侵略思想を「最悪の偏見を正当化する論理」と言います。
<国民の精神が死んでいるから支配は容易>
・しかしニホン国民は全く抵抗しないことからその必要がないのです。つまりとてつもなく民度が低いため拍子抜けするほど支配が容易なのです。このように支配に抗おうとする民族精神が死滅した状態を「悲劇的失策」と言います。
<世界で最も衆愚政策が成功した国であること>
・これほど酷い状況であるにもかかわらず、主権を回復しようという機運が全く生じません。結局のところ日本人特有の無思考な振る舞いは、外部から戦略的に移植されたものなのです。つまり公共教育、スポーツ、バラエティ、お笑い、ワイドショー、SNSなどの諸々の衆愚コンテンツが植民地主義の道具として用いられており、それにより民度が低く保たれ、国民は何も考えない無抵抗な群れとして飼育されているのです。このように相手国民を劣った者として扱う支配の方針を「差異主義」と言います。
<保守や右翼がニホンを売る>
・歴史の原則として、主権が蹂躙された際には民族主義運動が台頭します。ところが現代のニホンでは真逆に保守派がグローバリズムを推進するという倒錯が生じています。
・このようにステレオタイプな愛国主義者のイメージを纏い売国策を推進することを「戦略的資本主義」と言います。
<「国家の伝統」というデッチ上げ>
・歴史家のホブズボウムは「伝統とされるものの大半が近代の作り物である」と述べています。
・このように政治的な動機によって昔から在るものであるかのように偽装される事物を「創造された伝統」と言います。
<悪人の暴力より善人の無知が怖い>
・私たちの国は多国籍な投資家の支配によって滅びるのかもしれません。しかし真の脅威は外部の敵よりも自己家畜化した国民なのです。
・このような現実を直視し過酷な運命を理知で乗り越えようとする心性を「態度価値」と言います。
<没落した国を賛美すればおカネが貰える>
・ニホンは90年代の後半から低開発の時代に突入しています。
・それにもかかわらず書店にはニホンが世界から尊敬される国だと主張する本で溢れ返っているのです。このような検証的な態度を拒絶し国を賛美する馬鹿げた行為を「ステイト・オラトリー」と言います。
<派遣の問題を永久に解決できない理由>
・今や勤労者の40%以上が不安定で低賃金の非正規雇用に服しています。しかしこの問題の解決は殆ど不可能です。
・このように国や企業が国民のために機能しない矛盾に満ちた現代を「逆説の時代」と言います。
<企業に監督される国家>
・私たちの社会は滅亡を約束されたも同然なのです。なぜなら、今や為政者はグローバルな投資家の配当を第一とし、格差や貧困に苦しむ人々への共感や、その救済の意思を全く持たないからです。
・このように政府が国民に奉仕するという使命を投げ捨て、企業とその株式を保有する投資家のためだけに尽くす体制を「コーポレート・キャピタリズム」と言います。
<他人の不幸はやがて自分の不幸になる>
・「すべり台理論」によると、派遣や請負の人々が雇用の調整弁となることで正社員の生活は守られます。
・結局ギグエコノミーなどという人間の使い捨てをもてはやす軽薄な社会は破滅を逃れられないのです。このように他人事に見える現象がいつしか自分の身に降りかかることを「再帰性」と言います。
<グローバリズムという危機の連鎖>
・自由貿易によって安い外国の産品が流入すると国内の生産者は駆逐されます。
・このようなグローバリズムがもたらす危機の連鎖を「システミック・リスク」と言います。
<自由貿易とは失業の輸出である>
・自由貿易は「労働と移動の自由」を保障します。ゆえに今後はRCEPやTPPなどの加盟国から多くの移民が流入することは避けられません。つまりコロナ禍により失業率が戦後最悪を更新する中で、国民は外国人との仕事の争奪戦を強いられ、貧困の蔓延によって経済はさらに縮小するのです。このように自由貿易がもたらす雇用情勢の悪化を「失業の輸出」と言います。
<国民の所得を削り投資家の配当に付け替えた>
・つまり非正規労働の強化によって浮かせたおカネが、企業の利益と減税の原資となり、最終的に投資家の配当に付け替えられたのです。そしてその受益者の大半は外国人なのです。このように一国を搾取する法律と金融の手練手管を「ステイト・クラフト」と言います。
<外国人が法案を買える国>
・「子ども食堂」は僅か3年の間に10倍以上も増え、今やその数は5000箇所を超えています。しかし貧困の解決が国政で議論されることは殆どありません。
・このように収賄された政治家が自己利益のためだけに働くことを「マフィア的原則」と言います。
<人間としての生の終焉>
・WHOの基準に照らせば、ニホンでは1日当たり300人が自殺していると推計されます。そしてその多くが経済苦によるものと指摘されるのです。これはもはや無政府的な第三世界の様相だと言えるでしょう。つまり第一世界(平和な民主社会)としての日本は過去の幻影なのです。
・このような状況においてさえも積極的に思考せず時代の支配的なムードに従って生きようとする者を「一次元的人間」と言います。
<暴論の背景にあるものを考える>
・竹中某が「月額7万円のベーシックインカムと引き換えに年金と生活保護を廃止せよ」とぶち上げました。
・このように企業や投資家に雇われ利益を代弁する者を「イデオローグ」と言います。
<ニホン国民ではなくアメリカの資本に忠誠を尽くす>
・日本の政界には米国の戦略国際問題研究所を出自とするエコノミック・ヒットマン(経済工作員)たちが蠢いています。
・このように相手国を支配するために人材を育成し戦略プランを練る諸機関を「アドボカシー・タンク」と言います。
<なぜ弱者を虐待し外資を優遇するのか>
・障害者の医療費助成や福祉年金が大幅に削減されています。しかし政府はこうして弱者を虐待する一方で、外資企業を減税するという矛盾について何も語らないのです。
・このように人権を踏みにじりながら世界に急拡大する権力の様式を「ハイパー・グローバリゼーション」と言います。
<世界のゴミ捨て場化するニホン>
・欧米諸国で禁止された除草剤や毒物入りの柔軟剤が市販され、有効性のない抗がん剤や抗うつ剤が処方され、安全性が疑われる遺伝子編集・組み換え食品が認可され、関税権や食糧権が廃止され、派遣労働が強化され、農地や水源の漁場が叩き売られ、年金の積立が株式市場に注ぎ込まれ、国民の仕事を奪う移民法が強行されました。これらの一切はグローバル基本の要求だったのです。このように外国の指揮によって制度の全般が定められる体制を「司令塔経済」と言います。
<短命社会が確実に到来する>
・自由貿易で流入する産品の放射線照射が指摘されています。
・このように国民の健康や安全を守ることが困難となった体系を「脆弱国家」と言います。
<世界はニホンを「国」と認めていない>
・種苗法改正により種苗の登録品種の自家増殖が原則禁止となりました。
・このように諸外国から独立国と認められず主権が機能しない体系を「パラ・ステイト」と言います。
<安全も風景も伝統も消滅する>
・包括的な自由貿易体制は、こうした多国籍のアグリビジネスを推進するために締結されたのです。しかしこれによってニホンの伝統農業が破壊され、食料自給権や食の安全が損なわれるばかりか、里山の風景や、共同体や、文化も消滅することになるのです。このように世界的な支配に取り込まれ衰退地域となることを「インター・リージョナル化」と言います。
<あらゆる価値がマネーに交換される>
・コロナの混乱に乗じて「生殖補助医療法案」が成立しました。
・このようにグローバル化された社会では生命倫理すら崩壊し、全てがマネーと引き換えにされるという見方を「交換原理」と言います。
<人間の尊厳も生命の倫理もない世紀>
・つまり自由貿易の枠組みでデザイナー・ベイビー市場を創出する目的である、と仮説を立てることができるのです。このような経済至上主義の中で人倫が喪失することを「デモラリゼーション」と言います。
<政治家は資本の下僕である>
・「生殖補助医療法案」は僅か2時間半の審議で可決されました。
・このように国民の代表がグローバル資本に取り込まれ利益代行者として振る舞うとする見方を「捕虜理論」と言います。
<自由貿易によって医療難民が生じるメカニズム>
・自由貿易は医療に関わる特許や知的財産権を包摂します。
・このように社会保障の枠組みから弱者を排除する政策を「放逐」と言います。
<外資がニホンの薬価を1000倍に引き上げた>
・80年代頃の抗がん剤1月分の価格は数千円でした。
・つまり外資の要請によって薬品の価格が1000倍に引き上げられたのです。このように主権を失い外国の支配圏に領域化されることを「テリトリアライゼーション」と言います。
<一番大事なものが食い物にされる>
・在日米国商工会議所は国家戦略特区の枠組みで企業による病院経営を認可させました。また米国商務省は、日本の薬価の統制政策を廃止させた際の予想価格グラフを公開しています。やはり今後は日米FTAの加盟を機に、ニホンの医療費は超高額化すると考えるべきでしょう。このように大国が自国企業のために相手国の法律や制度を変更することを「絶対的規定」と言います。
<アメリカによる恐怖の制度の移植>
・米国はニホンの医療費42兆円を100兆円規模にまで引き上げると豪語しています。
・このように相手国の制度を自国と同じにすることによって支配することを「同質化帝国主義」と言います。
<グローバル資本は国家を解体する>
・コロナウイルスの感染爆発が報じられる中で、総理大臣は国民皆保険制度の解体を示唆しました。
・このように一国の政府がグローバル資本の統制下に置かれることを「領域の罠」と言います。
<年金は株式市場を通じて消えた>
・コロナ恐慌で企業の業績が悪化する中、30年ぶりに株価が高騰しました。しかしこれは実体経済の反映ではなく、年金積立などを投入して釣り上げた偽装相場だったのです。そうやって国民の老後資金は証券市場で一旦洗浄された後、株式の売却益や配当に化けているのです。だから年金の支給年齢がどんどん引き上げられているのです。このように特権者が莫大な利益を上げる一方で国民の資産が目減りすることを「ブーム・アンド・バスト」と言います。
<誰も金融緩和の意味を分かっていない>
・異常な株高の背景には巨大な金融緩和と、財政出動があります。
・このように国民のための金融政策を装いながら特権者の利益だけを図る体制を「疑似民主政資本独裁」と言います。
<君が生まれながらの奴隷であること>
・よく考えなくてはならないことは、金融緩和や財政出動に用いられるおカネは国債を原資とすることです。すなわち徴税権を担保に調達されたおカネが株価を押し上げ、投資家が莫大な利益を得る一方、国民は過剰発行された国債の償還のためホモ・デット(借金人間)化する不条理なのです。このように社会や人間の有様は知識によって見え方が全く異なることを「認知的複雑性」と言います。
<歴史に類例のない搾取が行われようとしている>
・このように国債の償還や財政赤字の埋め合わせのために求められる将来の所得割合を「潜在的国民負担率」と言います。
<ネットの寸言を真理として語っていないか>
・このような事実を無視し、自分の信念や願望に沿った情報だけに触れ、それに適合しない知識を拒絶することを「選択的接触」と言います。
<選挙に投資した企業が政治を支配する>
・このように少数の有力者が権力を握り世界を支配していると見る立場を「パワー・エリート論」と言います。
<世界の本質は奴隷制である>
・国民は納税による国債の償還の義務を課され弁済奴隷化する構図であり、これがまさに資本主義世界の最大の欺瞞なのです。このように金融を通じて浮かび上がる世界の本質的な情景を「ファイナンススケープ」と言います。
<金融の道具としての国家>
・世界で最も有力なシンクタンクは上位500社のグローバル企業によって運営されています。
・このように国家は金融の手段に過ぎないという見方を「道具主義」と言います。
<政府は象徴であり資本の下請けに過ぎない>
・各国の政策は国民の代表議会ではなく民間の政策機関によって策定されます。
・このように政府を超越する意思決定の仕組みを「メタ・ガヴァナンス」と言います。
<グローバル化の終章としての監視社会>
・ニホンのグローバル化計画は四半世紀に及びます。すでに規制緩和、公共施設の民営化、非正規労働の強化、移民の解禁、消費税率の引き上げ、社会保障の解体、関税の廃止などのメニューがほぼ達成されており、残すところは言論の統制と監視の合法化だけなのです。
このように一国を全展望型の刑務所に見立てて支配する構想を「パノプティコン・モデル」と言います。
<世界はファシズムで結ばれる>
・このように対立関係にある国々がその裏では支配のために一致協力する体制を「トランスナショナル・コンソーシアム」と言います。
<人権もプライバシーもない未来>
・このようなデジタル監視によって国民の行動を予測し反抗を未然に防ぐ諸力を「手段主義的権力」と言います。
<収容所的な監視国家の登場>
・このように情報技術をプラットホームとする独裁体制を「デジタル・ファシズム」と言います。
<誰も監視の網から逃れられない>
・このようにメタデータによって国民を監視し統治する体系を「アッサンブラージュ」と言います。
<「日本人は豚になる」という予言>
・私たちの社会は戦後最大の危機を迎えています。しかし未だ国民は現実や未来について思惟することもなく、三島由紀夫が「日本人は豚になる」と予言した通り、目の前の娯楽に溺れ知的怠惰を貫き通しているのです。
・このように公共政策や、諸々の衆愚政策や、低劣な文化などによって人間の意識が同質的に培養されることを「レゾナンス」と言います。
<搾取と昏蒙の果てに>
・古代ローマ帝国は民主制が不全となり、中間層が没落し格差が拡大した挙げ句、衆愚政治の席巻によって滅亡しました。
・このように悪要因が連なり全体化して巨大な崩壊をもたらすことを「有機的危機」と言います。
(2021/2/16)
『略奪者のロジック 超集編』
ディストピア化する日本を究明する201の言葉たち
秋嶋亮 白馬社 2020/4/3
<滅びの時代である>
・原発事故は未だ収束の目途すら立っておらず、その渦中でグローバリズムが亢進し、我々の社会は今まさに存亡の危機に瀕しているのだ。すなわち未曽有の原子力災害と三重の植民地主義が同時進行するというカタストロフィが生じているのだが、国民は全く理解が覚束ないのである。
・すでに特定秘密保護法と共謀罪が施行されているのだが、これらの法意が情報の開示や権利の請求を封じ、抵抗運動を取り締まることにあることは語るまでもない。つまり暗黒法は征服地住民である我々を弾圧するための外国の資本によって制定されたのである。
<大勝利だ!これはアメリカの農家と牧場主に莫大な利益をもたらす勝利なのだ!>
・農林水産省によると、自由貿易で関税が撤廃された場合、国産の米が90%、小麦が99%、乳酸品が56%、牛肉が75%、豚肉が70%減少するという。市場総額では実に4.1兆円が消失する試算である。
<アメリカの穀物は兵器である。食糧はアメリカの強力な外交手段なのである>
・そしてすでに彼らの要請により「遺伝子組み換えではない」という表示を実質禁止することが決まっているのだ。このように自由貿易の恐怖とは、シェーレ(内外の価格差の拡大)によって国内の生産者が駆逐されるだけでなく、国民の健康や生命が脅かされることなのである。
<自由貿易とは多国籍企業だけが利益を得る仕組みである>
・現代でも自由貿易に加盟したほとんどの国で市民生活は悪化しているのだ。それにもかかわらず、日本はTPP・EPA・FTAという三重の自由貿易協定を結んでしまったのである。
<私が見るところ世界中のどの国も国際裁判で勝った試しがない。勝つのはいつも多国籍企業なのだ。>
・筆者は日米自由貿易協定に「間接収用の禁止」が盛り込まれると予測している。そうなれば、民営化されたインフラを再公営化しようとしても、それが投資家の利益を損ねるとして撤回されるのだ。
<巨大な多国籍企業が世界を上から鷲づかみにする。>
・換言するならば、武力を用いずに相手国を植民地化する「非公式の帝国主義」なのである。これによって儲かるのは多国籍企業とそのステークホルダーだけであり、この国は大没落を余儀なくされるのだ。
<私たちは印象操作された翻訳を前提にTPPを審議しているのです。>
・FTAやTPPには日本語の正文(誤訳や齟齬が生じないよう約款を明瞭に示したもの)が存在しないという。他の加盟国に対しては各国の言語で正文が用意されていることからすれば、国際社会における日本の地位がどの程度か察しが付くだろう。
<外資支配とは日本的システムとは異質の論理に立つ“倫理なき資本主義”であり、非持続的な経済社会をもたらす。>
・アメリカの最大の狙いが医療・薬品・保険の分野であることは間違いない。日本は毎年42兆円の医療費を投じる巨大マーケットであり、これらの企業にとって最後の征服地なのだ。
<問題は世界政府が合意によって形成されるか、制服によって形成されるかだけである。>
・立憲民主党は「FTAが発効されても公的な保険と医療は守る」などと主張しているが、これは口約束に過ぎない。繰り返すが通商条約は憲法より上位に置かれることから、この図式においては多国籍資本が国民の代表議会よりも権力を持つのだ。すなわち国会は形骸化し単なる飾りになるのだ。グローバル化とは支配力の越境作用なのである。
<私たちの暮らしは「ならず者経済」によって作り変えられてしまう。「ならず者経済」は私たちの生き方だけでなく死に方までも支配している。>
・保険や医療のプレミアム化は「全てを市場に委ねよ」というフリードマン理論の実践なのである。この思想の危険性とは市場原理を持ち込んではならない分野に市場原理を持ち込むことであり、それによって社会権が抹消されることなのだ。つまるところネオリベラリズム(新自由主義)とは有産階級による生存権の解体なのである。
<国家財産の売却価格をほんの数十億ドル差し引くだけで、スイス銀行の口座に10%のコミッションが振り込まれる>
・2000年から僅か15年の間に、37の国が民営化した水道を公営に戻している。水道料金の異常な高騰や水質の悪化がその主な理由だが、再公営化には莫大なペナルティが科され、市民がその負担を強いられているのだ。
<中高年転職者、若年層のフリーター、外国人という三つの階層で膨大な低賃金労働者を、あっという間に日本の中に作り上げることが可能となる。>
・これから外国人労働者が毎年20万人ベースで流入し、その内約30%が製造業に配置される見込みだ。つまり国民の雇用の受け皿であった分野が移民の受け皿となる格好であり、こうなると失業率が高止まりするだけでなく、国民の賃金も移民の安い賃金に準じて引き下げられるのだ。これはつまり移民社会がもたらすノーマル・アクシデント(必然の結果として起きる事件)なのである。
<シカゴ学派の改革が勝利を収めた国では、人口の25%から60%の固定的な底辺層が生まれ、社会は一種の戦争状態の様相を呈している。>
・年金の先送りによって高齢者を働かせ、入管法の改正によって何百万人もの移民を受け入れ、大企業のリストラによって失業者を増大させ、家計の圧迫により主婦をパートに駆り出し、学費に苦しむ学生にアルバイトを強いるとなれば、仕事の争奪戦となり賃金は上がらないだろう。結局安い人件費によって投資家がボロ儲けするカラクリであり、理不尽な雇用競争は配当政策のために行われるのだ。
<市場原理主義主義とは法律を変えてでも儲ける機会を作ることです。それを貫く思想をグローバリズムと言います。>
・多国籍のガバナンス(統治行為)が国家会計にまで及ぶことからすれば、おそらく教育や福祉などの予算をさらに削減し、企業減税などの穴埋めにすることが求められるだろう。ちなみに過去3年の間に約1兆2000億円の社会保障費が削減されたのだが、これとほぼ同額のカネがアメリカ製戦闘機の購入に充てられており、今後TPP・EPA・FTAという三重の貿易協定の枠組みが、このような搾取的な構造を強化することは間違いないのだ。つまるところグローバリズムとは国家の無権力化なのである。
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