ヒトラーはその後20年間、地下生活をしながら、天才的戦略能力を活かして新世界秩序の計画を推進することで闇の勢力に貢献していました。(4)
<北極>
<地底世界アルザル>
・アルザルとは、聖書外典に登場する地名。旧約聖書に記されている、行方不明となったイスラエルの10部族が辿り着いた先とされている。アルザルはシルクロードのどこかにある町だと言われているが、詳細な場所は判明していない。
一説によると、アルザルは地底の世界であり、その入口が北極圏にあるという。1946年から行われた南極調査の際に、米海軍少将のリチャード・イヴリン・バードが飛行機で地底世界に迷い込んだという報告がある。彼は、地面が真っ赤に染まった大陸、ジャングル、マンモスのような動物、都市などの写真を撮影している。そこで謎の飛行物体に誘導されて着陸し、現地の人にも会ったという。
・さらに元CIA職員で、機密文書を暴露したことで有名なエドワード・スノーデンによると、地球内部のマントルには知的生命体、つまり地底人が存在しているという。これが、バード少将の辿り着いた地底世界のことではないかとも言われている。しかし、摂氏1500度になるマントルに生命が生息できるとは到底考えられず、地球内部には地磁気の生み出すプラズマによって発生した亜空間があり、そこに浮かぶ天体がアルザルである、とする説もある。だから地磁気の強い北極圏に出入口があるというのだ。
また、アルザルはアガルタやシャンバラのことだと主張する説もある。
・どの説も仮説の域を出ないものではあるが、地球内部という人類に残された数少ない未開のエリアにこそ、幻とされてきた世界が存在するのかもしれない。
<インド>
<神の歌と日本人の意外な関係>
・古代インドの叙事詩『マハーバーラタ』は、神の子である5人の王子と、従兄弟である悪の王子との、王位を巡る大戦争を描く長編物語。なかでも最終決戦直前、王子の一人アルジュナが英雄クリシュナと問答を繰り広げる『バガバッド・ギーター(神歌)』の話は、ヒンドゥー教で最重要の聖典とされ、ガンジーも心の拠り所にしていたという。「神はどこにでもいて、祭祀をしなくても祈れば通じる」という思想をわかりやすくまとめたもので、この思想は仏教に取り入れられ、やがて日本人の思想にも影響を与えたという説があるらしい。
<猿の神様ハヌマーンの伝説>
・叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する猿神ハヌマーンは、空を飛んだり、体の大きさを変えたりすることができ、ラーマ王子の活躍を大いに助けた神だ。『ラーマーヤナ』は中国にも伝わり、ハヌマーンは『西遊記』に登場する孫悟空のモデルになったとも言われている。
『ラーマーヤナ』には、ラーマ王子がラーヴァナとの戦いの中で意識不明に陥った際に、ハヌマーンがヒマラヤのカイラーサ山に薬草を取りに行き、ラーマ王子を救ったというエピソードがある。ヒマーチャル・プラデーシュ州の州都シムラーの山の上に立つジャクー寺院を囲む森は、この時にハヌマーンが休息をとった場所だと言われている。この森には猿が多く生息しており、巨大な赤いハヌマーン像がある寺院は観光スポットとなっている。
<スリランカ民主社会主義共和国>
<地底王国アガルタの伝説>
・アガルタとは、スリランカに伝わる幻の王国、中央アジアのどこかに存在すると言われている地底王国で、都には金や銀、宝石で彩られた美しい宮殿があるという。平和で、そこに住む人々の寿命は長く、高い知性を備えている。まさに理想の世界だ。
20世紀初頭にはヨーロッパの神秘主義者たちの間で話題となる。ナチスドイツも興味を示したと言われており、調査団を送ったという。いまだにその所在は明らかになっていないが、アガルタはチベットの奥地に存在するという説もある。
<チベット自治区>
<地底王国アガルタとポタラ宮殿>
・チベット自治区の奥地には、アガルタと呼ばれる地底王国が存在するという。
アガルタの人々は、古代大陸レムリアやアトランティスの民の末裔であり、地底に王国を築いたのは地上の争いから逃れてきたためだと言われている。チベット仏教徒であるロバート・E・ディクホフ博士は、レムリアやアトランティスにいた人々は200万年前以上に地球に降り立った火星人によって遺伝子操作された新人類だと主張した。そして、のちに地球にやってきた金星人との間に戦争が起き、人々は戦禍を逃れて地底に辿り着いたという。
アガルタは、高度な文明と特別な能力を備えた王国として栄え、都には壮麗なチベット仏教や黄金に輝く宮殿がそびえる。アガルタの首都はチベット仏教に伝わる理想郷シャンバラであるとする説もある。宮殿には、最高君主マニ・リンポーチェが住まうそうだ。アガルタは、現在のチベット自治区の区都であるラサのポタラ宮殿に通じているとされ、チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマに、地底の主からの宣託が伝えられるという。
世界遺産に登録されているポタラ宮殿は、歴代のダライ・ラマの住居だったが、1959年にダライ・ラマ14世がインドに亡命して以降は中国政府によって博物館として公開されている。
<理想郷シャンバラ>
・シャンバラとは、チベットで信じられている理想郷のことだ。古くは紀元1世紀に編纂されたボン教(仏教以前にチベットにあった民族宗教)の経典に記載があるという。外界から隔絶したシャンバラには偉大なる王がいて、精霊たちを率いている。そこに暮らす人々は長寿で清らかな魂をもち、あらゆる悪から守られているという。王はこの世の終わりに起きるという最終戦争に勝利し、世界に平和をもたらすと信じられている。
・シャンバラの所在については諸説あり、実在する場所ではなく精神的境地とする説もある。実在すると主張する人たちの間では、チベットの奥地、ヒマラヤ山脈や中国の崑崙山脈のどこか、中央アジアの地下などが候補とされている。地底王国アガルタの首都とされる場合もある。
また、地球内部が空洞になっていて、そこの地球内世界には様々な生物が住んでいるという「地球空洞説」と、シャンバラが結びついて、地底世界をユートピアと考える人たちもいる。
<中華人民共和国>
<天子が築いたホワイトピラミッド>
・西安南西部の山岳地帯に、白色のピラミッドがあるという。1912年、旅行者によって目撃された謎の建造物は、1945年にアメリカの空軍パイロットが撮影した写真が1947年3月の「ニューヨーク・タイムズ」に掲載されたことで世間に知られるようになった。のちの1994年には、NASAの宇宙飛行士が撮った写真が解析され、高さ100メートル以上のピラミッドが複数並んでいることが確認された。
現在、西安周辺には、100以上ものピラミッドが存在するとされ、宇宙人考古学者ハートウィグ・ハウスドルフによる、竜に乗って地球へ舞い降りた天子によって建造されたものとする説がある。
<アジア全域>
<古代大陸レムリア>
・かつてインド洋に存在したと信じられている幻の古代大陸がレムリアである。19世紀にイギリスの動物学者フィリップ・ラトリー・スクレーターが名づけた「レムリア」とは、アフリカのマダガスカル島に生息するキツネザル「レムール」を語源とする。レムリアはアフリカ大陸には生息していないにもかかわらず、インドやインドネシアなどの南アジアから東南アジアには生息する。このことから、マダガスカル島と南アジアや東南アジアが陸続きだったのではないかというのだ。ただし、現在の研究では、古生代の地球にあった巨大大陸パンゲアが移動したという大陸移動説が有力であり、レムリア大陸の存在は危ぶまれている。
・一方、レムリアは太平洋に存在したとする説もある。アメリカのシャスタ山の地下にレムリア文明の名残が残っているというのだ。1931年にレムリアを訪れたと主張するモーリス・ドーリル博士によると、レムリアには人工の太陽が輝き、巨大なドーム状のコロニーには彩り豊かな花々が咲いていたという。ロシアの神秘思想家のヘレナ・ブラバツキーは、人類の祖先だという「根源人種」なるものが住んでいたのがレムリアだと主張した。彼女によると、レムリア人は身長約2メートル、霊力を操り、両性具有であり、卵で子を産むらしい。レムリアは太平洋に沈んだため、レムリア人は中央アジアに移住したという。
ブラバツキーの主張を受け、レムリア人はアトランティス人の祖先である、レムリア人の末裔が逃れて辿り着いたのがチベットにある地底王国アガルタであるといった説も生まれた。
<オーストラリア>
<巨獣ヨーウィ>
・オーストラリアの森に暮らすと言われている未確認生物が、ヨーウィだ。身長は1.5~3メートル、全身が茶色の毛で覆われ、牙の生えた口、大きな足をもち、二足歩行をするのが特徴だという。1795年、ヨーロッパからの移民がヨーウィと遭遇したというのが最初の目撃情報で、その後も40センチを超える強大な足跡がいくつも発見されている。見た目に共通点があることから「オーストラリアのビッグフット」と呼ばれることもある。
「ヨーウィ」とは、もとは先住民アボリジナルに伝わる伝説の怪物を指す言葉だった。アボリジナルの信じるヨーウィの姿はUMAとしての獣人とは異なるというが、オーストラリアでは未知の生物を指す言葉として一般化しているようだ。
<天空神ウォンジナは異星人?>
・ウォンジナとは、オーストラリアの先住民アボリジナルの神話に登場する天空神(降雨の神ともいう)。アボリジナルにとっては、創造神であり、霊的な祖先でもあるという。太古の時代から、ウォンジナは岩壁画に描かれてきた。その姿は、目と鼻があり口はなく、頭の周りに後光のような放射状の輪がある。アボリジナルの伝承では、ウォンジナは天から偉大なる鳥に乗って地上に降り立ち、文明を与えたとされている。
一説では、ウォンジナは宇宙船に乗った異星人ではないか、とも言われている。
<ニュージーランド>
<エイモス・ミラーUFO殺人事件>
・ニュージーランドでUFOの仕業とされる死亡事件がある。
1968年、牧場を経営していたエイモス・ミラーは息子のビルと羊の柵の修理をしていた。すると、奇妙な音が聞こえたため、音のするほうを見上げると、200メートルほど先の林の上に、円盤のような形の物体が浮かんでいた。物体は光を放ち、丸い窓のようなものがついていた。そして三本の脚を出して小川の近くに着陸した。エイモスが小川の対岸まで近づいた時、円盤からエイモスに向かって光線が放たれた。エイモスはその場に倒れ、円盤は飛び去ったという。
一部始終を見ていた息子のビルは慌てて父親に駆け寄ったが、エイモスの頭部は骨が見えるほど溶けており、死亡していた。
<ハワイ(アメリカ領)>
<小人族メネフネはフローレス原人だった?>
・メネフネとは、ハワイ神話に登場する小人族。身長は60センチほどで、山奥や森に住んでいると言われている。日本のコロポックルや欧州のノーム、ドワーフと似た存在のようだ。体つきはがっしりしており、手先が器用で石の建造物を建設するのが得意だという。
メネフネがどこからやってきたかについては諸説ある。神(巨人という説もあり)が伸ばした腕がオアフ島まで届き、その上が伸ばした腕がオアフ島まで届き、その上を渡ってやってきた、ハワイにもともと住んでいた先住民だった、フランス領ポリネシアのマルケサス島から呼ばれてやってきたとする説などである。
また、メネフネが小人だったことから、インドネシアのフローレンス島で化石が発見されたフローレンス原人との関連性も指摘されている。1万数千年前まで存在していた原人で、身長が1メートルほどだったという絶滅した人類だ。インドネシアからポリネシアに辿り着いた人類がメネフネなのではないか、とする説だ。
カウアイ島にはメネフネが作ったと云われる遺跡がたくさん残っており、キキアオラ水路やポリアフヘイアウの祭祀場などのメネフネ遺跡が知られている。
<欧州全域>
<アトランティス大陸は実在するか>
・紀元前4世紀の古代ギリシャの哲学者プラトンが記述した伝説の島、それがアトランティスだ。対話篇『ティマイオス』『クリティアス』の中で、プラトンはヘラクレスの柱(ジブラルタル海峡の入口)と呼ばれる海峡の前にある強大な力をもつ島が、ヨーロッパやアジア全体の支配に乗り出したが、神の罰によってわずか一昼夜のうちに大地震と洪水で壊滅した、と記している。
これは、大噴火によって滅びたエーゲ海のティラ島にヒントを得たプラトンが、強大な国々の傲慢さを揶揄する寓話としてアトランティスの物語を描いたのではないか、と言われている。
アトランティスの物語が歴史的事実かはわからない。だが、今も世界中の探検家たちを熱狂させ、スぺイン、バハマ諸島、インドなど多くの海底で古代都市らしき痕跡は見つかっている。19世紀に活躍したプラトンの翻訳者ジュエット博士はこう記している。「アトランティスは雲の中に浮かぶ島のようなものだ。信じる者にはどこでも見えるのかもしれない」
<イギリス グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国>
<アーサー王は実在しか?>
・5世紀後半から6世紀にかけて、ブリテン島南西部で活躍した英雄アーサー王。アーサー王と円卓の騎士の物語は、古来、多くの人々に愛され、芸術家たちの想像力をかき立ててきた。
石に刺さった剣を引き抜いた人がイングランドの正統な王になるとされ、多くの人々がこれに挑戦したが、失敗。この剣を見事抜いたのが、弱冠15歳のアーサーだった。彼はその後、名剣エクスカリバーを手に入れ、数々の冒険に出かけ、勇敢な円卓の騎士たち、かけがえのない師であり助言者の魔術師マーリンなどの力を借りて、立派に国を治めていく。
・アーサー王は、15世紀にトーマス・マロリーの小説『アーサー王の死』などに描かれた創作上の人物とされる一方、アーサーが実在する可能性を示す遺跡も発見されているという。
1960年代後半、イングランドのサマセットにあるキャドベリーの丘で、6世紀頃に堅固な要塞が存在していたことが明らかになった。とある武装集団がここを拠点に活躍していたといい、その首領がアーサーと呼ばれていた。6世紀頃といえばアーサー王が活躍していたとされる時代でもある。
・古い文献にも、アーサー王の実在を思わせる記述がある。830年頃、ウェールズ人の歴史家ネンニウスが記した『ブリトン人の歴史』にはアーサー王の12の戦いを記録しており、12世紀にはジェフリー・オブ・モンマスが記した『ブリタニア列王史』には、王に昇格したアーサー、王妃グィネヴィア、魔術師マーリンといった人物の名前が登場する。さらに10世紀に書かれた『ウェールズ年代記』には、アーサー王が538年に死亡したという記述もあるそうだ。
<二匹の竜を目撃した魔術師マーリン>
・世界でもっとも有名な魔術師のひとりが、ケルトの伝承に登場するマーリンだ。5世紀後半から6世紀にかけて、ブリテン島南西部で活躍したアーサー王やその父王ウーテル(ユーサ)を助けた大魔法使いで、ストーンヘンジの建設にも関わる。母親は、悪魔にかどわかされた南ウェールズの王の娘で、悪魔の子として生まれたマーリンは、強力な魔力や知識を受け継いだ。
歴史書『ブリタニア列王史』によると、少年時代のマーリンのエピソードが語られている。ブリタニアのヴォーティガン王がウェールズのマウント・スノードンに塔を築くよう命じたところ、何度試みても塔が崩れるので占い師に尋ねたら、「父親のいない少年の血を塔の礎石にふりかけよ」と言われた。そこで条件に該当するマーリンが連れてこられたが、マーリンは王の前で「その占い師は間違っている」と指摘し、塔の下にある空洞で二匹の竜が争っていると告げた。その通りだったので、王はマーリンの命を助けた。さらにマーリンは、国の未来や、王の失脚などを次々に予言し、予言者としての名声を得た。
・その後、ウーテルをブリタニア王へと導き、コーンウォール公の娘イガーナへの想いを遂げさせるなど、アーサーの出生にも大きく関わる。マーリンはアーサーを養育し、アーサーが王になったあとも数々の助言をし、手助けした。マーリンの最期は、彼を愛しすぎて正気を失ってしまった湖の貴婦人ニムエによる。マーリンは琥珀の玉に閉じ込められ、ニムエは樫の木に変身すると彼のそばで静かに眠りについた。
なお、魔術師マーリンの実在や、伝説のモデルとなった人物を巡っては、6世紀に実在した詩人・占い師であったミルディン説、祈禱や占いを行うドルイドの僧など諸説ある。
<スペイン王国>
<掃除をするエルフのドゥエンデ>
・スペインでは、家に住み着き、夜になると現れるドゥエンデというエルフがいると信じられている。女のドゥエンデは、見た目は中年女性で、緑や赤、灰色の服を着ていることが多い。指が長いのが特徴だ。男のドゥエンデは、つばなしの帽子か暗い色の頭巾などを被っている。
ドゥエンデは、夜になると壁から出てきて、朝まで家の掃除や修理をしてくれる。ただし、家を片づけない者には悪さをすることもあるそうだ。また、性格の悪いドゥエンデもいる。彼らは掃除などはせずに、部屋を散らかしたり、物を破壊したりする。しまいには、眠っている家の者に、悪夢を見せることもあるそうだ。
(2019/7/30)
『ビジュアルストーリー 世界の陰謀論』
マイケル・ロビンソン
日本ナショナルジオグラフィック社 2019/6/20
<陰謀は陰謀を呼ぶ>
・おおまかに分けると、陰謀説は3種類ある。第1は、ケネディ大統領暗殺のような特定の事件にまつわるもの。第2は、何らかの組織、たとえば石油業界やフリーメイソンなどの秘密結社がくわだてたものだ。第3に、バークンが“超・陰謀”と呼ぶものがある。その世界では、いくつもの陰謀が渦巻き、それを一つの強大な悪の力が牛耳る。その代表例は、有名な陰謀論者デビッド・アイクが広めた、俗に「レプティリアン(爬虫類人)・エリート説」と呼ばれるものだ。
そもそも陰謀説は、ニュースとともに発展した。その中では、悲劇的で謎に包まれた事件について、もっともらしい真相が語られる。ウェールズ皇太子妃ダイアナの死がその典型だ。ダイアナ妃はイギリスの王室一族によって殺された、という説。これは何者かが仕組んだ陰謀で、事件の真相はおそらく、“超・陰謀”に入るのだろう。エリザベス女王もいわゆる“レプティリアン・エリート”の一味だといわれているからだ。イギリスの王室一族がダイアナ妃を殺したとしたら、華やかでセンセーショナルだ。この説をいくら捜査当局が否定しても、そこには不穏な世相や、政府つまり権力層への不信感が反映されているので、陰謀説はなくならない。
<高エネルギー技術>
・1990年から2014年までのあいだ、米国でハープ(HAARP、高周波活性オーロラ調査プログラム)と呼ばれる計画が進められた。これは、米国空軍と米国海軍との共同管理プログラムで、アラスカ大学フェアバンクス校(UAF)と提携して行っていた研究だ。その目的は、地球を取り巻く電離層の物理的、電気的特性の調査だった。電離層の状態は、軍や一般国民の通信およびナビゲーションシステムに影響を及ぼすことがあるのだ。深読みをしたがる人たちにいわせれば、この研究施設では事実上気象操作ができ、これまでも実際にそう利用されていたらしい。
現在ではこの施設はUAFが管理し、いまも稼働可能な状態になっている。そのため陰謀説を支持する人々は、“気象兵器”が洪水や地震、それに干ばつまで引き起こしている、と言い続けている。しかし、実際には、ハーブでは気象は制御できない。
<地球温暖化と気候変動>
・地球温暖化については現在、意見がはっきりと割れている。科学者が二派に分かれ、地球温暖化現象は実際に起きているのかどうか、それは人間が起こしているのかどうか、で論争を繰り広げているのだ。
・そこで問題視されるのが、人が使う化石燃料だ。これが温室効果ガス増加の原因だという。これに反論する人は、人間がいないほかの惑星でも温暖化が見られるという点を指摘するが、この意見には決定的な証拠が見つかっていない。
・北極圏や南極圏で氷河がどんどん溶けているのは、地球温暖化の証拠だと指摘する人は多い。
<命にかかわる病気>
・歴史を振り返ってみると人類は、はやり病、もしくはパンデミック(国や地域を超えた感染症の大流行)に、聖書の時代から悩まされてきた。そして昔から、その原因は人ではなく、自然災害だと考えられてきた。最後にパンデミックが“自然に”発生したのは、1918~1920年に大流行したスぺイン風邪だ。このとき少なくとも5000万人が亡くなった。それ以降は、自然に発生したとは言い難いパンデミックが次々と発生している。たとえば、イギリス政府は第2次世界大戦中に敵地にばらまこうとして、炭疽菌をはじめとする生物兵器(細菌兵器)を開発した。現在では、こうした伝染病はもはや“自然発生した”ものではなく、生物兵器として使うために意図して作り出されるものだと考える人が多い。たとえば、HIV/エイズのパンデミックは、サハラ以南のアフリカ地域を破滅し、同性愛主義者をねだやしにするために、誰かがウイルスを培養して引き起こしたものだ、という説をよく耳にする。
<HIV/エイズ>
・1980年代、新たなエピデミック(一定の期間、一定の地域で起きる感染症)が米国とヨーロッパを襲った。当初、これに感染するのはサンフランシスコやニューヨークなどの大都市に住む同性愛の男性にほぼ限られていた。
・つまり、1970年代のニクソン政権のころ、科学者が行ったガン治療の研究実験中にエイズ・ウイルスが、たまたまできてしまい、実験中の被験者に感染したというのだ。裏で何者かが糸を引いていると深読みする人は、このウイルスは特定の層の人々、たとえば、LGBT(性的マイノリティー)やアフリカ系米国人のコミュニティーにわざとばらまかれたと考えている。
<プラム島の秘密>
・1954年、米国ニューヨーク州のロングアイランド湾の島にある、かつて軍用基地だった場所が、「プラム島動物疾病センター」という名の動物研究実験所に代わった。この謎めいた警備厳重な施設をめぐり、何やら怪しげなことが進められている、という噂が続々と広まった。この施設の目的や、ここで生物兵器が開発されているのかどうかについて、憶測が憶測を呼んだ。
<SARSコロナウイルス>
・SARS(重症急性呼吸器症候群)が初めて発生したのは、2002年暮れの中国。8000人以上が症状を訴え、その死亡率は10%に届きそうな勢いで、回復しても多くが何らかの身体機能の低下を訴えていた。
・中国当局はその原因を、ある種のコウモリが媒介したウイルスであると公表しているが、中国とロシアの科学者の両方から、米国政府のたくらみで生物兵器が使われた、という説が出ている。なぜなら、SARSウイルスは自然発生するヒトの病原性ウイルスではなく、動物起源のウイルスなので、人間が作り出したのではないかと考えられているのだ。
<エボラウイルス>
・最初は、致死率の高いウイルス性の感染症として1976年に発見されたエボラ出血熱。これが、2013年後半に史上最悪のパンデミックとなって終息までの15か月間猛威をふるい、サハラ以南のアフリカ流域で1万1000人以上の人々の命を奪った。これは米国が仕掛けた細菌攻撃ではないか、とリベリアの新聞は報じた。
<極秘の実験>
・世界でもとびきり謎に包まれた軍事施設が、イギリス・ウィルシャトー州のポートン・ダウンにある。この施設では、生物(細菌)兵器を使った実験が行われている。1942年にはここで炭疽菌が培養され、その検証がスコットランドにある小さな島で行われた。その島はイギリス本土から1キロも離れていない。
<水道水のフッ化物添加>
・そもそも、倫理的に考えて、米国政府が水道水にフッ素の化合物(フッ化物)を添加して国民に強制的に使わせているのは、個人の権利侵害ではないか、という疑問がまずある。その問題はさておき、フッ化物添加には本当に安全で、期待する効果があるのだろうか?水道水へのフッ化物添加が始まったのは、1950年代のこと。その目的は虫歯予防、それも容認しがたいレベルに悪化していた子どもの口腔衛生だった。いまでは、全米にある給水設備の70%が強制的にフッ化物を添加させられている。
・一方、科学者の間では、飲料水へのフッ化物添加の安全性をめぐって活発な議論が交わされている。
<本当に死んだのか?>
・ナチスの戦争指導者アドルフ・ヒトラーが死んでから、75年以上経つ。しかしその死はいまだに謎に包まれている。それというのも、自殺したと伝えられるヒトラーの遺体の処分を証言する信頼できる目撃情報がほとんどないからだ。
<アドルフ・ヒトラー>
・1945年5月、ドイツ、ナチスは無条件降伏をした。それを受け、当時の人々の間で、「ヒトラーは本当に死んだのか?」という疑惑がささやかれた。1934年にドイツ総統に就任し、ドイツを第2次世界大戦に導いたヒトラーの姿が最後に目撃された場所は、ベルリンの総統官邸の地下にあった「総統地下壕」だった。ベルリン市を最初に占領したソビエト軍は、ヒトラーの死について、政治的思惑から積極的に誤情報を流そうとしたらしい。1945年7月、ポツダム会談中のソビエト指導者ヨシフ・スターリンは、ヒトラーははたして死んだのか、と問われたときも、かたくなに「ノー」と答えている。
・一般的に知られている情報は、この地下壕で捕らえられたヒトラーの部下が伝えるものである。ヒトラーは妻に毒を飲ませ、拳銃で自分を撃ち、2人の遺体は地下壕の外の庭園で焼かれた、とされている。しかし、陰謀論者の多くが信じている別の説がある。その説では、ヒトラーはドイツを脱出してファン・ペロンの君臨するアルゼンチンに逃げたことになっている。近年放映された「ヒトラーを追跡せよ!」というドキュメンタリー番組では、ヒトラーとその側近はUボートでドイツを脱出し、アルゼンチンに逃亡したと論じた。その証拠は、現在では機密解除されたFBI、CIAそしてMI6の極秘書類、それにドイツ、ロシアとアルゼンチンの資料から得たという。
<UFO>
・人は時代や国境を越えて宇宙人の姿を追い求め、妄想し続けた。人々が宇宙人に魅せられた始まりは、19世紀後半にH・G・ウェルズ(1866~1946年)が書いたSF小説『宇宙戦争』だ。彼は本のなかで初めて宇宙人、いわゆる「グレイ」の姿かたちを描いた。その姿は一見、人間と似ているが、手足や頭部のバランスがずいぶん違う。皮膚は灰色で、鼻や耳など見当たらない、とウェルズは記した。それ以来、たしかに同じ姿を見たという「目撃」情報が次々と寄せられる。
・なかでも特に有名なのが、ベティ・ヒルとバーニー・ヒル夫妻の事件だ。この夫妻は、1961年の9月のある期間、米国ニューハンプシャー州で自分たちは宇宙人に誘拐・拉致されていたと主張した。ほかにも「目撃」や「誘拐・拉致」がいくつも報告されているが、こうした報告は間違いなく、20世紀後半以降、しきりにつくられた多くのテレビ番組や映画によってあおられたものだ。
<古代宇宙飛行士説>
・スイスの作家、エーリッヒ・フォン・デニケンは、1968年に発表後ベストセラーになったノンフィクションの著作『未来の記憶』(原題:Chariots of the Gods)のなかで、斬新な仮説を唱えている。デニケンによると、古代の地球には宇宙人が住んでいた。彼らは人間と交流し、神殿やピラミッド、そのほかの高度な建造物の建設に必要なスキルを教えた、というのだ。デニケンは、エジプトのピラミッドや、中央アメリカのマヤ文明など、本書でも詳しく紹介する世界各地で発見された証拠をもとに仮説を立てていた。たとえば、古代文明で共通して描かれるシンボルのヘビ(ドラゴンとして描かれることもある)は人間に知恵を授けたといわれる。古代宇宙飛行士説によれば、古代人が描くヘビも実は、火を噴く宇宙船を表しているらしい。
<ロズウェル、そしてエリア51>
・1947年、米国ニューメキシコ州のロズウェルで軍用気象観測気球が1機、墜落した。地元の新聞は、軍が墜落した“空飛ぶ円盤”を回収した、と報じたが、噂はやがて下火になり、事件は忘れ去られた。ところが、それから30年後。ごく少数のUFO研究家が集まり、1947年に起きたこの出来事を目撃した町の住人を取材し始める。その結果彼らは、宇宙人に乗った宇宙船が少なくとも1機墜落し、宇宙人の遺体が何体か回収されたが、当局はその事実を闇に葬った、という結論を出した。
・UFO目撃場所でもう一つ有名な所が、エリア51だ。ここはネバダ砂漠にある軍事基地で、監視が厳しく、軍事最高機密とされている場所。エリア51で航空機やミサイルのプロトタイプがいくつもテストされているのは間違いない。その一方で、この施設が辺鄙な場所にあり、不思議な現象の目撃情報が絶えないため、宇宙人の飛行船とその乗組員を回収したらすべて、この場所に運びこんでいる、と多くの人が信じている。
<グローバル規模の大量監視>
・2013年、CIA、そして国家安全保障局(NSA)の元職員エドワード・スノーデンが香港に渡航した。その渡航先から“ファイブ・アイズ”グループ、つまり米国、英国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの協定による世界規模の監視活動について、極秘情報を暴露した。スノーデンは現在モスクワに住んでおり、亡命先を探している。
グローバルな大量監視プログラムは、9・11テロ攻撃(2001年)をきっかけに始まった。しかし、政府がこれをようやく正式に承認したのは2007年になってからのこと。
・そこに邪悪なたくらみが信じる人々は、これぞまさしくジョージ・オーウェルの小説『1984』に登場する“ビッグブラザー”だと考えている。
<遺伝子組み換え作物(GMO)>
・いわゆる「アグリ(農業)ビジネス」で世界有数の大手企業といえば、モンサントだろう。遺伝子組み換え作物の生産について、世界でも中心的役割を果たすバイオ化学企業だ。遺伝子組み換え作物(GMO)の歴史は古い。1990年代から消費が始まり、従来の農法で栽培した作物と同じくらい人体に無害だという、科学者の一致した意見もある。にもかかわらず、GMO生産をめぐる論争は絶えない。
<秘密結社>
・陰謀説を語るときに欠かせないキーワード。それは、秘密主義だ。いわゆる秘密組織、たとえばフリーメイソンなどの名を見聞きする機会は多い。しかし、その活動内容は秘密にされている。さらにイルミナティにいたっては、何もかもがベールに包まれている。だから、イルミナティは社会に有害な活動をしていると考える人は多く、そもそもイルミナティが実在するのかを疑う人もいる。
<フリーメイソンとイルミナティ>
・ヴァイスハウプトが指揮するイルミナティは設立後間もなく、ローマカトリック教会の圧力に屈したバイエルン政府によって、事実上つぶされた。しかし、イルミナティはその後、フランス革命に関与し、現在も活動していると考える人は多い。なかでもイルミナティが金融システムを牛耳り、操作しているという話題がよく噂になる。
・現代のイルミナティおよびフリーメイソンに対し、多くの陰謀説支持者が不安視している有名な説がある。この説によると、その中枢にいる特権階級の人たちは世界中の一般市民を統制して操るために、金融や教育、メディアなどあらゆる資源を手中に収めているという。どちらの秘密結社も「世界新秩序」という思想に結びつく、さまざまな陰謀に関与している、と考えられている。
<古代レプティリアン(爬虫類人)・エリート説>
・有名な陰謀論者ディヴィッド・アイクが主張し続け、実際に証拠と称するものを挙げている説がある。地球にいる人間の意識は操られ、何世紀も前から人間は家畜並みに扱われているというのだ。
・権力者を輩出しているのはいわゆる「支配階級」に属する、慎重に縁組を重ねて血統を保ってきた一族であり、たとえば、王室一家や大統領、首相や資産家などだ。アイクの発想は、聖書の文言や民間伝承からヒントを得ている。いわく、何千、何万年も前に、別の星から地球に来たエイリアンであるレプティリアン(爬虫類人)が、ヒトのDNAを操作し、人類を支配しているのだと。
<新世界秩序説>
・陰謀説を信じる人々によると、イルミナティは「新世界秩序」を目指しているという。新世界秩序では、イルミナティが地球全体を統治し、コントロールする。すべての権力は中央に集められ、個々の国民国家は一つもなく、宗教はそのような全体主義の新世界秩序に慎重に組み入れられ、管理されるようになるだろう。1990年代になるまで、この陰謀説は米国の2つの派閥だけに限られた話だった。その2つとは、反政府的な民間武装集団(ミリシア)、そして“この世の終わり”と反キリスト教の出現を恐れるグループだ。
<ビルダーバーグ・グループ>
・冷戦を背景として世界が分断するなか、この秘密グループは1954年に産声を上げた。西側諸国の重要人物が集まり、米国、カナダ、そしてヨーロッパ間の緊密な関係性を支えるために、「大西洋主義」という理想の推進を目指した。
<スカル・アンド・ボーンズ>
・スカル・アンド・ボーンズ(頭蓋骨と骨)は、1832年設立の秘密結社である。メンバーは「ボーンズマン」と呼ばれ、イェール大学の卒業生に限られている。慎重に選ばれたメンバーの多くが特権階級出身者だ。
・1992年、この秘密結社の委員会の投票により、女性メンバーの入会がようやく認められた。
<ストーンヘンジ>
・グレートブリテン島の歴史を描いた『ブリュ物語』に記されているように、ストーンヘンジ建設を手伝ったのは巨人だったのか、それとも宇宙人だったのか、謎は尽きない。
・考古学者の定説では、この地に最初にストーンヘンジが作られたのは紀元前約3000年ごろ。おそらく工事は3段階に分けて行われ、完成まで約1000年かかった、と考えられている。
・グレートブリテン島の歴史を記した『ブリュ物語』という12世紀の書物には、ネフィリムという巨人族がストーンヘンジを作った、と書いてある。ほかにはもちろん宇宙人説もある。宇宙人たちはストーンヘンジのほかにも古代遺跡を数多く作ったといわている。
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