竜神=恐竜、天狗=原人たちの霊であるとする浅野正恭の考察や、竜神=蛇類、稲奈利(いなり)=狐類、天狗=禽類、妖精=昆虫の霊であるとする藤井勝彦の説の流れなども並行して存在しており、一定ではない(4)

●竜族とレプタリアン/福島の放射能漏れ事故に隠された目的

地球外生物の中には竜族という種族が存在している。彼らは恐竜の時代に進化し、地球を脱出したが、地球に帰還した種族である。彼らは、地球は自分たちのものであると主張している。竜族は米軍と協力関係にあり、フォークランド諸島周辺で共同で軍事基地を管理している。

竜族はまさに映画「ジュラシック・パーク」に登場する恐竜そっくりの種族である。普段は120センチほどの背丈で前かがみで歩く。背筋を伸ばすと3メートルを超える。この種族は人間を食糧として消費する。しかし、1951年に米軍との間で協力関係が樹立されるにつれ、人間を食すことをやめた。竜族は1954年に条約が締結されるまでは、人間を食べていた。しかしいまでも、人間を食べたくなる衝動はあるようである。彼らは人類を「同盟相手」と呼んでいる。

竜族は自分たちの未来をシミュレートしたところ、人間を食糧として消費するのではなく、人間と協力したほうがよい未来であったので、現在のような関係になっている。竜族が人間を助けるために行うことは、逆にレプタリアンによって悪用されることがある。

竜族は極めて物質主義である。デラックスな車やライフスタイルを大変に好むが、家族もおり家庭生活を営んでいる。

●米軍と協力関係にあるとはいえ、竜族は一枚岩ではない。いくつかのグループに分かれている。それらのグループには人間を好まず距離を取っているものもあれば、反対に人間と近しい関係を維持しているものもいる。

竜族の一部は、竜族を統治している皇女の命令に従うことを拒否した。そして、ナチスと協力関係になり、人間と敵対しているレプタリアンと一緒に行動している。

竜族は、やはり地球の所有権を主張しているレプタリアンの種族と闘争関係にある。レプタリアンの種族には、人類に対して特に敵対的な2つの種族が存在する。彼らは同じレプタリアンの中の異なった種族だ。ひとつはより人間に近い種族だ。もうひとつは長い尾を持つ恐竜のような容姿をしている。

また、「シカール」と呼ばれる羽の生えたドラゴンのような種族も地球にいる。彼らは、竜族ともレプタリアンとも異なる別の種族だ。

レプタリアンもまた一枚岩の種族ではない。相互に敵対的な関係にある2つの種族が存在している。お互いに自分たちが優等な種族で、相手が劣等な種族であると見ている。

●私が一緒に仕事をしている竜族だが、彼らは英語のみならず地球のあらゆる言語を話すことができる。だが、彼らの声帯は人類とは異なった構造をしている。したがって、彼らが地球の言語を話すためには、手術で声帯に手を加えなければならない。そのような竜族は多くいる。しかし、階級の高い竜族にはそのような手術は施されていないので、言葉を発することはできない。

私は、幼少期の頃から竜族と関わりがある。私が当時住んでいた場所に竜族の宇宙船が墜落し、軽傷を負った。その傷がまだ残っている。

レプタリアンなどのエイリアンにとって地球の大気は体には適さない。福島第一原発の放射能漏れ事故は人為的に引き起こされたものだ。これは放射性物質を待機中に拡散させ、彼らの体に合うように地球の大気を変更することが目的だった。

放射性物質の拡散は、彼らの地球環境変更のアジェンダの一部である。放射性物質の拡散は、必ずしもマイナスの影響ばかりではない。人類の中には、突然変異で放射性物質により耐性の強い体へと変化する個体が現れる。この進化型人類は、放射線が飛び交う宇宙空間を旅行することができる。こうした進化を誘発するために福島第一原発の事故を引き起こし、放射性物質を拡散した。自閉症の本当の原因は両親が放射性物質にさらされたことになる。

●地球を全面的に支配コントロールしている種族は存在しない。地球外生物の種族は相互に敵対的な関係にあり、牽制しあっている。それぞれの種族が異なった計画を持って活動している。この状況は、地球に多くの国々が存在し、地球を支配する国が存在しないのと同じ状況である。

人類とエイリアンとの対立は、戦闘にまで発展したこともしばしばあった。1950年代のアイゼンハワーの政権のとき、米軍は「グレイタイプ」の基地を核爆弾で破壊したし、1970年代のカーター政権のときも「グレイタイプ」との間で戦闘が発生した。

●一般的にはレプタリアン=悪、竜族=善のような情報がありますが、それは決して正しいわけでもなく、レプタリアンの中にも人類に友好的なグループもあれば、竜族で逆の立場もあったりと非常に複合的であるように思えます。

もちろん善悪というのも、その視点や立場から見ての基準であり、最終的には人間にしろ異星人にしろ善悪というのは存在していないものだと思います。

海外のリークでありながらも福島の原発事故に触れていますが、それほどあの大震災、そして原発事故は宇宙的にも大きな意味のある出来事であり、単なる自然現象でも単なる人工地震でもなく、その背後にスターウォーズ顔負けの異星人同士のせめぎ合いの世界があるのかもしれません。

●バチカンはレプタリアンに支配されている/地球上で対立する複数の種族

バチカンを支配しているのはレプタリアンである。そしてレプタリアンはナチスとも深いつながりがあり、その残党が現在もバチカンの支配に加わっている。

1978年に、バチカンのヨハネ・パウロ1世が法王に就任してからわずか1ヶ月で死亡したが、これは自然死ではなく暗殺である。1979年は、バチカンの権力闘争で大きな転換期になった年だ。

ところで古代メソポタミアで栄えたシュメール文明だが、人類に知識を与えた種族は2つある。ひとつはレプタリアンで、もうひとつは約3600年の長期起動で太陽を公転している10番目の惑星、ニビル星からやって来る「アヌンナキ」だ。レプタリアンの基地はバチカンにあり、「アヌンナキ」の基地はイスラエルにある。

古代に宇宙人が地球にやって来た証拠は、ゴビ砂漠やマルタ島に埋められている。

「秘密宇宙プロジェクト」はおもに人類のコントロール下にある。しかしながら、予算が途切れがちになるので計画全体に影響が出ている。

地球にやって来ているエイリアンの種族はこれだけではない。実に多くの種族が地球にいる。彼らは「銀河連邦」という集合体のメンバーである種族もいれば、これに対抗する「コレクティブ」と呼ばれる宇宙連邦に所属するグループもいる。また、別の次元からやって来る種族もいる。

バチカンが闇の支配者の権力下であるのは有名な話であり、またバチカンの奥の院はこういった異星人が介入しているのも最近は多くの人々が知ることにもなりました。

そのバチカンが今の宗教世界を統括しており、宗教が民族、国を管理して地球の社会や文明が成り立っていることを考えると、異星人はまたうまいところに入り込んで世界をコントロールしてきたものです。

とはいえ、彼らの本体も20年以上も前に地球領域を去ることになり、あとは残党だけなので、これからバチカンをはじめ、世界のトンデモ詐欺が明らかになり、真実が少しずつ世の中に出てくることになると思います。

●また、イスラエルは二ビル星からの異星人であり人類創世にも関与しているアヌンナキの拠点があるとも書かれていますが、確かに旧約聖書の登場人物の多くはアヌンナキとも関係しており、ノアにしてもアヌンナキとのハイブリッドあるとも言われています。

自分自身、3年連続でイスラエルに訪れていますが、ここはアヌンナキの拠点であるのはもちろんであるものの、表のイスラエルはレプタリアンが多く牛耳っており、自分もまた初イスラエル訪問は空港で降りた瞬間に彼らに捕まって取調室まで送り込まれたものです。

●地球の支配者一族と地球外生物/レプタリアンのDNAを持つブッシュ家

ロスチャイルド家は、一般に信じられているよりも影響力は小さい。私は「ロスチャイルド家」と問題を起こしている。「ロスチャイルド家」は、一般に言われているようなサタニスト(悪魔崇拝主義者)ではない。

「ベクテル社」は「ロスチャイルド家」よりもはるかに悪質な存在だ。「ベクテル社」は「秘密宇宙プロジェクト」に関わっている。

欧州の支配層の家系にはレプタリアンのDNAは含まれていない。地球外生物とはまったく関係なく、人間にはもともとひどい性質が備わっている。

ブッシュ家だが、明らかにレプタリアンのDNAを受け継いだ家系だ。しかしデイビッド・アイクが言うように、人間に姿を変えているというわけではない。レプタリアンのDNAなので、ブッシュ家の一族は一般に医療機関には行かない。またレプタリアンのDNAだが、これはナチスにも混入している。

●デイビッド・アイクはレプタリアンが人間のように容姿を変化させることができると言っているが、これはかなりおおげさである。レプタリアンの人類への影響は、彼らのDNAを持つ家系の存在によるものである。

しかし、容姿を人類に変化させることができる種族がいないわけではない。ある種族は、高度な人工知能を持つ人類の形をしたアンドロイドを遠隔操作している。これも容姿を変化させる例のひとつである。

確かにロスチャイルドは、人の表社会の中では大きな権力を持っているように見えますが、裏の権力者構図の中ではとても下部の組織や立場となっており、異星人との交流もロスチャイルドよりももっと深い人々が奥の院の中にいるようです。

ただ、ブッシュ一族などは見た目からも明らかのようにかなり濃いハイブリッドのようです。

●また、異星人そのものが地球次元に降り立つというより、彼らはアンドロイドを送り込んでくるケースの方が多いというか、自分が知っている限りではほとんどがアンドロイドだと思います。

●オリオンの宇宙船/人類は宇宙旅行とタイムトラベルもできる

「ヴェスタ」という小惑星には、「ノーディック」と人類が共同で運営する基地が存在する。

「ノーディック」が建造したオリオンシステムの宇宙船は、人間に売られた。

現在はそれは、深い宇宙を旅するための「宇宙艦隊」に配属され、「オリオン宇宙船」とよばれている。

この「オリオン宇宙船」は1950年代にすでに建造され、いまではアップグレードされている。私は、この宇宙船の船長であった。

人類が宇宙旅行とそのナビゲーションをエイリアンから学ぶプログラムがある。

人類は、遠方から太陽系に侵入してくる宇宙船に誰が乗り込んでいるのか瞬時に判断する「太陽系監視船隊」を持っている。それは「ソーラー・ワーデン」と言う。だが、発見するには思った以上に時間がかかってしまう。

人類はすべての惑星に行くことは許されるが、木星の衛星の「エウロパ」だけは立ち入ってはいけない。ここはミミズのような形をした生物が生息しており、この種族を発達させる計画があるからだ。だが「エウロパ」にはロボットを使った無人の記事が存在する。

タイムトラベルはすでに可能になっている。これは、1940年代にナチスが開発した技術が基になっている。この技術を使うと簡単に若返ることができる。いまでもナチスの残党はこのテクノロジーを使って生き残っている。

私は頻繁にタイムトラベルをしたが、それは「スターゲイト」や「ワームホール」を使う方法ではなかった。動くライトボディである「マカバ」を使う方法だ。いま私は、刑務所にいながらも任務のためタイムトラベルをしている。

パラレルワールド(並行宇宙)は実在し、そこには地球のコピーが存在している。いまではこの第2地球まで行くことができ、ここに住んでいる人間をこちらの世界に連れてくることもできる。非常に危険な場所だ。そこにはあなた自身のコピーもいるが、決して触ってはならない。

●フラワーオブライフにも登場するマカバ。

六芒星の立体版でもあり、人類だれにも存在している幾何学のエネルギーシールドですが、深い自身の内部と繋がると、このマカバを発動させることができ、意識が宇宙空間や時空間を超えて自由に様々な世界を行き来できるようになると言います。

これは自分の身の回りでもマカバを使いこなす人は少なからずいて、実際にタイムトラベルや空間移動をしているので、ここで書かれていることは真実に近いものだと思います。

●またパラレルワールドについても触れていますが、今のこちらは大いなる意識が生んだロート(聖杯)から作られたマイナスの電荷の世界ですが、同じ質量を持つパラレルワールドのプラスの電荷の世界は別に存在しており、まもなくこの融合が始まることは周波数の講演会などでも伝えております。

●古代の天皇は、このプラスとマイナスを行き来しながら地球文明の調整をしていたことも伝えており、今も天皇家の奥の院においてはゲートを行き来している人もいます。

そんな日本の天皇家のことも本著では少し取り上げています。

●レプタリアンと竜族の戦争、人類の関わり

レプタリアンと竜族は戦争状態にある。最近エボラ出血熱の世界的な流行があったが、これは竜族がレプタリアンを根絶やしにするために拡散したものだ。

ちなみに、日本の皇室は、竜族の特定の種族と関係が深い。竜族と人類は同盟関係にある。これは竜族の皇女が竜族の未来を透視したとき、人類と敵対するのではなく同盟関係になったほうが竜族にとって未来は明るいと出たためだ。

西アフリカのマリには、レプタリアンの大きな基地があったが、エボラウイルスの蔓延により完全に壊滅した。

またレプタリアンは、第二次世界大戦時のヒトラー政権、ならびに日本を支援していた。いまは「イスラム国」を支援している。レプタリアンは協定を破り、アメリカ、ニューメキシコ州デゥルセの地下にある秘密基地にまだ関わっている。また、イランにひとつ、アフリカに3つ、彼らの基地が存在する。

レプタリアンは、バチカンが会見のために用意した小さな洞窟で会っている。ここはスイス傭兵が警備している。ここに武器を持ち込むことはできない。レプタリアンは、人間を弱体化するために人間のエージェントを使っている。スイスは、なにが行われているのかよく分かっている。状況をよく理解した上でバチカンに協力している。

●旧ソビエトは、「ツアーボムバ(爆弾の王)」と呼ばれる58メガトンの巨大な核爆弾を保有していた。これまで製造された核兵器の中では最大のものである。この核爆弾は1961年に使われたが、それは旧ソビエトと北極圏にあったエイリアンの基地を攻撃するためであった。

1945年の広島と長崎の原爆投下は、これらの都市の地下にあったレプタリアンの基地を破壊するためであった。天皇の家系は天の星からやって来ており、竜族と関係している。

日本の記紀神話ではない、一般的には偽書とも呼ばれる本物の古文書の多くには、共通して古代の天皇の姿を2.5mや3mの巨人であることが書かれており、肌は鱗もあって尻尾やツノもあり、人間というよりは竜族との混血のような姿で書かれています。

●その原点にあるのは、もちろん今自分にとってのテーマであるムーであり、その血統が今も日本には受け継がれています。原種の地球人として・・・。

この他に本著では、様々な立場の人からのリーク情報があり、それらを見ると現在飛行している円盤の多くは異星人のテクノロジーを研究した地球人による地球製の円盤であったり、他にも興味深い情報が多く掲載されています。

地球製円盤については、自分もまた元自衛隊にいた人々からもすでに米軍との合同の研究で山の麓に地下基地を作って製造していることも聞いていたので、これらの情報も極めて真実に近いものかと思います。

●いよいよ2017年以降、人類と異星人に関する様々な真実が明らかになったり、バチカンなどを支配している勢力も衰退していく方向へと進むと思いますが、その中で人類と異星人だけでなく、人類と神と呼ばれる存在の真実も少しずつ明らかになってくることでしょう。

人類を創造した存在と異星人、そして神と呼ばれる存在との関係性。

来年はそういったことがまた1つのテーマとなってくるかもしれません。

(2024/5/6)

『日本怪異妖怪事典 四国』

毛利恵太(著)  朝里樹(監修) 笠間書院  2023/4/26

・四国地方は狸の宝庫として有名です。隠神刑部と呼ばれる講談に語られる狸の長、道行く人におんぶをねだる可愛らしい狸・赤でんちゅうなど、様々な狸たちが載せられています。そして四国にはいないなどと言われる狐たちもまた、実は四国に豊富に存在していることも教えてくれます。

<鬼籠野(おろの)の鬼>

・徳島県名西郡鬼籠野村(現・名西郡神山町鬼籠野)に伝わる。

 昔、この地に鬼が棲み着いて民を悩ませていたので、朝廷は藤原某という者を派遣して悪鬼退治の祈禱を行わせた。すると大日霊(天照大神の異称)、軻遇突智(かぐつち)、金山彦、句々廼馳(くくのち)、埴安姫(はにやすめ)、罔象(罔象女命)の六神が降臨し、鬼たちを谷間に追い込んで誅した。この伝説から鬼籠野という村名が名付けられたとされている。このため、鬼籠野神社はこの六神を祀っている。

<怪獣ヶ峰(かいじゅうがみね)の大男>

・徳島県三好市山城町の大歩危(おおぼけ)辺りの話。

 昔、いつの頃からか歩危の山に一人の大男が現れるようになった。この大男は見た目こそ人と違わないが、人の三倍とも四倍ともされるほどの大きさと力を持っていた。大男は四国三郎(吉野川の異称)を中にした峡谷を片足も濡らさずに飛び越え、ときどき村里に出ては田畑を荒らした。そればかりか村の若い女が姿を消すこともたびたびあったので、村人は神仏に祈ったり修験者に祈禱を頼んだりしたが、疾風のように現れて疾風のように去る大男には何の効き目もなかった。村人たちは生きた心地もしなかったが、ある時讃州(讃岐国、現在の香川県)から来たという浪人が「拙者が退治申そう」と言って怪獣ヶ峰へと入っていった。浪人が峰に入ってから、昼頃になって山鳴りが響き始め、次の日の明け方まで続いた。そして山鳴りが収まってからは平和な日が続き、大男も浪人も再び姿を見せることはなかったのだという。

<金長狸(きんちょうたぬき)>

・徳島県勝浦郡小松島日開野(ひがいの)(現・小松島市日開野町)に伝わる。

 江戸時代末期に成立し、後に講談や映画などの題材にもなった「阿波狸合戦」の主人公。

 金長は日開野の鎮守の森に巣を構え、村の狸たちの頭領であった。しかし洪水によって巣が壊れてしまったため、眷属を率いて染物屋・大和屋茂右衛門の土蔵のそばに穴を掘って避難してきた。狸の巣穴を見つけた茂右衛門は狸たちを追い出さず、逆に飯や油揚げを供えさせたので、金長は恩返しのために大和屋を大いに繁盛させた。金長は店に勤めていた職人の万吉に取り憑いて茂右衛門と意思疎通するようになり、茂右衛門は繁盛を感謝し、祠を建てて金長大明神として祀るようになった。ある時、金長は自身が位を持っていないことを気にかけ、四国の狸の総大将である津田浦の六右衛門狸の元で修行をすることにした。六右衛門の元で頭角を現した金長だったが、その才覚を恐れた六右衛門と対立するようになり、やがてそれぞれが軍勢を率いた合戦が始まった。合戦の結果、金長が六右衛門を食い殺して勝利したが、金長も戦いの負傷によって間もなく死んでしまったという。その後、茂右衛門は金長の願いを叶えるべく、京都の吉田家に願って正一位を授けてもらったのだという。

<庚申新八(こうしんしんぱち)>

・徳島県徳島市左古町(現・徳島市南佐古三番町)の天正寺の話。

 天正寺の庚申堂は神籤(みくじ)がよく当たると評判だったが、これは傍らに祀られている庚申新八という狸の力であるという。新八は庚申谷に棲む狸のお頭で、阿波狸合戦の時は金長狸に味方して旗頭として活躍したという。

<式部超えの妖怪>

・徳島県美馬郡脇町(現・美馬市)に伝わる。

 昔、式部の村落の式部超えと呼ばれる山に、たびたび妖怪が現れて村人や通行人を脅かしていた。村の名主は「妖怪を退治した男には娘を与えて名主の跡目を継がせる」と約束したので、多くの男が妖怪退治に向かったが、誰一人として帰ってこなかった。名主が途方に暮れていると、ある日、身の丈が七尺(約2.1メートル)、顔は鬼瓦のようで、全身に猪のような毛を生やした男がやって来た。

・別の話も伝わっている。昭和の初め頃、左衛門という男が平帽子のほうへと出かけていったが、いつまでも帰ってこないので家族が心配し、人を雇って式部超えの地蔵さんの辺りまで探しに行かせた。

・左衛門の話によると、左衛門は恐ろしい式部超えの大滝道を恐る恐る登っていたが、ある所で胸騒ぎに襲われ、坂を見上げた。するとそこに足が細くて背の高いものが突っ立っていたのだという。それの目玉はチョク(猪口、盃のことか)ほども大きく、口が耳まで裂けていて、顔全体が馬のように長くざんばら髪で、耳が立っていた。それがそろそろと坂を下ってきたので、左衛門は「殺される」と思い、そこから先は何も思い出せないのだという。

<常光寺の頬冠り(ほおかむり)>

・徳島県那賀郡富岡町黒津地(現・阿南市黒津地町)の話。

 黒津地の常光寺の辺りは昔、竹藪が続き昼でも薄暗く、狸も棲み着いていた。この狸が豆絞りの手拭いで頬冠りをした男に化けて出たという。その他に悪戯をすることはなかったが、常光寺の近くを通ると頬冠りの男が出ると噂され、「常光寺の頬冠り」と恐れられた。

<正夫谷(しょうぶだに)の高入道(たかにゅうどう)>

・昔、山越谷の正夫谷(現・徳島県三好市井川町井内東辺りか)に、高入道が出没したことがある。この地を通る人が出会い、恐ろしく思って下から見上げると次第に背が高くなり、雲の上まで届く大坊主になってしまう。初めから恐れず上から下へ見下ろすと次第に小さくなり、百目(100匁か)の打綿を丸めたようなものになって消え失せてしまうという。この変化は、山伏が字・大日にある練石の大日如来の前で千巻供養の真経を読んだら出なくなったのだという。

<白木山の牛鬼>

・筆者命名。徳島県海部郡牟岐町に伝わる。

 昔、白木山に牛鬼という巨獣が棲んでいて、西俣の付近に出没して人や家畜を食っていた。ある時、平野に住む平史郎という猟師が白木山に入り、呼子の笛を吹いて牛鬼を呼び出した。そして許しの弾(京都の𠮷田家から授かるもの。許しの弾・関の小刀・高野の巻物の三点は猟師の身の守りなのだという)を撃ち込んで牛鬼を退治した。

<オジョモ>

・『綾歌町史』の「方言」の章で、オジョモは「妖怪 巨人である」と怪説されている。

<浄願寺の禿狸(はげだぬき)>

・香川県高松市番町の浄願寺に「白禿大明神」として祀られている化け狸。

 「讃岐丸亀地方の伝承」によると、常願寺(浄願寺)には1000年以上の年を経た古狸が棲んでおり、「常願寺のはげ狸」として讃岐では知らない者がいないほど有名であるという。この狸は源平合戦の屋島の戦いの模様をよく知っており、常願寺の住職が代替わりする時に、縁側で「はげよ、はげよ、どうぞ屋島合戦を観せておくれ」と頼むと眷属を引き連れて現れ、一度だけ屋島の戦いの有様を観せてくれるのだという。

『讃州高松叢誌』によると、禿狸はときどき僧の姿に化けて町に出てきては「浄願寺です」と名乗ってうどん屋で食い倒していたのだという。

<白峯相模坊>

・香川県坂出市青海町の白峯寺に祀られている天狗。いわゆる「八天狗」にもその名を連ねている。

 相模坊は上古から南海道六ヶ国の天狗の司であり、弘法大師が相模坊を仏所の鎮守とした、と記されている。

<太三郎狸(たさぶろうたぬき)>

・香川県高松市屋島に伝わる。

 屋島東町屋島寺で「蓑山(みのやま)大明神」として祀られている化け狸。一般に「屋島の禿狸」として知られるさまざまな話は、基本的にこの太三郎狸の話とされることが多い。屋島の狸は阿波(徳島県)の狸と同様に四国の狸の親分格であり、太三郎は屋島寺の開基以来守護神として祀られ、寺内で異変のある前には必ず住職に夢告をするのだという。また住職が代替わりするごとに、幻術を用いて源平合戦の実演を見せて祝ったのだという。

・屋島は諸国の狸の修行所・狸の最高学府であり、太三郎はその総長格であり、また高松の白禿狸(浄願寺の禿狸)の最も良き相談相手なのだという。

・屋島の禿狸は源平合戦の屋島の戦いを高い木の上から見物していたので、その一部始終を知っているのだという。後に禿狸は香川県木田郡牟礼村の八栗寺に移り、希望があれば屋島の戦いを再演してみせた。

・禿狸は四国の狸大将として暮らしていたが、ある時旅から帰り、盥(たらい)で足を洗っているところを狩人に殺されてしまったのだという。その後、どういう理由か阿波国に行って方々の人に乗り移り、他の狐憑きから憑き物を落としたり、身の上話や屋島の戦いの話を語って聞かせたりしたのだという。

・それによると、屋島には源平の頃から禿げた古狸が棲んでいて、それが老人などの姿に化けて四国各地でお灸を施すのだという。この狸は毎年一度必ずやって来るので、毎年顔を合わせていると自然に狸だとわかってくる。狸のほうも正体を悟られたと思うと、さらに慣れ親しんで懇意の間柄になってきて「ぜひ屋島に遊びに来い」と誘ってくる。そこで実際に訪ねていくと、さまざまな歓待をしてくれた後に余興として屋島の戦いを演じて見せてくれる。その面白さや不思議さは言語に絶するのだという。

・それによると禿狸は「佐渡国三郎狸」と兵庫県の「柴右衛門狸」に並ぶ「日本三名狸」の一つであるとしている。禿狸は屋島寺本尊の千手観世音菩薩の御用狸として善行を積んだので、四国狸の総大将と崇められるようになり、その法名は蓑山大明神、または小八大明神だという。

 なお『香川県民俗誌』には蓑山明神が蓑彦大明神とも呼ばれ、かつては天狗を祀っていたのだとも記されている。

<根香寺の牛鬼(ねごろじのうしおに)>

・香川県高松市中山町の根香寺に伝わる。

 昔、青峰山に牛鬼という怪物が棲み、人畜を害することが多かった。人々は藩主に害を除くことを願い、藩主は弓の名人である香川郡井原郷安原の山田蔵人高清に討伐を命じた。高清はすぐに青峰山に行って探し回ったが、牛鬼は出没自在でどうすることもできなかった。そこで17日の間、根香寺の千手観音に祈願し、断食苦行をした。そして満願の夜明けに千尋が嶽の下にある鬼が原で、眼光鋭い怪物・牛鬼に出会い、見事に射殺した。高清は牛鬼の祟りを恐れ、その二本の角を切り取って禄米六石を添えて根香寺に納めたという。根香寺には今もその角と牛鬼の姿とされる絵が残っている。

<飛鉢上人(ひはつしょうにん)>

・香川県仲多度郡まんのう町の話。

 大川山の北西の谷に、中寺という場所があり、かつては修験の道場として七つの坊舎があった。この中寺に飛鉢の法を使う上人がいて、瀬戸内海を通る船めがけて鉢を飛ばしたという。飛んできた鉢は船をどこまでも追いかけ、船頭がその鉢に白米を入れれば帰っていく。しかし何も入れないと鉢が燃え、火を吹きながらどこまでも船を追いかけるのだという。

<ヒヒ>

・香川県仲多度郡琴南町美合(現・仲多度郡まんのう町美合地区)の話。

 ある人がネゴヤ(寝小屋。山仕事をする人が寝泊まりする小屋)で火を焚いていると、ヒヒがやって来た。ヒヒは火のそばに来ると、自分の金玉をこれでもかと広げてきた。しかしそこへ白髪の神様が入ってきたので、ヒヒは「今夜のことにはならん」と言って帰っていった。次の日、同じようにヒヒが来て大きな箕(み)のように金玉を広げてきたので、そこへ真っ赤に焼けた石を投げ込んだ。するとヒヒは悲鳴を上げて逃げだし、後を追うと山で死んでいたという。

<屋島山の馬蘇仙人(やしまやまのばすせんにん)>

・香川県高松市の屋島寺に伝わる守護神。婆蘇仙人とも。

 『全讃史』の屋島寺の項によると、天平宝字四年(760)に鑑真が屋島山に入った時、馬蘇仙人(婆藪仙(ばすせん)・婆藪仙人。仏教の護法善神であり、千手観音の眷属である二十八部衆の一員)がこれを迎え入れた。仙人は「ここに錫杖を掛けて衆生を救え」と言ったので、鑑真はここに仏堂を建て千光院と号した。後に弘仁元年(810)に弘法大師が寺を現在の地に移し、屋島寺と号したのだという。

<大きな相撲取り>

・愛媛県温泉郡中島町野忽那(のぐつな)(現・松山市野忽那)に伝わる。

 二十日正月(1月20日)には農家の人々で山の神祭りを行うが、この日は山に入ることを禁じる地域が多い。野忽那島では大きな相撲取りが出てきて、人を捕るので山に入るのを禁じるとしている。

 他の地域でも類似の禁忌がある。西条市丹原町高松では、この日は山に神々が集まって雑煮を炊きながら会合をしているので、山に入ると罰が当たって体が弱くなるとしている。

<烏天狗(からすてんぐ)>

・愛媛県の石鎚山(西条市・上浮穴郡久万(くま)高原町)の話。

 ある夏、西条(現・西条市)の人が6歳になる男の子を連れて石鎚山を登ったが、山頂でその子を背から降ろして休んでいるうちに、その子の姿が見えなくなってしまった。人手を借りてあちこち探したが見つからず、仕方なく我が家に帰ると、不思議にもいなくなったはずの子供が先に帰っていた。驚き喜んで様子を訊くと、山頂で休んでいる時に祠の裏で小便をしていると、真っ黒い顔の大男が来て「坊や、こんな所で小便をしちゃいけないよ、おうちはどこかね、おじさんが送って行ってあげるから目をつぶっておいで」と優しく言ってきた。そして言われた通りにしていると、気がついたら自分の家の裏庭に一人で立っていたのだという。これは烏天狗の仕業だろうとされた。

<喜左衛門狸(きざえもんたぬき)>

・愛媛県東予市北条(現・西条市北条)の大気味神社に伝わる。

 大気味神社の楠の大木の根本に棲む狸で「喜の宮さん(喜宮明神)」として祀られている。

・屋島の禿狸と化け競べをした話や、日露戦争に出征して活躍した話なども語られている。日露戦争においては、ロシア軍の総司令官であったアレクセイ・クロポトキンが手記で「日本軍の中に赤い服を着た兵隊がいて、これはいくら射撃しても前進してくる、その赤い服には〇の中に喜の印があった」と書いているのだという。ただし、近代の戦争に神様などが出征したという逸話は数多く語られており、『<怪異>とナショナリズム』の「出征する<異類>と<異端>のナショナリズム「軍隊狸」を中心に」において詳しく論じられている。特に喜左衛門狸の逸話については、翻訳されたクロポトキンの日記などを検証しても、前述のような記述は確認できなかったとしている。

<金平狸(きんぺいだぬき)>

・愛媛県松山市の大宮八幡神社に伝わる。

 大宮神社境内の大柏に鎮座している狸で、金森大明神とも呼ばれている。隠神刑部(その他)の直系とされ、お袖狸の亭主だともされている。読み書きや算盤が得意な学者狸として、また大宮神社の宮司のお使い狸として知られている。

・また、文政年間(1818~30)の頃の伝説も残されている。大阪に恵原屋という大きな宿があり、ある日一人の修験者がここに泊まった。すると修験者は宿の主人・金十郎を怪しみ、金十郎が狸であることを見破った。そこで金十郎は修験者に「あなたに知られた通り、自分は人間ではなく、伊予国(愛媛県)の大宮八幡の大柏に棲む金平という古狸である。千里四方でこのことを他人に話したら、命はないと思ってくれ。そして、もし伊予に行ったら郷里の人に、金平は元気でいるから、大阪に来たら恵原屋に寄るようにと伝えてほしい」と言った。修験者はその後、恵原に行ってこれを伝えたのだという。

<しばえもん狸>

・高知県香美郡物部村岡ノ内(現・香美市物部町岡ノ内)の話。

 岡ノ内にある誓渡寺の和尚さんは、庫裏(くり)の片隅に小さな箱を置いて、日々の食べ残したご飯やおかず、野菜漬物の切れ端などを入れていた。しかし、毎晩何ものかがやって来て、箱の中の残り物を食べてしまうことが続いた。

・こんな時間に人が来るはずがないと思った和尚さんが「誰なら」と言うと、「私はこの向こうの山に棲む、しばえもん狸というものですが、近いうちに讃岐の屋島へ宿替えをしようと思っております。長い間、和尚さんにご馳走になったお礼に、源平合戦の模様をお目にかけたいと思います」と返ってきた。和尚さんが「ぜひ見せてもらおう」と言って、寺の後ろの池近くへ行くと、三坪くらいの池がみるみるうちに大海となり、船に乗った平家の侍と源氏の騎馬武者が激しく斬り合いを始めた。和尚さんが驚き呆れて見ていると、夜が明けて鶏が鳴き始めたので、狸は「もう屋島へ行きます」と言って帰っていった。池の水面を見ると木の葉がいっぱい浮いていたのだという。しばえもん狸は賢い狸で、屋島へ行っても「屋島のハゲ狸」として可愛がられ、いろいろな物に化けて人々を喜ばせたのだという。

<猿猴(えんこう)>

・土佐では河童のことを猿猴と呼ぶ。水中に棲み、頭に水皿、手に水掻きがあり、子供を取って食うとされている。

<芝天狗(しばてんぐ)>

・芝天とも。高知県の各地に伝わる。

 河岸の堤の上に棲み、芝生の上に成長したもので、空中を飛翔する大天狗よりも河童に近いものだという。その身長は小さいが力強く、人を化かすことはないがよく相撲を挑んでくる。

<夜須の牛鬼>

・高知県香美郡夜須町(現・香南市夜須町)の話。

 昔、夜須には牛鬼という、首から上が牛で首から下が鬼という恐ろしい化け物がいた。牛鬼は田畑を荒らしたり牛馬を取って食ったりして人々を困らせ、退治に来た人も食い殺していた。ある時、人々が集まって相談しているところに近森左近という弓の名人が来て、牛鬼退治を引き受けた。左近は赤松の西の谷に隠れている牛鬼を人々に追い出させ、深い田にはまって動けなくなった牛鬼を一矢で射殺した。夜須の人々は喜んで左近が弓を引く真似をし、それが三月の卯の日に行う百手祭(ももてさい)の始まりになったのだという。

<犬神>

・四国地方全域で見られる憑き物の一種。単なる憑き物ではなく、これを使役する家系・犬神筋があるとされ、差別や偏見の原因・理由付けとなっていた側面もある。

0コメント

  • 1000 / 1000