神野山は、日本神話の火の神である加具土(かぐつち)命が父神伊弉諾(いざなぎ)尊に斬られたとき、その髪が飛び落ちたところで、「どんずりぼう」は加具土命と同体と考えられる。(3)
『神仙道の本』 秘教玄学と幽冥界への参入
学研マーケティング 2007/3
<宮地堅盤(かきわ)〔水位〕(1852~1904) 自在に仙境に出入りした近代神仙道の大先達>
<魂を飛ばして異界へ往来>
・「仙人というものは、いわば人間界の変り種で、昔からめったに世にでない稀有の存在であるにもかかわらず、常磐・堅盤の父子二代相ついで、神仙の位を生前において得たことは、人類史上ほとんどその例を見ないであろう」
・まさに宮地堅盤こそは、その実父常磐から教導された宮地神仙道の大成者であるだけでなく、近現代の神仙道史上、最大の巨星といっても過言ではない。
10歳で父の指導のもと、肉体はそのままで魂だけで飛行するという脱魂法(後年は肉体も伴ったとされる)を修得し、高知の手箱山の神界に出入りしたのを手はじめに、神界の諸相をつぶさに見聞し、同時に人間界でも文武両道に励み、修行を積んだ。
・つまり、堅盤は脱魂法、あるいは肉身のままで数百回も幽真界に出入りしていたというのだ。
堅盤の記録によれば、大山祗神のとりもちにより少彦名神(青真小童君)に面会を許され、さらに川丹先生こと玄丹大霊寿真(年齢は明治元年時に「2016歳」)と称する朝鮮の神仙界の大長老を紹介され、この両師を中心に、神界の秘事などの教示を受けたとしている。
・また堅盤の道号である水位という名も、22歳のころに少彦名神から名づけられたものだという。そもそも、堅盤は「謫仙」、つまり、神より特別な使命を受けて、本籍地の神仙界から人間界に流謫した仙人であったというのだ。
<神界の最高機密の大都へ>
・堅盤が自ら探求した幽冥界の様相を書きとめたものが、神仙道最高の書とされる『異境備忘録』である。神界・神仙界・天狗界など幽真界の情報がはしばしに織り込まれており、堅盤最大の功績はこの書を残したことだといわれるほどだ。
・堅盤は仙童寅吉ともいっしょに岩間山の杉山僧正に会い、各種の仙界へも飛行して出入りしたと書き残しているが、神仙界では寅吉より堅盤のほうが位が上であったという。
<全神界を包括する奇書『異境備忘録』>
・『異境備忘録』は、基本的には、先行文献としてあった平田篤胤の『仙境異聞』をふまえたうえで、道教的な神仙思想と日本の神道や古神道などを有機的に結合する比類のない世界観を確立した根本原典となっている。堅盤の開示した神仙道は、神仙思想の本場中国の影響圏内から脱して、逆にそれを傘下に組み入れ、さらにインドに本拠がある仏仙界や西洋の神界などまでを従属させた画期的なものであった。
つまり、堅盤ならではの《神国日本》ならぬ《神仙道日本》の宣言書だったのである。
・堅盤は、大病の時期を除き、ほぼ生涯にわたって健筆をふるった。その全著作は百数十冊とも二百冊ともいう。これを高さに概算すれば、10等身におよぶほどだったらしい。
・ちなみに、堅盤の著述や蔵書の多くは、戦前に、近代神道史学の先駆者・宮地直一東大教授を経由して高知県立図書館に寄贈された。その後、昭和20年に空襲で同図書館が被災したときに烏有に帰している。
『日本神仙伝』
(不二龍彦)(学研) 2001/5
<宮地水位>
<日本初の本格的「霊界探訪記」『異境備忘録』を著した宮地水位>
<シャンバラも含む幽界の多様性>
・また、チベット密教で言う「シャンバラ」とおぼしき幽区についての記述もある。
シャンバラというのは、代々一人の王によって統治されてきたとされるヒマラヤ奥地の理想郷で、永遠の光の下、賢者だけの理想国家を築いていると伝承されている。この霊的な王国には、未来のいつの日か、邪悪な勢力を最終戦争によって打ち滅ぼすという神聖な使命があり、今もそのための活動を密かに行っているというのである。
・今でこそ、広く知られるようになったシャンバラだが、水位の時代には、ごく一部の学者以外、その存在を知っているひとは皆無といってよかった。
・ところが水位は、「西洋国のヒマラヤ山」に「中凹(なかぼこ)」の「支那上代」の神仙界があり、「山上は闇夜でも昼の如く」輝いていると、ちゃんと記述している。
しかも、この「支那上代の神仙界」がある山は、神仙界では「地軸」と呼ばれているらしく伝説の西王母(せいおうぼ)が住んでいるというのも、シャンバラ伝説と通いあうところがあって面白い。
『術』
綿谷雪 青蛙房 1964
<天狗飛切りの術と軽身の習練>
・仙界に出入りしたという紀州のモグリ医者島田幸庵の報告によれば、仙人界と天狗界は同じ系列の特別世界で、その階級は仙人界のほうは神仙、山人(やまびと)、異人(霊人)、山霊(やまのかみ)、山精(こだま)、木精(すだま)、鬼仙(おに)、山鬼(たかがみ)、境鳥(たかとり)、麒麟(ましか)、鳳凰(ながなきどり)、霊亀(おうかめ)と順次し、狗賓(くひん)のほうは大天狗、小天狗、木葉天狗、魔天狗、邪鬼の順であるが、両界通じていえば、大天狗は仙界で山人の階級に相当するという(-『幸庵仙界物語』)。
・もとより架空の観念的構成にすぎないが、しかし古来、仙人も天狗もいろいろと変わった型のものがあって、綜合的に考慮するとすれば、結局右のような組み立ては常識的といえるかも知れない。
さすれば仙界・天狗界とも、上級者には超自然的な神仙型の飛翔を想像し、下級の者に鳥獣型の飛翔を想像するのは当然のことで、下ッ端の天狗は翼をもって飛ぶと考えられていました。
・では翼のない上等の天狗は、どのように飛翔したのか?私どもが、子供のころ聞いた話では、天狗は羽団扇をもっていて、それであおいでふわりふわりと翔ぶということでした。じつは羽団扇は飛ぶときの目標を定めるレーダー式のもので、下降するときには、方向舵の用をすると仙童寅吉は語っています。
・年代はよくわかりませんが、和歌山藩の餌差役で某という者が、鷹の餌にする小鳥をもとめて深山へ分け入り、小鳥網を張りました。知らず知らず殺生禁断の高野山の一部へ入りこんだらしく、おもしろいほど小鳥がかかる。
と、どこからか一人の異様な老人が立ち現れました。某をにらみつけながら、小鳥を次ぎ次ぎと網からはずして逃がしてやり、ここは殺生禁断だから、あきらめて帰れという。
某は何だか怖くなって帰ることにしたが、異人は気のどくに思ったのか、せっかくの機会だから跳ぶ術を教えてやると云い、某を高く突き出した岩石のうえへつれてゆきました。
・「さあ、谷底へ飛び下りてみろ。おれが下へ行って受け止めてやるから」という。しかし、怖くて、どうしても飛べない。ちゅうちょしていると異人は、うしろからいきなり某を突き落しておいて、すぐに谷底へあらわれてズシンと受け止めました。
「どうだ怖くないだろう。もういちどやってみろ」
こうして何回も飛び下りて受けてもらっているうちに、どうやら身のこなしなども会得して、平気で跳べるようになりました。
・某は礼をのべて和歌山へ帰り、高い屋根へ飛び上がったり飛び下りたりして人々をおどろかせるようになったが、その後三年ほどして、ふと飛ぶことに恐怖をおぼえ、急にそれっきり飛べなくなったという(-『積翠雑話』)。
・積極的な精神力が或る程度の危険を克服する事実は、この一話からも汲み取れるでしょう。跳躍は、昔は“軽身の術”とか“軽業”とかいいました。
『神仙道の本』
(秘教玄学と幽冥界への参入) (学研)2007/3
<山人界(天狗界)>
<多種多様な天狗らの仕事と生活の実際>
<高級山人が住まう壮麗な宮殿>
・山人とは山の神のことだが、天狗の異名として用いられることもある。「お山には善美を尽くした広大結構な御殿があり、三尺坊は平生には、そこに居られますが、亦、空中にも大なる御殿があってここにも多くの方々が居られます。
・ひと口に山人界といっても階級は実に多い。そこで、空中の御殿に住む鬼類・境鳥まで、暮らし向きも千差万別なのである。
仙童寅吉以降、山人界の情報はずいぶんと数多くもたらされてきたが山人界の階級等についてもっともまとまった情報を伝えているのは島田幸安だ。
<山人界の天狗の風体とは>
・島田によると、山人界の階級は①神仙、②仙人、③山人、④異人、⑤休仙、⑥愚賓(ぐひん)に大別される。この愚賓というのがいわゆる天狗のことだが、天狗は人間が命名した俗称であって、山人界では使わないという。
・天狗というと鼻高・赤面の異形に描かれるのが通常だが、実際の姿は人と変わらず、頭巾をかぶり、白衣を着し、足には木沓(きぐつ)を履いている(裸足の愚賓(ぐひん)もいるという)。「人界にて云如き鼻高く翼ある者は無御座候」と、島田は断言している。
愚賓は神仙から数えて6番目の下級官吏だが、そのなかにもまたこまかい階級がある。①山霊(大愚賓)、②山精(小愚賓)、③木仙、④鬼仙、⑤山鬼、⑥境鳥、⑦彩麟(ましか)がそれだ。
・⑥の境鳥が、いわゆる木の葉天狗・木っ端天狗と呼ばれる類で、嘴と翼をもつ鳥類の化身である。
・最後に天狗は日本独自のものとの話があるが、それは間違いだということも付記しておこう。中国にも朝鮮にもいるし、西欧にもいる。また、世界各地の天狗が集まって行う山人会議もあるそうだ。
<戦争に出陣する愚賓(下級天狗)たち>
・ただし、人間のように肉を食うのではなく、気だけを食うのだと島田が注釈している。生きている魚を海などから招き寄せ、「味の気」だけを取って食べ、食後は生きたまま海に帰すというのだ。
・仕事は、より上級の神界の下命に従って戦争に従軍したり、霊界や人間界をパトロールしたり、冥罰を下したりと、そうとう忙しい。大小の愚賓は、元来が武官だから、戦争になると鬼類などを従えて直ちに出陣する。
・加納郁夫という名の天狗の弟子となった「天狗の初さん」こと外川初次郎は、加納天狗の供をして満州事変に従軍したと言っているし、幕末の戦乱時に活動した才一郎は明治元年から2年にかけての戊辰戦争に冥界から参戦し、三尺坊の命令で、自分の出身国である尾張藩の隊長“千賀八郎”を守護していたと語っている。
<天狗が下す恐怖の冥罰>
・天狗の仕事で最も怖いのは、人間界に罰を下すという仕事だ。火事による処罰が多いようで、情け容赦がない。たとえば、杉山僧正が東京の平川町(平河町)を焼いたことがある。
<過酷をきわめる天狗界の修行>
・寅吉や才一郎は仙縁があって山に招かれたものだがら否応はないが、凡人が天狗の「神通自在」にあこがれて山中修行に入っても、ろくなことにはならないらしいから、注意が必要だ。
最後に、天狗は日本独自のものとの説があるが、それは間違いだということも付記しておこう。中国にも朝鮮にもいるし、西欧にもいる。また、世界各地の天狗が集まって行う山人会議もあるそうだ。
2014/5/8
『『遠野物語』を読み解く』
石井正己 平凡社 2009/5/16
<天狗伝説と寺や家の宝物の関係>
・維新当時、赤い衣を着た僧侶が二人、大きな風船に乗って六角牛山の空を南に飛び過ぎるのを見た者があったということを、佐々木は祖父から聞いています(拾遺235話)。「大きな風船」が気球であるならば、これは気球が遠野の上空を飛んだ話ということになります。実際に気球が飛んだ事実があったのかどうかは確かめられませんが、大きな風船の飛んだ話もあれば、飛行機の飛んだ話もあるというのは、着実に遠野の上空に近代文明が入り込んでいたことを表します。
・そもそも遠野で上空を飛ぶものと言えば、まず思い起こされるのは天狗でした。天狗は山に住む妖怪で、自在にあちらこちらを移動しました。早池峰山の前面に立つ前薬師には天狗が住むと言いますが、土淵村山口のハネトという家の主人はこの前薬師に登って、三人の大男に出会い、麓まで送ってもらったという話があります(29話)。
・「遠野物語拾遺」にも、天狗の話が二話あります。一日市の万吉米屋の主人が稗貫郡の鉛温泉に湯治に行って天狗と懇意になり、天狗は最後に来た時、「天狗の衣」を残して行ったそうです(拾遺98話)。もう一説は次のようになります。
99 遠野の町の某といふ家には、天狗の衣といふ物を伝へて居る。袖の小さな襦袢のやうなもので、品は薄くさらさらとして寒冷紗(かんれいしゃ)に似て要る。袖には十六弁の菊の綾を織り、胴には瓢箪形の中に同じく菊の紋がある。色は青色であった。昔此家の主人と懇意にして居た清六天狗といふ者の着用であったといふ。清六天狗は伝ふる所に依れば、花巻あたりの人であったさうで、おれは物の王だと常に謂って居た。早池峰山などに登るにも、いつでも人の後から行って、頂上に著いて見ると知らぬ間に既に先へ来て居る。さうしてお前たちは如何して斯んなに遅かったかと言って笑ったさうである。酒が好きで常に小さな瓢箪を持ちあるき、それに幾らでも酒を量り入れて少しも溢れなかった。酒代にはよく錆びた小銭を以て払って居たといふ。此家には又天狗の衣の他に、下駄を貰って宝物として居た。右の清六天狗の末孫といふ者が、今も花巻の近村に住んで、人は之を天狗の家と呼んで居る。此家の娘が近い頃女郎になって、遠野の某屋に住み込んで居たことがある。此女は夜分如何に厳重に戸締りをして置いても、何所からか出て行って街をあるきまはり、又は人の家の林檎園に入って、果物を取って食べるのを楽しみにして居たが、今は一ノ関の方へ行って住んで居るといふ話である。
・先の万吉米屋の子孫は、実際、天狗の持っていた「衣」「下駄」「網袋」「弓矢」「掛軸」「湯呑茶碗」を保管してきましたが、今は遠野市立博物館に寄贈されています。
・遠野南部家は八戸から移封されてきましたが、その後も無関係ではなかったはずです。藩主と寺院、民衆との間には何の関係もなさそうですが、天狗を置いてみることで、隠れたネットワークが見えてくるように思われます。
(2023/5/7)
『銀河史 【上】』
プレアデスの繁栄と衰退
先端技術研究機構 ヒカルランド 2023/4/11
・この銀河内で起こる戦争の勝敗は、その「人間の女神」を獲得するか否かで定まってしまうというシナリオがある。相手が強い弱いは無関係、女神を擁してその力を駆使したほうが勝ち。この法則は地球においても同様に働く。この銀河において、そもそも戦争とは、創造主が画策する「ザ・ゲーム」だったのである。
<はじめに>
・本書は、我々が属する天の川銀河系の主要な歴史を記したものである。
この大宇宙において、ここ地球は“聖地”として創造主や神々に守護されてきた星であり、そしてここに住む地球人もまた、創造主や神々に守護されてきた民族である。
・いま、地球人には、宇宙空間に出ていかなければならない時期が急迫している。
・いまから約2800万年前、我々の天の川銀河系に初めての人類が誕生し、本格的な文明の夜明けが訪れた。
動物(猿)から人間をつくり上げたのは「創造主」と、その派生意識体である「天体神」および「龍神」である。
・いまから52万年前、最初に文明を発達させた複数の銀河民族に対し、創造主は「銀河広域指定民族」の許可を与えて宇宙船の建造技術を伝授した。そこから銀河文明の歴史がスタートしたと言ってかまわないだろう。
天の川銀河系内に多数存在する人間をここでは宇宙人と呼ぶが、宇宙人達が学校で習う一般教養としての銀河史によれば、銀河文明の夜明けとも言える「銀河レムリア期」とは、最初に宇宙船を飛ばした52万年前から、プレアデス連合国が銀河連合を築き上げる48万年前までの約5万年間を指している。
<カシオペア戦争>
・天の川銀河史初期の二つの大きな戦争
・銀河ファラ王の誕生
・銀河の主人公民族と4人の女神
<青き昴>
・女神といえば、実在の人間ではなく「神様」を連想するところだが、ニーデのような「惑星上にいる女神」は創造主がつくった「人間」であり、一般的な人間の肉体を有している。一般女性との違いは、女神用の特別な遺伝子情報を組み込まれた美しい肉体を備えており、さらに創造主専用のボイス回線と直結していて、女神の言葉も想いもすべて創造主に直接伝わる仕組みになっていること。これは表現を変えれば、女神とは創造主のスパイであり、地上の工作員とも言える。
そもそも「人間の女神」はすべての惑星民族に平等に配布されているわけではなく、一つの銀河系にたった4人しかつくらない。
・創造主記録を調べてみると、現創造主下の銀河史において、これまで女神がいた星はたったの三つ、最初は牡牛座のα星(アルデバラン)、次はコップ座のβ星(ケウエグ)、そして最後が聖地・地球である。
・恒星アルデバランの第3惑星であるテニネの直径は1万6200キロメートル、地球の約1.35倍のサイズの惑星だった。惑星のサイズによって地表の生物の体のサイズも決まることから、テニネの動物も人間も、地球のそれと比較すると1.3培ほど大きい。テニネ人の平均身長は約2メートル20センチ以上で、これは地球人には驚くサイズだと思われる。コリー犬の大きさの猫にはビックリ仰天するだろう。
テニネ人といえば銀河系人類における「美貌の象徴」であった。男性も女性もまるで古代ギリシャの神像のごとき風貌をしており、創造主セザナ神が「美」の象徴民族としてテニネ人の遺伝子を後世の民族に利用していたほどである。これをプレアデス優化遺伝子と呼ぶ。
・“荒くれ大王”と呼ばれた我らが大宇宙の創造主、セザナ神とは、魔王の顔と創造主、両方の顔を持つ「悪と善」を司る孤高の存在である。彼は前宇宙から受け継ぐ唯一の人間遺伝子を持った生命(ソロジン)であり、その遺伝情報は大宇宙の全人類(全生物)の意識ベースに組み込まれている。
・プレアデスといえば、「愛」と「平和」と「共存」と「紳士淑女」といったイメージが定着しているが、それは、いまから2700万年前に創造主が直接言語を教えて大事に育ててきた民族であるからだ。
・時あたかも「青き昴」を呑み込もうとする暗雲がプレアデスに迫っていた。
敵であるカシオペア連合軍は、4000年前に起きた第一次カシオペア戦争において事実上の敗戦を喫したため、陣営を組み直し、虎視眈々と領土の挽回を狙い、今日まで戦争のための準備をしてきていた。
・第一次カシオペア戦争からの4000年間、表向きには、両連合国間に明白な決着はついていなかった。というのも前回の戦いではカシオペア側の一方的な譲歩退却で終わっていたためである。今回の戦争――のちに第二次カシオペア戦争と呼ばれるこの戦争こそ、両雄の軍配を決定する総力戦だった。
・その昔、カシオペア連合軍からの技術提供で宇宙船を開発できたプレアデス連合だったが、以来カシオペアの威圧的な態度や、高額な上納金には苦汁を舐めさせられた。
<壮絶な戦い>
・プレアデス連合軍は、アルデバランを中核とした半径300光年以内の近隣諸国の連合体であり、元々は重水素ガス採集の協同組合を原点として出発し、最初期のメンバー(第1位のメンバー)は「ニーフ星人」「ビーウベ星人」「ズエナ星人」「ヌアゼ星人」「リーケフ星人」「ニオイヨ星人」というアルデバランを加えた7カ国からスタートした連合国だった。
その後、プレアデス連合国からの技術援助を受けて、新たに連合に参加してきたのが第2位のメンバーである8カ国「ノーズエ星人」「バイヌ星人」「ヒアイア星人」「ズーエヌエ星人」「フイリ星人」「ヒエル星人」「ギエグオ星人」「ヘヌウエギ星人」というグループだった。
第一次カシオペア戦争ではこれらの14カ国とアルデバランが協力し合って戦争に勝利したことになる。
・プレアデス連合軍とカシオペア連合軍による因縁の戦いは、また同時に、銀河の二大勢力による「初代銀河ファラ王の王座」をかけた戦いであった。
ゆえに、如来のシヴァ神や、創造主のセザナ神がプレアデス連合軍またはカシオペア連合軍どちらかの肩をもつ(人間間の戦争に神力を発動する)とは思われがたく、人間の力のみで戦いに勝ったほうは神々一致で軍配を上げると考えられた。
<銀河ファラ王>
・プレアデス連合国はその後、カシオペア連合国(43民族)を属州化して新プレアデス連合王国を打ち立て、銀河系の5分の1に及ぶ民族を統一するに至った。
アルデバラン皇帝(第312代皇帝ネーゲ)は、創造主セザナ神からその功績が讃えられて「初代銀河ファラ王」の称号を授与され帝冠するに至った。
と同時に、プレアデス連合国は、聖地「地球」を守護する「聖地守備隊」の名誉も賜り、創造主のお膝元に直接軍隊を派遣することが許可された。
そしていまから48万2000年前、150機(6000人)のプレアデス艦隊が「地球」に飛来して、当時のムー大陸に最初に降り立った。
・そこで創造主はプレアデス・アルデバランで死亡した一般の霊魂体(5万人)を地球へ移籍させて、これらの者達を南米の訓練所で教育し、地球神や太陽神として神界に仕えさせる作業を行った。
太陽天使界の神々(ガブリエル神、ザハリエル神、ミカエル神など)も当時の神々であれば、また地球神(スゲ神やケゴ神)の帝釈天や大黒天や弁財天なども当時の神々であって、さらに地下神(チオ神「魔界神」)や迦楼羅(かるら)王(天狗【魔界の門番】)なども当時のプレアデスの神々だった。
プレアデスの聖地守備隊は48万2000年前から活動を開始し、そこから12万3000年前までの約36万年にわたり地球人の啓蒙教育に関わった。まさに地球人はプレアデスの神々によって育てられたといっても過言ではないのである。
<天秤座討伐>
・天の川銀河内を飛行するための条件
・生存したまま宇宙空間に出るために必要なこと
・本格的な宇宙時代をもたらした画期的技術の登場
<宇宙飛行の条件>
・地球ではほぼ知られていないことに、天の川銀河内を飛行する宇宙飛行士(銀河戦士)になるための銀河系内共通の条件がある。それは「実年齢が満32歳以上の男女で、銀河同会(解脱)を果たした者のみ」というものである。
<科学技術の発達>
・神々を介して創造主から伝授される科学情報、これは歴代の「人間王国の科学知識」であり、過去世(銀河史上における過去)の宇宙では実際に使用されてきた技術であるが、その啓示を受け取った今世の人類が、具体的にどう現実化していくのか、それが民族の命運を分ける鍵となる。
・このエンジンと半重力装置は、さまざまな乗り物に利用されることになり、おかげでテニネ社会が一変してしまう。つまり空を飛ぶ列車や自動車やオートバイの出現が、それまでの社会構造を大きく変えてしまったのである。
・エネルギー供給の面では、対電子チューブを活用した革命的な発明「小型発電器」の発明に結びついた。これは数百年もの長い寿命を誇る直流発電機である。このコンパクトな発電器は従来の電気概念を打ち破り、宇宙船のみならず、ありとあらゆる産業で活用された。
・これは多民族からみれば依怙贔屓とも思える特別伝授の話だが、いまから45万年前、小型発電器には困っていなかったプレアデスは、小物の電池やバッテリーなどの充電寿命には困っていた。そこでセザナ神が特別伝授したのが、いわゆる万年電池(電池寿命は約30年間)であるところの「天体発電器(AGS電池)」だった。
・創造主が保有する科学知識とは創造主自身が開発したものではなく、過去世の人間達が開発してきた科学知識の集大成を保管したものであり、それを民族機根の発達度にしたがって段階的に人類に教えているにすぎない。本を正せば、前宇宙の人間達が開発してきた伝統の知識であり、祖先の賜物である。早い話が今世の宇宙技術とは過去世のルネッサンス(復興再現)なのだ。そのように考えれば、いかにアンポンタンな地球人でも、祖先の真似ぐらいはできるのではないかと思われる。
<リブラ連合の平定>
・時は初代銀河ファラ王(ネーゲ)の時代から、彼の孫にあたる第3代銀河ファラ王(第314代アルデバラン皇帝ゲーオ)の時代に移る。
第二次カシオペア戦争後、着々と勢力を拡大していったプレアデス連合軍は、テニネ民族の哲学にのっとり、この天の川銀河を紳士的・民主的に統治すべく「新銀河連合」を名乗っていた。
この新銀河連合に属さず、独自にその活動を営む文明エリアが2カ所あった。天秤座のリブラ連合(22部族)と、小熊座(北極星)のポラリス連合(イーオイア連合17部族)である。
創造主セザナ神からは「これらの民族に対しても啓蒙誘導と技術提供をするように」との勅命を受けていた新銀河連合であったが、いささか反抗的なリブラ連合軍の行動に悩んでいた。
・会議から戻った特使の報告を聞いた銀河ファラ王ゲーオは、ヒオル如来(天照神)に相談した。「創造主セザナ神に、リベラ連合国が賛同しない旨を伝えてほしい」と。
しかし対するヒオル神の返答は「それは止めたほうがよい」という忠告だった。“荒くれの大王”セザナ神にそんな報告をしたら、いったい何をしでかすか見当もつかない。「いますぐ戦争だ」と言うに決まっている。それにリベラ連合内に肯定派が8カ国もあるのに、それを力でねじ潰すのは新銀河連合の汚名となり、長い目で見れば、それは得策ではない、というのが、ヒオル神の下した判断だった。
ところでプレアデス連合(新銀河連合)の特使の名は、アルデバラン人のグヒエラ=マウという。彼は非常に賢い男性であり、ヒオル神が推奨した人物であった。地球人でたとえれば三国志に登場する「諸葛孔明」のような人物で、その聡明さには定評があった。
・グヒエラ=マウの正式名称は「アモーガヒッディ・グヒエラ=マウ・ヘーイミギイ」、晩年に如来界解脱を果たした彼は小宇宙界に同会し、「不空成就如来」として神界に名を残した。不空成就とは「何事も漏らさずに確実にやり遂げる」の意味である。
<銀河開拓>
・プレアデス連合から銀河連合へ――その黄金期の始まり
・創造主特別区「龍神島」
・地球の運動寿命
・プレアデスから最も恩恵を受けた地球人
<神々のテリトリー>
・プレアデス連合(新銀河連合)が天秤座のリブラ連合を平定してから、天の川銀河系には、新銀河連合より他に、大規模な軍隊を有した攻撃的な連合国がいなくなった。そのためプレアデス連合は、単に「銀河連合」と呼ばれるようになる。
また連動するように神界の様相も変わりはじめた。プレアデス系の神々が神界の上位支配権をとりはじめ、下位の神々が勝手な行動をとらないように統制を強めていった。
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