2040年までの間に起きる可能性が高いといわれているのが、「南海トラフ地震」「首都直下地震」「富士山の噴火」です。(1)
(2025/3/31)
『池上彰の未来予測 after 2040』
池上彰 主婦の友社 2024/7/2
未来を予測することで人は変化に対する心構えや準備ができます
< 未来を考えるための今と昔の話>
<たった16年で社会は大きく変わる>
・しかしその想像も、今までの日本の雇用形態が16年後も維持されていればの話です。終身雇用制、定年制、新卒一括採用などは、今後どんどん見直しが進むでしょう。
2040年の日本は、これまでの私たちの経験からくる想像が、まったく通用しない未来を迎えているかもしれません。
<世界的なデジタル化に乗り遅れた残念な日本>
・日本の電機メーカーは、高度経済成長期以降の成功体験にとらわれている間に、世界的なIT化・デジタル化の波に乗り遅れてしまったのです。
<現在の日本企業の経営者は高齢の男性ばかり>
・多くの日本企業のように、60歳前後のITに疎いおじさんがトップにいれば、そして経営陣もおじさんばかりで女性や若者が少なければ、その業績が停滞して落ち込んでいくばかりというのは当然でしょう。
<時代に取り残される人たちの特徴>
・時代の変化に取り残されてしまう人と、取り残されずにスムーズに順応できる人の違いは、好奇心があるかどうかです。
・そういう意味で、時代に取り残されないためには、できる限り多様な人間関係を構築し、社会との接点を維持し続けることも大切だといえます。
<「フェーズが変わる」未来予測の難しさ>
・フェーズが変化する前には、実はすでに、その兆しは世の中に表れています。
よく目を凝らしてその兆しを見つけることと、それが一般に受け入れられるものかどうかを見極めることが、未来予測のポイントになります。
<経済に関する未来予測は難しい>
・そうしたフェーズの変化に加えてもうひとつ、私は経済に関する未来予測が、非常に難しいと感じています。
・日銀は今年の春闘の賃上げ状況を見極めて金融緩和政策を修正。金利がある社会に戻ろうとしています。日本経済が、平成の「失われた30年」からようやく脱出しようとしているのです。
< 仕事編 ~未来でも必要とされる人となるために~>
<AIは私たちの仕事を脅かすのか?>
<チャットGPTは脅威ではない! 「優秀なアシスタント」になる>
・生成AIは、ありきたりな質問をするとありきたりな答えしか返ってきません。質問の仕方によって答えがまったく変わってくるため、人間側が「良き問いを立てる」ことが活用のポイントです。
<生成AIの普及により労働者の8割は業務に影響が出る>
・参入障壁や賃金が高いホワイトカラーであっても、職種によっては大きな影響が出る見込みです。
<AIにより若手が育たなくなる>
・一方で、AIで翻訳ができるようになり人間の翻訳家や通訳はいらないという話になると、外国語大学や外国語学部への進学希望者が減るのではないかという点は懸念されます。
・これは翻訳家に限らず、さまざまな分野で、AI導入における将来的な問題点となるでしょう。AIによって学生や若手の成長機会が奪われていくと、その分野の仕事の1から10までをわかっているような人材が育たなくなる、AIを開発・改善できるような高度な知識を持つ人材がいなくなる、という事態に陥ってしまうというわけです。
<単純作業の仕事は、これからどんどんなくなっていく>
・長年誇りを持ってやってきた仕事がなくなる人にとっては、2040年には暗い未来が待っていると思えるかもしれません。しかしそういうときは思い切って好奇心を持って、新しい仕事に挑戦するしかありません。
<未来を考えるための今の話 AIに取って代わられないエッセンシャルワーカー>
・2040年、AIの導入や機械化がより進んだ未来こそ、人間には人間の感情に関わる部分の仕事が残り、それがより大切になっていくわけです。
<IT系の仕事をしたい人が第一次産業に従事するようになる>
・第一次産業は、意外と今後、AIが業務を代替していく分野です。
・コンピューターやゲームが好きな子は、これまでシステムエンジニアやゲームを目指す、というのが定番でしたが、今後は農機メーカーや養殖業などの意外なAI活用企業に、そういう子たちが就職していくようになるかもしれません。
<AIトレーナーや、「AI×衣食住」という新しい仕事が増える>
・しかしこのプロンプトエンジニアという職業も、2040年には消えているとみる人もいます。今後増えていくのは、企業ごとの専門知識や個性を身につけた「最適な」生成AIを作っていく「AIトレーナー」という仕事だそうです。
<未来を考えるための今の話 35年前の時価総額ランキングを振り返る>
・1989年の「世界時価総額ランキングトップ50」では、1位のNTTを筆頭に、日本企業が多くを占めていました。
<「ものづくり幻想」から脱却できないうちは世界時価総額ランキングに入ることはない>
・2040年に、「世界時価総額ランキングトップ50」に日本企業が入れるかというと、まず無理でしょう。
<日本の自動車メーカーは車体やモーターなどの部品を作る下請け企業になる>
・2040年に向け、日本の自動車メーカーはEVへの巻き返しを図らないといけません。
<日本のアニメやマンガも中国の下請けに>
・中国の人口は日本の10倍以上なわけですから、才能のあるクリエイターも日本の10倍以上はいる、と考えたほうがいいのです。
<雇用形態が大きく変わり、退職金制度もなくなる>
・これは皮肉なことですが、退職金がないことで、「窓際族」を生まず、社員の転職も多い、人材流動性の高い職場になっているといえます。
<プロジェクト型雇用が広がる>
・やりやすいのは、職階はともかく業務ごとにプロジェクトチームを作り、そのプロジェクトに関して能力のある人がチームリーダーになる、という形でしょう。
<企業側が優秀な人材から選ばれる時代に>
・プロジェクト型雇用になれば、毎度毎度、プロジェクトを立ち上げるたびに優秀な人を集めてくる必要がありますから、企業側は優秀な人たちに選ばれる企業になるために、自社の魅力を追求し、言語化しておくべきでしょう。
<未来を考えるための今の話 過度期におけるリスキリング>
・変化の激しい世の中で、リストラに怯えたり、若い世代についていけないと悩んだりせず、働き続け、稼ぐことのできる人間でいられるかどうか、その分岐点が、リスキリングにあるといえます。
<未来を考えるための今の話 社会人が大学院で「学び直し」しやすくなっている>
・大学院でさまざまな業種の社会人たちと知り合うことで、学生たちは視野や人脈がぐんと広がり、その後の就職などの人生に生きてくるというわけです。
<池上彰が明るい未来、暗い未来を大胆予想! 仕事編>
【暗い未来】 人手不足が深刻化し、さまざまな分野で社会が機能しなくなる。特にエッセンシャルワーカーの人手が足りず、物流が滞り、第一次産業が廃れるなど、人々の社会生活はどんどん不便になっていく。
【明るい未来】 AIの導入により、業務はある程度淘汰されるが、全体的に生産性が向上。人々のワークライフバランスも良くなり、リスキリングをする時間的ゆとりも生まれる。
<教育編~未来を生きるわが子に必要なこと~>
<学校教育の変化は子どもたちの未来にどう影響していくのだろうか?>
<通信制高校に通う生徒が急増! オンライン教育は当たり前に>
・通信制高校の生徒数が増えている背景には、通信制高校の数自体が増えていることも挙げられます。03年に規制緩和で株式会社による学校設置が認められたことで、00年の44校から21年には183校と、4倍以上に激増しました。
<未来を考えるための今の話 現在の学校制度が万能なわけではない>
・浮きこぼれの子が、学校に通う意味を見出せずに不登校になってしまうケースもあるため、その場合もフリースクールや通信制高校のほうが通いやすいかもしれません。
<未来を考えるための今の話 「浮きこぼれ」の才能を生かしきれない現在の日本の教育>
・海外では、浮きこぼれの子どもはどんどん「飛び級」をすることができます。
・日本では、海外のような大幅な飛び級はまだできません。
<未来を考えるための今の話 「コミュ力」を鍛える場は必要>
・なぜなら、学校は勉強をするためだけに行く場所なのではなく、人とのコミュニケーションを学ぶ場でもあるからです。
<いつの時代も子どもは遊びを通して人間力を学ぶ>
・今の子どもたちは、2040年に向けて「人間力を生かした働き方」ができる人になるべきです。AIに仕事を奪われない人は、人間力のある人だからです。
<2040年に働き盛りとなる今の子どもたちに必要なのは幅広い教養>
・大人になっても必要な「教養」は軽視せず、学べる機会に、自ら積極的に学んでほしいものです。
<高校まで義務教育化し無償にしないと教育分野の未来は暗い>
・少子高齢化が進む日本を背負う子どもたちへ平等に投資するという観点で、高校までは義務教育にし、授業料は世帯年収にかかわらず一律無償化すべきでしょう。
<未来を考えるための今の話 変化しつつある日本の教育現場>
・2040年には、日本の社会人の多くがディスカッションを得意としているかもしれませんね。
<教員不足で自治体ごとに「教育格差」が生まれる>
・しかし今すでに、教員不足が大きな問題になっています。
<未来を考えるための今の話 フィンランドの教員は教えることだけに専念>
・教員不足を解消し、教員の質を担保するためにも、2040年に向けて教員を人気の職業にしなければいけません。
<都市部では親の所得による教育格差が進む>
・東京都ではますます、親の所得による教育格差が拡がりつつあります。
<2040年、教育格差により日本は階級社会になる>
・つまり親の経済力の格差が、子どもの教育格差に直結する。日本が格差社会、階級社会になってしまいます。
<教える側の「ICT教育格差」も広がる>
・子どもたちは「デジタルネイティブ」世代でデジタル機器に慣れていますが、教員によっては慣れていない、ついていけないという人もいます。
<家庭の経済状況による「ICT教育格差」も広がる>
・またICT教育格差は、家庭の経済状況によっても生じています。
<デジタル教科書の導入、2032年にはすべての書籍が電子ブックに>
「全ての書籍が電子ブックとなる:科学技術的実現時期2028年、社会的実現時期2032年」
<未来を考えるための今の話 低学歴社会日本>
・日本はどんどん「低学歴国」になっている、という指摘があります。
<未来を考えるための今の話 日本のリベラルアーツは不十分>
・日本の大学は、リベラルアーツ教育が不十分という指摘もあります。
<奨学金問題の解決には国公立大学の無償化しかない>
・大学の年間授業料と入学料の合計平均は、2023年度で国立が約82万円、私立は約120万円です。この30数年間で、国立は2倍、私立は1.6倍になりました。
・日本も少なくとも国公立大学は、無償化すべきでしょう。
<未来を考えるための今の話 日本の教育政策は中途半端>
・日本の大学の学費がアメリカほどは高額でないのは、国民の税金を「私学助成金」という形で私立大学に相当つぎ込んでいるからです。
<Fラン大学は淘汰され専門職大学は増える>
・一方で今、専門学校が「専門職大学」としてどんどん大学化されています。
<2040年に向け導入すべき大学生の質を担保する「高卒検定」>
・そこで、高校卒業資格検定試験に合格して初めて「高卒」になれるという仕組みを導入し、高校までみんなきちんと勉強するようにすべきだと思うのです。
<池上彰が明るい未来、暗い未来を大胆予想! ……教育編>
【暗い未来】 優秀な日本人学生は、「東大や京大に入ったって、研究費もその後のポストも不十分で、自分の望む研究はできない」と日本の大学を選らばなくなっている。
【明るい未来】 高校も大学も学費が無料なので、家庭の経済状況がどんな人であっても、学ぶ意欲のある人がみんな自分の希望の学校に進学し、目を輝かせて学んでいる。
< 自然災害編 ~災害大国日本で生き残るために~>
<日本は大丈夫なのだろうか?>
<未来を考えるための今の話 人間の経済活動によって地球が「沸騰」しているのは明らか>
・「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」
<ヨーロッパはいずれ寒冷化する恐れがある>
・南から暖流が届かなくなることでヨーロッパが急激に寒冷化する、と専門家たちは恐れているのです。
<日本では渇水と大雨災害という相対するリスクが同時に高まる>
・日本における気候変動の影響として、大雨や短時間強雨の発生頻度の増加が挙げられます。それに伴って、土砂災害の発生件数も増加傾向にあります。
・地球の7割は海に覆われています。地球沸騰という気候変動による海水温の上昇が、線状降水帯をはじめとした大雨の問題をもたらしているのです。
<「スーパー台風」が毎年のように日本を襲う>
・さらに気候変動によって、中心気圧の低い強い台風、いわゆる「スーパー台風」が日本に接近する頻度も増加するとみられています。
<遊水地を住宅地として開発してきた結果、大雨や洪水の被害が増大>
・内水氾濫のハザードマップは、2025年末までに整備をしようと全国の自治体が現在作成中です。
<夏の甲子園はなくなり夏は日没後に外出する生活になる ⁉>
・このまま地球が「沸騰」し続ければ、日本でもドバイのような夏の生活を送ることになる可能性もありそうです。
<食料の最適な産地は南から北へ>
・日本だけでなく世界的にも、食料の最適な産地が北へ北へと動き始めている現実があるのです。
<蚊の危険性が高まり感染症が拡大する>
・今の日本では実感が湧きませんが、世界中で最も人間を殺している生き物は、実は蚊なのです。
・日本のようにこれまで感染者がほとんどいなかった地域にも、デング熱やマラリアなどの感染症が拡大すると危惧されています。
<デング熱を媒介する蚊が2100年には北海道まで拡大>
・つまりWHOの警鐘のとおりデング熱が世界規模で拡大した場合には、日本全国がデング熱の脅威にさらされるのです。
<気候変動により蚊が強敵にはなるが技術も進む>
・マラリアの2021年の感染者は世界で2憶4700万人、死者は61万9000人に上っており、特にアフリカの幼い子どもが亡くなっている病気です。
・アメリカでは、遺伝子改変した蚊を野外に放つ実験も進んでいます。
<林業が衰退することで日本でも森林火災が頻発する>
・こうした森林火災により、世界では年間800万ヘクタール以上、東京都の約40倍にあたる面積の森林が焼失しています。
・2040年に向けて林業がこのまま衰退してしまうと、日本も森林火災が頻発してしまうことになるかもしれません。
<世界の水を巡る紛争が増える>
・日本は川が多く水が豊富な国ですが、世界的には水を巡る紛争が増えつつあります。
・2023年に戦争が起きてしまったイスラエルとパレスチナ、さらにヨルダンは、実は長年水争いをしてきた関係でもあります。
・こうした「水を巡る紛争」は、気候変動によって今後世界中で頻発してしまう恐れがあります。
<未来を考えるための今の話 1からわかる「パリ協定」>
・民主党が気候変動対策を進めようとすると、それに対する反発で、共和党の大統領候補が当選する確率が高くなってしまう。これが今のアメリカの抱えるジレンマです。
<気候変動対策に積極的になると自動車業界で80万人の雇用が失われる ⁉>
・そのためこれから電気自動車を推進してガソリンエンジンが不要になると、日本全体で80万人の雇用が失われてしまう。これが日本経済にどれだけの打撃を与えるか、経産省は恐れているのです。
<「水素エンジン車」が日本の自動車業界のカギを握る>
・世界では現在、ガソリン車から電気自動車への転換が進んでいますが、トヨタが水素エンジン車の分野で世界の主導権を握ることができれば、日本経済の成長にもつながるかもしれません。
<原発事故の後始末は2050年代まで続く>
・この海洋放出も、完了するまでには30年程度かかるとされています。つまり2050年代まで、原発事故後の処理作業は続くのです。
<先送りされてきた原発の「使用済み核燃料」問題>
・原発は、事故を起こさなかったとしても、そもそも大きな課題を抱えています。「使用済み核燃料」と「核のゴミ」をどうするのかという問題です。
<八方ふさがりの状態が続く原発「核のゴミ」問題>
・つまり遅くとも2045年までに青森県外で最終処分場を稼働させなければならないのですが、まだ建設場所も決まっていません。
・そう考えると、日本には最終処分に適した土地はほとんどなく、きわめて難しいはずです。
<2047年までに廃炉にしなければならない「夢の原子炉」>
・そしてその廃炉には、30年もかかるといわれています。
<明るい未来は「脱原発」できるかにかかっている>
・反対に暗い未来は、原子力発電所を操業する間にどんどん使用済み核燃料や核のゴミが溜まっていき、処分もできないまま四苦八苦してどうしようもない状態になる、というものです。
<フィルム状で柔軟性に優れた太陽光パネルが登場 ⁉>
・太陽光パネルの寿命は20年から30年ですから、つまりこれから2040年に向けて、寿命を迎えて廃業される太陽光パネルが大量に出てくると予想されています。
<未来を考えるための今の話 電気代の高騰はウクライナ危機によるものだけではない>
・2022年から23年にかけては、電気料金の高騰が家計を苦しめました。主な要因は燃料価格の高騰です。
<2040年までに「南海トラフ地震」「首都直下地震」「富士山の噴火」が発生する>
・日本で生活する以上、避けられないのが地震です。日本は地震多発国であり、世界で起きているマグニチュード6以上の地震の約2割が日本で起きています。
・2040年までの間に起きる可能性が高いといわれているのが、「南海トラフ地震」「首都直下地震」「富士山の噴火」です。
<3つの地震が同時に起こる可能性はきわめて低いが安全のために経済活動は麻痺する>
・この東日本大震災の反省から、南海トラフに関しても、東海地震、東南海地震、南海地震の3つが個別に起きるだけではなく、同時に起きることも想定しなければいけないと考えられるようになりました。
<未来を考えるための今の話 鉄道や道路は地震を想定した対策が進んでいる>
・行政は、地震が起きた際のさまざまな対策を日頃から進めています。東京都の場合は、首都直下地震で大勢の犠牲者が出たら遺体の埋葬が間に合わない、そのときは皇居東御苑や日比谷公園、代々木公園を仮埋葬所としてとりあえず遺体を土葬する、といった計画も立てています。
<富士山は必ず噴火する>
・富士山も必ず噴火するといわれています。それがいつになるのかは正確にはわかりませんが、研究や観測が進められています。
<未来を考えるための今の話 富士山噴火の歴史>
・記録に残っている最も古い噴火は奈良時代末期の781年で、平安時代にも6度ほど噴火したと見られています。
<溶岩流は小田原市まで到達する可能性も!>
・こうした最新の研究結果や、より精緻な地形データを用いて、国は2021年に「富士山ハザードマップ」を17年ぶりに改定し、火炎流や溶岩流の到達範囲が見直されました。
<火山灰の影響によりインフラ機能がダウン>
・国の検討会のシミュレーションでは、富士山の噴火で都内では火山灰が最大10㎝積もり、3時間ほどで首都機能が麻痺する恐れがあるとされています。
<「防災の無人化」は進む>
・救助活動をする人たちの安全を守り、人手不足を補うために、「防災の無人化」も進められています。
<池上彰が明るい未来、暗い未来を大胆予想! ……自然災害編>
【暗い未来】 原子力発電所を操業する間に、どんどん使用済み核燃料や核のゴミが溜まっていき、処分もできないまま四苦八苦。
【明るい未来】 水害や震災は起きるが、迅速な避難で人的被害は出ず、自治体などの避難所にも十分な備蓄があり、混乱も起きない未来。
<暮らし編 ~経済・少子高齢化は、改善されるのか?~>
<どうしてこんなに物価が上昇したのか?>
<未来を考えるための今の話 コロナ、需給バランスの乱れ、ウクライナ侵攻……世界的な物価上昇の理由>
・2021年から22年にかけて、世界的な物価上昇が起きました。その理由は3つあります。
1つ目は、新型コロナウイルスへの感染をみんなが恐れなくなった。
・2つめの理由は、そうして需要が急激に生まれたことによって供給のほうが追い付かなくなったからです。
・3つ目は、2022年2月に起きたロシアによるウクライナへの軍事侵攻で、石油が値上がりしたからです。
・ここまでの3つの要因が、世界的な物価高騰、インフレーションが起きた理由です。そして日本の場合は、独自の4つ目の理由があります。「円安によって、輸入品の値段が上がっている」というものです。
<庶民の家計が苦しくなるという犠牲の上に、大企業が儲かる仕組みは続く>
・今の円安は、日米の金利差によって生まれたものです。
・110円くらいなら、輸出産業には損害が出ないし、輸入産業は物価上昇に歯止めがかかるというわけです。
<インバウンドは今後も推進されるが、オーバーツーリズム問題の解決が必要>
・こうしたオーバーツーリズム問題は、今後2040年に向けて知恵を絞って解消していかなければなりません。
<円安になればなるほど、円安がさらに加速してしまう>
・円安を止めるためには、10年以上続けてきた金融緩和を日銀がやめる必要がありました。
<値上げ→賃上げの循環が必要>
・平成の約30年間は日本の景気が悪く、賃金が上がりませんでした。1991年を100としたとき、日本は2020年もほぼ同様の賃金水準になっています。一方、アメリカやイギリスは、同じ30年間で250以上にまで、ドイツも200ほどにまで上昇しました。先進国の中で、日本だけがいつまでも賃金がまったく上がらず取り残されているという異常な状況です。
<GDPは豊かさの指標ではなくなる>
・こういう潮流を受けて、今後日本をはじめとした先進国では、「GDP」という概念の抜本的な見直しが一段と進むと思います。
・またアメリカは医療費がとてつもなく高くつきます。アメリカで虫垂炎になると、手術に100万円ほどかかるわけです。その手術費用も、全部GDPに上乗せされていくのです。
<企業側の「もしもに対する不安」と従業員側の「仲間を大切に」が賃上げを阻んでいる>
・賃上げを取って、失業率の高い厳しい競争社会を受け入れるのか。賃金を諦めて、みんなで仲良く沈んでいく社会のままでいくのか。それを選択せざるを得ないときが、日本には迫っています。
<2040年の競争社会は少子化をますます加速させる>
・時代の流れとしては、厳しい競争社会のほうに向かっています。
・こうした「アメリカっぽい」実力主義社会が、日本でも少しずつ展開されつつあります。今の子どもたちが大人になる2040年には、さらに厳しい競争社会が到来しているかもしれません。
<金利が上がると国債が返済できなくなる>
・だから日銀も、金利を上げることには慎重にならざるを得ないのです。
<未来を考えるための今の話 「モダン・マネタリー・セオリー」というトンデモ理論>
・しかしこのMMTは、日本の主流派の経済学者たちにとっては、信頼のできない「トンデモ理論」と受け止められています。
・MMTは要するに、「やって見なければわからない理論」です。
<日本は今のところデフォルトしない>
・個人保有の金融資産が、国の借金を上回っている限りは大丈夫です。
<日本は財政が破綻し、国家予算も組めなくなる>
・今日本政府は、国債をせっせと外国に買ってもらっています。
<未来を考えるための今の話 日本は中福祉・低負担>
・日本の財政がこれほど赤字なのは、日本という国が「中福祉・低負担」の国になっているからです。
・日本の消費税が10パーセントというのは、世界の先進国ではとても低い水準です。
<ベーシックインカムは、やってみないとわからない>
・ベーシックインカムを実際に本格導入する国は、2040年までに出てくるのでしょうか。今はまだ、各国ともにためらいがあるようです。
<労働者不足で、夫婦共働きが今以上に必須に!>
・2040年、日本が避けて通れない問題が、少子高齢化とそれに伴う人口減少です。
・人口ボーナス期から人口オーナスに転換しているのが、今の日本です。
<「女性は家にいて扶養されるべき」「家事・育児に専念」は完全に過去のものに>
・こうした状況が長く続いたのは、やはり日本の政治の世界が男ばかりに占められてきたからでしょう。女性がもっと政治の世界に出ていかなければ、世の中はより良く変わらないということです。
<「ケア」を誰が担うのか>
・女性が正規雇用などでしっかりと稼ぐためには、この「家族のケアを誰が担うのか」という問題を、構造的に解決しなければなりません。
<結局は「フレキシブルに働ける環境」が正解>
・ケアを外注できないとなると、親が子育てにしっかりと時間を割きつつ、フルタイムで働けるような仕事環境が必要だといえます。
<IoT住宅が普及する一方、「ていねいな暮らし」にこだわる人も>
・IoT住宅とは、家電や設備などの「モノ」がインターネットにつながった住宅のことです。
・IoT住宅以上の性能をもつ「インテリジェントハウス」も登場しています。
<2040年に向けジェンダーギャップ指数・クオータ制のススメ>
・世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダーギャップ指数は、日本は世界146カ国中125位(2023年度)です。
・これを改善し女性の政治家や管理職を増やすには、やはり最初は「クオータ制」の導入が必要だと思います。クオータ制とは、一定の比率で男女の人数を割り当てる制度のことです。
・政治におけるクオータ制は、現在約120の国・地域で採用されています。採用していない日本は少数派といえます。
<婚外子や同性婚など多様な家族の形を認めれば、出生率は上げられる ⁉>
・先進国の少子化が進む中、フランスが20世紀末から出生率を回復させてきたのは有名です。
フランスではPACS(連帯市民協約)という、結婚よりも簡易に成人2人が世帯をつくることができる制度が1999年にできました。
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