トヨタの会議は30分が基本。30分会議を励行することで、年間2カ月分の勤務時間を捻出できる。(1)
(2025/4/7)
『ビジネス書大全』
一生モノの仕事力が身につく名著100冊を1冊にまとめてみた
本の要約サービスflier編集部 新潮社 2024/11/20
<はじめに>
・世の中では年間1万冊の新しいビジネス書が刊行されています。
・flierは、ビジネス書を中心とした本の内容を「1冊10分」に要約し、スキマ時間を活用してアプリやWEBで閲覧できるサービスです。
・各出版社の協力を得て要約で紹介してきた本は約3700冊におよびます。
<コミュニケーション>
<『1分で話せ』 「人を動かす」プレゼン>
要点1:プレゼンの目的は「人を動かす」ことにある。「理解してもらう」ことや「きれいに話す」ことはゴールではない。
要点2:聞き手を具体的にイメージし、その人たちの反応を想像しながらプレゼンの準備を進める。準備とは、話す内容や言葉遣い、話し方などを考えていくことだ。
要点3:プレゼンにおける「結論」とは、「相手をどこに動かすか」である。
要点4:プレゼンのロジックは1つの結論と、それを支える3つの根拠のピラミッドで作る。
要点5:ロジックで左脳に、イメージで右脳に働きかけることで、相手の気持ちを動かす。
<『人は話し方が9割』 日常のコミュニケーションをワンランク上に>
要点1:コミュニケーションがうまい人は、「拡張話法」を使っている。拡張話法は、感嘆→反復→共感→称賛→質問の5ステップで相手の話を広げるテクニックだ。このテクニックを使えば、相手は気分をよくし、次々と話を展開させていく。
要点2:話題がないなら、無理に話す必要はない。それよりも、話しやすい人と話して会話力を高めよう。
要点3:「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」の「4Dワード」を口にする人、つっこんだ男女関係や下ネタを話す人、相手の話を奪う人は嫌われる。
<『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』 あなたの価値を周囲が認める説明術>
要点1:説明する前に「相手」と「目的」を確認しよう。そうすれば、相手の期待に応えやすくなる。
要点2:ビジネスの場では、数字を使って説明するのが鉄則だ。使える数字がない場合は、「仮説思考」を活用する。ここでの仮説思考とは、手元のデータを分析して仮説を導き出すことである。
要点3:話が長いと言われる人は、「抽象から具体へ」の流れで話すとよい。
<『頭のいい人が話す前に考えていること』 相手の承認欲求を満たす側に回れ>
要点1:あなたの頭のよさを決めるのは他者だ。「頭のいい人」と認められれば、話を聞いてもらいやすくなるだけでなく、自分の希望が通りやすくなる。
要点2:コミュニケーションがうまい人は、自分の承認欲求を抑制し、他者の承認欲求を満たすことに注力している。
要点3:「成り立ちを知ること」は、その対象を深く考えたり、新しいアイデアを出したりするためのヒントになる。
<『聞き方の一流、二流、三流』 相手ファーストが聞き上手の極意>
要点1:三流はなんとなく聞き、二流は「自分」に意識を向けて聞き、一流は相手に意識を向けた状態の「第二ポジション」で聞く。相手の話を聞くときは、自分のことを考えるのではなく、相手に意識を向けよう。
要点2:意見を言うとき、三流は相手より先に言い、二流は相手と同時に言い、一流は常に後出しをする。相手のニーズを聞いてから、要望に合わせた提案を口にするのが一流だ。
要点3:三流は話泥棒をし、二流は質問をして、一流はオウム返しして待つ。相手が話している間は、言いたいことがあってもグッとこらえるべきだ。そうすれば、相手が自分の話したいことを気持ちよく話してくれやすくなる。
<『説明の一流、二流、三流』 「結論から話す」だけが正解ではない>
要点1:何かを説明する際、三流は思いついたまま話し、二流はモレなくダブリなく話し、一流は大胆に削って最も重要なポイントのみを話す。
要点2:相手に協力を求めるとき、一流は「目的」と「個人への関係性」を伝える。この2つが重なってこそ、行動を促せる。
要点3:リモート会議では、対面の場に比べて圧倒的に相手の情報が不足している。そのため一流は、冒頭で挨拶に続けて軽い質問をして相手の反応を見てから、その後の展開を決めている。
<『世界最高の話し方』 エモロジカルな話し方を身につける>
要点1:人は自分の聞きたい情報だけを受け入れるものだ。正論やファクトを振りかざしても、相手の心は動かせない。
要点2:簡潔に要点を伝えるには、(1)言いたいことを全部出す、(2)出した中から「心が動く言葉」をピックアップする、(3)13文字程度に「たたむ」という3つのステップを踏むとよい。
要点3:「論理」と「感情」の両輪を使った「エモロジカル」な話し方をすれば、簡単に人を動かすことができる。重要なのは、絵を見せるように話すことだ。
<習慣>
<『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』 デキる社員の共通項は5つ>
要点1:多くの社員は目の前の作業を終わらせることで満足感を得るが、トップの「5%社員」は作業の結果、成果が表れたときに満足感を得る。
要点2:「5%社員」は、意思決定を行う会議の最後ではアクションを決めなければならないと知っている。だから「〇〇をしよう」「〇〇をやってみよう」というレッツの言葉で会議を諦める傾向にある。
要点3:「5%社員」は、多忙の中でも、2週間に1回、15分程度は自分自身を振り返る時間を持つ。
<『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』 頭のいい人の習慣を取りいれる>
要点1:「頭のいい人」の中には、あえて空気を読まず自分を貫く人も多くいる。自分の苦手分野の仕事まで抱え込もうとせず、得意な人の力をうまく借りて、お互いにプラスになるように導くのが上手だ。
要点2:仕事や勉強のスケジュールを立てるときには、目標達成までの制限時間を設けるのがよい。「やらないことリスト」をつくり、やるべきことに集中するのも効果的だ。
要点3:「集中力を身につける」という発想は捨て、集中できる環境を整えることを心がけよう。目や耳から入る情報を排除したり、「快適さ」に配慮したりするのがポイントだ。
<『精神科医が教える 毎日を楽しめる人の考え方』 遊び方を極めて幸せになる>
要点1:本書における「遊び」の定義は「仕事以外の楽しい活動」だ。楽しみを先送りにせず、「遊び」の時間を有意義に過ごそう。
要点2:楽しめる人は成功しやすい。楽しいとドーパミンが分泌され、モチベーションが湧いてくるだけでなく、集中力や記憶力も高まるからだ。
要点3:忙しくても、遊ぶための時間をつくり出そう。スキマ時間を活用したり、忙しいときほどあえて遊びの予定を入れて、自分を追い詰めたりするのが効果的だ。
<『なぜか好かれる人がやっている100の習慣』 好印象は習慣と自己肯定感が生み出す>
要点1:視線や仕草、座る位置などは、知らず知らずのうちに相手に与える印象に強く影響する。そうした行動に意識的になることで信頼関係が築ける。
要点2:人の能力は心の状態に左右される。したがって、相手の可能性ややる気を引き出すためには、原因追求型ではなく解決型の質問を心がけ、相手の気分を良い状態に保ったほうがいい。
要点3:自分の感情を押し殺さず、ありのままに認めよう。感情を抑えようとすると、モヤモヤしたり、相手から好かれにくくなったりする。
<仕事・勉強術>
<『学びを結果に変えるアウトプット大全』 アウトプットこそ自己成長のカギ>
要点1:読書などでいくらインプットしても、アウトプットしなければ記憶として定着することはない。「自己成長」はアウトプットの量にこそ比例する。
要点2:アウトプットが苦手な人は、まずは「話す」ことから始めよう。読んだこと、聞いたこと、自分が体験したことについて第三者に話してみよう。
要点3:「話す」ことに比べて「書く」ことのほうが、圧倒的に記憶に残り自己成長を促す。書くことで脳に信号を送り、集中力を高め、積極的に情報を収集することができるようになる。
要点4:インプットの「読む」と「聞く」、アウトプットの「話す」と「書く」に加え、「行動する」も重要だ。
<『トヨタの会議は30分』 「最速」が成果につながる>
要点1:トヨタの会議は30分が基本。30分会議を励行することで、年間2カ月分の勤務時間を捻出できる。
要点2:会議中にメモを取ることをやめ、話を集中して聞くようにすると、相手を見て非言語の情報も取り入れることができる。その方がスムーズな意思疎通が可能になる。
要点3:1分で上司から承認をもらえる資料をつくるには「何の話か」「上司にどんな回答や判断が求められているか」「結論」「証拠」「補足」を順番に書くことが大切。
要点4:失礼すぎる相手に対しては30分怒りを寝かせてみる。相手にする必要がないと少しでも思えば、最低限の対応だけして無視してしまう。
<『心理的安全性のつくりかた』 良いチーム・組織の根幹>
要点1:チームの心理的安全性とは、一言でいうと「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げる」ことである。
要点2:心理的安全な職場とは、メンバー同士が和気あいあいとしているだけの「ヌルい職場」ではない。高い基準の目標を達成するため、健全な衝突が起こる職場のことだ。
要点3:日本の組織では、「話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎」という4つの因子があるとき、心理的安全性が感じられるということが、著者の研究で確認されている。
<『マッキンゼーで叩き込まれた超速仕事術』 仕事の質とスピードを上げる「型」>
要点1:人間が十分に覚醒して仕事に取り組めるのは、起床後12~13時間までだ。17時間を超えると「ほろ酔い状態」と同じくらいまで集中力が低下する。思考力が求められる仕事は、思考がクリアな時間帯に取り組むとよい。
要点2:発想の質とスピ―ドを上げるには、既存のアイデアを掛け算するのが効果的だ。
要点3:プレゼンにおいて大切なのは、相手の同意やリアクションを引き出すことだ。プレゼンの冒頭で、仮説を「質問」という形で投げかけてみよう。
<『できるリーダーは、「これ」しかやらない』 部下の成長を加速させる>
要点1:働き方改革で業務時間の短縮が目指される中、多くのプレイングマネジャーたちは、十分なマネジメントの時間を取れずにいる。
要点2:業務に追われるリーダーが考えるべきは、「いかに速くやるか」ではなく、「いかに任せていくか」である。
要点3:部下のモチベーションを上げるためには、「部下の成長機会」を提供する必要がある。部下の成長機会を作るためには、「Will-Can-Must(どうありたいかという動因、本人の能力、従事している仕事の3つ)」という動機づけの法則に則るとよい。また、背伸びをすれば届くくらいの、明確な目標を立てることも重要である。
<『驚異の「紙1枚!」プレゼン』 思考の整理から意思伝達まで>
要点1:「デジタル完結」が進む現代において、「考え抜く」機会は減少している。一方で、考え抜く習慣がないままビジネスチャットやテレワークを行っても、生産性は向上しない。働き方改革には、「考え抜く力」が不可欠だ。
要点2:「考え抜く力」を養うには、「紙1枚」による思考整理法が有効である。この思考整理法は「情報を整理する」「考えをまとめる」という2つのプロセスを繰り返すものだ。
要点3:プレゼンにおいても最も望ましい形は、「サイレンス・イズ・ゴール」、すなわち何も話さなくてもいい状態だ。話すよりも「紙1枚」を見せて伝えるプレゼンを目指せば、「説明0秒」も実現できる。
<『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』 観察して分かった「できる人」のノウハウ>
要点1:会議などの場では最初に案を出そう。勇気がいるが、そのぶん高く評価される。
要点2:こちらの意見が正しいはずなのに理解してもらえないときには、相手の気持ちになって、自分の意見に自ら反論してみよう。そうすれば、相手の本音が見えてくるため、それを踏まえて次の意見を出せばいい。
要点3:あなたが出世するためのただひとつの方法は、上司を助けて成果をあげさせ、出世させることだ。
<『目からウロコのコーチング』 5つのステップで相手の可能性を引き出す>
要点1:コーチングとは、会話によって相手の優れた能力を引き出しながら、前進をサポートし、自発的に行動することを促すコミュニケーションスキルを意味する。
要点2:コーチングでは、相手に指導・命令するのではなく、相手のありのままを受け入れ、潜在する答を引き出す。コーチは自分の気持ちを出発点として相手を承認するIメッセージ(「今ここで」の自分の感じ方を正直に伝えたもの)を使うことが有効だ。
要点3:コーチが「相手は主人公だ」という意識で質問や承認を行えば、相手は自分自身をより深く見つめられ、有意義で充実した人生を送れるようになる。
<『こうして社員は、やる気を失っていく』 部下からやる気を奪わないために>
要点1:やる気は個人ではなく職場の問題だ。人の気持ちを理解しない上司の対応や組織の制度といった「やる気を下げる要因」を取り除けば、やる気は勝手に上がっていく。
要点2:企業文化には、人を同じ考えに染め、似た人を引き寄せる力がある。このため「やる気のある集団」と「やる気のない集団」への二極化が進み、企業力の格差へとつながっている。
要点3:会社は一人ひとりの社員から成る。個人が仕事に意義を感じられるからこそ、主体的に本気で取り組むことができる。組織が個人の幸せを意識することが、会社の強さへとつながっていく。
<『無敗営業』 「商談の挑戦」を制する>
要点1:商談・案件には、楽勝・接戦・惨敗の3種類がある。注力すべきは接戦案件だ。お客さまが何と何で迷っているのかを具体的に把握し、自社が選ばれる理由を作っていく。
要点2:接戦における受注率を上げるには、接戦状況を問う質問、決定の場面を問う質問、裏にある背景を問う質問の「3つの質問」が有効だ。
要点3:お客さまは営業担当者の「ズレ」に不満を感じる。不満を解消し、受注につなげるために、質問力、価値訴求力、提案ロジック構築力、提案行動力に「4つの力」を磨こう。
<『キャリアづくりの教科書』 これからの時代のキャリアの考え方>
要点1:これからは、「誰かに決められたルートを歩くだけ」のキャリアとは一線を画す、キャリア3.0の時代となる。
要点2:旅の「目的地」を知るには、「解凍(これまでのキャリアについての思い込みをはずす)・形成(自分の本質的な志向を見出す)・再定義(ありたい姿を描く)」の3ステップによって、自分自身を言語化する必要がある。
要点3:キャリアジャーニーを円滑に進めるためには、高い市場価値が求められる。市場価値は「希少性」「市場性」「再現性」の3つの要素から成る。
要点4:キャリアには基本となる4類型があるが、今後は複数の分野で専門性を発揮できるH型(複数の特定領域で深い専門性を持つ)・HH型(自分の中に複数のH型をつくり、さらに他者の専門性をも掛け合わせていける)人材の市場価値がさらに増していく。
<『ストーリーとしての競争戦略』 優れた戦略とは何か>
要点1:ストーリーとしての競争戦略とは、戦略の本質である「違い」と「つながり」の2つの要素のうち、後者に軸足を置くものだ。他社との差別要素が組み合わさり、相互作用することこそが長期利益の実現につながる。
要点2:「違いをつくる」ためには、他社と違うところに自社を位置付けることと、他社が簡単に真似できないその組織固有のやり方を実践すること、の2通りの方法が存在する。この2つの意味合いを理解し、両者のつながりを意識して戦略ストーリーを組み立てることが重要である。
要点3:優れたストーリーは、単なるアクションリストやテンプレートのような静止画ではなく、戦略ストーリーにおける5つの柱(5C:競争優位、コンセプト、構成要素、クリティカル・コア、一貫性)が優れていて、動画のように全体の動きと流れが生き生きと浮かび上がってくるようなものである。
<『コトラーのマーケティング入門』 マーケティングを知る最適の教科書>
要点1:マーケティングは「顧客が求める価値を創造し、強固な顧客リレーションシップを築き、その見返りとして顧客から価値を得るプロセス」と定義できる。
要点2:顧客価値主導型マーケティング戦略を策定する際の主要ステップは、市場細分化、市場ターゲティング、差別化、ポジショニングから成る。
要点3:価格設定においては、価値に対する顧客の知覚、企業のコスト、競合他社の戦略を理解することが重要となる。
<『リスキリング』 労働市場の変化に乗り遅れないために>
要点1:リスキリングとは、「新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、そして新しい業務や職業に就くこと」を意味する。技術的失業で仕事を失う前に、成長産業で必要なスキルを身につけることが重要視され、リスキリングが注目を浴びている。
要点2:リスキリングの10ステップは次のプロセスから成る。現状評価→マインドセットづくり→デジタルリテラシーの向上→キャリアプランニング→情報収集の仕組みづくり→学習開始→デジタルツールの活用→アウトプットに挑戦→学習履歴とスキル証明→新しいキャリア、仕事の選択。
要点3:これからはスキルベース採用が進む。AIを活用した自身のスキル発掘と、スキルの類似性によるスムーズな配置転換がカギとなる。
<『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』 「不安型転職」を防ぐ成長実感>
要点1:「自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないか」という「キャリア不安」を抱いた若者たちは、成長実感の得にくい「ゆるい職場」を去るという選択をすることもある。
要点2:若手が成長し活躍できる職場をつくるためには、「心理的安全性」と「キャリア安全性」という2つの要素に注目するとよい。
要点3:調査からは「社外活動をしている若手は、自分の会社が好き」という傾向が見られた。優秀な人材は、無理に囲い込むのではなく、積極的に社外活動をさせるべきだ。
<『佐久間宣行のずるい仕事術』 楽しみながら結果を出すには>
要点1:だれにでもできる仕事だからといって、決して手を抜いてはいけない。小さな仕事も、工夫次第で「自分にしかできない仕事」になり、信用とチャンスにつながる。
要点2:会議の終わった直後の5分間が1週間の自分の評価を変える。すぐに要点整理とアウトプットをして、次回の会議に備えよう。
要点3:チームを壊しかねない問題児がいるときは、よくない行動ができない空気をつくる「封じ込め」作戦が効果的だ。
<『FACTFULNESS』 思い込みを克服し、世界を理解する>
要点1:世界はどんどん物騒になり、社会の分断が進み、環境は悪化していると多くの人は思い込んでいる。しかし統計データを見ると、世界は基本的にどんどん良くなってきている。
要点2:人々が世界を誤って認識している原因は、本能からくる思い込みである。
要点3:本書で紹介する「ファクトフルネス」を日常に取り入れていくことで、そうした思い込みから脱して事実に基づく世界の見方ができるようになる。判断力が上がり、何を恐れ、何に希望を持てばいいのかを見極めるようになる。
<『エッセンシャル思考』 本当に大事なことを見極める技術>
要点1:エッセンシャル思考とは、大事なことを見極め、自分の時間とエネルギーを最も効果的に配分し、最高のパフォーマンスを発揮するための技術である。
要点2:本当に重要なものごとを見極めるために必要なのは、じっくりと考える余裕、情報収集の時間、遊び心、十分な睡眠、そして、何を選ぶかという厳密な基準の5つである。
要点3:エッセンシャル思考の人は、予測不可能な事態を想定して予定を立てるなど、労力をかけずにエッセンシャル思考を体現できるようなしくみをつくっている。
<『思考の整理学』 「忘れること」の重要性>
要点1:学校教育は、自力で飛び立てないグライダー人間ばかりを生み出してきた。だがこれからの時代で必要とされるのは、自力で飛び回れる飛行機人間である。
要点2:思考を整理するうえで、寝かせることほど大事なことはない。
要点3:本当にやるべきことは、ひとつのことだけに注力しているとなかなか見えてこない。
要点4:知識をいたずらに所蔵してはいけない。必要なもの以外は忘れてしむべきだ。
要点5:深く考えず、とにかく気軽に書き始めたほうがいい。そうすれば道筋が見えてくる。
<『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』 応用範囲無限大の読書術>
要点1:東大読書のステップは次の通りだ。ステップ1:本を読む前に「装丁読み(本のカバーや帯から内容のヒントを取ること)」と「仮説作り」を行う。
要点2:ステップ2:記者になったつもりで著者に質問し、疑問を追求する「取材読み」で、論理の流れをクリアする。
要点3:ステップ3:ポイントを要約し、次の展開を推測しながら読む「整理読み」で、一言で説明する力をつける。
要点4:ステップ4:複数の本を同時に読み、「検証読み」を実践することで、多面的な見方を身につける。
要点5:ステップ5:アウトプット重視の「議論読み(本に対する読者自身の意見を外に向けて発信しながら読むこと)」で本の内容をしっかり記憶に定着させる。
<『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』 やりたいこと=「好き×得意>
要点1:やりたいこと探しにまつわる「5つの間違い」が、やりたいこと探しを妨げている。すなわち、やりたいことについての、「『一生続けられること』でなければいけない」「『運命的な感覚』がある」「『人のためになること』」でないといけない」「見つけるには『たくさん行動する』しかない」「やりたいことが『仕事』にならない」という間違いである。
要点2:著者の提案する論理的にやりたいことを見つけるための「自己理解メソッド」では、「やりたいこと」は「好きなこと」と「得意なこと」のかけ合わせであると定義している。ここに「大事なこと」を組み合わせることで、「本当にやりたいこと」になる。
要点3:「やりたいこと」を仮に決めたら、行動をする中で試行錯誤し、どんどん「本当にやりたいこと」に近づけていこう。
<『バカの壁』 壁の中にいては学ぶことはできない>
要点1:本当は何もわかっていないのに「わかっている」と思い込んでしまうときに存在するのが「バカの壁」である。
要点2:人間の能は、「出来るだけ多くの人に共通の了解事項を広げていく方向性」をもって進化してきた。
要点3:「情報化社会」では、変化しているはずの自己を、不変の「情報」だと想定してしまっている。だからこそ、人は「個性」を主張する。
要点4:身体を動かすことと学習とは密接に関係している。ある入力をした時の出力の結果によって次の出力が変化するからだ。しかし、その出力、身体は忘れられがちで、日本人は脳だけで動くようになってしまっている。
<『Think clearly』 生き方を変える「思考の道具箱」>
要点1:誰しも他人からよく思われたいと思うものだが、他人からの評価が自分の人生に与える影響は意外と少ない。他人の評価から逃れて、自分の納得のいく生き方を目指そう。
要点2:人は、「フォーカシング・イリュージョン」にはまりがちだ。特定の要素を過大評価しないよう、その要素から十分な距離を置いてみよう。
要点3:体験と思い出、どちらも大事だ。思い出づくりにばかり気をとられて、現在に目を向けることを忘れてしまえば、人生を本当に充実したものにすることはできない。
<『ティール組織』 固定観念を突き崩すパイオニア組織>
要点1:人類の意識の発達とともに、新しい組織モデル、進化型(ティール)組織が登場している。進化型組織は、人々がエゴから自己を切り離し、内的な判断基準に従っているという点で、既存の組織モデルと大きく異なっている。
要点2:進化型組織のリーダーの多くは、自分の組織を「生命体」ととらえている。生命のように、中央からの指揮や統制なく、進化に向けた全体性や複雑性を備えた生態系を維持する存在をイメージしているからだ。
要点3:進化型組織は、「自主経営」「全体性」「存在目的」という3つの突破口を開いている。
<『あなたの知らないあなたの強み』 5つの「因子」で自分を正しく理解する>
要点1:幸せに生きている「成功者」の共通点は、自分の特性を理解したうえで、強みを活かし、弱みは仲間と補いあっていることだ。
要点2:FFS診断を受けると、「凝縮性」「受容性」「弁別性」「拡散性」「保全性」の5つの因子とストレス状態が数値化され、自分の個性に影響を与えている因子を特定することができる。
要点3:日本人に多い「保全性」が高いタイプは、最初の一歩を踏み出しづらい一方で、一度やると決めるとコツコツ努力し、成功体験を積みながら成長できる。
<『ロジカル・シンキング』 相手を説得し、期待する反応を得る>
要点1:相手に納得してもらう説明をするためには、「課題」「答え」「相手に期待する反応」が明確でなければならない。
要点2:話の重複・漏れ・ずれをなくし、伝え手の結論を相手に自然に理解してもらう技術を「MECE」と呼ぶ。MECEは、大きな重複や漏れ、ずれがないと思える議論の土俵を明快に示し、そこに相手を乗せ、理解を促す。
要点3:伝え手の言いたい結論と根拠、結論と方法とのつながりを、相手に難なく理解してもらうには、「So What?/Why So?」(課題に対して重要なエキスを抽出する作/要素の妥当性が手持ちの情報や材料で証明できるかを検証する作業)の技術が重要となる。
<『両利きの経営』 「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く 「深化」と「探索」を促すリーダー>
要点1:組織が成長し続けるためには、既存事業の改善を極める「深化」と、新規事業に挑戦する「探索」を、同時に推し進める「両利きの経営」が必要だ。
要点2:「探索」を成功させるには、アイディアの種を見つけるアイディエーション、芽を育てるインキュベーション、事業を大きくするスケーリングの3つの段階すべてが重要だ。
要点3:「両利きの経営」を成功させるうえでリーダーに必要なのは、戦略的意図を持つこと、積極的に探索を支援すること、適切な組織構造を設計すること、共通のアイデンティティを醸成することである。
<『知識創造企業』 日本的のもつ強み>
要点1:日本企業は「暗黙知」の重要性を理解し、それを「形式知」に変換することを得意としている。
要点2:知識を創造するうえで、メタファーや知識の共有、冗長性といったものが、大きな役割を担っている。
要点3:社内情報のタテにもヨコにも通じているミドル・マネジャーこそが、知識マネジメントの中心にいるべきである。
要点4:官僚制的な組織構造とタスク型の組織構造の両方を併せもち、そこから創られた知識を蓄積する仕組みを備えた企業こそ、変化の激しいこれからの社会に適応できる。
<『孫子』 効率・戦略の重要性を説く古典>
要点1:本書では、戦わずして勝つことが最上と主張され、戦争を奨励してはいない。しかし、いざ戦争となったとき、いかにして自国の被害を最小限に抑え、同時に大きな利益をあげることができるかが考察されている。
要点2:この目的を達成するためには、敵を知り自軍を知ったうえで、冷静に状況分析をすることが必要になる。そして、自軍が戦いにおいて主導権を握れるような戦略を立てる。戦術の極致は、敵に自軍の形を見せず、相手が備えることを不可能にすることである。
<『ジョブ理論』 購買意欲の根本にあるもの>
要点1:顧客の目的はプロダクト/サービスの購入ではなく、自分自身の「進歩」である。
要点2:顧客の「片づけるべきジョブ」が何かを見極めるためには、プロダクト/サービスの機能面だけでなく、感情や社会に与える影響についても深く考察しなければならない。
要点3:プロダクト/サービスを「雇用」してもらうためには、それまでのものを「解雇」させる理由が必要だ。
雇用4:あくまで顧客の抱えている「片づけるべきジョブ」を中心に、ブランドを育てていくべきである。カテゴリにとらわれてはならない。
<お金>
<『お金2.0』 資本主義の欠点を補う価値主義とは>
要点1:シェアリングエコノミー、仮想通貨やブロックチェーンを駆使したトークンエコノミー、評価経済は、分散化という潮流の一部である。大きな規模で成功したトークンエコノミーが、ビットコインだ。
要点2:自動化と分散化が進むにつれ、「自律分散」のモデルが多くの産業のビジネスモデルを覆し、次世代の成功モデルになることが予測される。
要点3:お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした経済システムの考え方を「価値主義」と呼ぶ。今後は価値主義が普及し、複数の経済システムが並存していく。
<社会・ライフ>
<『LIFE SHIFT』 ロールモデル無き時代の人生設計>
要点1:長寿化により、ステージの移行を数多く経験する「マルチステージ」の人生が到来する。人生の選択肢が多様化するため、自分のアイデンティティを主体的に築きながら、人生をどのように計画するかが問われる。
要点2:今後は、金銭的な有形の資産と、家族や友人関係、知識、健康といった「見えない資産」とのバランスをとることがますます重要となる。「見えない資産」は生産性資産、活力資産、変身資産の3つに大別される。これらに投資を続け、自らを再創造することが、実り多い100年ライフには欠かせない。
<『予想どおりに不合理』 なぜ人間は不合理な行動を選んでしまうのか>
要点1:伝統的な経済学では、私たちはみんな合理的で最善の行動をとると予測する。しかし、実際の私たちは不合理なだけでなく、「予想どおりに不合理」だ。私たちはいつも同じように不合理に行動し、それは何度も繰り返される。
要点2:私たちは「無料!」と聞くと合理的な判断ができなくなる。ゼロはまったく別の価格だ。2セントと1セントの違いは小さいが、1セントとゼロの違いは莫大だ。これを理解すれば、ビジネスに生かすことも十分にできる。
要点3:人々に行動の道筋をあらかじめ決意表明する機会を与えることによって、先延ばしの問題を解決することができる。
<『自分の小さな「箱」から脱出する方法』 「自分への裏切り」から自由になる>
要点1:さまざまな人間関係の問題を引き起こすのが、「自己欺瞞」つまり「箱」である。「箱の中」に入っている人は、自分のことばかり考え、周りの人をゆがめて見ている。
要点2:自分を箱の中に追い込むのは、「他の人のために何かをすべきだ」と考える自分自身の感情に蓋をする「自分への裏切り」だ。その裏切りを正当化するために、相手の欠点を見つけ、ますます箱の中に入ろうとする。
要点3:「こうしたほうがいい」という感情に素直になった瞬間、箱の外に出ることができる。リーダーの未来の役割は、「自分への裏切り」から自由になることで周りによい影響を与えることだ。
<『自省録』 己を律する言葉の数々>
要点1:宇宙全体からすれば人生は一瞬であり、死後の名声もすぐに忘却され、全ての物事はやがて消え去る。名誉や快楽、富も善ではない。快楽や苦痛を統御し、揺るぎなく自己を全うするよう導くのは哲学のみである。
要点2:他人が自分に対して過ちを犯したとき、その人が自分と同じような善悪の観念を持っていることに気づけば、その人を憐れみこそすれ、怒ることはなくなるだろう。
要点3:すべての悩みの種となる主観を捨てれば、波の立たない水面のような静かな心に至ることができる。善い人間とは何かを論じる以前に、善い人間にならなければならない。
<『人生の短さについて 他2篇』 穏やかに生きるために>
要点1:人生において時間は十分に与えられていないと多くの人は考えているが、それは私たちが多忙に生きることで時間を浪費しているからだ。人生には有効に活用できるだけの十分な時間が与えられている。
要点2:自分の人生を生きるためには、時間を他人に与えてはならず、自分自身のためだけに使われなければならない。閑暇な時間は、退屈潰しのために浪費するのではなく、過去の英知を学ぶために使われるべきだ。
要点3:周囲と比較して心が不安定になるときには、今置かれた環境に慣れて、できることに力を尽くし、休息や閑暇とうまくバランスのとれた生き方をするとよい。
0コメント