私の著書『80歳の壁』で、もっとも高齢者に支持されたのは、「高齢者は免許証を返納する必要はない」という件です。(1)
(2025/4/24)
『老いるが勝ち!』
和田秀樹 文春新書 2024/820
<プロローグ>
<80歳を過ぎたら我慢しない。食べたいものを食べ、好きなように生きる>
・ここから導き出される選択は、80歳を過ぎたら我慢しない、という生き方です。
・好きなものを飲んで食べて生きたほうが、ストレスが少なく、楽しく生きられるのではないでしょうか。そして、そのほうが免疫力が高まって長生きできるかもしれないのです。
<理屈というものは常に変わる。常識とされる説も普遍ではない>
・例えば、長生きしたいのでしたら、医者の話を聞くよりも、実際に長生きしている人――それも医者ではない人――に話を聞いたほうがいいかもしれません。
・もう一つ重要なポイントとして挙げておきたいのは、理屈というものは常に変わることです。
《プロローグが教える生き方のヒント》
◎80歳を過ぎたら我慢しない。ガンにならないように我慢していた、食べ物、お酒、タバコはもう控えたりしなくてもいい。
◎長生きしたいなのなら、医者の話を聞くよりも、実際に長生きしている人に話を聞いたほうがいい。
◎理屈というものが常に変わる。
<医学的エビデンスは当てにならない>
・薬は体の中で化学反応を起こしますから、しかるべき薬を飲めば、血圧が下がり、血糖値が下がり、コレステロール値が下ったりします。化学反応を起こすのですから、それは難しいことではありません。
<コレステロールは心臓には良くないがガンにはなりにくくするものである>
・それは、コレステロール値が高い人ほどガンになりにくいという調査結果です。なぜかというと、コレステロールというのは免疫細胞の材料だからです。日本での調査でも、コレステロール値がやや高めの人が一番長生きしているというデータがあります。
<血圧の薬をめぐって医者はウソをつく>
・調査結果から言えるのは、後生大事に薬を5年間飲み続けたにもかかわらず、5パーセントの人が脳卒中になってしまっている事実です。
・脳卒中の発症率を減らすことができるというエビデンスはあっても、ゼロにはできません。
・しかし、調査から分かることは、170くらいの血圧の高齢者が薬を飲まなくても、90パーセントの人は5年後に脳卒中になっていないわけです。
<医者が悪いのは個人差があることを認めないところ>
・つまり、医者が悪いのは、「エビデンス」と称して個人差があることを認めないところでしょう。
<日本では、薬を飲まない人と飲む人の比較調査ができない>
・これほど左様に、血圧一つ取ってみても、なかなか理屈通りにはいかないものなのです。しかも、その理屈そのものが大したことはなくて、薬を飲んで脳卒中になる確率の8パーセントを5パーセントに減らす程度の理屈でしかありません。
<医療費が膨大になるのは医者が無駄な薬を出すから>
・それを個人生活の側面から見てみれば、給与生活者であれば、毎月健康保険料を引かれています。その金額は結局、医療費の総額から割り出しているので、医者が無駄な薬をどんどん出せば、それだけ個人の手取りの給与は 減ることになります。
<いじめをなくす方向よりもいじめを受けた子を救うほうが難しくない>
・数十万件のいじめをなくすことは現実的には非常に困難です。それならばむしろ、いじめを受けて心の具合が悪くなった子を救う方法を考えたほうが、ひょっとしたら難しくないのかもしれない。
《第1章が教える生き方のヒント》
◎コレステロール値が高い人ほどガンになりにくい。
◎コレステロール値がやや高めの人が一番長生きしている。
◎170くらいの血圧の高齢者が薬を飲まなくても、90パーセントの人は5年後に脳卒中になっていない。
◎医者が悪いのは、個人差があることを認めないところ。
◎医者が言っていることは、あくまでも確率論にすぎない。
<権威と肩書を信じるな>
・検査データを見て、画像データを見て、診断をして、薬を決めるのであれば、AIに勝てるわけがありません。画像データ一つ取ってみても、ガンの見落としはAIのほうが圧倒的に少ない。
<将来の医学は東洋医学を突き進めたものになる>
・東洋医学は古く、西洋医学は新しいと、この150年くらいは信じられてきました。しかし、今後、ゲノムなるものがもうちょっと解析されてきたら、将来の医学は東洋医学をさらに突き進めたようなものになるかもしれません。
<大学教授の頭の中は古い。肩書を信じることは怖い>
・肩書は何十年も動きませんから、教授という肩書を信じることの怖さがここにあります。
・アメリカの場合は、教授になってからグラント(研究補助金)が集めやすくなるので、教授というポジションを得ることは本格的な研究のスタートラインに過ぎません。一方、日本の場合、教授は“上がり”のポストです。
<ノーベル賞受賞者はすべての科目で優れているわけではない>
・これがアメリカなら、ノーベル賞の受賞者は400人近くいますから、ノーベル賞を取っただけで、教育政策のトップになった人は一人もいないし、それ以前に彼らを教育の専門家とは誰も考えていないわけです。そこが日本とは大いに違うところです。
<高血圧にメタボリックシンドローム。日本で医学は宗教化している>
・痩せ型の人はやや太めの人よりも、6~7年も早く亡くなっていることが明らかになったのです。私たちは、太っていると体に悪いという思い込みが強烈すぎて、なかなかそこから脱却できません。
・悪玉コレステロールはその一方で、免疫細胞の細胞膜の材料になったり、男性ホルモンの材料だったりもします。だから、悪玉コレステロール値が高い人ほど、かえってガンにかかりにくいとか、齢を取っても精力的で元気だという側面もあるのです。
<ステントを入れる日本の技術は世界一。大切なのは先生たちについての情報>
・私は基本的に齢を取ったら、コレステロール値は無闇に下げないほうがいいと考えています。
・そこで大切なのは、やはり先生たちについての情報です。下手な人に当たると、心臓ドックの結果が最悪、死につながるのですから、さらに言うと、昔の名医が今も名医とは限りません。
<心筋梗塞も糖尿病も太っていたほうが長生きする>
・それらを総合しますと、心不全だけでなく、急性肺炎、透析、肺気腫、心筋梗塞、ガン、脳血管障害、糖尿病などにおいて、痩せている人より太っている人のほうが長生きする。肥満パラドックスは、まさにメタボリックシンドロームを真っ向から否定する調査結果なのです。
<糖尿病の治療がアルツハイマーを促進する>
・現代では一般に、糖尿病の人はアルツハイマー型認知症になりやすいと言われています。
・私が信じているのはその反対で、むしろ糖尿病の治療がアルツハイマーを生んでいる、ということです。
<日本の大学医学部がダメなのは栄養学を教えないところ>
・いまだに日本中の医学部医学科で栄養学はほぼ正規のカリキュラムに入っていませんから、日本の医者は、人間が栄養によって元気になることを知らないわけです。
<長生きするのにいちばん大事なのは栄養>
・脳卒中の予防のためには、魚よりも肉を食べることが大事なのです。現実に脳出血は欧米のほうが少ないのですから。長生きしたいとか、元気になりたいと思うのでしたら、やはりいちばん大事なのは栄養だと私は思います。
<日本の理屈とアメリカの理屈は異なるべき>
・ある意味で理屈と理屈はぶつかり合いますが、少なくとも健康に関しては日本の理屈とアメリカの理屈は異なるべきです。もともとの体質も食生活もまるで違うわけですから。ところが、日本の医者たちはアメリカの理屈をすごく信じる傾向にあるのです。
<専門家の理屈は人間全体の理屈にはそぐわない>
・もちろん、循環器の病気は軽く済ますことはできません。しかし、虚血性心疾患みたいな特殊な持病がないのであれば、コレステロール値を下げる薬なんかさっさとやめたほうがいいと、私は薦めます。結局、人間は総合的に見た時に健康になれるかどうかが大事なわけです。
<高齢化が進めば進むほど総合診療医のニーズは高まる>
・そういう意味では、社会の高齢化が進めば進むほど、臓器別診療の専門医よりも、いわゆる総合診療医のニーズが高まるわけです。
・若い人とお年寄りでは、ガイドラインを変えなければならないと思っています。
・高齢者が事故を起こすのは、多くの場合、いわば薬害だと思います。
<車を運転するのなら飲んでいい薬は4種類まで>
・運転をするのなら4種類までにしておかないとダメです。運転していなければ、せいぜい転ぶくらいで済みますが、運転中はやはり危ない。
<お年寄りの飲む薬の量と若い人の飲む量は変えなければいけない>
・ですから、お年寄りの飲む量と、若い人の飲む量は変えなければいけないと私は思っています。
・日常生活の活動レベルを落とさないように、最小限の薬にとどめておくのが、正しい薬との付き合い方です。
<医療に関わらないほうが人は長生きできる。フィンランドの恐るべき調査結果>
・この結果から言えるののは、検診を受けたり、生活指導をされたりするストレスがかえって悪いのではないかということなのです。医療に関わらないほうが人は長生きできるということに、医療関係者は愕然としたわけです。
<病院に行けなくなった夕張市では病気で亡くなる人が減った>
・先進国の中でガンによる死亡者が増えているのは日本だけです。
<偏差値の低い私立大学には腕のいい医者が集まる>
・覚えておいていただきたいのは、偏差値の高い大学ほど臨床を軽視することです。だから、腕のいい医者は偏差値の高い大学では教授になれないというパラドックスがあります。
・一方で、私立の医科大学などでは、附属病院に患者さんが来てくれないと困るから、腕のいい医者をスカウトしてくる。従って、偏差値の低い私立大学のほうが腕のいい医者が集まっている現実があります。
<ロクでもない医者が増えたのは入試面接のせい>
・ところが、医学部が入試面接をやることにはいくつかの大きな問題がありました。一つ目は、先ほどから申し上げているように、面接をする医学部の教授にそもそも問題があることです。二つ目は、やはり教授に逆らいそうな受験者は落とされてしまう。
・要するに、入試面接のせいで、逆に、ロクでもない医者が増えたのです。それが三つ目の問題です。
<入試面接の結果、殺人者が選ばれる>
・入試面接なんか全部廃止すればいいのに、今、82の大学医学部全部でやられているわけです。
・そもそも論としては、たかが30分くらいの面接で人間を選別できるわけがないし、それができると思っている人間は精神医学用語で言うところのパラノイアです。
<血圧が高いほうが頭が冴えるのは事実>
・結果は、なんと、喫煙群と非喫煙群で生存曲線にまったく差がなかったのです。
・血圧が高いのと低いのとどちらがいいかに関しては、基本的に高いほうが絶対に悪みたいな刷り込みをされていますね。
<海外で確認されたエビデンスがそのまま日本に当てはまるとは限らない>
・海外で確認されたエビデンスがそのまま全部、日本にも当てはまると信じているのが日本の医者です。何度も言いますが、海外のエビデンスといえども、日本人の食生活と体質に対して当てはまるかどうかは分かりません。
・医者が言うことは、ある確率の話にすぎないのです。
《第2章が教える生き方のヒント》
◎瘦せ型の人はやや太めの人よりも、6~7年も早く亡くなっている。
◎大切なのは、どの先生が上手いかという情報。
◎心不全だけではなく、急性肺炎、透析、肺気腫、心筋梗塞、ガン、脳血管障害、糖尿病などにおいて、瘦せている人より太っている人のほうが長生きする。
◎メタボリックシンドロームは忘れるべき罪深い用語だ。
◎糖尿病の人のほうがアルツハイマーになりにくい。
◎脳卒中の予防のためには、魚よりも肉を食べることが大事。
◎長生きしたいとか、元気になりたいのなら、いちばん大事なのは栄養だ。
◎人間は臓器別ではなく、総合的に見た時に健康になれるかどうかが大事。
◎若い人とお年寄りでは、治療のガイドラインを変えなければならない。
◎転倒、せん妄を避けるために、薬を5種類以上は飲んではいけない。
◎日常生活の活動レベルを落とさないように、最小限の薬にとどめておくのが、正しい薬との付き合い方。
◎医療にかかっていれば長生きできるというのは思い込みかもしれない。
◎血圧が高いほうが頭は冴えるという事実は間違いなくある。
<日本復活のカギは高齢者にある>
<高齢者がこんなに頭のいい国は他にちょっとない>
・そうした状況を踏まえても、海外から見て、日本の高齢者向け商品は世界一だとなればどんどん売れて、日本は再び競争力を取り戻すだろうと私は思っています。そのためにいちばん大事なことは、高齢者のことを厄介者のように見るのをやめることです。
<日本を復活させるカギは相続税を増やすこと>
・高齢者にはやはりお金を使ってもらいたい。そのためのいちばんいい方法は、相続税を大幅に増やすことだと私は思います。
・昔の古い相続の考え方を変えなければダメでしょう。長寿の社会になればんるほど、意識を変えていかねばなりません。
<上から1割を高齢者と呼べばいい>
・私の先輩の老年医学の先生が、「上から1割を高齢者って呼べばいいじゃん」と提案したことがあります。
・そしたらちょうど2023年、80歳以上の高齢者が10.1パーセントとなって、初めて10パーセントを超えました。その定義でいけば、80歳でようやく高齢者となります。
<お金を使えば使うほどエラいのが資本主義>
・資本主義をみんなが勘違いしているのです。お金を持っている人間がエラいと思われがちですが、それはまったく違います。お金を使えば使うほどエラいのが資本主義だと私は思います。
<高齢者は免許証を返納する必要はない>
・私の著書『80歳の壁』で、もっとも高齢者に支持されたのは、「高齢者は免許証を返納する必要はない」という件です。
・2023年の警察庁のデータによれば、高齢者の事故率は、人口10万人当たりで考えた場合でも決して多くはありません。むしろ、10代、20代のほうが多いのが現実です。さすがに75歳を超えるとちょっと増える傾向にはあります。
85歳以上の運転者が第一当事者である事故に特徴的なのは、他人をはねているのではなくて、車両単独と言って、自分が犠牲になることが多いのです。
・問題は、65歳以上の人が免許証を返納すると、要介護率が2.16倍になってしまうことです。
・私はたぶん3000人くらいの認知症の人を診ていますけど、ボケている人は意外に事故を起こしていないし、事故の被害にもあっていないのです。
<シルバー民主主義なんかはどこにもない>
・社会のいろんな場面でシルバー世代がぜんぜん大事にされていないのに、どこがシルバー民主主義なんだと私は言いたいですね。
<高齢者はすっかりITに馴染んでいる>
・ですから、出版社の人が思い描いている高齢者像と現実の間には、ズレがあります。ここでも高齢者に対するバイアスがあるわけですが、それはもう現実を反映していません。
<マスコミが気づいていない高齢者にまつわるバイアス>
・再三お話ししてきましたが、高齢者をきちんとお客さんとして見るかどうかは大きなことなのです。
・ホントに具体例にはこと欠きませんが、高齢者の存在を忘れた社会でいいのだろうかと思いますよ。
《第3章が教える生き方のヒント》
◎高齢者がこんなに頭のいい国は他にちょっとない。
◎高齢者がこんなにお金を持っている国も他にない。
◎日本の高齢者向け商品が世界一になればどんどん売れて、日本は再び競争力を取り戻す。
◎上から1割を高齢者と呼べばいい。
◎お金を使えば使うほどエラいのが資本主義。
◎高齢者は免許証を返納する必要はない。
<齢を取れば取るほど幸せになる>
<知的レベルが高いとされている人ほど世の中が理屈通りにいくと思っている>
・いわゆる知的レベルが高いとされている人ほど、世の中が理屈通りにいくと思っているんですね。医者とか大学教授とか言われている人たちがそうです。
<試す前から却下される相続税100パーセント案>
・第3章でも触れましたが、私はずっと昔から、相続税を100パーセントにしろと言い続けています。
・しかし、私に言わせたら、試す前から答えを決めているのは、科学ではなくて宗教なのです。
<生産と消費は逆転した。課題はいかにして消費を増やすか>
・その人がいみじくも喝破されたのが、これからは消費を増やさなければいけない、でした。私もまったく同じ考えです。
<榊原元財務官と話して分かった英語教育の壮大な無駄>
・日本がせっかく世界で一番いい自動翻訳機を作っているのに、たぶん日本はあと20~30年は語学教育が大事だとか言い続ける可能性が高いでしょう。いろんな大学でいまだに、国際化とか、英語をもっと喋れとか言っているわけですから。
<ちっとも上向かない景気。GDPは世界第4位に転落>
・お金こそは理屈通りにいかないものの典型ではないでしょうか。日銀総裁にはエース級の学者などが投入されてきたし、様々な経済学者がいろんなアドバイスをしてきました。しかし、この30数年にわたって、日本の景気はちっとも良くなりません。
<ダメなリーダーの時こそ株価は高騰する>
・私の仮説ですが、これは世間のイメージとはまったく逆で、ダメなリーダーが治世をしている時のほうが株価は上がるのではないでしょうか。
<人は完全な情報を持ってなどいない。レモン市場の法則>
・「レモン市場の法則」とされるミクロ経済学の理論がそれです。アメリカでは欠陥品や出来損ないのことを「レモン」と呼ぶのですが、中古車市場には外見からは分からないレモン(欠陥車)が混ざっている。
・混在しているために、買い手は高い金額で欠陥車を買うことを恐れて、欠陥車に相当する金額しか払わなくなる。すると、市場に優良車を出す売り手がいなくなり、売り手と買い手の間に情報の非対称性が生まれるために、質の悪い車しか市場に出回らなくなる。そういう経済学理論です。
<「人は得よりも損に反応する」というプロスペクト理論>
・要するに、政策を考える時に、人間は損をしたくない生き物だということを、もっと前提にするべきです。
<人が幸せかどうかは「参照点」によって決まる>
・現役時代はみんなお金持ちになりたいとか、社会的地位を少しでも高めたいと思うかもしれないけれども、老後のことを考えたら、参照点は低いほうが幸せが待っているのかもしれません。
<お金持ちパラドックス。人生の最期の逆転はよくある>
・私のようにお年寄りをたくさん見ていますと、人生の最後の逆転を何度も目撃するので、人生観が変わります。お金なんか残してもしょうがないと思うようになりました。
<人はもともと、齢を取れば取るほど幸せになるようにできている>
・すると、結果は明白で、人生の幸福度が最高値に達するのは、82歳以下であることが分かったのです。
・人はもともと、齢を取れば取るほど幸せになるようにできているのです。
<齢を取ってお金を使う人ほど幸福で人からも好かれる>
・よく「お金よりも心だ」なんてキレイごとのように言われますが、高齢者をたくさん見ていると、確かにそれは一理あるなと思います。お金のある人よりも、心のある人に人は寄ってきます。
<若いうちからガマンはするな。性格で人生の大逆転が起きる>
・好き放題に生きてきたおじいちゃんは、ガマンなんかしたことがないから、齢を取っても穏やかな気持ちでいられる。
<終身雇用と年功序列、日本型経営は良いものだ>
・両社とも品質がいいことで評判が良い、やはり終身雇用・年功序列、特に終身雇用をきちんとしてくれる会社は、社員のブランドイメージを保ち続けようと頑張るものです。
<消費者がお金を持つことが良い製品を作るための条件だ>
・ある意味、世の中にお金を持っている人を増やしたほうがいいモノが作られるし、売れる。
<アメリカがイケイケなのは消費者の給与を増やしているから>
・その先にあるのは好循環です。消費者にお金を持たせたほうがいいという方向に進んで、アメリカの給与はどんどん上がっています。
<足りないのは消費。消費者を刺激する人が勝つ>
・でも、人口の増加率を考えたら、消費はそんなに伸びない。慢性的な消費不足になる。だから、これからは消費者を刺激する人が勝つ。
<生産しないで消費だけしてくれる人は国にとっては非常にありがたい存在>
・世間はよく「生涯現役」と言う時に、生涯働くというイメージでものを見るけれども、高齢者だって現役の消費者なわけです。
<給与は増やして人にはお金を持たせたほうがいい>
・何度も言いますが、給与は増やして、人にはお金を持たせたほうがいい。
<資本主義の根源的な欠点は格差が生じてしまうところ>
・おそらく資本主義の根源的な欠点は、どうしても格差が生じてしまうところです。
<右翼や保守がイコール反共。資本主義と愛国主義は相容れない>
・国を大事にするのが愛国主義で、それと資本主義は合致するものと思われていますが、本来は相容れないもののはずです。
<AIを進歩させるのはむしろ高齢者だ>
・高齢になるほどAIに頼りたくなってもおかしくありません。AIを進歩させるのは、むしろ高齢者なのです。
<日本の団塊の世代ほど頭のいい高齢者たちは世界にいない>
・やはりもう少しお年寄りバイアスを変えて、今のお年寄りは元気で賢いと考え直したほうがいいと思います。医者とか雑誌の作り手が考えているよりも、お年寄りはずっとインテリです。
<本当の「実験」が出来ない国、日本。ゼロリスクの発想を排せ>
・その果てにどうなるかというと、ゼロリスク的な発想になります。実験をしょっちゅうやっている人にとってみたら、ゼロリスクなんてあり得ないわけで、リスクは常につきまとうものです。
<あることを試した時に大事なのは悪い結果の予測である>
・人間は放っておくと同じ失敗を必ずする、ゆえに、二度と同じ失敗をしないようにチェックするのが一つ。もう一つは失敗を通じて次の実験を組むことです。
<齢を取ってヒマになったら実験はし放題>
・齢を取ったら時間だけはあるのですから、すべては実験だと思って生きればいい。
<生きがいは求めない。生きているうちに楽しみは見つかる。>
・80歳を超えた高齢者が生きがいにあまりにも頼るのは考えものです。そう考えると、日々を楽しく暮らす、という発想が大事なのではないでしょうか。
《第4章が教える生き方のヒント》
◎試してみるまでは間違っているか正しいかは言えない。
◎他人が決めた客観性なんてものには、期待しないほうがいい。
◎ダメなリーダーが治世をしている時のほうが株価は上がる。
◎人は得よりも損に反応する。
◎人が幸せを感じるかどうかは、「参照点」によって決まる。
◎老後のことを考えたら、参照点は低いほうが幸せが待っている。
◎お金を持っていたほうが幸せという資本主義の大原則が、人生の晩年において、人間の心理によってもろくも崩れる。
◎人生の幸福度が最高値に達するのは、82歳以上である。
◎人はもともと、齢を取れば取るほど幸せになるようにできている。
◎齢を取れば取るほど、お金を使っているかどうかが、周囲の人を引き寄せる要因になる。
◎お金のある人よりも、心のある人に人は寄ってくる。
◎人間やはり、若いうちからガマンなんかしないほうがいい。
◎生産しないで消費だけしてくれる人は、国にとっては非常にありがたい存在。
◎高齢者だって現役の消費者だ。
◎AIを進歩させるのは、むしろ高齢者だ。
◎頭が良くて厚かましいお年寄りがたくさんいる国のほうが有利になってくる。
◎医者とか雑誌の作り手が考えているよりも、お年寄りはずっとインテリだ。
◎齢を取ってヒマになったら実験はし放題、すべては実験だと思って生きればいい。
◎日々を楽しく暮らす、という発想が大事。
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