コレステロール値が「やや高めの群」が最も生存率が高いという結果が出ています。(1)
(2025/5/7)
『80歳の壁【実践編】』
幸齢者で生き抜く80の工夫
和田秀樹 幻冬舎新書 2023/3/29
<おいしく、多めに食べる>
<エリザベス女王が、美しく長寿だった秘訣はたんぱく質?>
・そこで私は、高齢者に不足しがちな「タンパク質を十分に摂取する」ために、「肉を食べる」ことの重要性を強調したのです。
<1日プラス50グラムの肉を食べましょう>
・コレステロール値が「やや高めの群」が最も生存率が高いという結果が出ています。
<牛肉、豚肉、鶏肉、どれもまんべんなくが理想>
・肉に限らず、毎日、同じものを食べ続けるのは危険です。
<肉を噛み切りにくい人は、プロテインで補給する>
・また、肉類も牛乳も納豆も苦手という人は、「プロテイン」でタンパク質を補給するという方法もあります。
<肉を夕食ではなく、「朝食」にこそ食べてみよう>
・それぞれの臓器には、活発に動く時間帯と、そうではない時間帯があるのです。
<「腹八分目」ではなく、「腹九分目」を心がける>
・75歳以上でも1800~2100キロカロリーは必要です。後期高齢者になっても、青年時代の80%近くは必要なのです。
・ことに、低栄養になると、心配なのは「転倒」です。タンパク質不足から筋肉量が落ち、ちょっとしたことでころびやすくなることです。
<メタボよりも、低カロリー・低栄養こそ要注意>
・高齢者の場合、食事量を減らして、低栄養になるほうがよほど危険なのです。
<市販の弁当やお惣菜で、「雑食」を心がける>
・高齢になると、食事のメニューが「単品化」しがちです。
<「カップ麺」はトッピングを工夫してバランスをとる>
・自分で「具材」をトッピングすることをおすすめします。
<ラーメンスープを飲み干しても、塩分の摂りすぎになりません>
・その理由は、専門的にいえば、「高齢になると、腎臓が塩分を貯留する能力が落ちるため、むしろ塩分不足、低ナトリウム血症のほうが心配だから」ということになります。
<ご飯やパンから食べはじめてはいけない>
・たとえば和風の朝食なら、まずは豆腐や玉子料理を食べてから、ご飯を口に運ぶといいでしょう。
<食欲が湧かないときは、おかずだけ食べればいい>
・そういうときには、おかずを先に述べたように食べて、ご飯やパンを残すことです。
<酒を薄めて飲んでこそ、「百薬の長」になります>
・水と一緒に飲むと、血中アルコール濃度の上昇を妨げるうえ、水分不足に陥らず、悪酔いもしにくいのです。
<ランチは、自宅ではなく、できるだけ外食する>
・それが、昼休みの運動には、ちょうどいいのです。
<薬と医者と数値を疑う>
<首、手首、足首を保温して免疫力を上げる>
・また、体温を下げないためには、「3つの首」をよく温めることです。「3つの首」とは、首、手首、足首のこと。
<おしゃべりやカラオケでのど仏を鍛える>
・その原因となる「誤嚥」を防ぐには、のどの筋肉、とりわけ、のど仏を動かす筋肉を鍛える必要があります。
<血糖値は高いよりも低いほうがよほど危ない>
・というわけで、私は、体のふらつきや、頭がボケた状態になることを我慢してまで、血糖値を下げる必要はないと考えているのです。
<医者からもらった薬を「半分」やめる勇気を持つ>
・薬の成分が長く体内にとどまり、その分、副作用のリスクが高まるのです。
<ガンは切ればいいとは限らない>
・もともと、私は「ガンは切ればいい」という考え方には与していません。
<甘いものを食べたあとは、すぐにお茶や水を飲む>
・虫歯は、歯垢中の細菌が糖を材料にして、酸をつくることによって生じます。
<「耳が遠くなった」と感じたときは、まず無料の補聴器を試す>
・難聴になって脳の受け取る電気信号が乏しくなると、それが認知能力低下の原因のひとつになるのです。早めに「補聴器」を試してみることをおすすめします。
<骨粗しょう症を予防するカルシウム・日光・運動>
・現在、骨粗しょう症患者の約80%は、女性が占めています。というわけで、カルシウム、日の光、運動の「3本柱」で、骨粗しょう症は予防できます。
<「便秘」は朝起き抜けの水1杯で解消できる>
・まず、便秘になると、トイレでいきむことになり、その際、血圧が30~40も上昇します・すると、心臓や脳疾患を発症するリスクがにわかに高まります。
・とりわけ、朝、起き抜けに、コップ1杯の水を飲むと、睡眠中に失った水分を補給できるうえ、腸の蠕動運動が活発になります。
<世界一優秀な「尿漏れパッド付きパンツ」やオムツを活用する>
・推定で少なくとも約400万人の高齢者が、「尿失禁」に悩んでいるとみられます。そのうち、女性が男性の2倍以上を占めると推定され、尿失禁は、とりわけ高齢女性にとって深刻な問題です。
<脱水症状は、白湯の「ちょこちょこ飲み」で防ぎましょう>
・高齢者は自宅で発症することが多いので、終日家にいるときも、水分補給を忘れないようにしましょう。
<腹筋・背筋を鍛えて、大敵「腰痛」を防ぐ>
・「腰痛持ち」の人は、約3000万人もいるといわれます。腰痛の原因は、おおむね次の3つです。「運動不足」「姿勢の悪さ」「体に合っていない椅子」です。
<「ホルモン補充療法」で人にやさしくなる>
・そこで、私は、男性も女性も、ホルモン量の減少が著しいときは、「ホルモン補充療法」をおすすめします。
<80歳を過ぎたら、「健康診断」を卒業してもよい>
・とりわけ、毎年、同じことを健診で調べ続けている国、世界に日本と韓国くらいしかないのです。
<いい医者かどうか判定するために、ひとつ「「クレーム」をつけてみる>・経験豊富な臨床医は、患者の話によく耳を傾けるものです。
<電話対応、空気清浄機・加湿器の有無をチェックする>
・まずは、当たり前のことですが、「通いやすい医院」を選ぶことです。
<手術件数が多い病院を調べ、選択する>
・各病院のホームページを開き、「治療実績」(過去1年間の手術件数など)を調べることです。
<脳と心にわがままを許す>
<週5日、20分を歩くと、認知症発症率が40%下がる>
・年をとると、とくに病気をしなくても、全身の筋肉が萎んでいくように、脳も萎むのです。筋肉からの刺激は、脳にとって大きな刺激になります。
<週に2回、ルーティンを変えてみる>
・脳を元気づけるため、意識的に暮らしに変化をつけることをおすすめします。
<「3~5行の日記」を手で書きませんか?>
・日記は、パソコンに打ち込むのではなく、日記帳に手書きで書くことをおすすめします。
<どうせ図書館に行くのなら、1冊は借りて帰りましょう>
・高齢者には、「図書館通い」を日課にしている人が大勢います。
「1日6分間、読書する」だけでも、心身にいい影響が生じます。
<料理こそ「デュアルタスク」、脳を活性化させます>
・簡単にいうと、2つのことを同時に行うこと。いわゆる「ながら作業」です。
<粗食や節制が、免疫力を弱めているかもしれない>
・高齢になっても、なるべく人と会い、話すことです。「家族との対話」「社会との接触」が認知症を防ぎます。
<骨だけでなく、脳を守るためにもカルシウムを摂りましょう>
・牛乳を飲むと、お腹の調子が悪くなる人は、ヨーグルトやチーズを食べるといいでしょう。
<脳に効く「DHA」は、刺身で食べればいちばん効率的に摂取できる>
・魚に含まれるDHAは幸齢者も積極的に摂取したい栄養素のひとつなのです。
<感情の老化を防ぐために1日1分、「なんで⁉」と考える>
・そのため、このように、感情を働かせながら、自ら問題を設定して、考えることが、脳の衰えを防ぐのです。
<節約ではなく、浪費が老化を遠ざける>
・この世で自分が稼いだお金は、自分で使い切る。
<おしゃれをすると、行動範囲が広がり、感情も若返る>
・精神療法のひとつに、「行動療法」があります。
<ストレスを解消するには、まずゆっくり息を吐く>
・脳にとっての最大の敵は「ストレス」です。「公園浴」、「絵を描くこと」や「深呼吸」が有効。
<「愚痴」をいえる相手は、高齢者の財産です>
・心の健康を保つうえで、愚痴には大きな効用があるのです。
<できなくてもサバサバ、できることは続ける>
< ルンバに頼ってでも、掃除する習慣は続けよう>
・さらに、精神衛生上も、室内をきれいに保つのは大切なこと。
<シニア向けの安全ガスコンロで料理をつくる>
・IHを使いこなせそうならIH,それが自分には合わないようなら、シニア向けのガスコンロを選ぶといいでしょう。
<ドラム式洗濯機で健康寿命を延ばす>
・洗濯も、高齢者には、いい運動になります。
<天気の悪い日や夜は、買い物をひかえる>
・買い物を続けると、体と脳と心がそろって元気になるのです。
<カバンはビニール製の軽い「安物」がいちばんです>
・なお、ときどきはカバンの中身を点検し、不要なものを取り出すことをお忘れなく。
<お金をかけずに、自宅を「転倒防止仕様」に改造する>
・高齢者の事故の77.1%は、「自宅内」で起きています。2位の道路が9%、3位の民間施設が8%ですから、家庭内の事故が圧倒的に多いのです。
<冬場、転ばないように家中を暖める>
・冬場の転倒を防ぐには、まずは光熱費をケチらないことです。
<夏場、室温が27度を超えたらエアコンのスイッチオン>
・そして、気がついたときには、重度の熱中症状態に陥っていることがあるのです。
<朝はまずパジャマを「着替える」ことから始めましょう>
・高齢者がフレイルに陥るいちばんの原因は、「家のなかに閉じこもる」ことです。
<「ちょっとそこまで」でも、化粧をして出かけませんか?>
・近ごろ、高齢者の精神医療で注目されている手法に、「メイクセラピー」(化粧療法)があります。
<眠れなくなると物忘れも多くなる>
・また、睡眠不足になると、糖尿病と高血圧のリスクが約2倍になるというレポートもあります。
<「平均睡眠8時間」には、こだわらなくてもよい>
・必要とする睡眠時間は、個人差がひじょうに大きいからです。
<快眠するには、「夕食」よりも「朝食」をしっかり摂る>
・一方、朝食を食べないと、不眠症の原因になります。
<牛乳は「朝」ではなく、「夜」に飲むもの>
・さらに牛乳は、神経を休める効果を持つカルシウムをたっぷり含んでいます。
<寝酒はかえって睡眠の質を落とす>
・酒の力を借りて眠ると、アルコール依存症になるリスクが高まるうえ、かえって睡眠の質が落ちるからです。
<少し難しい本を読むと眠たくなる>
・ただし、読むのは「紙の本」に限ります。
<自分に合った長さの昼寝でスッキリ目覚める>
・私自身、「常識」に反して、毎日1時間は昼寝しています。
<高齢者が42度以上のお湯に入ると、死の危険もある>
・そうした高齢者の浴室死の大半は、脳卒中と心臓発作が占めています。
<食前と食後の入浴は避けましょう>
・温泉施設へ行くと、「食後すぐの入浴は控えましょう」と注意書きがあります。むろん、酒を飲み、酔いが回っている間の入浴は、絶対NGです。
<シャワーでお湯を張ると、ヒートショックの予防になる>
・とりわけ冬場、浴室と他の部屋の間の温度差が大きいほど、ヒートショックを起こしやすくなります
<午後2時から4時が、入浴に最も適している>
・「今日は、なんだか疲れているな」を感じる日は、入浴せず、そのまま寝てしまったほうがいいのです。
<遊ぶ、外出する、笑う>
<「家族と同居」よりも「一人暮らし」のほうが長生きできる>
・その理由は、体をよく動かすからです。
<高齢になっても「心肺機能」は、さほど衰えない。問題は筋肉です>
・心肺機能に比べて、大きく衰えるのが、筋肉です。70歳になると、25歳時と比べて、全身の筋肉量が平均30%も減少します。
<70代はいろいろな道、80代は決まった道を歩く>
・歩くことは、最も手軽な全身筋トレなのです。
<いい「靴」を買うことは、いい「足」を買うことです>
・とにかく「滑りにくい靴」を選びましょう。
<スポーツジムに通うメリットは「水の中を歩ける」ことです>
・「水中ウォーキング」は、地上を歩く以上に、すばらしい運動です。
<「1年に数回楽しむ」だけの趣味を、いくつか持ちませんか?>
・私は、年に数回、気が向いたときに楽しむだけでも、立派な趣味だと思います。
<本当に趣味のない人は、映画館に足を運んでみませんか?>
・映画鑑賞は参入障壁がごく低い遊びです。
<孫への読み聞かせは、「自分」の脳のためです>
・声に出して読むと、黙読するときよりも、脳内の血液量が増えるからです。
<「1日6分間」、本を読むとよく眠れます>
・そもそも、読書には「黙読」でも、脳をリラックスさせる効果があります。
<ペットを飼うことで幸福ホルモンが分泌される>
・「アニマルセラピー」という精神療法があります。とくに、犬を飼うと、散歩に連れていく必要があるため、外出回数が増えます。
<家庭菜園づくりは前頭葉がよく働く>
・「家庭菜園」は、とりわけ高齢者におすすめしたい趣味です。
<笑うと、本当にガンを笑い飛ばすことができます>
・笑うと、しぜんに腹式呼吸になり、一時的に呼吸力が高まった状態に戻るのです。
<ギャンブル、ゲーム、勝負事は、手と頭をよく使う>
・ギャンブルは、むろん「ほどほどにする」という前提付きでありますが。
<免許更新テストは「傾向と対策」を練って臨みましょう>
・「事前練習」の方法は簡単です。すでに、いろいろな「対策ドリル」が出ているので、それで練習しておけば、本番のテストであわてることもありません。
(2025/4/27)
『80歳の壁』
和田秀樹 幻冬舎新書 2022/3/28
<プロローグ 80歳の壁を越えていく>
<80歳の壁を越えていくためにこの現実を知っておきましょう>
・男性は9年間、女性は12年間――。この年数が何を示すかわかりますか?じつはこれ、病気や認知症などで寝たきりになったり、誰かに介助されたりしながら生きる平均期間を表したものです。
【健康寿命】
・心身ともに自立して健康でいられる年齢を「健康寿命」と言います。その年齢が72.68歳、女性が75.38歳です(令和元年の調べ)
【平均寿命】
・男性が81.64歳、女性が87.74歳です(令和2年の調べ)
【死亡数】
・「死亡数」とは、年齢別に亡くなった人の数を調べたものです。最も多くの人が亡くなった年齢は、男性が85歳、女性が90歳でした(平成17年の調べ)。
<幸せな晩年と不満足な晩年、どちらを選びますか?>
・診療した患者さんは6000人を超えます。介護の場や講演会など病院以外も含めると、その数は1万人を超えるでしょう。
<老いを受け入れ、できることを大事にする>
・この本では、80歳オーバーを「幸齢者」と呼びたいと思います。
<80歳を過ぎたらガンがある。それに気づかない人も多い>
・つまり、幸齢者になれば誰の体にもガンがある、ということです。
<認知症は必ずやってくる。ならばいまのうちにしたいことをする>
・ただし、幸齢になってから発症する認知症の多くは、とてもゆっくりと進行する病気です。つまり、認知症は病気というより「老化現象」に近いものであり、年を取ると誰にでも起こる症状、というわけです。
<「人生百年時代」という言葉が80歳の壁を高くしている>
・80歳と言えば、かつては「人生のゴール」という印象でした。ところが昨今では「人生百年」と言われ、ゴールがいきなり20年も先になってしまいました。
<医者・薬・病院の壁を越えていく>
<幸齢者になったら健康診断はしなくていい>
・とくに80歳を過ぎた幸齢者の場合は問題がある、というのが老年医療の現場に長年いる私の実感です。数値を正常にするために薬を服用し、体の調子を落とす人や、残っている能力を失ってしまう人、寿命を縮めてしまう人がいるのです。
<医療に頼るなかれ。医師には「健康」という視点がない>
・「医者の不養生」という言葉があります。医師は自分の健康や体には無頓着だという意味です。
<病院ではなく、自宅やホームで「老衰」で死ぬということ>
・老衰は、病気ではなく、少しずつ体が弱って死ぬことです。「天寿をまっとうした死に方」と言ってもいいでしょう。
<闘病ではなく「共病」で。闘うよりも手なずけて生きる>
・病気と闘うのではなく、病気を受け入れ、共に生きることです。
<医療難民になる前に。ドクターショッピングで、信頼できる医師を探す>
・医師の数がある程度いる地域に住んでいる方なら、医療難民になる前に、ドクターショッピングをして、自分の考え方を受け入れてくれるかかりつけ医を探すしかないと思っています。
<医療の自己決定。それは自分がどう生きるかの選択です>
・たとえば、今回のコロナ禍は自己決定ができなくなった最悪の例でしょう。
<ウィズコロナ――大きな病院の専門医より地域の町医者が幸齢者むき>
・しかし、やはり幸齢者になったら、大学病院の専門医ではなく、地域のいわゆる「町医者」をかかりつけ医にしたほうがいい、と私は思っています。
<どんな医師を選ぶか。それが晩年の幸・不幸を左右する>
・80歳の壁を越えていくには、いかによい医師を選び、よいつき合いができるか、が大きなカギを握ると言えます。
<嫌な医師とはつき合わない。自分にとっての「明医」を探す>
・医師選びでは、医師との相性も大事になってきます。80歳を迎える幸齢者にとって、病院や医師はとても身近な存在です。
<臓器別診療の弊害。幸齢者はトータルで健康を考えよ>
・日本の医療は基本的に「臓器別診療」のスタイルをとっています。年を取れば、臓器の機能は全体的に低下します。ある臓器だけの治療をしても、ほかの面に支障が出てしまうことは少なくありません。
<薬は必要最小限に。飲み過ぎは毒と心得よ>
・臓器別診療の弊害は、薬の多さにも表れています。日常生活の活動レベルを落とさないよう、最小限の薬にとどめる。これが幸齢者の、薬との正しいつき合い方なのです。
<長生きの薬はない。薬は不調があるときに飲む>
・薬を飲み続けても長生きできるという保証はどこにもないと言っていい状況です。
<「なってから医療」は中高年までの医療と違う。予防のための薬は、なってからは要らない>
・もちろん、認知症を進行させることもあり得ます。要するに動脈硬化に「なってから」は、むしろ血圧や血糖値を高めにコントロールしたほうが健康になれると私は信じています。
<しょぼくれた老人になるか。いまのまま元気に生活するか>
・つまり、血圧や血糖値、コレステロール値を下げることは、動脈硬化には効果的ですが、活力が奪われたり、ガンのリスクが高まったりするわけです。
<もしもガンが見つかったなら。生活の質を重視する>
・特に、80歳を過ぎるような幸齢者は、手術の必要はないと思います。年を取れば取るほど、ガンの進行が遅くなり、転移もしにくくなるからです。それならば、何もせず、放っておけばいい、というのが私の考えです。
<ガンを切る、切らない。どちらが長生きできるのか>
・幸齢者はガンを切らないほうがいい理由は、ほかにもあります。年を取っているほど、ほかの臓器にもガンがある可能性があるからです。
<ゼロリスクなんてものはない。なったらなったで仕方ない>
・世の中には、可能性がゼロなんてものは、何一つありません。ゼロリスクのものなんて存在しないのです。
<本当は怖い健康診断。幸齢者は受けなくていい>
・つまり、どこまでが正常で、どこからが異常かは、個々人によるものなのです。
<血圧の数値の話。幸齢者は高くても大丈夫>
・とにかく、数値だけで「異常」と判断され、薬を飲み続けるという選択は間違いです。自分の体の状態から判断するのが、幸齢者の賢い選択です。
<新型コロナの教訓。なぜ高齢者が重症化したのか>
・なぜ、80代の人が、コロナにやられてしまうのか?それは、高齢になるほど免疫力が弱い、抵抗力が弱いからです。
<糖尿病の治療がアルツハイマーを促進する>
・現代医学では一般に、糖尿病の人はアルツハイマー型の認知症になりやすいと言われています。しかし、これは大いに疑問です。
・つまり、医学界の定説とは正反対のことが、実際には起きているのです。
<医学は不完全なもの。だから自分の思い通りに生きる>
・このように、医学常識や健康常識は変わっていくものなのです。
<老化の壁を越えていく>
<浴風会病院の高齢者医療。私が自信を持って話せる理由>
・この本にも、浴風会病院の知見を大きく取り入れています。さらに加えて、私の30年にわたる臨床経験から得た知見を交えて話をしています。
<明日死んでも後悔しない人生の時間の過ごし方。三つのムリをやめる>
・毎日の暮らしには、いくつもの我慢や無理がありますが、次の三つは、すぐにでもやめたほうがいいと思います。①薬の我慢、②食事の我慢、③興味あることへの我慢。
<食事は我慢しない。食べたいものは食べる>
・世間の常識では、太っていると健康が損なわれ、「塩分、糖分、脂質」は三大害悪のように言われているからです。
・くどいですが「少し太っている人のほうが長生き」というデータは世界中にあります。「食べたいものを我慢してダイエット」など自ら寿命を縮める行為です。栄養不足は、確実に老化を進めるからです。
<興味あることは我慢しない。どんどんおやりなさい>
・でもやはり、したいことは我慢せず、やったらいいと思います。
<男性ホルモンは元気の源。したいことをして脳も体も元気に>
・何かに興味を持つということは、脳が若い証拠です。実際、それを実行することで、脳は活性化し、体も元気になります。それは男性ホルモンから見ても明らかです。
<脳の前頭葉を刺激する。したいことをすると脳は喜び若返る>
・年を取ると、筋力や臓器だけでなく、脳も老化します。認知症はそうした老化現象の一つです。なかでも一番多いのは、アルツハイマー型で、「脳が縮む」と言われているタイプです。
・したいことをすることは、脳の老化を防ぐためにも必要なのです。
<エロティックは否定しない。いくつになっても刺激を求めていい>
・性欲についても再度話しておきましょう。日本人はタブー視しがちですが、本来、性欲は自然な欲求であり、とても大切なことです。
<金持ちのパラドックス。再婚したいのに許してもらえない>
・70代の前半くらいまでは、再婚の意思があった場合、子どもを説得して再婚する人が多いのですが、80代になると子どもの反対に折れる人が多くなります。
<子どもにお金を残さない。お金があるなら使ってしまう>
・年を取ったときの最大の財産は、「思い出」だと私は思っています。
・いずれにしても、財産を子どもに残すために、自分はしたいことを我慢する、というのは本末転倒です。
<年を取ると感動が薄れる。衰えではなく経験知が上がったのです>
・年を取るということは、経験知が上がるということです。ちょっとやそっとの刺激では、感動できなくなるのです。
<お酒は飲んでいい。でもやはりほどほどに>
・「お酒もタバコもギャンブルも、適度に楽しんでください」と。つまり「自分でコントロールできる範囲で楽しみましょう」ということです。
<タバコもやめなくていい。イライラは余計に害です>
・意外かもしれませんが、タバコの害は、年を取れば取るほど低くなってきます。浴風会病院のデータでは「高齢者の場合は、タバコを吸っても吸わなくても生存曲線は変わらない」という結果が出ています。
・精神的に安定しているほうが免疫力が上がり、ガン細胞を抑えることができる。これは十分に考えられることです。
0コメント