糖尿病患者数は約1000万人。糖尿病が強く疑われる、もしくはその可能性を否定できない予備軍も約1000万人になります。(1)

(2025/5/9)

『健康常識という大嘘』

和田秀樹 宝島社 2024/2/22

<はじめに>

・人々が「当たり前」と思っている健康常識は少なくありません。

・そのため、医者の言う身体にいいとか身体に悪いなどの基準は、実はある臓器にとっていいのか悪いのか、ということになります。

・超高齢社会の日本では、人口の3割近く、患者さんのおよそ6割が高齢者なのですが、さまざまな健康常識が高齢者にあてはまるのかどうかもわかりません。

<生活習慣の大嘘>

<健康常識 病気予防のためには日常的に食事制限>

<好きなものを食べたほうがいい>

・しかし現実には、さまざまな研究で「小太りの人のほうがやせ型の人よりも長生きする」という結果が出ています。

<50歳の見た目のまま120歳まで生きる>

・老化を遠ざけて若返るためには「身体の酸化」を避けなければならないと言います。身体の酸化とは細胞の炎症、つまり細胞を包む細胞膜に傷のできた状態のことであり、がんの原因になることさえあります。

<健康常識 肉食は身体に悪い>

<肉を食べればあらゆる意欲がアップ>

・高齢者は肉を控えた野菜中心の食事が身体にいいと思い込まされた結果、タンパク質が不足してしまったというわけです。

<脳卒中減少の裏にタンパク質あり>

・ただし、動物性タンパク質と植物性タンパク質では、含有する必須アミノ酸のバランスや体内での吸収率が異なります。

<健康常識 塩分や糖分の摂取は控えめに>

<足りないほうが害は大きい>

・血圧が高い人は、決まったように医者から「塩分控えめ」を忠告されて、真面目な人はそれを頑張って実行します。

・低ナトリウム血症とは血液中のナトリウム、つまりは塩分の濃度が低くなった状態を言います。

<軽度の糖尿病でも長生きなアジア人>

・年をとるほど「栄養が余ること」よりも「足りないこと」の害のほうが多くなるのです。

<健康常識 高齢になったら運転免許は返納する>

<自動車の運転は続けるべし>

・高齢者を対象に、車の運転を続ける人と免許返納した人に分けて分析した研究によると、運転をやめた人が要介護になるリスクは2~8倍になるといいます。元気なうちは老化予防のために自動車の運転は続けたほうがいいでしょう。

<高齢者も運転は安全で安心>

・身体の衰えを自覚し始めた場合でも運転をすべてやめるのではなく、運転する機会を自分で限定すればいいのです。

<健康常識 高齢者の運転は危険>

<加齢以外の事故の原因のほうが問題>

・では意識障害の原因は何かと言えば、薬の副作用の可能性が大きいように思います。

<事故を避けるには免許返納よりも薬を減らせ>

・それ以上に問題なのは、血圧や血糖値を下げる薬のほとんどが運転注意薬であることです。

<健康常識 健康長寿のためには禁煙>

<喫煙でストレス解消して健康的になるケースも>

<肺がんが増えるタバコ以外の理由>

・かつて日本人の肺がんは、ほとんどが扁平上皮がんといわれるものでした。しかし、喫煙率が下がり出してから10~15年が経つと扁平上皮がんはおよそ3分の1まで減りました。こうして見るとタバコと扁平上皮がんの発生に関連があるのは確かなようです。

<健康常識 外食は身体によくない>

<ランチだけでも外食するべき>

・自炊でいろいろな食材を用意して調理するのはなかなか大変で、どうしても決まった献立になりがちです。

・「食品添加物でがんになる」といっても確率的には1万分の1とかその程度ですし、すぐに身体に害が出るほど毒性の強いものは、そもそも許可されません。

<ラーメンは高齢者向きの健康食>

・ラーメンは身体に悪いと言われがちですが、むしろ高齢者にとって、こだわりのラーメンは健康食と言ってもいいのです。

<健康常識 アンチエイジングは食事から>

<男性ホルモン補充療法で若返る方法も>

・「意欲」に関わってくるのが男性ホルモン(テストステロン)です。テストステロンの減少を抑えるには、肉を食べることが有効です。

<男性ホルモン補充療法で若返る>

・手っ取り早い方法としては、テストステロンを注射したり塗ったりして体内に取り入れる「男性ホルモン補充療法」があります。

<健康常識 高齢になったら粗食を心がける>

<しっかり食べて免疫力アップ>

・免疫力アップに効果的なのは好きなものを食べることです。

<私が新型コロナ陽性でも発症しなかった理由>

・60代からはむしろ老化を防ぐために食事でしっかりエネルギーを補完するべきで、なかでも意識したい栄養素がタンパク質、脂質、亜鉛です。

<健康常識 子どもに頼らない自立した生活を>

<できないことは無理せず公的サービスを頼る>

・足腰などが弱ってきたなら無理をせず、人に頼る生活へとシフトしていきましょう。

<介護保険を積極的に利用しよう>

・基本的には健康保険と同じようなシステムですから「介護をお願いして申し訳ない」と遠慮する必要はありません。

<健康常識 運動を続けることで健康維持>

<過度な節制や運動でかえって健康を損ねるケースも>

・水中のウォーキングが高齢者にとって最適の運動になるからです。

<毎日の家事で認知症リスクが低減>

・たいていの場合、1人暮らしの高齢者のほうが家族と同居しているよりも健康な人は多く、認知症になるリスクは低めです。

<認知症の大嘘>

<健康常識 認知症はつらく苦しい病気>

<なってしまえばみんな結構幸せそう>

・私がかつて勤務していた病院での病理解剖の結果では、85歳以上のほぼ全員の脳にアルツハイマー型認知症に特有の所見が見られました。

<問題行動にもちゃんと理由はある>

・「テレビを見続けるとバカになる」というのが私の持論で、必要以上に見ないことが余計な不安を抱えない最良の方法です。

<健康常識 独居生活が認知症を招く>

<独居のほうが認知症の進みは遅い>

・孤立を避け、仕事や遊びで家族や仲間との交流を持てば身体活動も精神活動も増えて、脳機能の維持に役立つというわけです。

<独居が社会的孤立につながるわけではない>

・認知症の進行度合いを見た時に、「独居のほうが遅い」こともわかっています。

<健康常識 認知症を予防するために脳トレ>

<パズルや計算よりも会話が大事>

・脳トレといわれるものは数独でも百マス計算でも、認知症予防という観点からはほとんど無意味です。

<前頭葉を使う脳トレをしよう>

・ではいったいどうやって「頭を使う」といいのか。私の経験上、もっとも効果が高いと思われるのは、他人との会話です。

<健康常識 認知症の人はできるだけ在宅介護>

<介護は施設などのプロに頼ったほうがいい>

・子どもが親の介護を自宅で行うのはもう物理的に無理な話だということを、親側も子ども側も心得ておかなければなりません。

<親や伴侶を施設に入れることは罪ではない>

・介護保険の制度も開始から20年以上が経ち、認知症の介護に慣れた職員も増えています。

<健康常識 認知症になったら外には出さない>

<初期の認知症は外に出ているほうが進行は遅い>

・杉並区の高齢者たちは認知症になるとその多くが家に閉じ込められていたのに対し、鹿嶋市では気ままに近所を歩きまわらせることが多かったのです。

<認知症の徘徊でも事故は避けようとする>

・認知症を発症しても、すぐにすべての認知機能がなくなるわけではないのです。

<健康常識 仕事は早く引退する>

<仕事をやめると認知症が進む危険性がある>

・「年をとったから引退する」というような考え方自体がもはや時代にそぐわなくなってきたように思います。

<長野が長寿県になった理由は有業率の高さ>

・隠居をすることもなく継続的に働いていれば、運動機能や脳機能が維持されて、老化予防になると考えられるのです。

<健康常識 読書や音楽は脳の老化防止になる>

<意見を発信できるSNSを活用しよう>

・手っ取り早いアウトプット型の行動と言えば会話です。

<AIに期待して老後の不安におびえない>

・近い将来にはチャットGPTが人間と同等以上の話し相手にもなってくれるでしょう。

<健康常識 認知症になったら何もできなくなる>

<軽症のうちはほとんどのことができる>

・初期段階の認知症ならアメリカ大統領も務まるということです。自動車の運転も問題なくできる認知症の人はたくさんいます。

<一人暮らしのための予行練習をしてみよう>

・しかしできなくなったことを嘆くのではなく、以前と変わらずにできていることをほめるべきなのです。

<健康常識 認知症は早期発見・早期治療が大切>

<早期発見しても治るわけではない>

<高齢による物忘れと認知症の違い>

・老人性うつを認知症だと思って対処しようとすると、逆にうつ症状を悪化させてしまう危険があります。

<病気と薬の大嘘>

<健康常識 糖尿病治療にはインスリンが必須>

<2型糖尿病ならインスリンは原則的に不要>

・糖尿病患者数は約1000万人。糖尿病が強く疑われる、もしくはその可能性を否定できない予備軍も約1000万人になります。

・つまり「軽い糖尿症とされている人」のほうが長生きできるのだろうと予測できます。

<歩くことで血糖値をコントロール>

・そもそも糖尿病とは「血糖値が高すぎる病気」ではなく、「血糖値が安定しない病気」です。

<健康常識 医者が処方した薬は必ず飲む>

<薬は多くても5種類まで>

・75歳以上の人の約24%、およそ4人に1人が1日に7種類以上の薬を使用しています。

<薬で不調を感じたら素直に医者に申し出よう>

・しかし、年をとって慢性的な不調を感じるようになるのは、加齢や病気のせいとは限らず、実は常飲している薬のせいかもしれません。

<健康常識 がんは早期発見・早期治療>

<治療しなくていいがんもある>

・多くの人は、がんのあることを知らないまま死んでいくのです。

<治療するからがんは苦しい病気になる>

・胃の半分以上を切ったことで食事を満足に摂れなくなれば一気に身体が弱ってしまいます。高齢者の場合は手術をしない選択肢があってもいいでしょう。

<健康常識 コレステロール値は低いほうが長生き>

<コレステロール値はある程度高いほうが長生きできる>

・コレステロールは免疫細胞の材料になりますから、これを無理に減らしてしまうと免疫細胞の数が減り、がんのリスクが高まります。

<中性脂肪は自分でコントロールできる>

・しかし中性脂肪値は、薬に頼らずとも、普段から食べる量を控えて摂取カロリーを減らし、運動をすることで比較的簡単に改善することができます。

<健康常識 血圧は正常値まで下げる>

<血圧は無理に下げなくていい>

・それが今では、若年者も高齢者も一律で140未満を正常とする方針に転換されました。

<100歳以上の人は高血圧が多い>

・100歳以上では高血圧とされる人の多いことがわかっています。

<健康常識 検査の数値は正常値に保つ>

<「正常な数値」は人それぞれ>

・そして高齢者については、血圧や血糖やコレステロールの数値が基準よりもちょっと高めのほうが、活力を維持していられるというのが高齢者医療に長年関わってきた私の実感です。

・数値ばかりを気に病んで、老人性うつ病のような状態になってしまうほうがよほど大きな問題です。

<心臓ドックや脳ドックは人による>

・心臓ドックや脳ドックを受けている人と受けていない人の死亡率はデータ上では大きく違いません。

<健康常識 予防薬を飲む>

<予防薬は飲まなくてもたいていの人は大丈夫>

・降圧剤を飲んでも5%の人は脳卒中になるし、飲まなくても90%の人は脳卒中にならない。

<薬に対する考え方を根本的に見直す>

・実際には薬の飲みすぎの副作用で不調になっているのかもしれません。

<健康常識 糖質ゼロや糖質抜きは健康にいい>

<糖質不足によって重大な健康被害も>

・やせ型の人よりも小太りの人のほうが6~8年長生きするというデータが示されたのです。

<ベジファーストよりもタンパク質ファースト>

・「野菜は身体にいい」というのも半ば常識とされています。しかし一方で、ベジタリアン(採食主義者)やビーガン(卵や乳製品も食べない完全採食主義者)は短命だとする説もあります。

<健康常識 老人性うつには精神安定剤や睡眠導入剤>

<精神安定剤や睡眠薬は一番やめていい薬>

・日本の65歳以上人口はおよそ3600万人ですから、かなりの確率で、認知症か老人性うつのいずれか、もしくは両方の症状にあるのです。

<「電気ショック療法」も高齢者のうつには有効>

・逆に極端な粗食や菜食主義を続ければ、うつ病になるリスクが高くなると考えられます。

<医者選びの大嘘>

<健康常識 大学病院は最良の医療を受けることができる>

<高齢者は大学病院に行ってはいけない>

・高齢者になると負担の大きな高度な治療によるダメージから完全に回復するのは難しくなります。

<専門医は高齢者診療の基本がわかっていない>

・やはり高齢者になったら大学病院の専門医ではなく、地域のいわゆる町医者をかかりつけ医にしたほうがいいでしょう。

<健康常識 健康診断は定期的に受ける>

<ガチガチの健康管理は、場合によって健康を損ねるおそれがある>

・もし健診に延命効果があったなら、受診率の高い男性のほうが長生きになるはずです。しかし現実は逆です。

<日本の精神医療体制は整っているとは言い難い>

・そうすると医者側はどうしても短時間の診療で済ませて回数を稼ごうとします。

<健康常識 処方薬を勝手にやめてはいけない>

<具合が悪ければ自己判断でやめてもかまわない>

・多くの医者はすぐに薬を出すようになりました。治療のためというよりも、数値を下げるためだけに薬を出しているのです。

<待合室がサロン化する病院には理由がある>

・高齢者にとって快適で健康にもいい病院だからこそ、多くの人が集まるというのも事実なのです。

<健康常識 病気以外の不調も医者に健康相談>

<医者は病気を治すプロだが、健康のプロではない>

・多くの医者は健康法についての信用に足る専門知識を持ち合わせていません。

<病名のついた病気しか診療しない>

・日本の場合は「病名のついた病気だけにしか保険は適用されない」ということになっています。

<健康常識 AI診断など最新医療は信用できる>

<現段階では対面による関診や触診も大切>

・そしてAIの進化でもっとも恩恵を受けるのが高齢者です。

<AIと医者が役割分担する時代に>

・医療においては、まずAIと医者の役割分担が進んでいくのだろうと思います。

<健康常識 担当医にはお礼の心付けが必要>

<質問攻めするような「面倒な患者」になれ>

・医者から、軽く扱われるというのは本当に危険なことなのです。

<医者になめられたら命に関わる>

・初めての病院へ行く時に、もっとも大切なのは「なめられないこと」です。

<健康常識 海外発の新薬、新技術は効果が高い>

<海外の症例が日本人にもあてはまるとは限らない>

・日本において血圧や血糖値などの「基準値」とされている数値の多くは、アメリカなど海外のデータが元になっています。

<日本の医療サービスはエビデンス不要>

・しかし日本では官庁の許可さえ下りたなら、薬も医療サービスもエビデンスの有無にかかわらず自由に使うことができます。

<健康常識 病状に合わせて臓器ごとの専門医にかかる>

<臓器別ではなくトータルの健康を考えるべし>

・彼らが「病気が治る」ということの意味は、あくまでも「臓器の状態がよくなる」ということです。

<李登輝元台湾総統が指名した日本の名医>

・病院のホームページなどから医者の来歴を調べてみれば、よりよい医者を見つける可能性は高まるでしょう。

<老後生活の大嘘>

<健康常識 自宅で死ぬのが幸せ>

<「在宅看取り」と「在宅介護」は別もの>

・「愛する家族の希望どおりに自宅で」と在宅介護を認めても、長引くにつれて介護する側は疲弊します。

<国の医療費負担を家庭に押しつける「在宅死」>

・高齢者を施設で介護するよりも、自宅で家族に介護を任せるほうが医療費や介護費用への公的負担は少なくなります。

<健康常識 無病息災を常に心がける>

<病気を抱えたまま生きていく「ウィズの精神」が大切>

・「糖尿病だから認知症になりやすい」のではなく、「糖尿病の治療をするから認知症になりやすい」ということではないかと推測しています。

<神奈川県の川崎市麻生区が長寿日本一の理由>

・やはり治療や薬よりも普段の生活のほうが寿命や健康との関連が大きいように思います。

<健康常識 年相応の生き方を>

<いくつになっても刺激を求めよう>

・男性ホルモンは、いわゆる男らしさを促進して、社交性や攻撃性といった外に向かう力を生み出します。

<バイアグラやシアリスで健康になる>

・だからこそ、ずっと続けてきた趣味や遊びも「そろそろ控えよう」というのではなく、やり続けることが大切です。

<健康常識 子どもや孫に財産を残す>

<財産は自分で使い切る>

・子どもが親の面倒をみることを当たり前とする風潮。しかし、そのせいで親子が共倒れになってしまったのでは意味がありません。

<健康寿命を延ばせば子どもの負担が減る>

・それで健康寿命が延びたなら、これは子どもの介護負担を減らすことにもつながります。

<健康常識 老いては子に従え>

<時には、自分の気持ちに素直に従うことも大切>

・いくら子どもに反対されても自分の気持ちに従って再婚すればいいと思います。

<うつ症状を感じたらすぐにメンタルクリニックへ>

・うつは認知症とは異なり、早い段階であれば治療が可能な病気です。

<健康常識 何事にも謙虚に生きる>

<謙虚になりすぎると「うつ」のおそれも>

・私はかねてから高齢者に対して、個人主義を推奨しています。

<周囲へ迷惑をかけることを気にしない>

・海外では、自分が病気などで苦しかったり、痛くてつらかったりという理由で安楽死を望むケースが大半。

<健康常識 一人暮らしでの孤独死は悲惨>

<独居老人の孤独死の多くは「ピンピンコロリ」>

・孤独死や認知症を必要以上に怖がるのは、テレビの影響が強いからだと考えられます。

<在宅介護では3~4割の家庭で虐待が>

・もしも要介護認定を受けた寝たきりの状態であれば、ほぼ例外なくなんらかの福祉サービスとつながっています。

<健康常識 病老死は怖い>

<不安を先回りして準備しておく>

・日本人は、不安感情を胸にしまい込んで、押し殺そうとするのです。

<先々の不安を解消するためのシミュレーションを>

・尿漏れなどの排泄コントロールに不安を覚えたなら、実際に紙パンツを利用してみればいい経験になります。

<健康常識 終活はいいこと>

<衰えを意識すれば、どんどん老化が進むばかり>

・そんななか、最近では「終活」という言葉をよく耳にします。

<「できないこと」を面白がり、楽しむ>

「もう年だから」と諦めずに、チャレンジを続けることが大切です。

<健康常識 老後に備えて無駄遣いをしない>

<外出してお金を遣うほうが健康寿命は延びる>

・遊びといっても何かに本気で没頭することが大切です。

<「若者の感性がわからない」のは衰えではない>

・しかし高齢者の医療費を高騰させているのは、不要な薬を大量に服用させる医者たちのほうです。

(2025/5/1)

医者が教える

『50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」』

和田秀樹 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2022/7/22

<はじめに――人は感情から老化する>

・しかし人間は、“思わぬところ”から、思わぬほど早い時期から老化が始まり、しかもそれを放っておくと体も見た目も老けていき、ボケまで始まってしまうので要注意です。この“思わぬところ”とは――「感情」です。

・前頭葉以外の、例えば言語理解を司る側頭葉や計算能力に関係する頭頂葉は、日常的に使うためか比較的かなり高齢になるまで、その機能は老化しません。それゆえ平均的に73歳くらいまでは言語性IQや動作性IQを維持することもできるのです。

 一方で前頭葉は、個人差もありますが40~50代頃から萎縮し、目に見えるように老化し始めます。そのため前頭葉が司る感情のコントロール機能や、人の自発性・意欲、創造性が衰えてしまうのです。

 これが「老化は脳から始まる」、「人は感情から老化する」といわれる所以です。

・しかしこのことは逆に、前頭葉の若さを保ち、「感情の老化」を防げれば、多くのボケ状態も未然に阻止できる、体や見た目の老化もストップできるということです。

<50代からは「脳の老化」に気をつける>

<「歳だから」を言い訳にしない>

・そもそもこの「寄る年波」の大部分は、「自分の年齢とともに『脳』に問題が生じてくること」が原因、つまり「脳」からきています。

<中高年以降の「脳」について知っておく>

① 前頭葉が萎縮してくる(=前頭葉の老化)、②脳内伝達物質(セロトニンなど)が不足してくる、③動脈硬化が起こる、④男性ホルモン(テストステロン)が減少する(男女とも)

<「うつ」に要注意>

・「やる気が出ない」「頭の働きが悪くなった」そう感じるようになったら、まずは「うつ」の予防を心がけること。「セロトニン」不足は、うつの大きな引き金となるので要注意。

<「男性更年期」にも要注意>

・日本人はこの心因的な症状が強く現れやすい傾向があり、「うつ」と診断された人のなかにも、実は「更年期障害」であるという人も相当数いるとみられています。

<動脈硬化を防ぐ>

・「自発性の低下」は脳の動脈硬化の“黄信号”。脳の血流が悪化すると、脳の機能低下が徐々に進行。早めの手立てで最悪の事態を未然に防ごう。

<前頭葉の老化を防ぐ>

・前頭葉の機能は、①意欲と感情のコントロール、②思考のスイッチング、③クリエイティビティ

前頭葉が萎縮して老化すると、これらの機能が低下する。一方でこれらの機能を保つことで、前頭葉の老化自体が抑えられる。

<コラム1 「脳の領域」とそれぞれの役割分担>

・この「問題」には、脳腫瘍・脳梗塞などの病気、けがの他に、「老化」があります。例えば、視覚情報を司る後頭葉に問題が起きると、視野狭窄や、何かが見えているがそれが何かわからないといった症状が起きます。

 計算や空間認識を司る頭頂葉に問題が起きると、パズルや計算がおぼつかなくなったり、簡単に道に迷ったりするようになります。

<コラム2  前頭葉の老化とは>

・脳のなかで最も早く委縮し始める(=老化し始める)のが、前頭葉です。そしてこの老化(神経細胞の減少の加速)は、なんと40~50代くらいから始まることがわかっています。

<脳の「出力系」を鍛える>

<「アレ」「ソレ」「コレ」を使わない>

・普段何気なく使っている「アレ」「ソレ」「コレ」の指示代名詞。これらが会話のなかに多くなってきたら、「脳のサビつき」「老化」の加速度が増している証拠。

<わからないことは素直に尋ねる>

・出力系を鍛える最も簡単な方法は、“誰かと話すこと”。「記憶が曖昧だから間違ったことを言いそう」「こんなことは今さら人に訊けない」――そんな心のバリアは今すぐ取り払おう。

<日記に書き「出す」>

・出来事を「書き入れる」入力作業も、その前に書き入れることを「思い出す」作業があってこそ。平凡な1日にも必ず「思い出せる出来事」があるもの。日記は「記憶を引き出すトレーニング」になる。

<ブログやフェイスブックを始める>

・ブログやフェイスブックは不特定多数に向けての「公開日記」。思い出したことを「他の人にもわかるように」書き出すことで、一層「出す力」にも磨きがかかる。

<新しい人と知り合う>

・ブログやFBによって構築される未知の人たち・モノ、世界とのネットワークが、知られざる自分や新たな可能性への扉を開き、脳に快感を与え、活性化させる。

<「思い出す」きっかけとなる「モノ」を身近に置くのだ>

・日記やブログ、FBは、日常の小さな出来事でもあえて、「思い出そう」とすることで「出力系」の鍛錬になる。

<「どうお金を遣うか」考える>

・お金を遣うこと=お金を「出す」ことは、「出力系」の行為。

<お金は「遣うときには遣う」>

・ただひたすら節約生活では、脳の出力系、前頭葉が刺激されるチャンスはなくなってしまいます。

<言葉と行動を「セット」にする>

・「やる」と言ってしまえば実行せざるを得ない。――その状況に自分を追い込めば、脳は老化しない。

<無理に「勉強」しない>

・むしろ今までにインプットしてきた様々な知識や情報をベースに「発信する・アウトプットする」ことが大事

<コラム3 「入力系」より「出力系」>

・この「記憶を引き出す力」、脳のどこかにしまわれた記憶を引っ張り出してくる「インデックス機能」を担っているとされるのが、前頭葉です。この前頭葉が委縮(老化)してくれば当然その機能も衰え、モノがなかなか思い出せなくなります。

<脳の「変化対応力」を鍛える>

<「想定外」の物や出来事を歓迎する>

・前頭葉が活発になるのは「想定外」の出来事に出会ったとき。

<適度に「株」や「ギャンブル」をする>

・様々な事象を総合的に見て判断することでも、前頭葉はフル回転。節度を持ってやる限り、「株」や「ギャンブル」はボケ防止に一役買う。

<時には恋もしてみる>

・恋で前頭葉を刺激しよう。

<なじみの店ばかりに行かない>

・そんな店ばかり足を向けるのは、老化特有の一種の「引きこもり」状態にあるから。

<音楽を聴くなら新曲を。映画を観るなら映画館で新作を>

・新しい曲、新しい映画に触れることで脳を活性化しよう。

<変化を楽しむ>

・「変化」や「問題」を回避するのではなく、「前頭葉を鍛えるチャンス!」と、喜んで対峙すること。

<愚痴を言わない>

・「歳をとると愚痴っぽくなる」と、これもよくいわれることですが、愚痴っぽくなるのもやはり、前頭葉の老化現象です。

<ひとつのことに30のアイデアを出す訓練をする>

・たくさんの選択肢を出してみる。これも「変化対応力」を鍛えるトレーニングになる

<「これまでどうだったか」より「これからどうするか」>

・未来の予測や展望から「どうするか」を判断する。変化の激しい時代には、そんな前頭葉の未来型思考が必須。

<失敗の可能性のあることもやってみる>

・自らの考えも、好奇心も、「実行」「実験」なくしては、前頭葉にとっては何の意味も持たない。

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コンタクティとチャネラーの情報を集めています。 森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

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