こうして日銀は「過去の間違い」を正当化するために、その後もずっと間違いを犯し続け、デフレを引き起こし放置し、どんどん悪化させました。(2)

(2023/1/26)

『「人新世」と唯物史観』

友寄英隆   本の泉社 2022/4/11

<人新世(ひとしんせい)>

・21世紀に入り、地球環境・気象変動への対応は、ようやく人類共通の喫緊の課題として認識されつつある。しかし、21世紀も20年が経過したが、危機的な状況は加速度的に進行しつつあるにもかかわらず、具体的な対策となると、各国の思惑が重い壁となり、いまだ前途多難の感がする。最近では、人類の活動によって地球環境が破壊的な影響を受けつつあるという意味で、「人新世」などと言う耳慣れない地質学上の新しい時代区分が議論されるほどになっている。

・本書は、こうした今日の世界史的状況を念頭に置いて、あらためてマルクスとエンゲルスが示した唯物史観の今日的意義を確認し、そうした歴史観にもとづいて21世紀的な課題について創造的解明をめざしたものである。

・マルクスが『資本論』を執筆したころは、まだラジオやテレビはなかったし、電話もなかった。自動車や飛行機もなかった。もちろんコンピュータやインタ―ネットもなかった。多くの国民がスマホを操り、社会のさまざまな分野にAIが出現するなどは、マルクス、エンゲルスの時代には想像もできなかったと思われる。

 こうした21世紀の世界史状況のもとで、今あらためて科学的社会主義の理論的意義、マルクスの唯物史観や『資本論』の有効性を巡ってさまざまな議論が起こっている。そのなかには、地球環境危機やコロナ危機の対応で、マルクスの『資本論』や唯物史観の従来の解釈にたいする根本的疑義、異論も生まれている。たとえばベストセラーとなっている斎藤幸平氏の『「人新世」と資本論』などは、その象徴的事例といえるだろう。

 しかし、マルクス、エンゲルスが創始した科学的社会主義の世界観とその理論体系の骨格は、21世紀の現代でも生きている。マルクス、エンゲルスは、人類史的な視野に立って、資本主義という歴史時代の意味を探求し、科学的な方法によって、科学的社会主義の理論的体系を構築したからである。                                       

<「人新世」と唯物史観>

<「人新世」とは何か>

<「人新世」の読み方――「じんしんせい」、「ひとしんせい」、アントロポセン>

<地質学の年代区分としての「人新世」>

・クルッツェンは、地質学上の最新の「完新世」の時代は終って、人類が地質学上の影響を地球にもたらしているという意味で、今や「人新世の時代」に入っていると主張したのである。

<人類の活動による地質学的な変化――「二つの科学的仮説」>

・クルッツェンの「人新世」の提起は、人類の活動による影響が地質学的な意味、つまり地層の変化をもたらすほどの意味を持っているということである。言い換えるなら、46億年にわたる超長期の地球史の一部に人類の歴史を組み入れようという提起である。

<地質学上の「人新世」は、いつから始まったのか>

・もっとも有力な説は、20世紀の後半、第2次大戦後に急激な温暖化と気候変動が進行し始めた時期を「人新世」の起点とすべきという意見である。

<宇宙生物学、惑星科学からみた「知生代」の提起>

■人類の影響が世界の変化を引き起こす主力となった「人新世」は始まったばかりだが、人類が存続しないと人新世も続かないだろう。

■人類が絶滅を避けるには、人口増や資源の枯渇、小惑星衝突、気候変動、長期的には太陽の老化など、「存在にかかわる脅威」を克服する必要がある。

■人新世が永続的なものになれば、地球は根本的に新しい状態に移行する可能性がある。「知生代」ともいうべき10億年スケールで続く新時代だ。そこでは人類文明が知恵を結集して地球の自然を安定させ、生物圏を新たな宇宙領域へ広げることになるだろう。

<「人新世」という概念の自己矛盾――中村桂子氏の指摘>

・地質学の「人新世」という概念は、人類史の視点から言えば、本来的に矛盾をはらんだ性格を持っている。人類が地球に取り返しのつかないほどのダメージを与え続けて、その結果として最終的に人類が絶滅したとすれば、地質学の時代区分そのものが無意味なものとなるだろうし、逆に人類が自然と調和ある物質代謝の道へ立ち戻って、地球環境を回復したとすれば、その場合もやはり「人新世」という悲劇的な時代区分の必要はなくなってしまうだろうからである。

<「搾取」の意味――人間労働と自然の両方を徹底的に利用(開発)し尽くすこと>

・ちなみに、内田氏は、1966年の著書では、「原子爆弾による人間と地球そのものの徹底的な破壊」を例示しているだけであるが、ここには、地球環境の危機、大気の汚染、異常気象などなど、「人新世」で議論されている地層変化のすべての要因があげられるであろう。

『資本論』は、まさに「人新世」、人類史の「前史」の本質的な矛盾を解明し、その「進化と発展」の基本的契機を解明している経済学なのである。

<「土地(自然)」への資本の支配――人間と自然との物質代謝の撹乱>

・人類史の「前史」とりわけ資本主義のもとで、「人間と自然との物質代謝の撹乱」は地球環境の危機をもたらすまでになっているが、その重要な契機をなすのは、資本主義的搾取の二重性とともに、土地(自然)にたいする資本の支配の増大である。

<人間と自然の「物質代謝の撹乱」――「資本の生産力の3重の危険性>

・資本主義的生産様式の発展は、資本による搾取と土地支配の際限なき増大によって、「人間と自然の物質代謝の撹乱」を拡大再生産する課程でもあった。その過程は、人類社会において、「資本の生産力」の危険性を満面開花させることになった。

<唯物史観の基本命題(「生産力と生産関係の相互関係」)の有効性――「資本の生産力」の危険性と人類社会の「進化と発展」の法則>

<人類社会の「本史」の扉を開く社会革命――人類史を「変革する立場」からとらえる>

・人類社会の「本史」の扉を開くためには、なによりもまず資本主義的搾取制度を廃止する社会革命が必要である。

<むすびにかえて>

・地質学における「人新世」の議論をすすめるために求められることは、結局、何であろうか。それは、一言で言うなら、人類史の「進化と発展」の基本課題を、「人新世」という地質学的な時代認識に埋没させてはならないということである。人類史を解明するための唯物史観の命題を、地質学的な超長期の自然史のための時代区分に埋没させてはならないのである。

 地質学界において地質の変化まで議論せざるを得なくなっている現代資本主義の矛盾は、マルクスが唯物史観の定式で述べた結論的な命題――人類史の「前史」から「本史」への進化・発展の命題――が、もはや避けて通れない人類社会の歴史的課題になっていることを示している。こうした歴史的課題に取り組むためにも、現代における唯物史観の意義を再確認する必要がある。

<パンデミックと社会発展の法則――唯物史観の新たな課題>

<パンデミックと歴史の発展法則>

・パンデミックの探究は、歴史の発展法則についての唯物史観の理解について、新しい視点を提起している。

《パンデミックは、歴史の発展を促進したり、撹乱したりする》

 歴史上のパンデミックは、その時々の社会制度や医療体制の弱点をあぶりだし、社会変革に拍車をかけて、社会進歩の歴史的な流れに大きな影響を与えてきた。

《パンデミックは歴史発展の法則を変えることはできない》

・しかし、パンデミックは、一時的に歴史発展を速めたり、遅らせたりする作用をもたらすとしても、それは歴史発展の法則自体を変えるものではない。

<コロナ・パンデミックと現代世界――社会進歩のための新しい胎動>

<パンデミックは、現代資本主義の矛盾をあぶりだす>

・コロナ・パンデミックが始まった直後、2020年前半は、世界的な規模で再生産活動の撹乱がもたらされ、世界恐慌的な様相を呈しつつあった。

<社会進歩の胎動に注目する>

・筆者は、「人類の歴史をふりかえってみると、パンデミックは、社会制度自体の弱点をあぶりだし、社会変革の契機となってきた」と述べた。

<むすびにかえて――21世紀資本主義をどう変革するか>

・以上の7点を総じて注目すべきことは、支配体制の内部からも、これまでの「新自由主義」型資本主義を変えていく必要があるという体制内的な改良的路線の模索が始まっているかのように見えることである。これらの胎動は、まだ萌芽的なものである。決して過大視することはできない。

<コロナ禍と日本資本主義の課題――コロナ禍による経済危機の性格と関連して>

<コロナ経済危機の性格を分析する意義――従来の恐慌からの回復過程との違い>

・コロナ・パンデミックが起こった直後の2020年4月に執筆した雑誌論文のなかで、パンデミックによる「再生産の突然の撹乱」は「再生産過程内部の矛盾の爆発として起こる全般的過剰生産恐慌」とも、「自然災害などがもたらす急激な再生産の撹乱」とも異なると指摘したうえで、「それを『世界恐慌』というカテゴリーでとらえるかどうかについては、いろいろな議論がありうるだろう」と述べるにとどめておいた。

<コロナ経済危機の特徴――特殊な性格の『再生産の撹乱』>

<落ち込みの烈しさ(恐慌的な再生産の収縮)>

・第1に、2020年度の落ち込みの激しさである。日本の法人企業全体(2020年度:約291万社)の営業利益の動向をみると、コロナ禍のもとで、2018年度の67兆7300億円から、2020年度には41兆6300億円と急激に落ち込んだ。

<産業部門間で格差ある落ち込み>

・第2に、産業によって営業利益の落ち込みに、大きな格差が生まれたことである。とりわけ観光業、運輸業、サービス業の打撃は大きく、製造業も大幅に落ち込んだが、逆に情報通信業は利益をふやした。

<信用破綻をともなわない再生産の収縮>

・第3に、コロナ経済危機は、信用破綻(金融恐慌)をともなわなかったという意味でも通常の恐慌とは異なる特殊な経済危機であった。その象徴的な現われは、コロナ禍のもとでも、世界的に株価は上昇し続けてきたことである。日経平均株価の場合、コロナ・パンデミックが勃発した最初はかなり下落したが、その後は一貫して上昇し続けてきている。

<「アベノミクス恐慌」の初期局面と重なる>

・第4に、コロナ禍の以前から、すでに日本経済のかなり急速な減速、不況が始まっていたことである。コロナ禍がなくても、日本経済は、いわば「アベノミクス恐慌」ともいうべき不況局面に入りつつあった。

<グローバリゼーションの矛盾の露呈>

・第5に、グローバリゼーションのもとで過度に進行した貿易依存のサプライチェーンの矛盾が露呈したことである。とりわけ世界的な半導体不足は、自動車産業などの「部品不足」という意味での世界的な経済危機を加速させた。

<コロナ経済危機からの回復過程の特徴>

・コロナ禍による再生産の収縮は、経済外的な要因による経済危機であったから、その経済外的な要因が取り除かれたなら、今後の再生産の回復も急速であると予測される。2020年後半からは落ち込みからの回復が始まった。以下、今回の回復過程を規定する要因を挙げておこう。

<急速な回復:「K字型回復」、長期停滞の兆し>

・第1に、結果的にコロナ禍は、それまで累積していた過剰要因を解消するという役割も果たした。そのために消費の回復もかなり急速に進んだ。

・回復の水準の低さとともに、「K字型回復」と言われるような格差の拡大も特徴である。コロナ禍の影響も格差があったが、その格差が回復過程でさらに拡大しつつある。それは、再生産の不均衡を拡大して経済活性化の足かせとなり、長期停滞傾向に拍車をかけることになる。

<投資の低迷:デジタル化、グリーン・ニューディールの動向>

・第2に、設備投資の動向としては、デジタル社会へ向けてのDX投資、グリーン・ニューディール投資などが喧伝されている。

 コロナ・パンデミックによる社会的危機が、狭い意味の経済過程だけでなく人間の社会的諸関係の全体にかかわるものであるだけに、経済危機からの回復過程でも、様々な分野で最新のデジタル技術が利用されて

いく可能性がある。しかし、日本大企業については、「新自由主義」型経営からの脱却の兆しは見えていない。いわゆる「デジタル後進国」としての立ち遅れが続くものと予想される。

<国家の経済政策:再分配政策>

・第3に、コロナ禍は、資本主義各国で、それまでの「新自由主義」路線のかかげた「市場万能」主義から、「国家の経済的役割」を重視する政策への転換を余儀なくさせ、各種の給付金などによって国家財政を膨張させた。

<国際環境――世界的な長期停滞への移行>

・第4に、日本経済の国際環境がコロナ禍の前と後では変化しつつあり、それが回復過程にも大きな影響をもたらしつつある。米国は、長期的に続けてきた金融緩和政策からインフレ警戒の政策基調に転換した。2010年代の「アベノミクス」を支えてきた国際金融の条件は変化した。

<2020年代の日本資本主義――ファンダメンタルズの条件>

<歴史的な矛盾の累積>

・戦前から戦後にかけて170年の間に累積してきた日本資本主義のさまざまな矛盾は、各時期の経済発展のなかで、なし崩しで解消されてきたものであるが、解決されないまま、長期にわたって層をなして重なっているものがある。

・たとえば、「選択的夫婦別姓」を自民党などがかたくなに拒否するのは、明治以来の家父長制家族制度を保守政治が引き継ぎ、政治的基盤にしているからである。

<2020年代のフファンダメンタルズの危機――それを示す指標>

<国債発行の限界>

・コロナ禍への国家的対策によって国家財政の赤字は現在の自公政権のもとでは、とうてい再建不可能な域にまで達してしまった。

<異常な金融政策の限界(アベノミクスの「悪しき遺産」>

・2010年代は、安倍内閣のもとで、日銀の異常な金融緩和政策が強行されてきた。異次元の量的緩和によりマネタリーベースを急増させるために投資信託や国債を大量に買い入れて、マイナス金利政策を長期にわたって続けてきた。しかし、異常なアベノミクス金融政策の「悪しき遺産」の破綻の時期が迫りつつある。

<国際収支の不安>

・2010年代の日本の経常収支は、大企業の多国籍企業化による海外投資・利子配当所得によって貿易赤字を補い、黒字基調を維持してきた。しかし、発展途上国の急速な成長、世界経済の長期停滞傾向によって、2020年代には、そうした国際収支の条件が変わる可能性もある。

<人口減少社会、超高齢化社会の加速化>

・コロナ禍のもとで2020年の出生率はいちだんと低下し、人口減少は、社会保障・人口問題研究所の「将来推計人口」よりも、はるかに速いスピードで進行しつつある。2020年代には、いわゆる「2025年問題」(「団塊の世代」が後期高齢期に入る)、「2030年問題」(単身高齢者が25%になる)などなど、困難な条件が重なってくる。2020年代には、労働力人口の減少によって「日本経済の潜在成長率」は低下し続けるだろう。

<自然災害、環境・気候変動、感染症、原発問題>

・さらに忘れてならないのは、コロナ禍の収束のあとでも感染症・パンデミックの危険は続いていくことである。また、気候変動による自然災害の影響も年々増大している。これらのパンデミックや自然災害は、日本だけのことではないが、21世紀の資本主義諸国の共通の課題となっている。

<2020年代日本の二つの道>

・コロナ後、2020年代を展望するとき、日本資本主義のファンダメンタルズの危機は、日本の針路と国家の新たな役割をめぐって、二つの道のどの道を進むか、激しい闘いが予想される。

<政治反動化と憲法改悪の道――国民にとって苦難の道>

・コロナ後の一つの道は、日本社会の新たな発展をめざすなどという旗印をかかげながら、政治の反動化によって経済的生き詰まりを打開しようという道である。自民党と公明党、財界・大企業の支配層による、反動的な日本改革の道である。

 この反動的な社会改革の目標は、憲法9条を改悪して、名実ともに、アメリカと一体になって戦争をする国に日本を改造する道である。

<日本社会の民主的再生をめざす道>

・コロナ後、2020年代のもう一つの道は、「劣化する政治」、「劣化する資本主義」の道から根本的に脱却するための反転攻勢の道、日本社会の新しい民主的な再生へ踏み出す道である。

 今回のコロナ・パンデミックによって、「新自由主義」イデオロギー、たとえば、「市場万能論」、「小さな政府論」、「自己責任論」などが破綻した。パンデミックは、「新自由主義」の「市場万能論」とは真逆に、国家の役割を大きくクローズアップすることとなった。

<むすびにかえて――科学的社会主義の理論的課題について>

・最後に、2020年代の日本資本主義を展望し、政治の民主的な改革をめざす国民的なたたかいの発展のために、科学的社会主義の立場から求められる理論的な課題について提起しておきたい。

 一つは、長期的な視点から日本資本主義の再生産・蓄積過程の諸条件について分析し、2020年代のファンダメンタルズの危機について深く理論的に解明することである。

・二つは、日本経済再生のための長期計画の検討である。この長期計画には、たとえばグリーン・ニューディールを具体化するための国内産業の復興計画、デジタル化社会のあり方についての民主的ルール、労働条件と国民の暮らしの発展のための制度改革、中国を含むアジア地域共同体などの国際的条件の構想、などなどが検討課題となるだろう。

・三つは、2020年代の日本資本主義を展望するためにも、世界資本主義の長期的な視点からの分析が必要である。コロナ・パンデミックの世界的な意味、資本主義諸国の長期停滞の兆し、中国や発展途上国の動向など、21世紀という時代の歴史的意味を解明する分析が求められている。

 四つは、「新自由主義」型の資本主義を民主的に変革する方向についての理論的な検討である。現代資本主義が陥っている深刻な矛盾を解決するためには、踏み込んだ社会変革をおこなうことが必要になっている。

<21世紀資本主義の研究のために――科学的社会主義の理論的課題>

<21世紀資本主義の歴史的位置――「移行期の資本主義」としての特徴>

・最初に、唯物史観の視点から、21世紀資本主義の歴史的位置をめぐる問題について述べてみます。

レーニンは、「よその旗をかかげて」のなかで、資本主義の歴史的過程を、「ブルジョワジーの興隆の時代」「進歩的ブルジョワジーから反動的金融資本への移行の時代」「帝国主義的激動の時代」の三つの時代に区分して、それぞれの時代の特徴をつかむ重要性を指摘しています。このレーニンの時代区分は、今日の時点ではそのままでは適用できないでしょう。しかし、資本主義の時代的な特徴を長期的な視点でとらえるという指摘自体は重要です。

<「劣化する資本主義」の諸現象>

・一つは、資本主義的生産関係の「劣化現象」がさまざまな分野で現われつつあるという問題です。21世紀の資本主義については、さまざまな矛盾の激化、行き詰まりの実態があり、それを捉えて資本主義の危機とか限界とか終焉とか、いろいろな分析がおこなわれています。

・そうした現在の資本主義を特徴づけるとらえ方として、私は「劣化する資本主義」という規定を使っています。資本主義の矛盾が激化して、限界がきているのだけれども、それでもなお資本主義が延命している状態、いろいろな矛盾を解決できないまま延命しつつある現状を「劣化する資本主義」と規定しているわけです。

<社会変革のための、さまざまな試行錯誤的な動き>

・二つめは、「劣化する資本主義」の時代を変革主体の視点からとらえると、さまざまな試行錯誤的な動きが活発になります。政治的には、これまでの時代の流れからの類推を超えた想定外の現象が現われる特徴があります。

<生産力の発展と欺瞞的なイデオロギー>

・三つめは、労働の社会的生産力の発展にもかかわらず生産関係が変わらず、むしろ劣化し、反動的形態で長期化しているために、きわめて欺瞞的なイデオロギーが発生するという問題です。たとえば、生産力の発展を利用した欺瞞的イデオロギーの典型的な表われが「新自由主義」イデオロギーとみることができます。

<体制移行の「助産婦」としての国家の役割>

・四つめは、移行期における国家の役割の問題です。経済的な土台の研究のためにも国家の役割についての研究が必要です。その場合、社会変革による体制の移行を阻止する立場からの国家の反動的利用と、社会変革を促進する立場からの進歩的利用の両方があります。

<「資本論」を土台にした「広義の経済学」の必要性>

・五つめは、21世紀の移行期の資本主義を分析するためには、『資本論』を土台にした「広義の経済学」が必要であり、そのためには『資本論』の「理論の拡張」が求められるということです。

日本は津波による大きな被害をうけるだろう UFOアガルタのシャンバラ

コンタクティとチャネラーの情報を集めています。 森羅万象も!UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象といわれます。

0コメント

  • 1000 / 1000