世界の大学ランキングを見ると、日本の立ち後れが目立つ。とくに、コンピュータサイエンス分野では、アメリカはもちろん、韓国に比べても著しい差がある。(3)

<地銀はすでに存在が危ぶまれている>

・数年前、人口減少によって多くの地方自治体は今後消滅する可能性があると話題となった。2040年、「地方消滅」は決して可能性ではなく、現実問題だ。

・金融庁が2018年に出したある衝撃的な報告書がある。

 東北や四国など23県の地銀は、地域でいくら独占的な存在になっても、人口減少があるかぎり不採算構造は変わらないと指摘したのだ。

<教育分野は2040年は厳しい>

・地方と同じくらい厳しそうなのが、教育関連産業だ。教育や塾などの学習支援産業は、約350万人が従事する巨大産業だ。

・みなさんが現在60代なら「逃げ切れる」かもしれないが、50代前半以下ならば2040年に向けて備えが必要だろう。それくらい人口の変化が大きい。

 年金ではともかく、退職金で逃げ切れると計算している人もいるかもしれないが、2040年には退職金すらあてにできない時代になっている。

<退職金はそもそも払わなくても違法ではない>

・社業規則に退職金の規定を設けた場合は支給しなければならない。しかし、退職金制度を設けなくても違法ではない。

・退職金制度の維持に企業が後ろ向きなのは、この制度の本質を理解すると納得できるかもしれない。

<退職金は、給料が安い代わりに退職時に多く支払うことから生まれた>

・退職金の起源は諸説あるが、江戸時代の暖簾分けから生まれたといわれる。功労に対する報償だとされている。つまり、これまで頑張ったから支払われるという位置づけだ。暖簾分けのようなものだから、退職金が始まった当初は、今とは比べようもないほど巨額だった。

・つまり、企業にとって退職金は「賃金の後払い」のようなしくみだ。

・退職金、終身雇用、年功序列は中小企業にも広がり、日本経済を支えた。

・昭和のサラリーマンがなかなか転職しなかったのも、勤続年数が退職金に比例するため「今更やめたら損」という意識を持たせたのも大きかった。

・とはいえ、多くの日本企業の賃金モデルは「若いときは安く、年をとってから高く」の長期雇用を前提とした古くさいモデルから変わっていない。

 しかし、あと20年後には様変わりしているのは間違いない。あなたが定年を迎えるのは、何歳だろうか?退職金をあてにするのは危険だ。

<民間の保険には入らない方がいい>

・まず、生命保険や医療保険はムダな出費である。私個人は一回も入ったことはないし、私が今、20代30代でも入らない。国民健康保険や組合健保などの、日本の公的保険制度はたいへん充実しているからだ。

 自分が死んだら、家族が路頭に迷うのではと心配になる気持ちはわからなくもないが、もし、あなたが会社務めならば遺族には遺族年金が支給されるし、大企業ならば弔慰金もある。

・医療保険や、日本人が大好きながん保険もいらない。

・また、事故にあって、体に障害が残ったとしても障害者年金が国から支給される。身体や精神に障害があるのに障害年金について知らず、需給していない人は意外に多い。

 こうした情報を知らず、民間の保険に入ってしまっている人は少なくないだろう。

<預貯金はもう意味がない>

・前記したように、国のカテゴリでは年金は保険だ。福祉ではない。

・金利を6%とすると、預けっぱなしにしておくと、もともとの元本に利息が加わり、新たな元本として再投資され、12年で元本が2倍になった。アインシュタインが人類最大の発明と呼んだように、利息がつく複利の効果は偉大だ。

・そもそも、「老後2000万円問題」は老後のために「預貯金以外の金融サービスを使って個人で老後資金をつくりなさい」という金融庁のメッセージだ。

 「失われた30年」という言葉がある。日本でバブル崩壊後、30年以上にわたって経済の低迷が続いたことを指す。

 この間、日経平均株価のグラフは平たんだった。そこで金融庁は、預貯金に偏重している日本人の個人資産を金融市場に呼び込み、日経平均を押し上げることで、みんなで資産を増やそうと訴えたかったわけだ。そして、たしかに保険に意味がなく、預貯金がだめならば、投資しかない。

<これからの時代はテクノロジーよりも政治が株価を決める>

・とはいえ、あなたが運用の素人ならば、吟味しなければならない。

 投資といえばまっさきに思い浮かべるのが株だ。ただ、これからの株への投資には政治リスクをこれまで以上に考えなければならない。

・だが、これからの時代はテクノロジーよりも政治が株価をより決めることになる。すでに、その兆しはある。みなさんもご存じの米中貿易戦争だ。

・そうした時代に、一企業のテクノロジーなどの可能性で株価を占うのはあまりにリスクが高い。政治の前には、一個人など無力に等しい。

<資産形成したいならインデックスファンド>

・では、何がいいだろうか。資産形成したい多くの人には「株式のインデックスファンド」一択だ。

・なぜ株式のインデックスファンドがいいのだろうか。たとえば、ダウ平均と連動している株式のインデックスファンドならば、アメリカ経済が堅調ならば、自ずと利益が上がる。ざっくりいうと、「その国自体が大丈夫かどうか」という視点で選べる。

<国が発展すると、肉を食べる>

・日本の人口が減少していくことは2章で指摘したが、世界規模では人口増加が続く、1950年に26億人だった世界の人口は2020年には78億人になった。そして、2040年には90億人に達するシナリオもある。

 そこで問題となるのが食料だ。途上国が経済成長をすると、食生活はどう変わるか。それは、肉を食べるようになることだ。

・培養肉はまだ実証段階で、店頭には並んでいない。しかし、確実に未来に大きな利益を生む。

・2040年、世界の食肉市場は1兆8000億ドルとなり、うち35%を培養肉が占めるとの見通しがある。

・現時点では、多くの人にとって地球規模の食料問題や温暖化問題は、遠い世界の出来事に見えるかもしれない。しかし、全世界の人口増は確実に訪れる未来だ。世界を取り巻く状況を考えれば、テクノロジーによる新しい取り組みが普及するはずだ。

<遺伝子編集した魚を食べないともうもたない>

・魚の分野で期待が高まるのは1章の医療技術でも言及した、ゲノム編集、つまり遺伝子組み換え技術だ。

・ただ、我々は少し考える必要があるだろう。遺伝子組み換え食品について、本当に正しい理解は、「短期間で起こした変異だから、いいかもしれないし、悪いかもしれないし、わからない」である。

・人工肉だけでなく、昆虫食もこれから普及するだろう。

・まとめると、2040年には世界の肉の60%が、動物本来の肉だけではなく、培養肉や植物からつくられた人工肉に代わる。

<マンションの価値は下がる>

・資産価値が見込める一部を除き、住宅の価値は下落する。家を買うにしても借りるにしてもコストは下がる。おそらく、自分の家が欲しいと考える人は、サラリーマン層にはいなくなっていくだろう。家を買う必要がないと考える人が増えれば、家の価格はさらに下がる。つまり、マンションも戸建ても買わない方がいい。

<オンライン教育はあたりまえになる>

・小中高よりも、最も変わる可能性がありながら変わらなかったのが大学だったが、どんなテクノロジーよりもウイルスが一変させたのである。

<アメリカの大学は富裕層以外は行けない>

・アメリカの大学は国際ランキングの上位を占める。最近は日本からも留学する人が増えていることからもわかるように、教育は日本以上の一大産業だ。

・アメリカの学生ローンの残高は膨張し続けている。2019年時点の残高は、なんと前年から34%増加している。金額は1兆5100億ドルで、日本円にすると160兆円を超える規模になる。恐ろしいことに、この残高は10年間で倍増している。教育の大切さを煽ることで大学進学率が高まり、皆、値上げをしても借金をしてでも入学するからだ。

・アメリカでの大学進学は、富裕層以外ではすでにギャンブルだ。

<日本では学歴の意味がなくなる>

・2040年には、18歳の人口は今と比べて8割にまで縮む。そもそも、企業側の、学歴に基づいて大量採用して、そこから優秀なヤツが育てばいいという旧来型の採用モデルは現在でも突破しつつある。学歴があればどうにかなる社会は、完全に過去のものになる。

 就職に学歴が関係なくなるのだから、これからは、親も子どもに、それぞれが好きなことを見つけて、好きな仕事や自分の人生を創造する後押しをしてあげるべきだ。

<大学は生き残るために専門性を高める>

・ただ、これからは企業も大学も必死だ。企業は以前とは比べられないほど競争のスピ―ドが速くなっており、優秀な実務能力がある人材が欲しい。

 大学側も、一部の超有名大学以外は変わらなければ生きていけないところまで追い込まれている。すでに私大の4割が定員割れしているのだ。

<シェアリングは巨大産業になる>

・シェアリングエコノミーの市場規模は、2018年度の1兆8874億円から2030年度に11兆1275億円にまで広がる可能性もある。これは製薬業や電子部品製造と同程度の一大市場になる。

<天災は必ず起こる>

<このまま温暖化がすすむと、飢餓に満ちた世界が必ずくる>

・世界は今、環境破壊によるリスクがかつてないほど大きなものになっている。

・このまま何の対策も講じなければ、今から2100年までに地球の平均気温は4度上昇する。これがどのくらい異常なことかというと、1880年から2012年までの世界の平均気温の上昇は、1度にも満たない。

4度上がると何が起こるか。気温が上昇すれば、海水の温度も当然上昇する。そうすると、ほぼすべての珊瑚礁が白化、絶滅する。珊瑚礁には海洋生物種の3割以上が生息するといわれており、結果的に、数億人の人々の食料事情が深刻なものになる。

・海水の温度が上がれば、北極の海氷や陸地にある氷河を溶かし、海面が上昇する。2030年頃には、海面が少なくとも15センチは上昇するとの試算もある。

・2100年と聞くと、ものすごい未来に見えるかもしれないが、医学の進歩で人は100年は生きるだろうから、現在の20歳以下が生きている世界だ。

ちなみに最悪の場合、2100年には日本は熱帯化している。夏の東京の昼間の気温は40度をこえ、夜も30度をほとんど下回らない。米はとれなくなり、関東や近畿圏でバナナやパイナップルが栽培に適しているようになるだろう。

 温暖化は食料不足を呼び起こす。ただでさえ世界的な人口増加があるのに、水の枯渇があり、作物の収穫量は減る。アフリカでは、トウモロコシやキビなどがとれる耕作地は半減する可能性もある。

・こうなると、農作物の価格はもちろん上昇する。自給自足ができている国々でも、温暖化が進めば自給自足が難しくなり、飢餓が蔓延する。飢餓に苦しむ国々は食料を確保するために、隣国に攻め込むこともあるだろう。

 突拍子もない話に聞こえるかもしれないが、日本があまりにも平和で現実感がないだけだ。このまま何も手を打たなければ、食料不足は確実にくる未来だ。飢餓が蔓延し、戦乱に陥るののはアフリカや南アジアでついこの間まで起きていた話である。

<まず自分のいる場所がどんな水域か知っておくべき>

・ここ数年、台風の被害が大きい。温暖化により台風が大型化し、豪雨が増加したのだ。これは一過性のものではなく、これからもずっと続くだろう。

・首都圏や地方に関係なく、誰もが水害の当事者になりうることを実感したのではないだろうか。

 これは、事前のシミュレーションよりも大きかった。埼玉県の秩父方面では、3日間で500ミリの降水量を予測していたが、実際は約650ミリだった。

・今回、利根川水系の決壊を防いだ治水施設が、「地下神殿」と呼ばれる首都圏外郭放水路だ。放水路とは、洪水を防ぐために、河川の途中に新しい川をつくるなどして、他の河川などに流す人工水路だ。

・利根川の堤防が決壊し、水没すると、経済損失は30兆円を超えるとの試算もある。1947年のカスリーン台風で、利根川の堤防が決壊したが、当時、浸水した区域内の居住者は60万人だった。しかし今は200万人を超える。

<天災に関しては、自分できちんと判断するしかない>

・国や自治体は危ない区域の治水の整備を進めているが、膨大な費用と時間を要する。首都圏外郭放水路の整備には約2300億円の費用がかかっている。これから急ピッチで対策を進めても、間に合うかはわからない。

・洪水浸水想定区域とは、雨で氾濫した場合に浸水する危険性が高い場所を示した区域だ。秦准教授によると、その区域の人口は1995年以降一貫して増え続け、20年間で4.4%増の約3540万人にもなっているという。

 世帯数では47都道府県すべてで増え、25.2%増の約1530万世帯と大幅に増えている。日本の人口は2008年の1億2808万人をピークに減少に転じているのに、本来、水害の危険で田畑にもならなかったような場所に住む人は増え続けているのだ。

・それだけではない。危険なエリアには高齢者福祉施設が多く建つ。

 洪水ハザードマップ内で法律に基づいて市町村が避難の際に配慮が必要としている施設(病院や高齢者、障がい者施設)は全国に7万7964カ所あり、そのうち、特別養護老人ホームなど社会福祉施設が6万1754カ所もある。

・もし東京湾が氾濫すると死者数7600人、孤立者数80万人になるという。また、利根川が首都圏で広域氾濫すると死者数2600人、孤立者数110万人になるそうだ。

・しかし、「首都圏は例外」という認識を今すぐにでも捨てるべきだ。

・特に、地震に比べると台風は逃げる時間には余裕がある。危ないと思ったら一目散に逃げるべきである。

<自治体のハザードマップを必ず見る>

・とはいえ、地図を広げたところで自分の住む場所の地形のリスクを把握するのは簡単でないかもしれない。そうした場合に見るべきは、自治体のハザードマップだ。

・江戸川区は東に江戸川、西に荒川という大河川が流れ、南は東京湾に面している。つまり、関東地方に降った雨の大半が集まる。そして、陸地の約7割が満潮時の水面より低い海抜ゼロメートル地帯だ。東京都内でも最も水害が起こりやすい地域だ。

・将来の気象状況がどのように変化するのか予見するのも困難だけに、これからは「自分の身は自分で守る」という意識を誰もが頭の片隅に持つべきだろう。

・そしてここ数年、日本では、台風の大型化と甚大な被害が「常態化」していることで、ニューノーマル(新常態)という言葉が取り上げられるようになってきていた。

 もしこの文脈で聞いたことがない人も、夏が異常に暑く、毎年のように台風が各地に被害をもたらしていることに異論はないだろう。「ニューノーマル」を私たちは体得しなければならない。

<南海トラフ地震の際は、日本中で地震が連動して起こる可能性が高い>

・遠くない将来に確実起きるといわれているのが、南海トラフ地震と首都直下型地震である。

・被害もすさまじい。南海トラフは、死者行方不明数は最も多い場合だと23万1000人、全壊・全焼する建物は209万4000棟としている。

 首都直下型地震の場合は、死者数2万3000人、家屋の全壊・全焼は61万超棟と想定する。

・電気や上下水道などのライフラインや交通が長期にわたり麻痺し、交通渋滞が数週間継続するかもしれない。鉄道も1週間から1カ月程度運転ができなくなるだろう。首都直下型の場合、避難者数は720万人に達すると想定されており、通常モードになるまで、混乱が数年、いや数十年続く可能性すらある。

 地震発生から20年間の経済損失は、首都直下型で778兆円、南海トラフで1410兆円になると推定している。

・おまけに、その時期を前後して、首都直下型地震も起きるリスクを抱えている。首都圏は、2つの巨大地震で壊滅的なダメージを受ける可能性が出てくる。

・自然災害はパンデミックとは関係なく襲ってくる。近代日本ではこれらが重なったことはないが、1918~1920年に猛威をふるったスペイン風邪の3年後の1923年には、関東大震災が起こっている。

 弱り目に祟り目というが、こちらの都合に関係なくウイルスは到来するし、自然災害も起こる。巨大地震のリスクから目を背けている余裕はないのである。

<富士山が噴火すると日本中の機能がストップする>

・災害大国日本で想定しなければならないリスクは地震だけではない。火山だ。万が一、首都圏近郊で大噴火が起きれば影響は広範に及ぶ。

・政府が試算した首都圏が受ける被害は、噴火後の15日目に都心部では10センチほど積もり、約5億立方メートルの火山灰を都内から撤去しなければならなくなる。

・おそらく1年以上、首都圏は機能しなくなる。日本経済が止まれば全世界の経済は滞り、世界のGDPが年率5%程度は下落するはずだ。

 株価は絶望的に下落するだろうし、不動産価値は紙くずになるはずだ。

・日本ではこの300年ほど大きな噴火は起きていないが、歴史的には珍しい。逆にえいばいつ起きてもおかしくないともいえる。現代の科学の力では、地震や火山がいつ起きるかは正確に予測できないが、いつかは起きる前提での備えが必要だ。

<温暖化によって戦争が起こる>

・これから、戦争は起こるのだろうか。

 資本主義先進国が繁栄したのは植民地からの収奪であることは異論はないだろう。先進国同士は植民地の資源を巡って衝突した。戦争の理由は、基本的には資源と富の収奪だ。

 温暖化により異常気象が続くと、危惧されるのは食料の奪い合いだ。

・特に南半球はいまだに一次産業の比率が高いので死活問題になる。南半球で生産され、北半球で売られるものを「南北商品」といい、これらは彼らの生活を支えるが、温暖化によりすでに難しくなっているものもある。

 

・2040年の気温は、産業革命前より2度以上上昇するのは避けられそうもない。そうなれば、干ばつや猛暑を含む異常気象が頻発するだろう。インドから中東の都市では、夏の外出が命がけになる。

 アフリカでは2050年までに栄養失調児が1千万人増え、2100年までに降水量は40%低下する可能性がある。耕作地は最大90%、1人当たりの食料は15%減るとの予測もある。

 気候リスクは枚挙にいとまがない。温暖化のみならず、すでにイナゴの大量発生など、かつては30年に一度といわれた出来事が毎年のように世界のどこかで起きていることからもわかるだろう。

 こうした状況が改善されなければ、当然、食料の価格は上昇し、貧困はさらに蔓延する。

<「水」が最も希少な資源になる>

・それは「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀の戦争は水をめぐって戦われるであろう」というものだ。食料不足もそうだが、その前に深刻な水不足も起きるだろう。水は石油よりも貴重になる。

 すでにアフリカでは、気候変動による水不足に2億5000万人が直面している。2050年は、アジアでも水不足が起こる。10億人が水不足に陥り、世界中の都市部で利用できる水が今の3分の2まで落ちこむ。

 水不足で戦争も起きかねない。かつて、エジプトとスーダン、エチオピアがナイル川の利権でもめたような事態が常態化する。20世紀には石油の利権が戦争を引き起こしたが、21世紀には水を巡る戦争が多発するはずだ。

・ちなみに、水不足に陥る地域はパキスタンやインド、中国だ。いずれも核保有国だ。

・気候変動がもたらす不安や連鎖反応が最悪の展開になることは広く知られる。気温と暴力の関係を数値化する研究によると、平均気温が0.5℃上がるごとに、武力衝突の危険性は10~20パーセント高くなるという。もちろん、どこまで温暖化するかわからない。

・とはいえ、どのような対策を打とうが、2040年の世界が、明らかに現在より肌感覚で暑くなっているのは間違いないだろう。

 地球温暖化は、人口が増え、経済活動が続ける限り、回避は不可能だ。そして、戦争と違って、世界の誰かによって適切な方針が決められ、あっさり回避することもない。あなたのあらゆる経済活動や消費活動が温暖化の原因になっており、それが将来のもめごとにきっかけになりかねないことを私たちは自覚すべきかもしれない。

・この章で述べた項目は、自然が相手だけに、予測も難しい面もあるのだが、個人的には、1章で示したようにテクノロジーが解決してくれるのではと楽観的に考えている。

 テクノロジーが解決する根拠を示せといわれれば難しい。

(2019/9/30)

『未来年表   人口減少危機論のウソ』

高橋洋一   扶桑社 2018/11/2

<日本の未来年表>

・2023年(懸念されている出来事) 労働力人口が5年間で300万人減り、日本経済が大打撃を受ける。

(本書の見解) 適切な金融政策で非労働力人口が労働力人口に転じるし、効率化を図るための技術革新でむしろ生産性が向上する。

・2025年(懸念されている出来事) 人口減少は日本経済の中心である東京にも容赦なく襲いかかる。

(本書の見解)東京在住者にしてみれば、東京に人が集まってくるのは迷惑でしかないから、ちょうどいい。

・2027年(懸念されている出来事) ガンや心臓病、白血病などのために使われる輸血用の血液が不足する。

(本書の見解)人口が減ればいずれは輸血対象者も減るわけなのでそれほど影響はない。

・2030年(懸念されている出来事) 地方の生産年齢人口が激減し、地方税収が落ち込む。

(本書の見解)支出サイドも減る。また、現在は国税となっている消費税を地方に税源移譲すればいい。

・2033年(懸念されている出来事) 空き家が約2000万戸になり、老朽マンションがスラム化する。

(本書の見解)空き家を潰すか他に活用すればいいし、すでに空き家活用のビジネスは生まれている。

・2035年(懸念されている出来事) 男性の3人に1人、女性の5人に1人が生涯未婚になり、少子化が進む。

(本書の見解)婚姻届を出していない男女間の子どもである「婚外子」を制度的に認めれば、出生数も上がる。

・2039年(懸念されている出来事) 国内死亡者数が年間約168万人に達し、東京を中心に火葬場不足に陥る。

(本書の見解)火葬場不足でニーズがあるならそれはビジネスチャンスなので、単純に火葬場を増やせばいい。

・2040年(懸念されている出来事) 自治体の半数が消滅の危機に陥り、行政運営に支障が出る。

(本書の見解)困るのはポストを失う公務員だけ。むしろ自治体を合併させた方が行政上効率化が図れる。

・2050年(懸念されている出来事) 団塊ジュニア世代の高齢化で、社会保障制度が崩壊の危機に直面する。

(本書の見解)年金は保険と同じ仕組みである。保険数理さえ知っていれば、年金が崩壊しないことは明らか。

・2060年(懸念されている出来事) 大量の外国人が押し寄せ、合法的に日本国内に“外国の領土”ができてしまう。

(本書の見解)人手不足は外国人労働力ではなくAIで補うべき。

・2065年(懸念されている出来事)総人口が約8800万人、 2.5人に1人が高齢者となり、日本は貧しい国になる。

(本書の見解)人口が減少しても、GDP成長率への影響は最大0.7%程度だし、生活水準といった家計の話とは別の問題。

<「人口減少危機論=人口増加幸福論」の罪>

<人口減少が危機だと叫ぶ人の正体>

・日本の行く末を論じる上で、巷で騒がれているのが「少子高齢化で人口減少時代に突入するから何かと大変」という話題だ。

・日本の人口は、2065年に約8800万人まで減少する一方で、高齢者の割合は4割近くに上昇すると推計されている。

・その火に油を注いだのが、2017年6月に発刊された河合雅司氏の著書『未来の年表』(講談社)だ。これが45万部を超える大ベストセラーとなり、類似したムック本が複数出版されるなど、世間の耳目を引いている。

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