それ以上に思秋期に注意が必要なのはうつ病です。実際、40歳以降は、うつ病にかかる人が増加します。(4)
・その人類は、不可能といわれていた脳細胞の再生までも可能にしました。「海馬」と呼ばれる、人の感性をつかさどるもっとも原始的な脳の部分が、脳の若返りに関与していたのです。
このように、1日1食の効用は、限りなく広がってゆく可能性を秘めているのです。
<「1日1食」を習慣にしてしまおう>
<ごはんを食べたら、すぐ寝よう>
・その第一が「早寝・早起き」です。
・それは、あらゆる動物がそうであるように、「食べたら寝る」というのがきわめて健康な、自然のリズムだからにほかなりません。
・みなさんにおすすめしたい健康法や若返り法の中でもっとも大事なのは、「空腹」「完全栄養」「睡眠」の三つです。
<若返りのための「ゴールデン・タイム」>
・20年ほど前、アンチエイジングの先進国であるアメリカで、成長ホルモンが若返り物質であるということが発見されました。そのため若返りを望む人たちの間では、成長ホルモンを注射することがトレンドのようになっています。
・成長ホルモンは眠っている間、つまり睡眠時間中に分泌されます。ただし、寝ている時間ならいつでもいいのかというと、そうではありません。夜の10時から夜中の2時までが、この若返りホルモンが分泌されるゴールデン・タイムなのです。
・成長の止まった大人は、だんだんノンレム睡眠が少なくなります。それでもレム睡眠とノンレム睡眠は、1時間おきほどで交互にやってきます。
<冬眠明けの熊はなぜすぐに起き上がれるのか?>
・そこで成長ホルモンにはタンパク同化作用が生じて、寝ながらにして筋肉を鍛えることが可能になったのです。夜の10時から夜中の2時のゴールデン・タイムにしっかり睡眠をとっていれば、わざわざジムに通って体を鍛える必要もなくなるばかりか、眠るだけで「ダイエット効果」と「筋肉もりもり効果」が見込めるのです。
成長ホルモンの効用は、ほかにもあります。それはズバリ、美肌作用です。
・さらに、不摂生によって傷ついた気管や消化管、血管などの傷を癒してくれる創傷治癒作用も、成長ホルモンの働きのひとつです。こうした傷を治す作用には、若返り効果だけでなく、抗癌作用も作用も望めるといわれます。高価なサプリメントに頼る必要もなく、誰もがタダで手に入れることができる成長ホルモンに、もっと注目してもよいのではないでしょうか。
けれども、しつこいようですが、この成長ホルモンは、夜の10時から夜中の2時までしか出ないことをお忘れないように、時間限定のホルモンなのです。
<体内時計は朝日を浴びるとリセットされる>
・ただしこの「体内時計」は、必ずしも1日24時間、1カ月30日、1年365日にぴったり合ってはいません。4年に一度「うるう年」があるように、私たちの体も調節が必要です。どうするのかというと、日の出の光を浴びることによってリセットされるのです。
このとき脳ではどんなことが起きているのかというと、睡眠物質であるメラトニンが、朝の太陽光を浴びることによって、「幸せ物質」と呼ばれるセロトニンに形を変えます。そうして体内のセロトニンの量がドッと増えることによって、一日じゅう機嫌良く、幸せな気持ちで過ごすことができる。
・実際、医療の現場でも、太陽の光を浴びることによって、幸せホルモンのセロトニンが出ることに着目した「光線療法」というのがあります。これは、うつ症状などの患者に、日光に近い白熱灯の光を大量に浴びせるもので、うつだけでなく、睡眠障害、登校拒否、更年期障害、生理不順などにも効果があるといわれ、精神科の治療にも取り入れられています。
<すっきり目ざめるコツ>
・人間は熟睡しているとき、夢も見ずに眠っています。それがノンレム睡眠のときだというのは、すでにお話ししたとおりです。脳というのは3時間以上休息をとると、また働き始めるようになっているので、ノンレム睡眠のあとには、浅い眠りのレム睡眠が起こり、夢を見たり途中で何度も体の向きを変えたりします。
そのタイミングで起きてしまえばいいのです。
・実際のところどうなのかというと、人さし指1本程度の体表面積が10分間だけ太陽に当たれば、体じゅうのビタミンDを維持するのに必要な日光浴は十分できているのです。
普通に生活していれば、あえてそれ以上日光浴をする必要はありません。それどころか、直射日光はむしろ老化の大敵です。紫外線は皮膚癌の原因になったり、シミをつくったりするので、気をつけなければなりません。
<朝起きてすぐ水を飲む必要はない>
・朝起きると、まず水や日本茶、コーヒーを飲むのを習慣にしている人も多いことでしょう。医師も朝水分を摂ることをすすめます。その理由は、寝ている間に500㎖もの汗をかくから、失った水分を補うためだといいます。それを補わないと血液が濃縮してどろどろになるともいいます。
しかし、朝起きて顔がむくんでいる方は、むりやり水分を摂る必要はありません。
・水分は間質に、栄養は内臓脂肪に蓄えてあるので、のどが渇いてもいないのに水を飲んだり、お腹が減っていないのに食事をしたりする必要はないのです。ますますむくんで太るだけです。
・1日2ℓの水を飲めば血液がサラサラになるという専門家もいますが、よけいに摂り過ぎた水分は、すべて尿となって出るのでトイレが近くなるだけ。
・日中、体を動かすことの少ない若いOLたちを見ていると、よく水を飲んで、頻繁にトイレに行きます。これは水分過剰の証拠。
<健康のためにスポーツはしない>
・健康のためにスポーツを推奨しますか? と聞かれたら、私の答えは「NO」です。
あらゆる動物が娯楽のためにスポーツをすることはありません。生きるために体を動かしているのです。
・そして、急激に心拍数が上がるような激しい運動は、百害あって一利なしです。
スポーツと健康の関連について述べる前に、みなさんは、心臓には癌ができないことをご存じでしょうか。
そもそも癌というのは、細胞が無限に分裂するために起きる病気です。しかし心臓は子どものときにできあがったあとは細胞分裂をしません。そのため「終末分裂細胞」と呼ばれています。だから、心臓が癌になることはないのです。
・そして忘れてはならないのが、心臓が終末分裂細胞の臓器だということは、一生涯の間に打つ心拍数もあらかじめ決まっているということ。あらゆる動物において20億回といわれています。1分間に50回拍動するとしたら80歳で止まるということです。
長生きをしたければ、それを超える過度な心拍数になるようなことは日頃から避けるべきで、心臓によけいな負担をかけないように日々を過ごすよう心がけたいものです。
・しかしふだん運動しない人が「メタボを解消しよう」といって急にスポーツをするのがいちばん危険です。
<ふくらはぎと背中の筋肉が「血液ポンプ」になる>
・運動不足を気にしている人には、スポーツではなくウォーキングをおすすめします。
・古い血液を再び心臓まで戻ってこさせるためには、「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎや背中の筋肉を使わなければならないのです。それらの筋肉が収縮することによって起きるポンプ作用によって、血液は送り返されるようになります。そのためには、何も特別な運動をする必要はありません。日頃から、よく歩くようにすればいいのです。そうすれば、心拍数を増やさず、心臓に負担をかけないようにしながら、ふくらはぎのポンプ作用を働かせることができるようになります。
<たった3分間で一万歩ぶん歩ける>
・歩くことが良いことはわかりました。では、どのように、どれくらい歩けばいいのでしょう。
一般的に「1日1万歩」といわれていますが、忙しい方や膝の悪い方にとって、一万歩はかなりの負担になってしまいます。
・できることから始める。それが「南雲流」です。
そこで、たった3分間でも1万歩ぶんの御利益のある歩き方をお教えしましょう。むずかしいことではありません。要はかっこよく歩くのです。
・そこで私は、かっこよく歩くことにしました。
① たるんだお腹を引っ込めて胸を張る
② 手は軽く握って
③ 最大歩幅でどんどん歩く
ただこれだけです。簡単でしょう。
・自宅から駅まで、駅から会社までのたった数分間、こうやって歩くだけで、うっすらと汗をかきます。翌日には腹筋が痛くなるでしょう。じつは腹筋、脊柱起立筋、ふくらはぎの筋肉を集中して使っているのです。
・これを習慣づけるだけで、散歩の時間をわざわざ用意しなくても、あなたのスタイルはどんどん良くなってきます。
<酒飲みに朗報? 休肝日は必要ない>
・「百薬の長」ともいわれるお酒ですが、飲み方によって命を縮めることになるのは、みなさんもよくご存じのとおりです。
・なぜなら、アルコールは水銀などと同様、「蓄積毒」だからです。一生の間にどれだけの量を飲んだかが体にとっては問題。いつも大酒を飲むような人は、1週間の前に1、2回休肝日をつくったからといって、総量にはあまり変わりがないのです。
アルコールの場合、生涯摂取量の上限は、男性の場合で500㎏、女性は250㎏といわれています。ワイン1本を毎日飲めば年間で31.5㎏に相当します。つまり、男性なら、14~16年ほどで「極量」になるというわけです。女性の場合は、わずか7、8年です。
ワイン1本で、およそグラス6杯とすれば、1日の酒量をグラス2杯にとどめておけば、40年あまりは毎日ワインを楽しむことができます。日本酒にすれば、1合ちょっとですね。
ところが、酒好きな人は、グラス1杯のワインや1合の日本酒でやめるのはなかなかむずかしい。
・また湯上りにビールを飲む習慣も良くありません。
・お酒を飲んで眠ろうとするくらいなら、食事をして血糖値が上がって眠くなったまま寝入ってしまうほうが、よほど理にかなっています。
もちろん、今飲む量が少なければよいということではなく、生涯にわたってのトータル量を考えましょう。若い頃にはたくさん飲んだ人は、年齢とともに深酒・習慣酒を控えましょう。
<スイーツも酒も、高価な食べ放題とものをちょっぴりと>
・世の中に、ケーキの食べ放題と、アルコールの飲み放題ほど、体によくないものはありません。
<体の温め過ぎは「冷え性」のもと>
・「サウナで汗を流すと脂肪が燃焼してやせる」という人がいますが、これは大嘘です。サウナでの汗は、ただ熱くなった体の表面温度を下げるためにかいているだけのこと。
・内臓脂肪というのは発熱物質で、体温を上げるために燃焼します。つまり、暑ければ暑いほど内臓脂肪は燃焼しないのです。
・そこで、頭を冷やすとき足は温めておきましょう。これが、昔からいわれている「頭寒足熱」の原理なのです。
<体温を上げても免疫力はアップしない ⁉>
・お風呂でよく温まって体温を上げると免疫力が上がる、という説がありますが、そんなことはありえません。
人間は恒温動物ですから、いつも深部体温を一定に保つように恒常性が働いているので、いくら外から体を温めても体温は上がらないようにできています。
・もし、体温を上げたければ、それは外側からでなく、体の中からあげることを考えるべきです。そのために必要な条件が「空腹、寒さ、睡眠」の三点です。
・いつでもどんな環境でも汗さえかいていれば健康などという考えは間違っています。そんなことをすれば、水分と体温を無駄に消失してしまうだけのことです。
・つまり、臓器自体の深部体温が上昇するようなことになれば、肝臓、心臓などの細胞自身も熱によって侵され、それと同時に、血管が詰まって血液が各臓器に栄養を運ぶこともできなくなり、多臓器不全になってしまう。これが重度の「熱射病」です。
<熱が出たら薄着になる>
・困るのは、むしろその逆です。カゼをひいて熱の高い子どもに、汗をかかせて治そうとして厚着をさせたり、ふとんをたくさんかけたりすることは、じつはとても危険です。
・熱を出している子どもは、温めるのではなくて、冷やしたほうがいいのです。
・これは大人も同様で、熱を出したら薄着をするべきなのです。
<自分の「内なる声」にしたがって生きる>
<「嫌い」に「好き」を組み合わせる>
・人間の理想的な生活の基本は、「日の出とともに起き、日が暮れたら寝る」ということに尽きると思っています。
早く寝ると睡眠中、脳の「海馬」というところで記憶の再構築がされます。これにより、それまで体験したことが夢の中でアトランダムにつながっていきます。
・この海馬の近くには、「偏桃体」というところがあり、「好き・嫌い」を記憶させる場所になっています。
・人生も同様に、嫌なことの中にも、どこかにちょっぴり自分の好きなことを織り交ぜていけばいいのです。
<花粉症には「口呼吸」が効く>
・原則として私は、朝は何も食べたり飲んだりしませんが、例外的に春先には濃いゴボウ茶を一杯飲んでから外に出るようにしています。
ゴボウはもともと漢方からきたものですが、アレルギー性や慢性の、皮膚炎や上気道炎によく効くことで知られています。つまりアトピー、じんましん、喘息、花粉症に有効なのです。
・つまり口はあらゆるものを栄養として受け入れる器官で、鼻はあらゆるものを外敵として拒否する器官なのです。
花粉も鼻から入れば外敵として認識され、くしゃみや鼻水によって体外に排出されます。けれども、口から入るときは、問題ないのです。
・私も花粉症に長年悩んでいたので、「ゴボウ茶・口呼吸法」を考え出しました。
<自然界の生き物たちを見習う>
・人間がもっとも自然界の動物に見習わなければならないのは、あらゆる動物が、お腹がすかなければ何も食べないということです。
<「過ぎない」生活を、感謝をもって>
・じつは、私たちを滅ぼそうとする生物など、この世に存在しません。ほとんどが、ほかの動植物との共存によって生きているからです。
植物にしても同様で、毒キノコや毒草といわれるものもありますが、今私たちが野菜として食べているものも、もともとはほとんどが毒をもっていたものです。
<なぜその物質はそこに存在するのか>
・ブームになった健康法は、数えきれないほどあります。その多くは、たとえば青魚が健康にいいとか、クルミが健康にいいとか、何かひとつの物質に着目して、それを取り上げるケースがほとんどでした。
・お茶を始め、野菜、マメ類も、敵から身を守り生き延びるために毒をもっています。そこで人間は調理することによって毒を消すことを学んだのです。調理しなければ毒になってしまうものを、大量に摂るほうがおかしいのではないかということに早く気がついていただきたい。
<日本人が「1日1食」を実践する意味>
・もし、人類全体がそのことに気がつかなかったとしても、ひとりでも多くの日本人に、本書で提唱する「1日1食」のライフスタイルを、ご自分の生活へ取り入れていただきたいと思います。
少なくともお腹がすかないのに食べたりすることはやめ、小食が健康にもたらす効用について気がつけば、それだけでも、ずいぶん私たちをとりまく地球環境が変わるのではないでしょうか。
<あなたの人生、このまま終わってもいいですか?>
・私がめざしているのは、百歳になっても、ウエストがくびれ、若々しい見かけを保つことができるような「人生百年計画」です。
・読者のみなさんに声を大にしていいたいのは、不摂生の結果迎えた老後は、苦しみの毎日であるということです。
・不摂生によって傷ついた消化管や気管には癌が発生します。癌もこの世に生まれたからには生き延びようとします。その結果、周囲の臓器に染み込むように、「侵潤」し、離れた臓器に「転移」します。体の中にうごめく別な生き物によって生じる痛みはそれは苦しいといいます。
・健康なうちは自分が病気になることなど想像もできないでしょう。自分は癌にならない、脳卒中にならないと思って、今あなたは不摂生を続けています。しかし、病気の原因の大半は生活習慣です。その生活習慣を見直すのは、健康である今のうちなのです。
<最後まで「健康・元気」に過ごす!>
・そこで最後に問題になるのは、人生百年計画の最晩年の送り方です。
病院で寝たきりになり、まわりの人に迷惑をかけながら過ごすのか、それとも最期の最期までピンピン元気に健康で見かけも若々しく、より美しく臨終を迎えられるのか、という選択になるのだと思います。
・最後まで健康で働けることがいちばんの理想です。
・それは、そんなにむずかしいことではなくて、1日1食の生活をしながら、よく寝ること、それに尽きるのだと思うのです。
<若さ美しさは内面の健康のあらわれ>
・私は外科医です。専門は乳腺外科、つまり女性の乳房の癌を取ったり、同時につくり直したりします。
・私は医者の家の4代目です。祖父は52歳のとき、父は62歳のときに心筋梗塞で倒れました。40代のときの私は完全にメタボでした。
・お腹に脂肪がたっぷりついていたら、血管の中も脂肪がこびりついているでしょうし、肌がシワ・シミだらけなら、脳も内臓も錆びついているでしょう。つまり、「外観は健康状態のあらわれである」ということです。
・そのために有効な方法は「空腹」「完全栄養」「睡眠」の三つだけです。
・1日1食(または一汁一菜)
・野菜は葉ごと皮ごと根っこごと、魚は皮ごと頭ごと、穀物は全粒で
・睡眠は夜の10時から夜中の2時までのゴールデンタイムを含むように
この三条件を守っていただければ健やかで、若く、美しい体を手に入れられることでしょう。
『「空腹」こそ最強のクスリ』
医学博士 青木厚 アスコム 2019/1/26
<空腹パワーであらゆる不調を撃退しよう!>
<1日2食のプチ断食が、僕の集中力の秘密です>
・いま話題の半日断食で、頭がさえる。疲れない。無理なくやせる。
・最新医学エビデンスに基づく本当に正しい食事法は、「何を食べるか」ではなく、「食べない時間を増やす」たったこれだけだった。
・睡眠時間を合わせて「1日16時間は食べない」だけ。この半日断食で細胞内の悪いタンパク質や感染症を引き起こす病原菌が掃除され、全身の細胞がみるみる修復!
・この方法なら、炭水化物も、脂肪も好きなだけ食べて問題ない!
<「ものを食べない時間」を作り、「空腹」を楽しむ。それだけで、病気知らずの体が手に入ります。>
・中性脂肪が激減し、脂肪肝が改善!
・高かった血圧が下がり、体重も減少!
・これまで健康や長寿、アンチエイジングのための、さまざまな食事法が紹介されてきました。しかし最新の医学エビデンスに基づき、近年、「食べものの内容を制限する」ことよりも「食べない時間を増やす」ことにより注目が集まっています。
・この本で紹介する食事法は、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した「オートファジー」研究をもとに生み出されました。
オートファジーとは、「古くなった細胞が新しく生まれ変わる」体の仕組みのことです。
週に一度でも、まとまった空腹の時間を作ると、食べすぎがもたらす害が取り除かれ、加齢や食生活によるダメージがリセットでき、オートファジーが活性化して体が、内側から若々しく蘇ります。
しかもこの食事法は誰でも簡単に実践でき、すぐに効果を実感できます。がんや認知症、糖尿病や高血圧などの病気の予防にも役に立つと考えられる、まさに奇跡の食事法なのです。
みなさん、この本を読んで、ぜひ空腹という最高のクスリにより、健康と若さを手に入れましょう。
<「1日3食」「食べすぎ」が、疲れやすい体を作る>
・1日3食というのは、それだけで「食べすぎ」になってしまう可能性があります。
・成人が1日に必要とするカロリーは、1800~2200キロカロリー前後といわれています。
ハンバーガーとポテトフライ、ドリンクのセットだけで、1000キロカロリーは軽く超えますし、ファミレスに行けば、800~1000キロカロリー程度のメニューがたくさん並んでいます。
つまり、1日3度食事をとることで、本来必要な量の1.5~2倍のカロリーを摂取してしまう……というのは、十分にありうることなのです。
<高血圧、老化、生活習慣病………。肥満は百害あって一利なし!>
<食べすぎは、様々な体の不調を招きます。>
・まず、内臓の疲れ。胃腸や肝臓は、私たちが食べたものを、何時間もかけて消化しますが、本来処理できる量を超える食べものが、ひっきりなしに運ばれてくると、内臓は休みなくフル回転で働き続けなければならず、疲弊します。
その結果、内臓の働きが低下し、栄養素をきちんと吸収できない、老廃物を排出できない、免疫力が低下するなど、さまざまな問題が生じてしまうのです。
・また、食べすぎは、肥満を招きます。 私たちが摂った糖質や脂質の一部は、脳や筋肉、内臓などが働くためのエネルギーとして使われますが、余った筋肉や肝臓に蓄えられ、それでもおさまりきらなかった分は中性脂肪として、脂肪細胞に蓄えられます。
・つきすぎた脂肪、とくに内臓脂肪からは、悪玉ホルモンが分泌され、血糖値の上昇、高血圧、血栓形成などを招きます。
また悪玉ホルモンは慢性炎症状態を引き起こし、がんを発症する場合もあります。
ほかにも、食べすぎには「体を錆びさせる活性酸素を増やす」といったデメリットがあります。
食べすぎは、疲れやだるさの原因となるだけでなく、糖尿病や高脂血症などの動脈硬化性疾患、脳出血や脳梗塞、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、そしてがんの原因ともなるのです。
<さまざまな病気の温床となる「糖質の摂りすぎ」>
・しかも、現代日本人の食事は、特に糖(糖質)が多くなりがちです。成人が1日に必要とする糖質は、170gといわれています。
茶碗一杯のご飯(白米)に含まれる糖質は50g程度ですから、ご飯を1日3杯食べれば、それだけでほぼ、本来必要な糖質は摂取できてしまいます。
つまり、1日3杯のご飯に加えて、デザートなどを食べれば、それだけで糖質過多になるのです。
・しかし、糖質の摂りすぎによる最大の問題は、「糖質が、血糖値を急上昇させる」点にあります。
・こうした、ジェットコースターのような血糖値の乱高下は、「食後すぐ眠くなる」「だるくなる」「イライラする」などの症状をもたらします。
さらに、糖質の摂りすぎによって血糖値が高い状態が続くと、
① 細胞が徐々にインスリンを受けつけなくなる。
② すい臓が頑張って、もっとインスリンを分泌しようとする。
③ すい臓が疲弊する。
といったことが起こるようになり、すい臓でのインスリン分泌量が低
下する「2型糖尿病」の発症につながります。
糖尿病になると、血糖値が下がらないため、全身の血管がダメージを
受け、網膜症、腎症、心筋梗塞や脳梗塞、認知症、がんといった病気にかかるリスクが高まってしまいます。
<血糖値が下がり、脂肪が分解され、細胞が生まれ変わる方法がある>
・「食事のカロリー数を減らす」「糖質を減らす」など、さまざまな方法が考えられますが、この本で私がおすすめしたいのは、「ものを食べない時間(空腹の時間)を作る」というものです。
・空腹の時間を作ると、まず内臓がしっかりと休むことができ、血糖値も徐々に下がります。また、最後にものを食べてから10時間ほどたつと、肝臓に蓄えられた糖がなくなるため、脂肪が分解されエネルギーとして使われるようになり、16時間を超えると、体に備わっている「オートファジー」という仕組みが働くようになります。
オートファジーとは、「細胞内の古くなったタンパク質が、新しく作り替えられる」というもので、細胞が飢餓状態や低酸素状態に陥ると、活発化するといわれています。
体の不調や老化は、細胞が古くなったり壊れたりすることによって生じます。
・オートファジーによって、古くなったり壊れたりした細胞が内側から新しく生まれ変われば、病気を遠ざけ、老化の進行を食い止めることができるのです。
つまり、空腹の時間を作ることで、
・内臓の疲れがとれて内臓機能が高まり、免疫力もアップする。
・血糖値が下がり、インスリンの適切な分泌が促され、血管障害が改善される。
・脂肪が分解され、肥満が引き起こすさまざまな問題が改善される。
・細胞が生まれ変わり、体の不調や老化の進行が改善される。
といったさまざまな「体のリセット効果」が期待できます。まさに、「空腹は最高のクスリ」なのです。
・空腹の時間以外は、何を食べていただいてもかまいませんし、空腹の時間中であっても、どうしてもお腹が空いた場合は、ナッツ類などであれば、いくら食べていただいてもかまいません。
オートファジーを働かせるためには、連続して16時間以上の空腹の時間が必要ですが、睡眠時間をうまく組み込めば、無理なく実行することができるでしょう。できれば毎日続けていただくのが理想的ですが、週1回、週末だけ実行していただくだけでも、リセット効果は得られるはずです。
<半日断食が、体の不調や病気、老化を遠ざけてくれる>
・たとえば朝食だけ抜いて、昼と夜は普通に食べる。起きている時間の半分だけがんばる半日断食、それだけで実行できてしまいます。
・繰り返しになりますが、空腹の時間を作るだけで、食べすぎや糖質の摂りすぎによる弊害をリセットしてくれます。
カロリー計算など、難しいこと、面倒なことを考えなくても、内臓の疲れがとれ、血糖値が下がり、脂肪が落ち、細胞が生まれ変わり、さまざまな体の不調や病気、老化を遠ざけることができます。
みなさんもぜひ、「空腹」という最高のクスリによって、病気知らず、疲れ知らず、老化知らずの体を手に入れてください。
<「1日3食とるのが体にいい」は、間違いだった>
<1日3食とると、体は日々弱っていく>
・「1日3食が理想的である」という考え方には、確固たる裏付けはありません。
それどころか、1日3回食事をとると、あとで詳しくお話しするように、
・胃腸をはじめ、内臓が十分に休むことができず、疲弊してしまう。
・体内で炎症が起きやすい。
・「食べすぎ」を招き、肥満になりやすい。
・高血糖になりやすい。
・老化が進みやすい
など、体や健康にさまざまなダメージを与えることになるのです。
<食後の慢性的な眠気は、血糖値が上がっている証拠>
・「食べた後、異様に眠くなったり、疲れたり、だるくなったりする状態が、ずっと続いている」という人は、血糖値が慢性的に高くなっている可能性がるといえるしょう。
<習慣や惰性を捨て、体の声を聞くことが真の健康への第一歩>
・あなたの内臓は、もしかしたら、休息を求めているかもしれません。
特に年齢を重ねるにつれて、1日に必要とするカロリーは少なくなっていきます。1日3食にこだわる必要は、まったくないのです。
<1日3食は、胃腸を疲れさせ、体の不調を招く>
<1日3食では、内臓は十分に休むことができない>
・ところが、1日3度食事をすると、朝食から昼食までの間隔は4~5時間、昼食から夕食までの間隔は6~7時間程度となり、前の食事で食べたものが、まだ胃や小腸に残っている間に、次の食べるものが運ばれてきてしまいます。
すると胃腸は休む間もなく、常に消化活動をしなければならなくなり、どんどん疲弊していきます。
<胃が疲弊すると、肌や髪にも悪影響をもたらす>
・1日3回、せっせと食事をとり続け、胃腸が疲弊すると、体にはさまざまな不調が現れます。
まず、胃腸が疲れ、消化機能が衰えると、食べものからきちんと栄養分を摂ることができなくなり、体に必要なビタミンやミネラル、微量元素不足に陥り、疲れやすくなったりだるくなったり、肌や髪のコンディションが悪くなったりします。
また、「胸焼け」「胃もたれ」「食欲不振」が起こりやすくなります。
<腸内環境の悪化が、全身にダメージを与える>
・ちなみに、加齢や胃の疲れによって胃液が減り、消化が不十分な食物が腸内に入ってくると、やはり腸内細菌のバランスが崩れ、腸内環境は悪化します。
さらに、腸で発生した有害物質は、血液に乗って全身にまわります。そのため、肌荒れがひどくなったり体臭がきつくなったり、ときにはがんなどの病気が引き起こされたりすることもあるのです。
・また、腸には食べものを消化・吸収し、不要なものや老廃物を排泄するだけでなく、「体内に侵入しようとする異物(ウイルスや毒素など)を排除し、体を守る」という「免疫機能」も備わっています。
腸の機能が衰え、腸内環境が悪くなると、免疫力が低下して風邪や肺炎などの感染症にかかりやすくなる、アレルギーがひどくなる、がんが発生する、といったことも起こりやすくなるのです。
0コメント