認知症の症状が進行した状態でも、知的な能力は残り続けます。認知症は誰もが罹患するもの。病気というより老化現象の一つです。(3)
<自分で「できない」と決めつけない>
・「性欲はいつまでもあるか」ということについて、あるデータによれば、男性は70歳代までは90パーセントの人が「性的欲求」を維持し続けています。ただし、セックスの頻度となると、60歳以降は低下が著しく、60代の夫婦の場合は、平均して月に1回というデータがありました。女性は、閉経とともに性欲が減退し、それとともにセックスをやめてしまうことも多いようです。
・じっさい、女性がセックスをやめてしまう最大の理由は、配偶者が亡くなってしまったから、ということのようです。
<70歳を過ぎるとモテるようになる!>
・60歳よりも、70歳のほうがモテる、といったら信じますか?でも、これは本当の話です。ことに男性の場合には、100パーセントそうだといっても過言ではありません。
・自分の年齢に遠慮することなく、恋愛もセックスも、積極的に楽しんでいく、というのはいかがでしょうか。
<出会いだけで終わらせない次の一手>
・大人の恋愛は、告白せずに前に進めていくことができます。意中の人ができたら、その人と会える機会を逃さないことです。
<世間のルールより、自分のルールを優先する>
・72歳で「恋人ができた」とこっそり教えてくれた友人がいますが、こちらのほうが照れてしまうくらい、楽しそうにしていました。
・70歳からの恋愛は、それが「人生最後の恋」になりうる可能性が高いでしょう。だとしたら、世間のルールより、自分の気持ち、相手との関係を大切にすべきです。
<「家族の絆」「仲間の絆」を断ち切らない>
<子どもに期待しないことが家族関係をよくする>
・子どももいつのまにか巣立って、家族で会うのはお盆と正月くらい、という人は多いのでしょう。
・「子どもに期待しないほうがいい」というのは、そんな気持ちにならないための対策といってもいいでしょう。
・お互いに、困ったことができたら相談できる関係であるなら、じっさいに連絡があるかどうかは、どちらでもよいではありませんか?
<パートナーとの時間を、いまこそ大切にしよう>
・あなたにとってパートナーとは、どんな存在ですか。
・ところで、女優の樹木希林さんが亡くなって、その半年後、夫である内田裕也さんも亡くなりました。2人はずっと別居婚で、一度は内田さんが離婚届を提出し、それを認めない樹木さんとのあいだで訴訟に発展したことで、マスコミを賑わせたこともありました。まさに型破りの夫婦関係だったと思いますが、夫婦のことは、夫婦にしかわからないものです。
・いまはパートナーがいない、という場合には、これから現れる可能性もあります。ぜひ、「パートナーを見つけたい」と思って、行動してみてください。70歳を過ぎたら、パートナーの存在が、安心をもたらします。
<独り暮らしを孤独と決めつけない>
・パートナーはいないよりはいたほうがいい、とはいっても、では1人ではダメなのかといえば、もちろん、そんなことはありません。年を重ねて独り暮らしをしている人がいちばん恐れるのは、孤独死だ、という人がいます。
・私が階段から落ちたときも、落ち方によっては、命を落とす可能性もあったわけです。そのとき家族は留守でしたが、その意味では、独り暮らしでなくても、たまたま偶然で、独りで死を迎えることもあります。
・いまは「8050問題」もあります。ひきこもりの子どもが50歳になると、親は80歳になります。それまで子どもの生活のすべての面倒を見ていた親が、体力的にも経済的にも支えられなくなるわけです。
<たとえケンカしても絶交はしない>
・70歳を過ぎて、会えなくなる人がいるというのは、つらいものです。もしもケンカをしたとしても、そのまま絶交にならない逃げ道をつくっておくことも大切です。
<70代で生涯のパートナーに出会うこともある>
・70歳になって、人生のパートナーに出会えるかといえば、もちろん答えはイエスです。私のことでも、それを証明することができます。パートナーといってもビジネスパートナーですが、私が現在、きずな出版の専務である岡村季子さんと出会ったのも、72歳のときでした。
・私の70代からの人生は、このビジネスパートナーによって、大きく変わったといっても過言ではありません。
<「したいこと」「しないこと」を決めておく>
<限りある時間を、どう過ごすか>
・仮に100歳まで生きるとして、それを1000メートルとすれば、ゴールまでは300メートルです。
・70歳を過ぎたら、「自分に残された時間」を考えてみましょう。70歳になると、パートナーや家族の介護をしなければならない状況に陥る人もいるでしょう。
・70代で、いちばん損な時間の使い方は、不満を抱きながら、毎日を過ごすことです。もしも自分の中で「不満」が燻っているとしたら、どうしたら、それを消し去ることができるかを考えてみましょう。
<おつき合いですることは免除してもらおう>
・昔は60歳を過ぎたら、隠居したものでした。隠居とは、第一線を退くことですが、明治31(1898)年に公布、施行された民法によって制度化されていました。そこでは、隠居ができる条件の1つとして、「(年齢)満60年以上になること」をあげています。
・70歳を過ぎたら、この「隠居」のいいとこ取りをする、というのはどうでしょうか。
・SNSを始めたばかりというときには、友達申請をされると、つい承認したくなりますが、その相手がどんな人とつながっているかを確認した上で、判断するようにしましょう。
・70歳になったら、おつき合いのルールも、自分の都合にいいかたちで改定していくのはどうでしょうか。
<自分を満たすことで、周囲も満たしていく>
・70歳になったら、「わがまま」になったほうがいいと私は思っています。
・まわりの人のことを考えて、自分のことは後回しにしてしまうことがありますが、70歳を過ぎたら、自分優先でいいのです。
・70歳を過ぎたら、あなたが元気でいることが、あなただけでなく、あなたの周囲の人たちにとっても、幸せなことだと気づくのではないでしょうか。
<老後のことを心配しすぎると、人生がつまらなくなる>
・老後にいくら必要か、いまの貯金で死ぬまで生活していけるのか、ということを心配する人は相当多いはずです。というより、それを心配しない人はいない、といってもいいでしょう。
・自分がしたいことを楽しむのが一番です。そこで、「老後のことを考えたら何もできない」というのでは、なんのための老後なのかと思ってしまいます。
・お金のことは横に置いて、自分のしたいこと、したくないことを考えてみましょう。そうして、したいことができたときに初めて、それにどれだけお金をかけられるかを考えるのです。
そこで、「お金は使えない」となったら、知恵を絞りましょう。
<これからの人生で最優先にしなければならないこと>
・本書では、70歳になっても、未来に希望を持っていただきたい、という思いで書き留めてきました。
・年を取ると、とくに仕事をやめたり、一線から引いてしまうと、私たちの目は過去に行きがちです。
・後悔している時間は、70歳にはないのです。「今日、何をするのか」「明日、何をするのか」ということを考えていきましょう。
・私は82歳で、きずな出版を起ち上げましたが、それは自分に自信があったからです。「自分は失敗しない」ということではありません。むしろ、失敗する確率のほうが高いと思っていました。
・何より、毎日が楽しいのです。考えること、行動することが喜びをもたらす、ということを実感しています。
<「80歳の自分」「90歳の自分」を楽しみに迎えよう>
<人生の舞台の中央に立とう>
・「人生の主役は自分自身」とよくいわれることですが、本当に主役を張ってきたかというと、どうでしょうか。とくに女性の場合には、男女雇用機会均等法もなく、女性というだけで脇にまわされたと思うようなこともあったかもしれません。
・でも、いまは違います。高齢化が進み、寿命が100年にも届くようになる、という時代は、これまでの人類では経験できなかったことです。
・若い人だけのものだと思っていたことにも、挑戦してみましょう。私の場合は、その1つが「スマホ」でした。
<話材の多い人は、年齢を超越する>
・雑誌の編集長時代にお会いした作家で、印象深いのは川端康成先生です。川端先生に初めてお会いしたのは、私が仲間とともに祥伝社を起ち上げた39歳のときです。
・川端先生がちょうど70歳になろうとしていた頃で、ノーベル文学賞を受賞した翌年だったと記憶しています。
・もっともっと、いろんなお話がしたかったと後悔は残りますが、先生が年齢を超越していたことには合点がいきました。私も、まだまだ精進あるのみです。
<自分のこれからの予定を手帳に書き込んでいこう>
・仕事を離れると、手帳を持たなくなる人もいるかもしれません。予定があっても、カレンダーに買き込むだけですませてしまうものです。私は、70歳になった人にこそ、手帳を持つことをオススメします。
105歳で亡くなるまで、生涯現役を貫いた医師、日野原重明先生は、100歳のときに「10年日記」を買って、3年後の予定も書き込んでいたといいます。
・本書で何度も書いてきましたが、人生というのは、気を抜いていると、あっという間に、なんとなく過ぎてしまうものです。
・そのために、日記や手帳を使って、これからの予定や、その日に知ったこと、気づいたこと、考えたことなどを書き込んでいきましょう。
<存在感で貢献できることを知る>
・70代というのは、88歳の私が自分のことをふり返っても、まだまだ元気で、いちばん充実していたといっても過言ではない時代でした。
・たとえば、きずな出版は創業7年の若い会社ですが、私が社長をしていることで、信頼度が増すということがあります。
出版業界に66年たずさわってきた、というのは私にとっては、たまたまそうなったくらいのことですが、私以上の長い経験を持つ人は、もういないといってもいいでしょう。そのことに価値を見てくれる人は、多いのです。
・年を重ねれば重ねるほど、その存在感は大きくなっていきます。逆にいえば、存在感が大きくなるような生き方をしなければなりません。
<人生100年時代を自分らしく生きる>
・「時代遅れの人間にはなりたくない」そう思っている人は少なくないでしょう。あなたもそうではありませんか?
・私からすれば、70歳の若さで、自分を老人扱いしてしまうほど、もったいないことはないと思っています。本書で書いてきたように、まだまだ仕事もできれば、お金だって稼げる。恋愛もできるのです。社会貢献の場はいくらでもあります。
・私の知り合いで、からだは元気ですが、夫が亡くなったことをきっかけに、「食事は外食ですませることにしました」という女性もいました。
・70歳になれば、できないことや、できないまでも億劫になることが増えていきます。どんなに若々しい人でも、老化はもちろんあるわけです。
・たとえ時代には遅れていたとしても、自分らしく生きられている、としたら、それが一番のことではないでしょうか。
<おわりに>
<70歳、あるいは70代という年齢で、あなたにしてほしい最後の1つ――>
・70歳を過ぎたら、何か残せるものをつくる、というのは1つの楽しみになると考えます。
私は絵を残したいと思いますが、書でも焼き物でもよいかもしれません。
私の講座には、自分史を残す、という受講生もいます。
・歴史にも地図にも残らなくても、何か、自分で残せるものはないか。それを考え、じっさいに始めてみるのです。いままでにやったことがないことでも構いません。むしろ、そのほうが面白いのではないでしょうか。
どんなことでも10年続けていけばプロになれる、といわれます。あなたも、これからの10年をかけて、「残せる仕事」に取り組んでみませんか。これが、70歳へのあなたへの、私からの最期の課題です。
2021/6/22
『「空腹」こそ最強のクスリ』
医学博士 青木厚 アスコム 2019/1/26
<空腹パワーであらゆる不調を撃退しよう!>
<1日2食のプチ断食が、僕の集中力の秘密です>
・いま話題の半日断食で、頭がさえる。疲れない。無理なくやせる。
・最新医学エビデンスに基づく本当に正しい食事法は、「何を食べるか」ではなく、「食べない時間を増やす」たったこれだけだった。
・睡眠時間を合わせて「1日16時間は食べない」だけ。この半日断食で細胞内の悪いタンパク質や感染症を引き起こす病原菌が掃除され、全身の細胞がみるみる修復!
・この方法なら、炭水化物も、脂肪も好きなだけ食べて問題ない!
<「ものを食べない時間」を作り、「空腹」を楽しむ。それだけで、病気知らずの体が手に入ります。>
・中性脂肪が激減し、脂肪肝が改善!
・高かった血圧が下がり、体重も減少!
・これまで健康や長寿、アンチエイジングのための、さまざまな食事法が紹介されてきました。しかし最新の医学エビデンスに基づき、近年、「食べものの内容を制限する」ことよりも「食べない時間を増やす」ことにより注目が集まっています。
・この本で紹介する食事法は、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した「オートファジー」研究をもとに生み出されました。
オートファジーとは、「古くなった細胞が新しく生まれ変わる」体の仕組みのことです。
週に一度でも、まとまった空腹の時間を作ると、食べすぎがもたらす害が取り除かれ、加齢や食生活によるダメージがリセットでき、オートファジーが活性化して体が、内側から若々しく蘇ります。
しかもこの食事法は誰でも簡単に実践でき、すぐに効果を実感できます。がんや認知症、糖尿病や高血圧などの病気の予防にも役に立つと考えられる、まさに奇跡の食事法なのです。
みなさん、この本を読んで、ぜひ空腹という最高のクスリにより、健康と若さを手に入れましょう。
<「1日3食」「食べすぎ」が、疲れやすい体を作る>
・1日3食というのは、それだけで「食べすぎ」になってしまう可能性があります。
・成人が1日に必要とするカロリーは、1800~2200キロカロリー前後といわれています。
ハンバーガーとポテトフライ、ドリンクのセットだけで、1000キロカロリーは軽く超えますし、ファミレスに行けば、800~1000キロカロリー程度のメニューがたくさん並んでいます。
つまり、1日3度食事をとることで、本来必要な量の1.5~2倍のカロリーを摂取してしまう……というのは、十分にありうることなのです。
<高血圧、老化、生活習慣病………。肥満は百害あって一利なし!>
<食べすぎは、様々な体の不調を招きます。>
・まず、内臓の疲れ。胃腸や肝臓は、私たちが食べたものを、何時間もかけて消化しますが、本来処理できる量を超える食べものが、ひっきりなしに運ばれてくると、内臓は休みなくフル回転で働き続けなければならず、疲弊します。
その結果、内臓の働きが低下し、栄養素をきちんと吸収できない、老廃物を排出できない、免疫力が低下するなど、さまざまな問題が生じてしまうのです。
・また、食べすぎは、肥満を招きます。 私たちが摂った糖質や脂質の一部は、脳や筋肉、内臓などが働くためのエネルギーとして使われますが、余った筋肉や肝臓に蓄えられ、それでもおさまりきらなかった分は中性脂肪として、脂肪細胞に蓄えられます。
・つきすぎた脂肪、とくに内臓脂肪からは、悪玉ホルモンが分泌され、血糖値の上昇、高血圧、血栓形成などを招きます。
また悪玉ホルモンは慢性炎症状態を引き起こし、がんを発症する場合もあります。
ほかにも、食べすぎには「体を錆びさせる活性酸素を増やす」といったデメリットがあります。
食べすぎは、疲れやだるさの原因となるだけでなく、糖尿病や高脂血症などの動脈硬化性疾患、脳出血や脳梗塞、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、そしてがんの原因ともなるのです。
<さまざまな病気の温床となる「糖質の摂りすぎ」>
・しかも、現代日本人の食事は、特に糖(糖質)が多くなりがちです。成人が1日に必要とする糖質は、170gといわれています。
茶碗一杯のご飯(白米)に含まれる糖質は50g程度ですから、ご飯を1日3杯食べれば、それだけでほぼ、本来必要な糖質は摂取できてしまいます。
つまり、1日3杯のご飯に加えて、デザートなどを食べれば、それだけで糖質過多になるのです。
・しかし、糖質の摂りすぎによる最大の問題は、「糖質が、血糖値を急上昇させる」点にあります。
・こうした、ジェットコースターのような血糖値の乱高下は、「食後すぐ眠くなる」「だるくなる」「イライラする」などの症状をもたらします。
さらに、糖質の摂りすぎによって血糖値が高い状態が続くと、
① 細胞が徐々にインスリンを受けつけなくなる。
② すい臓が頑張って、もっとインスリンを分泌しようとする。
③ すい臓が疲弊する。
といったことが起こるようになり、すい臓でのインスリン分泌量が低
下する「2型糖尿病」の発症につながります。
糖尿病になると、血糖値が下がらないため、全身の血管がダメージを
受け、網膜症、腎症、心筋梗塞や脳梗塞、認知症、がんといった病気にかかるリスクが高まってしまいます。
<血糖値が下がり、脂肪が分解され、細胞が生まれ変わる方法がある>
・「食事のカロリー数を減らす」「糖質を減らす」など、さまざまな方法が考えられますが、この本で私がおすすめしたいのは、「ものを食べない時間(空腹の時間)を作る」というものです。
・空腹の時間を作ると、まず内臓がしっかりと休むことができ、血糖値も徐々に下がります。また、最後にものを食べてから10時間ほどたつと、肝臓に蓄えられた糖がなくなるため、脂肪が分解されエネルギーとして使われるようになり、16時間を超えると、体に備わっている「オートファジー」という仕組みが働くようになります。
オートファジーとは、「細胞内の古くなったタンパク質が、新しく作り替えられる」というもので、細胞が飢餓状態や低酸素状態に陥ると、活発化するといわれています。
体の不調や老化は、細胞が古くなったり壊れたりすることによって生じます。
・オートファジーによって、古くなったり壊れたりした細胞が内側から新しく生まれ変われば、病気を遠ざけ、老化の進行を食い止めることができるのです。
つまり、空腹の時間を作ることで、
・内臓の疲れがとれて内臓機能が高まり、免疫力もアップする。
・血糖値が下がり、インスリンの適切な分泌が促され、血管障害が改善される。
・脂肪が分解され、肥満が引き起こすさまざまな問題が改善される。
・細胞が生まれ変わり、体の不調や老化の進行が改善される。
といったさまざまな「体のリセット効果」が期待できます。まさに、「空腹は最高のクスリ」なのです。
・空腹の時間以外は、何を食べていただいてもかまいませんし、空腹の時間中であっても、どうしてもお腹が空いた場合は、ナッツ類などであれば、いくら食べていただいてもかまいません。
オートファジーを働かせるためには、連続して16時間以上の空腹の時間が必要ですが、睡眠時間をうまく組み込めば、無理なく実行することができるでしょう。できれば毎日続けていただくのが理想的ですが、週1回、週末だけ実行していただくだけでも、リセット効果は得られるはずです。
<半日断食が、体の不調や病気、老化を遠ざけてくれる>
・たとえば朝食だけ抜いて、昼と夜は普通に食べる。起きている時間の半分だけがんばる半日断食、それだけで実行できてしまいます。
・繰り返しになりますが、空腹の時間を作るだけで、食べすぎや糖質の摂りすぎによる弊害をリセットしてくれます。
カロリー計算など、難しいこと、面倒なことを考えなくても、内臓の疲れがとれ、血糖値が下がり、脂肪が落ち、細胞が生まれ変わり、さまざまな体の不調や病気、老化を遠ざけることができます。
みなさんもぜひ、「空腹」という最高のクスリによって、病気知らず、疲れ知らず、老化知らずの体を手に入れてください。
<「1日3食とるのが体にいい」は、間違いだった>
<1日3食とると、体は日々弱っていく>
・「1日3食が理想的である」という考え方には、確固たる裏付けはありません。
それどころか、1日3回食事をとると、あとで詳しくお話しするように、
・胃腸をはじめ、内臓が十分に休むことができず、疲弊してしまう。
・体内で炎症が起きやすい。
・「食べすぎ」を招き、肥満になりやすい。
・高血糖になりやすい。
・老化が進みやすい
など、体や健康にさまざまなダメージを与えることになるのです。
<食後の慢性的な眠気は、血糖値が上がっている証拠>
・「食べた後、異様に眠くなったり、疲れたり、だるくなったりする状態が、ずっと続いている」という人は、血糖値が慢性的に高くなっている可能性がるといえるしょう。
<習慣や惰性を捨て、体の声を聞くことが真の健康への第一歩>
・あなたの内臓は、もしかしたら、休息を求めているかもしれません。
特に年齢を重ねるにつれて、1日に必要とするカロリーは少なくなっていきます。1日3食にこだわる必要は、まったくないのです。
<1日3食は、胃腸を疲れさせ、体の不調を招く>
<1日3食では、内臓は十分に休むことができない>
・ところが、1日3度食事をすると、朝食から昼食までの間隔は4~5時間、昼食から夕食までの間隔は6~7時間程度となり、前の食事で食べたものが、まだ胃や小腸に残っている間に、次の食べるものが運ばれてきてしまいます。
すると胃腸は休む間もなく、常に消化活動をしなければならなくなり、どんどん疲弊していきます。
<胃が疲弊すると、肌や髪にも悪影響をもたらす>
・1日3回、せっせと食事をとり続け、胃腸が疲弊すると、体にはさまざまな不調が現れます。
まず、胃腸が疲れ、消化機能が衰えると、食べものからきちんと栄養分を摂ることができなくなり、体に必要なビタミンやミネラル、微量元素不足に陥り、疲れやすくなったりだるくなったり、肌や髪のコンディションが悪くなったりします。
また、「胸焼け」「胃もたれ」「食欲不振」が起こりやすくなります。
<腸内環境の悪化が、全身にダメージを与える>
・ちなみに、加齢や胃の疲れによって胃液が減り、消化が不十分な食物が腸内に入ってくると、やはり腸内細菌のバランスが崩れ、腸内環境は悪化します。
さらに、腸で発生した有害物質は、血液に乗って全身にまわります。そのため、肌荒れがひどくなったり体臭がきつくなったり、ときにはがんなどの病気が引き起こされたりすることもあるのです。
・また、腸には食べものを消化・吸収し、不要なものや老廃物を排泄するだけでなく、「体内に侵入しようとする異物(ウイルスや毒素など)を排除し、体を守る」という「免疫機能」も備わっています。
腸の機能が衰え、腸内環境が悪くなると、免疫力が低下して風邪や肺炎などの感染症にかかりやすくなる、アレルギーがひどくなる、がんが発生する、といったことも起こりやすくなるのです。
<「食事」が本当に始まるのは、食べものを口にした後>
・さまざまな役割を一手に担っているのが、肝臓なのです。
そのため、食事の間隔が狭く、次から次へと食べものが入ってくると、肝臓はふる回転で働かねばならず、どんどん疲弊していきます。
疲れにより肝臓の機能が衰えると、本来肝臓で解毒されるはずの毒素や老廃物が体内に残ったり、作られるエネルギーの量が減ったりするため、体が疲れやすくなります。
また、お酒がおいしく感じられなくなったり、食欲が低下したり、あるいは肝炎や脂肪肝、肝硬変、さらには肝臓がんなど、肝臓自体の病気や障害が引き起こされたりするおそれもあります。
そして、人間に休息が必要であると同様、内臓にもまとまった休息が必要なのです。
<がん、糖尿病、心筋梗塞や脳梗塞。年齢を重ねるごとに「食べすぎ」のダメージは大きくなる>
<1日3食は、気づかぬうちに「食べすぎ」を招く>
・つまり、ふだんから慢性的に食べすぎている人の場合、「胃が膨らんでいる状態」が当たり前になっていて、「本来、体が必要としている量」以上の食べものも、どんどん受け入れてしまいます。
<食べすぎは、DNAや細胞をも傷つける>
・また、食べすぎは、体内の活性酸素を増やします。
活性酸素には「ものを酸化させる(錆びさせる)力」があり、それによって体内に侵入ウイルスや異物などを殺菌・排除しますが、一方で、活性酸素の攻撃は、身体(体内のDNAや細胞)をも傷つけます。
・そして、活性酸素が必要以上に増えると、細胞が酸化されたり傷つけられたりするため、細胞の老化が進行し、お肌のシワやシミの原因となったり、細胞に障害が生じ、がんなどさまざまな病気が引き起こされたりする可能性があります。
<ご飯や肉の食べすぎが、あなたの命を危険にさらす>
・「食べすぎる人」のほとんどは、ご飯や麺類、パン、甘いものなど、「糖質」の多いものや、肉、油など、「脂質」の多いものを取りすぎています。
糖質や脂質を過剰に摂れば、血液中の中性脂肪や、「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDL-コレステロールが増え、それらは血管壁に付着します。それだけ血管は狭くなります。
その結果、血液の流れが悪くなり、
・栄養が体のすみずみまでいきわたらなくなったり、老廃物がきちんと排出されなくなったりするため、疲労や冷え、肌荒れなどが起こりやすくなる。
・血管や心臓に大きな負担がかかって血圧が高くなり、動脈硬化が生じて脳梗塞、心筋梗塞、脳出血、心不全などのリスクも高くなる。
・さらに、糖質の多いものを食べすぎると、血糖値が高くなります。その状態が続くと、糖尿病になるリスクも高くなるのです。
<脂肪細胞は無限に増大していくから怖ろしい>
・食べすぎの弊害として、忘れてはならないのが、「内臓脂肪」です。
・細胞脂肪は柔軟性が高く、中性脂肪を取り込んで、もとの数倍の大きさにまで膨れ上がることができます。
これが「脂肪がつく」「脂肪が増える」といわれる状態ですが、このように、無限に容易を増やすことができるのは、人体の中では脂肪細胞だけなのです。
・肥大化した脂肪細胞からは「TNF-α」や「IL-6」などの「悪玉ホルモン」が分泌されるようになり、糖尿病や高血圧、慢性炎症状態を導いてがんになるリスクも高くなります。
<増えすぎた脂肪が、血液やリンパの流れを悪くする>
・実は脂肪には、
・エネルギーを貯蔵する。
・体温を維持する。
・内臓の位置を保つ。
・クッション代わりとなって、外部の刺激から体を守る。
・ホルモンや胆汁などの原料となる。
・各種ビタミンの吸収を助ける。
といった働きがあります。
つまり、人間にとってなくてはならないものではあるのですが、脂肪が必要以上に増えすぎると、体にはさまざまな影響が生じます。
・ところが、肥大化した脂肪が血管やリンパ管を圧迫すると、血液やリンパの流れが悪くなり、心臓に負担がかかり、高血圧や心不全、むくみの原因となります。
その結果、心臓病のリスクが高くなる、全身の各器官の働きが悪くなるなど、体にさまざまな不調が現れるようになるのです。
<実は皮下脂肪よりもタチが悪い、悪玉ホルモンを分泌しやすい内臓脂肪>
・また、あまり知られていないのですが、脂肪細胞にはさまざまなホルモンなどを分泌し、体の機能を調整するといった働きもあります。
・つまり、食べすぎによって脂肪が過剰に増えると、悪玉ホルモンの作用により、
・血管の傷が修復されない。
・血栓が溶けない。
・腫瘍が増殖する。
・血糖値が高くなる。
といったことが起こりやすくなり、糖尿病、脳出血、脳梗塞や心筋梗塞、がんなどの病気を発症するリスクが高くなるのです。
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